Vineの6秒ビデオを集めてミュージックビデオを生み出すVineTune。Vineの適用可能性はますます拡大?!

Twitterの肝いりでスタートしたVineだが、当初よりマーケッターやメディアから「広告のフロンティア」として注目されている。マーケティングの世界ではUGC(User Generated Content)はいろいろと注目を集めてきたし、ソーシャルメディアも既に保守的な広告エージェンシーにも活用されるようになっている。そしてVineが動画という、広告に馴染むスタイルのもとに一切を統合したと考えることができるのだ。

ただ、登場から3ヵ月が過ぎて、まだVineを活用した革新的な広告プラットフォームというのが登場してきていない。ようやくその萌芽が見えるかどうかといった段階だ。そんな中で、新たな可能性を探っているもののひとつがVineTuneだ(職場での閲覧には適さないかもしれない)(訳注:仕組みから当然かもしれませんが、読み込みには少々時間がかかります)。ロンドンの広告エージェンシーであるBeattie McGuinness Bungayが提案するサービスだ。Twitterを検索して収集したVineビデオを利用して、歌詞とビデオを結びつけたコラージュ風の音楽ビデオを作成するというものだ。

製作過程は次のような感じだ。

まず、VineTuneチームが月初めに、あまり有名でないアーティストをひと組セレクトする。そしてVineTuneシステムを使って音楽ビデオを作成するのだ。最初の作品で使われている曲はFlexinというもので、Masters Of Franceによるものだ。楽曲のセレクションが済めば、あとはわかりやすい作業を進めていくことになる。各センテンスから特定の単語を選択して、その単語をハッシュタグとして使っているVineビデオをTwitterで検索するのだ。そして見つかったビデオを音楽クリップ上で流すようにする。

流されるミュージックビデオは、見る度に異なったものとなることが予想される。指定したキーワードをハッシュタグとして使うビデオを、別のものと切り替えて表示するようになっているからだ。

自分でもミュージックビデオに参加してみたいという人も多いことだろう。もちろんそれも可能だ。

参加するにはVineTuneページの下にある「add a vine」ボタンをクリックする。すると作成するビデオで採用すべきハッシュタグが指定される(そのハッシュタグに関連するビデオを作ることになる)。たとえばこちらで試したときは「#sheというハッシュタグが指定された)。指定されたそのタグと、#Vinetuneというハッシュタグを加えて投稿すれば登録作業は完了だ。

登録を行えば、投稿したVineビデオがミュージックビデオの一部に採用されるという仕組みになっている。

VineTune、さまざまなジャンルで面白いコンテンツを生み出すのに利用できそうだ。斬新な音楽ビデオを格安に作るのにも利用できそうだし、ミュージシャンたちのプロモーションツールとしても活用できそうに思う。

但しVineTuneは、広告の世界も主な活躍の場所として考えているようだ。

「新しいツールの使い道というのには誰もが興味を持っているものです」と、VineTuneのファウンダーは述べる。「多くの人がVineを使った広告の方向性を模索しています。非営利組織からもいろいろな動きが出てくるとおもいます」。

広告費などがあまり出せない非営利組織でも、Vineを使った実験的な広告手法が模索されることとなる。そしてそのような成果を見据えつつ、より大きなブランドにもVine活用の動きが広がっていくわけだ。

VineTuneチームはもちろんウルヴァリンを意識している。Vineを使ったトゥイーザー広告を展開しているからだ。「Vineを活用して、従来の広告手法に全く新しい展開が生まれるということもあり得ます」とのこと。

単純にかんがえても、たとえばVineなどの短いコンテンツをVineTuneなどのように長尺化するものもあるだろうし、また従来型の予告編のような長いコンテンツを6秒に縮めるという方向性がある。さまざまなサービスやブランドが頭をひねっているところなのだろう。

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(翻訳:Maeda, H)