Virgin GalacticがSpaceport Americaからの初の宇宙飛行を今秋後半に向けて準備中

Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は、米国ニューメキシコ州にあるSpaceport America(スペースポート・アメリカ)の施設から宇宙へ飛ばす最初のミッションを準備をしている。この施設は、同社がすべての商業便を提供するために使用する場所であり、ここから宇宙に到達することは非常に重要なミッションになる。

今年の初めに、同社はニューメキシコからのSpaceShipTwoロケットの試験飛行に成功したが、宇宙への旅は含まれていなかった。今回の打ち上げは、同社のテストパイロット2人によって、乗客用ハッチのためのいくつかの実験とともに年が明ける前に実施される予定だ。これがうまくいけば、同社は来年には有料乗客への商業サービスの提供を開始するための軌道に乗せられるだろう。

乗船する民間宇宙飛行士には、新たに発表された個人が含まれる。Alan Stern(アラン・スターン)博士は、数々の役職を歴任し、最近ではサウスウエスト研究所の宇宙科学工学部門の副社長を務めている、著名な惑星科学者だ。同博士は、NASAが資金を提供している科学ミッションでVirgin Galacticの民間宇宙船に搭乗する最初の研究者として指名された。

なお今回の打ち上げは、SpaceShipTwoの商業飛行の最初とはならないようだ。スターン博士の旅は、将来的にはSpaceport Americaからの「まだ予定されていない」サブオービタル飛行(弾道軌道を描いて高度100km付近の飛行)で実現することになるだろう。その旅では、同博士がバイタルサインを常時監視する計器を身に着け、低照度カメラを使用してSpaceShipTwoのキャビン内の見晴らしのいい場所から宇宙を観察することがうまくいくか、という2つの需要なミッションが含まれている。

カテゴリー:宇宙
タグ:Virgin Galactic

画像クレジット:Mark Greenberg/Virgin Galactic / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

求人広告でSpaceXのテキサス宇宙港の構想が判明

SpaceX(スペースX)は、人や物を輸送できる次世代宇宙船Starship(スターシップ)の建造と試験を現在行っているテキサス州ボカチカで、大きな計画を立てている。CNBCの宇宙担当記者Micheal Sheetz(マイケル・シーツ)氏が発見(Twitter投稿)した新しい求人広告(SpaceXウェブサイト)では、SpaceXの宇宙船建造と打ち上げ試験の場となっている小さなボカチカ地区にもっとも近い隣町ブラウンズビルでの「拠点開発責任者」を募集している。

この求人広告では、「SpaceX初の拠点開発を、チームの組織作りから完了まで監督する」マネージャーを求めている。ゆくゆくはボカチカを「21世紀の宇宙港」にする構想だ。この仕事には、設計から建設に至る全行程を監督することと、さらに必要なあらゆる作業許可と規制当局の認可を取得し、最終的に施設の建物を完成させる責任を負う。

SpaceXは、理想的な宇宙港がどのような姿になるかを表したコンセプトデザインを提示している。またCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、6月に、惑星間飛行と、地球上の2地点間飛行のための浮遊港にしたいという意図を示していた。それが発表された当時は、海上作業エンジニアを募集していた。それも場所はブラウンズビルだ。

この新しい求人広告からは、SpaceXが宇宙飛行体験の最初から最後までを自分たちで作り上げたいとの意欲が伺い知れる。ここは、Virgin Galactic(バージン・ギャラクティック)がニューメキシコ州に建設中のSpaceport America(スペースポート・アメリカ)とよく似ている。Virginは、民間宇宙観光旅行で提供する、宇宙船の客室空間と、打ち上げ場の地上設備の両面で、顧客エクスペリエンスに大きな重点を置いている。

SpaceXは、Crew Dragon(クルー・ドラゴン)を使用した有料の民間軌道飛行の計画も発表し、民間宇宙飛行士を打ち上げるための独自の宇宙船の準備を進めているが、NASAの宇宙飛行士、Bob Behnken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurley(ダグ・ハーリー)氏を乗せた有人ミッションを無事成功させたことで、有人宇宙飛行の認可が以前よりもぐっと近づいた。あのデモミッションは、その認可プロセスの最終段階だった。現在SpaceXは、早くも来年の打ち上げウィンドウを目指した、民間宇宙飛行士の飛行計画を軌道に載せたところだ。

画像クレジット:SpaceX

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(翻訳:金井哲夫)

コンコルド超えマッハ3超音速旅客機の設計をVirgin Galacticが発表、ロールス・ロイスがエンジン担当

Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は、既存の民間宇宙船よりも少し地球に近い場所で飛行する、高速の民間航空機の開発という目標に向かって前進している(Virgin Galactic特設サイト)。初代コンコルドが達成したマッハ2(時速約2470km)前後の平均巡航速度よりも速い、マッハ3(時速約3700km)を超える速度での飛行を計画している。

この音速旅客機のコンセプトデザインは、同社が世界有数の航空機エンジンメーカーであるRolls-Royce(ロールス・ロイス)との間で締結した覚書に基づくもので、両社の新たなパートナーシップによって実現した。ちなみにロールスロイスは、唯一の超音速民間航空機であるコンコルドのエンジン製造メーカーだ。

なお、Virgin Galacticは5月にNASAと提携し、民間航空会社の乗客のための高速・高高度のポイント・ツー・ポイント旅行に向けて取り組むことを発表済みだ。この計画では、最終的にはコンコルドの巡航高度である6万フィート(約18km)以上を飛行し、1回のフライトで9人から19人を乗せることができる。キャビンは基本的にビジネスクラスまたはファーストクラススタイルの座席とサービスを各乗客に提供するようになる。デザイン上のもう1つの重要な要素としては、持続可能な次世代の燃料を使用し、より環境にやさしい運航を実現する点だ。

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いくつかの点でこの音速旅客機は、NASAの超音速研究機であるX-59 Quietと同じ目標を持っている。まず、どちらも高マッハのポイント・ツー・ポイント旅行の開発を追求することで、業界全体を盛り上げることを目的としている。Virgin Galacticはその目的の1つとして「ベースラインとなる『持続可能な技術と技術』を提案することで『他の航空業界での採用を促進する』役割を果たす」と説明している。

同社の製造子会社であるSpaceship Company(スペースシップ・カンパニー)は、スタートアップ企業であるBoom Supersonic(ブーム・スーパーソニック)とパートナーシップを結び、この超音速民間旅客機の開発で協力体制を敷く。なおBoom Supersonicは、10月の自社イベントで超音速旅客機「XB-1」のプロトタイプを発表し、テストを開始する予定だ。最近ではロールス・ロイスとの新たなパートナーシップも発表され、Boom Supersonicが製造予定の55人乗り民間旅客機「Overture」のエンジンの設計と製造をロールス・ロイスが担当する。

画像クレジット:Virgin Galactic
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(翻訳:TechCrunch Japan)

Virgin Galacticの眺めを重視した観光宇宙船の内装が初公開

有人宇宙飛行の商用サービス開始に向けた準備が進む中、Virgin Galactic(バージン・ギャラクティック)はVSS Unity(ユニティー)宇宙船の客室の最終デザインを初めて公開した。同社は、本日開かれたバーチャルイベントでその内部を披露し、VRを使って私も含む報道関係者を特別に案内してくれた。客室は、1回数万ドル(数百万円)という料金に見合う乗客のエクスペリエンスを第一に考えて作られている。

Virgin GalacticのVSS Unityは、最大6人の乗客で宇宙の準軌道を飛行するという、前代未聞の旅を提供する。そこでは無重力を体験でき、地球の丸さや大気圏外の宇宙の暗さを観察できる。客室は、料金を支払って搭乗した民間宇宙飛行士たちの飛行中の安全性、居住性、自由が最大限に確保できるよう設計されている。Unityは母機で上空に運ばれ、切り離された後にロケット噴射によって急加速される。宇宙空間では自由浮遊飛行となり、最後に大気圏を脱出したときとは反対の方向に高い加速度がかかる形で地上に帰還する。

快適な飛行を可能にするために、Virgin GalacticはUNDER ARMOUR(アンダー・アーマー)と共同で、カーボンファイバーとアルミにメタリックなローズゴールドのアクセントを織り込んだ三次元の柔らかい素材とファブリックを組み合わせるシートを開発した(UNDER ARMOURは乗客が着る専用宇宙服も作っている)。飛行の途中で乗客は地上の3倍の重力を体験することになるため、できる限り安全に快適に過ごせるように考えられている。このシートは、それぞれの乗客の体型に合わせて個別に製作される。その際、例えばポニーテールにしている人ために頭がフィットするようにヘッドレストの中央に穴を設けるなど、大変に細かい部分まで配慮される。

シートに組み込まれた5点式シートベルトは、1つのボタンを押すだけで簡単に外すことができ、無重力状態になる自由浮遊飛行の際に危険にならないよう、ベルトはシートに内蔵された固定具の中に自動的に引き込まれる。地球に帰還するときには再びベルトを装着するが、そのときは簡単に場所がわかるようになっている。

すべてのシートは、無重力状態の間は手で掴まって体を支えるハンドグリップとしても活躍する。もっとも、客室内のあらゆるものがハンドグリップの役割を果たしている。どのシートも壁から突き出た取り付け具で固定され、下に空間が作られているのもそのためだ。これによりUnityが地球の大気圏を抜け、上下という概念がなくなったときに探索の幅が広がるわけだ。

同じ理由で、客室全体が柔らかい素材で作られている。また窓は2名の乗員用の3つを含めて全部で17箇所あり、乗客用の窓のそれぞれに柔らかい素材で作られたリング状の「ヘイロー」照明とハンドグリップそしてカメラが内蔵されている。この他にもVirginは、客室のいたるところにカメラを設置した。これには飛行中に条件が変化しても高画質の写真撮影ができるよう、映像の専門家が調整を施す。乗客が自分で撮影する手間を省き、それぞれの体験を最良の形で確実に記録することが狙いだ。Virginによれば、画像は着陸とほぼ同時に乗客に送られるため、宇宙旅行者たちは即座にSNSで写真をシェアできるという。

すべての座席が窓際席で、横と上に2つずつ窓が配置されていて、息を呑むような眺めが楽しめる。また、客室とロケットエンジンとを仕切る後方の遮蔽壁全体を大きな鏡が覆っている。これは、乗客が無重力での自分のおかしな姿を見て楽しむためのものだ。

シートは、飛行中の段階に応じて方向や角度が変わる。ロケットを噴射して3.5Gで加速中は背もたれが起きる。大気圏の縁をかすめて再突入のために3Gで減速するときは、背もたれが倒れる。各シートには情報ディスプレイがあり飛行中の状況を確認できるようになっているが、操縦士と副操縦士は完全に乗客と遮断されているわけではないため、理論的にはその場で乗客が質問することも可能だ。

Virgin Galacticでは、定期航空便が先駆者となって採り入れた飛行中の雰囲気を演出する照明方法を、宇宙用に作り直して採用している。客室のよく考えられた位置に巧妙に隠された照明器具から発せられる光が、飛行の各段階に応じて動的に変化する。客室の内装の詳細を表した下の写真を見て欲しい。3名搭乗の場合の座席の配置を示した写真では、片側に実験器具が並べられている(実験器具の搭載は、Virgin Galacticがもう1つの収益源として考えているものだ)。

  1. Virgin Galactic宇宙船客室のペイロード配置

    Virgin Galactic宇宙船客室のペイロード配置。
  2. Virgin Galactic宇宙船の宇宙でのシートの状態

    Virgin Galactic宇宙船の宇宙でのシートの状態。
  3. Virgin Galactic宇宙船シートの細部

    Virgin Galactic宇宙船シートの細部。
  4. Virgin Galactic宇宙船の宇宙での客室内部

    Virgin Galactic宇宙船の宇宙での客室内部。
  5. Virgin Galactic宇宙船客室の内装

    Virgin Galactic宇宙船客室の内装。

実際に料金を取って乗客を飛行させるまでには、まだ最後の準備が残されてはいるが、VSS Unityの内装が決定したことでゴールにぐっと近づいた。これはまったくユニークな提案であるため、実際に乗って確かめた人の意見なしに評価は下せない。しかし明らかにいえるのは、Virgin Galacticはこの宇宙旅行の料金が支払えるすべての人を満足させるために数多くの見解、考察、専門知識をこの宇宙船の内装デザインに注ぎ込んでいるということだ。

画像クレジット:Virgin Galactic

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(翻訳:金井哲夫)

Virgin GalacticとNASAが共同で2点間移動用の超音速機を開発へ

Virgin Galactic(バージン・ギャラクティック)は、米国時間5月5日にNASAとの新しい提携契約を公表した。地球上の2点間移動のための高速航空機の開発が目的だ。NASAはこれまでも、超音速航空機の開発を独自に行ってきた。Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)が製造した低衝撃波の超音速試験機X-59はその1つだが、今回のVirgin Galacticとその子会社The Spaceship Company(ザ・スペースシップ・カンパニー)との新たな提携契約では、特に持続可能な高速移動技術を民間および商用航空に適用する道を探る。

Virgin Galacticは、このプロジェクトで幸先のいいスタートが切れると確信している。その理由の筆頭に挙げられるのが、現在が保有している航空機の開発、エンジニアリング、試験飛行を行ってきた実績だ。同社にはWhiteKnightTwo(ホワイトナイトトゥー)母機や、その母機から発射されて大気圏と宇宙の境目まで到達できる有翼宇宙船SpaceShipTwo(スペースシップトゥー)がある。Virgin Galacticのシステムは、通常の滑走路から離陸しまたそこへ着陸できるように構成されている。ロケット推進式のSpaceShipTwoは、地球の大気圏と宇宙との境目をかすめて飛行でき、商用宇宙観光として客を乗せ、感動的な眺めや短時間の無重力体験を提供することになっている。

実際、Virgin Galacticの技術は2点間高速移動に最適なように思える。おそらくSpaceX(スペースエックス)とその建造中のStarship(スターシップ)を使った野心的な計画の数々によって一般に認知されるようになった2点間移動は、超高速で地球上の2点をつなぐという考え方だが、大気圏の非常に高い(現在の民間航空路線の高度よりもずっと高い)ところか、もしかしたら宇宙空間を通ることになる。高高度を飛行するのは、空気が薄く空気抵抗も低いために超高速で飛行できるからだ。例えば国際宇宙ステーションは、地球の周回軌道を90分で1周している。

SpaceXによると、Starshipならニューヨークから上海までの移動はわずか40分だという。今の飛行機なら16時間かかる。Virgin GalacticもNASAも、まだまだ所要時間を語れるような段階には至っていないが、単純に比較するならばSpaceShipTwoの最高速度はおよそ時速4000kmなのに対して、ボーイング747はおよそ988kmだ。

Virgin GalacticとNASAのこの新しい提携は、米国Space Act Agreement(宇宙法協定)に基づくものだ。これはそのさまざまな目標、ミッション、計画指令の達成に役立つとNASAが判断した団体の協力を得るためにNASAが利用するという形の協定だ。具体的にどんなものになるかを想像するのは時期尚早だが、Virgin Galacticはその広報資料の中で「乗客の満足度と環境への責任にを重視した、次世代の安全で効率的な高速航空移動のための航空機の開発を目指す」と述べている。そしてそれは「業界のパートナーたち」との共同で行われるとのことだ。

画像クレジット:Mark Greenberg / Virgin Galactic / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

ヴァージン・ギャラクティックの商業旅行用宇宙船、2号機の建造進む

Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)の宇宙船は規模を拡大しており、同社の2番目の商用宇宙船は、初号機のSpaceShipTwoよりもはるかに早く、建造プロセスにおける重要なマイルストーンを達成した。2号機となるSpaceShipTwoは初号機の「VSS Unity」に加わり、商業宇宙旅行を提供する予定だが、現在は機体が自立することで組み立てにおける重要な成果に到達している。

この新型のSpaceShipTwoの名前はまだ公表されていないが、現段階では機体の約80%が完成しているという。一方、ヴァージン・ギャラクティックはVSS Unityの飛行テストも実施しており、さらに3号機の建造も開始している。その完成度は約50%に到達しており、作業はカリフォルニア州モハベにある本社で、2号機とともに進められている。

この2号機の次の目標は、飛行制御、出力、高度調整などを提供する、すべての統合システムを接続することだ。組み立ては多くのモジュラーコンポーネントを使用するなど、建造プロセスの効率が大幅に向上したため、初号機よりもはるかに高速化された。同社は2021年の収益化を目指しており、最終的には宇宙旅行のチケットの価格を下げたいと考えているため、複数の宇宙船の建造はそれに貢献することになる。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

ヴァージン・ギャラクティックが10月28日に初の宇宙旅行関連上場企業に

Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏が率いるVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は10月28日に、商用宇宙旅行を実現するという野心的な計画について、市場がどう判断するかを知ることになる。同社の株主は今年発表された、米国時間10月25日の金曜日にスタートするChamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏のSocial Capital Hedosophi(ソーシャル・キャピタル・ヘドソフィ)との合併と10月28日のニューヨーク証券取引所への上場を認めた。

Virgin GalacticとPalihapitiyaは今年7月に、Virgin Galacticへの8億ドル(約870億円)の投資を含む契約を発表した。Branson氏のVirgin Galacticは、Virginブランドの2社の宇宙企業(もう1社はVirgin Orbit、ヴァージン・オービットで、商業的な小型衛星の打ち上げを目的としている)のうちの1社で、宇宙船のSpaceShipTwoと改造飛行機による発射プラットフォームを使って、観光客をサブオービタルの宇宙空間に連れていくことを目指している。

Virgin Galacticは最近、最新スケジュールによれば来年前半に始まる25万ドル(約2700万円)の宇宙旅行で、乗客が着用する宇宙服を発表した。同社の宇宙船は最大で6人の乗客を乗せるられるため、各フライトで最大150万ドル(約1億6000万円)の収入を得られる。Virgin Galacticによると、すでに600人以上がこの旅に参加するために予約を済ませている。

10月28日の取引開始日には、市場の投資家がそのビジネス計画の価値に信頼を置くかが明らかになるはずだ。一方、Virgin Galacticは研究ミッションを望む顧客と契約しており、収益源として有望である以上の将来性を示している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ボーイングがヴァージン・ギャラクティックに約21億円を戦略的投資

宇宙旅行の実現を追求しているVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)にBoeing(ボーイング)が2000万ドル(約21億円)を出資する。10月7日にVirgin Galacticが発表した。両社はいずれも人間の宇宙飛行に深く携わっているが、そのアプローチは異なる。そして、Boeingはこの特殊なゲームで競合するよりもVirgin Galacticのサイドに加わる方がいいと考えたようだ。

Virgin Galacticは定期的、かつ信頼ができ、リーズナブルな宇宙旅行を提供する最初の企業になるという目標に向かって突き進んでいる。もちろん、リーズナブルというのは明らかに相対的に。同社の宇宙船はすでに人を乗せて宇宙に行っている。これは、料金を払って旅行する人のために計画されているのと同じコースだ。旅行客は、最近公開されたばかりのニューメキシコにあるSpaceport Americaから乗り込むことになる。

資金はBoeingのHorizonX Venturesを通じて拠出される。HorizonX Venturesは以前、Accion SystemsMatternetのような小規模の航空宇宙スタートアップに投資していた。Venturesのチームはそれなりの規模のラウンドで大手に投資するよりも、あちこちに少額の資金を注入するのを好んでいるようだ。

今回の投資についてはほとんど情報がない。プレスリリースにある文言は普段より中身がなく、輝かしくも曖昧な宇宙旅行の将来について語られているだけだ。なぜ2000万ドルなのか。そして、なぜ今なのか。

出資は、最近発表されたChamath PalihapitiyaSocial Capital Hedosophiaとの合併で新しく設立された会社が発行する新株の取得によって行われる。これは今年第4四半期に実施される見込みだ。

この資金調達に先立ち、Virgin創業者のRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏はおそらくサウジアラビア提供の10億ドルを却下していて(カショギ氏殺害事件への対応として)、Virginは比較的組織が絡んでいない現金を使うことを決めた。

プレスリリースでは特段、提携や技術について言及されておらず、ブランソン氏の言葉には単に「重要なコラボレーション」とだけある。CEOのGeorge Whitesides(ジョージ・ホワイトサイド)氏は「地球周辺で人々をいかに移動させるかを真に変える何かをつくるためにBoeingと提携することに興奮している」と語った。地球周辺で人々を移動させる何か?何をつくろうとしているのか?

おそらくBoeingはしばらくの間Virginに打診していて、合併を前に出資を固める必要があったのだろう。コラボやプロジェクトはまだ計画段階にあり、それゆえに投資額はおおまかになっている。「2000万ドルで多分大丈夫だろう」。誰かが役員会か何かで言った様子が想像できる。

Virgin Galacticの初の商業フライトのタイムラインはないが、今年末までに行われるのはありえることだ。2019年の打ち上げは注目を集めるものになるだろう。いずれにせよ、顧客には事欠かない。伝えられているところによると、すでに8000万ドル(約86億円)分の宇宙旅行予約が入っているとのことだ。

画像クレジット:Virgin Galactic

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(翻訳:Mizoguchi)

Virgin Galacticがニューメキシコ州の「宇宙港アメリカ」にやって来た

野心的な宇宙観光旅行会社Virgin Galacticは、その事業を米国ニューメキシコ州のSpaceport America(宇宙港アメリカ)に移す準備ができたことを発表した。そこから同社の最初の商用フライトが離陸する予定だ。「ついにVirgin Galacticがニューメキシコ州にやってきました。世界を良いものにしていくために、共にここから宇宙へ飛び立ちましょう」とVirginの創業者リチャード・ブランソン氏は記者会見で語った。

Virgin Galacticとニューメキシコ州は、現時点では世界唯一の宇宙港の創設に協力していたので、この計画自体は唐突な話ではない。しかし、テストと研究開発用の格納庫から、実際の顧客が宇宙船に乗る場所への移動は、大きな節目となる。

私はVirgin Galactic(VG)のCEOであるジョージ・ホワイトサイド(George Whitesides)氏に、動きが実際のところ何を意味するのか、そしてもちろんそれが本当はいつ行われるのかについて話を聞いた。

「私たちは、何年も前に行なった、世界初の専用宇宙港に商用の宇宙路線(Spaceline)を就航させるという約束を、果たしつあるところです」と彼は私に語った。「それは結局何を意味するのでしょう?まずは、宇宙飛行機(ホワイトナイトツーなどの発射用飛行機)が移動するということです。そしてそれらの宇宙飛行機を運用するために必要な様々な品々が集まってきます。そして、宇宙飛行機を運用するすべての人々、そしていわゆる顧客対応スタッフがいます。さらに、宇宙路線の運営に関連するサプライチェーン関係者と、核となるインフラストラクチャ関係者をすべて揃えることになります」。

現時点では、このかなり複雑なリストは実際には最大約100人程度になるだけだ。残りの従業員たちの大部分は、R&Dと新しい宇宙飛行機のエンジニアリングがThe Spaceship Companyとして継続される、カリフォルニア州モハーベに残ることになる。

「商用サービスに移行していく過程で、私たちは次に来ることについてより考えるようになっています。たとえば極超音速や、ポイントツーポイントの宇宙飛行などです」とホワイトサイド氏は語った。

とはいえ、VGは現在の宇宙船をまだ完成させていない。エンジニアが必要だと思うものに応じて、あと少々手を入れるところがあるだろう。しかしそれは「膨大な数」ではない。

ホワイトサイド氏によれば、現在のモハーベの施設からSpaceport Americaへの移動は、いくつかの理由から行われているのだという。まず第一に宇宙船はほぼ完成している。

「最後に行ったフライトで、私たちは基本的に、宇宙船機体の内装を含む完全な商業的なプロフィールをお見せしました」と彼は語る。「私たちは単に、宇宙に上がって降りてきたというだけではありません。ベス(フライトインストラクターのBeth Moses)が客席に搭乗していたので、彼女が乗客の役割を果たしてくれました。彼女は何度も起き上がって、歩き回ったので、私たちの客室の状態をチェックすることができたのです。こうしたことから、おそらく私たちは引っ越しを始めることができる段階に来たのだろうと考え始めたのです」。

FAAやその他の当局から課せられた事務手続きは順調に進んでいる。宇宙港に関しても、少なくとも滑走路、燃料インフラ、通信機器などのような大変な部分の準備は整っている。現在は、内装のために、カーペットの色を選び、壁掛けディスプレイや冷蔵庫を買う必要に迫られているようだ。

「しかし、関わるひとたちの視点がこのためには大切です」とホワイトサイド氏は続けた。「だれもが家族をもち、子どもがいます。私たちが考えていたのは、夏の間に引っ越すのが良いのではないかということでした。そうすれば学年の途中で学校を変わる必要がありませんからね(米国は9月から新学年に切り替わる)。いまから移動を開始すれば、従業員たちはニューメキシコ州のコミュニティに、より簡単に溶け込むことができるでしょう。そこで私たちは『よし今やろう』と決めたのです。それは大胆な選択であり、大きなことではありますが、正しいことなのです」。

そして、VMS EveとVSS Unityといった宇宙飛行機(弾道宇宙船を上空へ運ぶ役割を果たす)の方はどうだろう?どのように現地にやってくるのだろうか?

「それが空中発射システムの優れた点です」とホワイトサイド氏は言う。「ある意味で最も簡単な部分なのです。他のものがすべて落ち着いたら、お互いの目を深く覗き込んで『準備はできたか?』と言うことでしょう。そうしたら宇宙船を搭載して出発するだけです。それは宇宙船そのものよりも長い距離を飛行するように作られています。ですからその日の運行はモハーベで始まり、ニューメキシコで終わることになるでしょう」。

そこは素敵な拠点になるだろう。イギリスのFoster&Partnersによって設計された宇宙港は、砂漠から立ち上がる極めて目立つ形状をしていて、商業宇宙路線を運営するのに必要な、すべての設備を備えているに違いない。おそらくその目的に使われる世界で唯一の場所だ。その目的として使われてこそ意味がある。

「私達は水平に離着陸を行うので、地上から見ると、運用上は基本的に空港のように見えます。これまでで、もっともクールな空港ですが、空港であることは間違いありません」とホワイトサイド氏は語る。「大きくて美しい滑走路があります。しかし同時に地球から宇宙への通信リンクである特別なアンテナにも気が付かれるでしょう。管制塔の代わりに司令室がありますし、もちろん酸化剤のタンクやロケット推進に関わるインフラなどの、特別な地上タンク設備もあります」。

宇宙港を取り囲む空域もまた、地表から無限の高さまでずっと制限されている。これは、フライトが複数の飛行レベルにまたがる場合に役立つ。「そして、この場所はすでに標高1マイル(約1600メートル)なのですが、それは資産ということです」とホワイトサイド氏は述べた。宇宙に1マイル近い…まあ少しは便利だろう。だが悪い話ではない。

実際の移動作業は夏の間に行われるだろう。残りのテストフライトはまだ予定されていないが、すぐに動きはあるだろう。そしてそして初の商用フライトが決まったとき、間違いなくそのことを耳にすることになるだろう。

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(翻訳:sako)

宇宙旅行が日常となる未来へ、Virgin Galacticの挑戦とは

Virgin Galacticは、民間企業による宇宙旅行事業の実現に最も近い位置にある。すでに同社はテスト機による宇宙飛行にも成功しているが、その道のりは平易なものではなかった。Virgin Galacticによる宇宙旅行計画は、どこまで現実に近づいているのだろうか。

賞金獲得した宇宙船

Virgin Galacticの宇宙船のルーツは、10年以上前に遡る。まず、米Scaled Compositesは民間による有人弾道飛行を競う「Ansari X Prize」に参加するために、宇宙船「SpaceShipOne」を開発した。

SpaceShipOneは途中まで飛行機に係留して運ばれ、その後にロケットエンジンを利用し上昇。目標高度に到達した後は、グライダー飛行で地上へと降下する。このシステムは、後のVirgin Galacticの宇宙船にも取り入れられている。

20046月、SpaceShipOneはカリフォルニア州のモハーヴェ空港から離陸し、宇宙空間として定義される高度100kmに到達。また同年の9月と10月にも宇宙飛行に成功し、無事賞金を獲得した。

母艦から飛び立つ宇宙船

そして、Scaled Compositesから技術を受け継いだのが、英Virginグループに属するVirgin Galacticだ。

Virgin Galacticの宇宙飛行には、宇宙船「SpaceShipTwo」と母艦「WhiteNightsTwo」が利用される。WhiteKnightTwoSpaceShipTwoを高度14kmまで運び、その後高度100kmを目指す仕組みは、SpaceShipOneと同じだ。

SpaceShipTwoはパイロット2人、乗員6人が搭乗する宇宙船。高度100kmの宇宙空間では、乗員は数分間の無重力(微重力)状態が体験でき、また丸い地球の水平線や漆黒の宇宙が眺められる。

悲劇の事故を乗り越えて

Virgin Galacticは、SpaceShipTwoの初号機となる「VSS Enterprise」を製造し、20134月から飛行試験を開始。同年には宇宙飛行を実現させるはずだった。

しかし201410月の飛行試験の際、VSS Enterpriseは突如爆発し墜落。副操縦士が亡くなるという、最悪の事故が発生した。後の調査により、この事故は副操縦士の操縦ミスが原因だったと判明している。

この事故により、Virgin Galacticによるテスト飛行は2年以上中断されることになる。しかし同社は宇宙旅行を諦めることなく、後継機種の開発に取り組んだ。

再び空を目指す宇宙船

初号機の悲劇を乗り越えて製作されたのが、2号機となる「USS Unity」だ。USS Unity201612月に飛行試験を開始し、20184月にはエンジン飛行を実施。また降下の際のグライダー飛行についても、テストが繰り返された。

そして201812月には、とうとう高度約80kmの「宇宙空間」に到達した。なお一般的には100kmから上が宇宙だとされているが、アメリカ空軍は高度80km以上を宇宙空間だと定義してる。どちらも間違いということはない。

さらに、20192月にはUSS Unityは乗客を乗せた状態で、宇宙空間への到達に成功。乗り込んだのはVirgin Galacticでトレーナーを務める人物だが、商業飛行の開始が近づいているのは間違いない。

すでに販売済みのチケット

なお、Virgin Galacticはすでに宇宙旅行のチケットを25万ドル(約2800万円)にて販売している。日本でもクラブツーリズムが代理店としてチケットを販売しており、日本人の購入者も存在している。

現時点では、初の商業フライトの正確な日程は決定されていない。ただし、Virgin Galacticの創業者のリチャード・ブランソン氏は716日に自らが搭乗してのフライトをにおこない、年内にも商業運行を開始したいと表明している。

加熱する宇宙旅行ビジネス

また、宇宙旅行ビジネスを計画しているのはVirgin Galacticだけではない。たとえばAmazon創業者のジェフ・ベゾス氏が立ち上げた米Blue Originは、高度100kmに到達するロケット「New Shepard」を開発している。

New Shepardは垂直に打ち上げるロケットで、先端のカプセル部分に乗客が登場する。そして数分間の無重力体験や、宇宙からの眺めが楽しめる点は、Virgin Galacticの宇宙船と一緒だ。なお、Blue Originは年内に宇宙旅行のチケットを販売し、年末までに有人でのロケット打ち上げを実現したいとしている。

さらに、イーロン・マスク氏が立ち上げた米SpaceXは、宇宙船で月の裏側を周回し地球に帰還する旅行を2023年にも実施する。この宇宙旅行に参加するのは、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」率いる前澤友作社長だ。前澤氏は、自身だけでなく複数人のアーティストも宇宙旅行に参加してもらい、作品作りに活かして欲しいと表明している。

一昔前までは小説や映画の中の話でしかなかった、民間会社による宇宙旅行。それが実現する日は、そう遠くなさそうだ。

(文/塚本直樹 Twitter

Virgin Galacticの初の宇宙旅行フライト、イタリアからの打ち上げに?

米国の宇宙開発ベンチャーVirgin Galacticは、イタリアから宇宙への商業打ち上げを実現するために現地の宇宙航空企業2社と提携したと発表した。

イタリア最大の民間宇宙航空企業SITAEL、そしてイタリア宇宙機関とThales Alenia Spaceが出資する半官半民企業ALTECだ。この提携に至るまでに2年の歳月を要した。

この提携は、Virgin Galactic社の宇宙輸送システムを、今後イタリアに建設される宇宙船基地Grottaglieに導入することが目的だ。Grottaglieは宇宙旅行をしたい個人、また研究を行いたいイタリア宇宙機関のような顧客のために使用されることになる。

今年初め、イタリア航空機関ENACは、将来的に水平姿勢のまま打ち上げる宇宙飛行の拠点となるTaranto-Grottaglie空港を設計した。

この宇宙空港は今後、Virgin Galactic社が将来展開する準軌道フライトのためのインフラを徐々に整備していくが、 Virgin Galacticの運用本部はニューメキシコのSpaceport Americaに引き続き置く。

「この提携により、もしかするとVirgin Galactic社による史上初の宇宙旅行がイタリアから打ち上げられることになるかもしれない」とVirgin Group創業者のRichard Bransonは発表文で述べている。

Virgin GalacticにはVirgin GroupとAabar Investments PJSが出資していて、2つの姉妹企業を持つ。1つは、LauncherOne軌道打ち上げを使った小型衛星の打ち上げを行うVirgin Orbit、もう1つはアーム製造を行うSpaceship Companyだ。

Virgin Galacticは現在、水平な姿勢を保ったまま打ち上げでき、かつ再利用可能なSpaceShipTwo VSS Unityのテスト中だ。SpaceShipTwoと、輸送機WhiteKnightTwoは、Spaceship Companyがカリフォルニアのモハーヴェで製造し、テストを行なっている。仕組みはこうだ。 WhiteKnightTwoがVSS Unityを高い高度まで持って行き、切り離す。その後VSS Unity はエンジンを発射し、宇宙と地球大気圏の境まで行く。そこで乗客は数分の無重力を体験し、再び地球大気圏に戻る。

過去数カ月、Virgin GalacticはSpaceShipTwoのテストフライトを2回行い、成功している。このSpaceShipTwoはロケットで飛ぶ旅客機で、いつの日か旅行者を宇宙の入り口まで連れて行ってくれるはずのものだ。2014年にSpaceShipTwo Enterpriseが重大な事故を起こして以来、Virgin Galacticは初めて今年4月にロケット機体のテストを実施した。

イメージクレジット: Virgin Galactic

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(翻訳:Mizoguchi)

Virgin GalacticのSpaceShipTwo、2度目の動力飛行でマッハ1.9――宇宙観光に一歩近づく

Virgin Galacticが開発している宇宙往還機、SpaceShipTwoは2度目の動力飛行に成功した。ロケットエンジンを装備したこの航空機は将来旅客を乗せて宇宙に飛び立つことを目標としている。今日(米国時間5/29)テスト飛行したVSS UnityはSpaceShip Twoの2号機で、 高度35キロ、マッハ1.9、時速2100キロに達した。

Unityの最初の動力飛行は約2ヶ月前だった。Virgin GalacticはSpaceShip Twoの1号機Enterpriseは 2014年、テスト飛行中に操縦ミスで空中分解し死亡事故を引き起こした。

これ以後、多くの改良が加えられたが、Virgin Galacticの宇宙飛行システムの基本は変わっていない。伝統的な設計の双胴ジェット母機、WhiteKnightTwo(今回の機体はVMS Eve)がSpaceShipTwo (Unity)を吊るして高度万7000メートルまで上昇し、そこでSpaceShip Twoを切り離す。SapceShip Twoはロケットに点火し、大気圏外に飛び出した後、滑空飛行で基地に戻り、通常の航空機とほぼ同様のスタイルで滑走路に着陸する。

今回も厳密にマニュアル通りのフライトを行ったが、4月のテストに比べると目標ははるかに高く設定されていた。ロケットは延べ31秒間噴射され、SpaceShip Two特有の尾翼を直角に折り畳むフェザリング・システムは順調に作動し、機体の速度を減少させた。

Unityは今日のテストの2倍の速度を出せるようデザインされている。もちろんハードルは無理なく徐々に上げていく必要がある。システムはまず余裕を持った状態でテストを繰り返し、さらに過酷な条件に備えることになる。

Virginグループのファウンダー、リチャード・ブランソンはプレスリリースで「Unityが上昇して超音速を達成したのはまったくすばらしい。われわれはゴールにまた一歩近づいた。チームにおめでとうを言いたい」と述べた。

私はVirgin Galacticにテスト飛行に関するいくつかの詳細と次の飛行計画について質問しておいた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Virgin Galactic、VSS Unityの動力飛行に成功――2014年の事故以来、最初の宇宙往還機飛行実験

今日(米国時間4/5)、Virgin Groupの宇宙企業、Virgin Galacticは3年にわたって開発してきたロケット宇宙往還機の初飛行テストを行い、無事成功させた。発射母機のSpaceShipTwoは往還機、VSS Unityを吊り下げて離陸した。所定の高度に達した後、往還機は母機から切り離され、ロケットを30秒にわたって作動させた。これによりUnityはマッハ1.6まで加速された。

Virgin Galacticにとって2014年にSpaceShipTwo Enterpriseが悲劇的な事故により破壊されて以来、初の動力飛行テストだった。

前回の事故以後、リチャード・ブランソンの宇宙計画は大幅な見直しを迫られ、多数のパーツが再設計された。最近、実験はスピードアップされ、Unityの滑空テストに成功していた。

今日のテストパイロット、Mark “Forger” StuckyとDave Mackayの2人が母機から切り離されたVSS Unityを操縦した。オリジナルのSpaceCraftTwoと異なり、今回のUnityはVirgin Groupの企業、The Spaceship Companyによって製造された。同社はさらに2機の同型機を製造している。

Virgin Galacticは今回のテストで目標としていた高度、速度をまだ発表していない。今回の飛行はVirgin Glacticにとってきわめて重要なテストだったが、同社はこれまでできる限りメディアへの露出を避けてきた。これはメディアに豊富な情報を提供するイーロン・マスクのSoaceXとは対照的な方針だ。

アップデート:リチャード・ブランソンは実験の成功後、簡単な内容のツイートをしている。

Virgin Glacticは活動を再開、動力飛行に成功した。マッハ1.6。飛行データを検討した後、次のフライトに進む。いまや宇宙は手の届くところに来た。 ――リチャード・ブランソン

Virgin Galacticは再利用可能な宇宙往還機を開発、運用することを目的とする企業で、これまで同社の往還機は最高高度110キロの弾道飛行に成功している。1人あたり25万ドルの料金で乗客に宇宙観光を提供するのが目的だ。今回のテスト成功で事業のフィージビリティーは大きくアップした。同社は前回の死亡事故から立ち直ったが、万一同様な事故が再発すれば会社にとって致命的となるだろう。

〔日本版〕Virgin Galacticがさきほど公開したビデオ映像。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Virgin Galactic、動力飛行テストを再開――2018年には商用宇宙旅行開始を目指す

Virgin Galacticが宇宙往還機の動力飛行のテストを再開する。2014年に副操縦士のMichael Alsburyが死亡した悲劇的事故以来SpaceShipTwoのの動力飛行は中断されていた。テストの再開はVirgin Galacticのファウンダー、リチャード・ブランソンがBloombergのインタビューの内容を共有したことで確認された。

現在実施中の滑空飛行の結果が集約された後は、3週間に1回のペースで動力飛行が行われる予定だ。テストは徐々に高度を上げ、今年11月か12月には宇宙との境界となる高度まで飛行するという。すべて順調に運べば、2018年半ばにブランソン自身が最初の乗客となって最初の宇宙飛行を行う。ブランソンは最終的にはこの機体で有料商用宇宙旅行を実現させようとしている。

2014年の事故以来、沈黙していたVirgin Galacticだが、今回初めて具体的な商用宇宙旅行計画が明らかにされた。ブランソンはBloombergに対し、計画の遅延とジェフ・ベゾスのBlue Originやイーロン・マスクのSpaceXなど民間宇宙企業の躍進にもかかわらず、「(ライバルがいくらあろうと)十分な数の宇宙旅行機を製作することはできない」と需要が旺盛であることを強調した。

Virgin Groupは現在Virgin Orbitとよばれる衛星打ち上げとロジスティクスを行う会社を所有している。同社は最近VSS Unityと呼ばれる機体の滑空実験を行い、成功させている。今後動力飛行の実験に移り、最終的にはこの機体から小型衛星の打ち上げを成功させたい考えた。

〔日本版〕Virgin Orbitの機体は専用のボーイング747、Gosmic Girlに背負われて成層圏に上がり、動力飛行して衛星を放出、軌道に乗せることが目的。SpaceShip IIは弾道軌道の有人商用宇宙飛行が目的で、双胴タイプのジェト機に吊り下げられ、上空で分離する。下は事故前にVirgin Galacticが公開したビデオ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+