なんと! バーチャルリアリティーが手で触れる―音波で触覚を刺激するシステム登場

奇妙に聞こえるかもしれないが、バーチャル・リアリティー内で触覚を実現するカギになるのは音波だという。イギリスのブリストル大学の研究者チームは超音波によって現実に存在しい対象を触覚させることができる新しいテクノロジー開発の開発に成功した( New Scientist)。

Ben Longが率いるチームは、スピーカーによって高い音圧を発生させ、皮膚を刺激して触覚をシミュレーションするシステムを作った。

VRと連動させるためにはLeap Motionのコントローラーが用いられている。このデバイスは2010年にクラウドファンディングで資金を集め、2013年から出荷されている。コントローラーがユーザーの手の位置を検出し、たとえばOculus Riftヘッドセットで描写される環境と連動させて、適切な音波刺激によって手があたかも現実の物体に触れているかのように感じさせる。

このシステムで触覚シミュレーションを行う場合、デジタル画像と同様、解像度の問題がある。現在のプロダクトでは対象はわずかに振動しながら空中に浮かんでいるように感じられる。また対象の形状を細部にわたって再現することはできない。チームは小型のスピーカーのアレイを利用することによって小さなオブジェクトや細かい形状の再現ができるようにするための研究を行っている。画像でいえば表示できるピクセルを増やそうとしているわけだ。

本当にリアルな没入的バーチャル・リアリティーを実現するためには、触覚は不可欠の要素だ。このテクノロジーは初めてその可能性を開いたものとして大いにエクサイティングだ。

ちなみにOculus VRは「現在のバーチャル・リアリティーで欠けている重要な要素はコントローラーだ」と述べ、新しい入力手法の開発を始めている。この新しいコントローラーが開発が成功すればいよいよ一般消費者向け販売が開始されるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


なぜ今バーチャル・リアリティーなのか?

Oculus RiftがKickstarterでブームを巻き起こすことに成功して以来、ずっとくすぶり続けている批判がある。それは「なぜバーチャル・リアリティーが今度はうまくいくと考えねばならないのか?」というものだ。

ある意味でもっともな疑問ではある。過去何十年にもわたって大衆向けVRガジェットをつくろうとして失敗した試みが無数にあるからだ

「以前に非常に優秀な人々が同じことをやろうとした。それらはすべてうまくいかなかったのに、Oculusやその仲間がうまくいくという理由は何だ? 1955年に誰も Virtual Boyを欲しがらなかった。なぜ2015年にRiftを欲しがるようになるのか?」というわけだ。

しかしこうした考えは重要な(そして後からは自明に見える)点を見逃している。つまりそれを現実に可能にするテクノロジーが登場したことを考えていないのだ。

20年前の一般向けVRはこの程度だった

Oculusヘッドセットを可能にした個々のテクノロジーを観察してみよう。きわめて高精細度の液晶ディスプレイ、マイクロサイズのジャイロスコープ、位置トラッキングが可能なカメラ、3D環境をリアルタイムで処理できるコンピュータ(Oculusの場合は互換性のあるGear VRスマートフォン)。

これらの要素はすべて他の分野、特にスマートフォンとビデオゲーム・コンソールのおかげで一般消費者に十分手の届く価格で提供されるようになった。

わずか10年前でさえ、1080p以上の高精細度ディスプレイをVRヘッドセット用に製造できるメーカーがあっただろうか? もちろんノーだ。そんなレベルのディスプレイは禁止的な価格になっていただろう。しかもそんなデバイスはこっけいなほど巨大な外部バッテリーを接続しなければ作動しなかっただろう。

具体的に、たとえば、5.5インチ、4K、120コマ/秒のディスプレイで考えてみよう。 2003年にほぼ同様の画素数のディスプレイは8400ドルもした。しかもリフレッシュ・レートはわずか毎秒12コマだった。しかも消費電力はデスクトップ・コンピューター並だった。

現在のOculusのデベロッパー・キットはSamsung Galaxy 3の1080pディスプレイ を利用しており、毎秒75コマ表示できる。Gear VRはGalaxy Note 4の1440pスクリーンを採用しており、リフレッシュ・レートももっと速い。これが進歩というものだ。!

Samsung Gear VRはスマートフォンですべてのVR体験を処理する。つまりスマートフォンが新世代になればVR体験も向上する

リアルタイムのコンピュータ・グラフィックス能力の進歩もVR体験を成立させるために欠かせない要素だ。研究によれば、没入感を得るためには必ずしも非常にリアルな画像を表示する必要はないが、ただし動きが非常にスムーズであることが必須だという。つまり、たとえば周囲を見回そうとして顔を動かしたときに、表示の反応が一瞬でも遅れるとユーザーの没入感を損ねるだけでなく、深刻な船酔い症状を引き起こすことになる。その対策はといえば、強力なハードウェアとコードの最適化しかない。そしてそれこそゲームのハードメーカー、ソフトのデベロッパーがこの何十年も取り組んできた課題だ。

こうした進歩はバーチャル・リアリティーの世界の外で起きたが、その成果を投資家とアーリー・アダプターが納得するような仕方で初めてパッケージ化することに成功欧したのがOculusだった。今やバーチャル・リアリティーはOculus HQだけには限られない。ハード、ソフト、インターフェイスやアクセサリーを含めた新たなエコシステムが形成されつつある。前世代のVRが大学の研究室に閉じ込められていたのとは大いに事情が変わっている。

試みにGooglで“virtual reality Kickstarter”と検索すれば、新たなコントロール・メカニズムからアプリケーションまでありとさまざまなVRプロジェクトが次から次に生まれていることが分かるだろう。Oculusその他のVRイベントに行けば、驚くほど多数のデベロッパーに出会うはずだ。彼らそれぞれに「これこそ正しいやり方」だと信じるアイディアで、部屋中に設置したカメラや全方向に移動できるトレッドミルやWiiコントローラーの改良版などをデモしている。

半年後にはこうしたデベロッパーが何がうまくいき、何がうまくいかないか、多くを学んでいるだろう。過去半年についても同じことがいえる。これはOculusがKickstarterに登場する前から続いてきた動きだ。 バーチャル・リアリティーの世界はこれまでにない速さで動き始めている。

画像: South Park

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OculusのCEO、「製品版ヘッドセットの市販は何年も先ではない、何ヶ月かだ」と語る

今日(米国時間11/4)のOculus VRのCEO、Brendan Iribeの発言はゲーマーに朗報だ。TheNextWebによれば、アイルランドで開催されているWeb SummitカンファレンスでIribeは消費者向けのOculus Riftヘッドセットの市販は「何年も先ではない。何ヶ月かだ」と述べたという。このバーチャル・リアリティー・ヘッドセットはデベロッパー向けやより進んだ機能を実験するプロトタイプまで、すでに数種類が出荷されている。

しかし喜び過ぎないほうがいいだろう。Iribeは消費者向け出荷が軌道に乗るまでには「かなりの月数がかかる」と付け加えている。市販への最大のハードルは入力デバイスが完成していない点だという。 ゲームパッドやキーボードはOculusのような没入型VRには適当ではない。最近OculusはXBox 360のコントローラーやKinnectを開発したCarbon Designを買収している。おそらくこのチームが画期的な入力デバイスを開発しているのだろう。

IribeはまたライバルのVRデベロッパーに対して「没入型ヘッドセットには方向感覚喪失と船酔いという大きな問題があり、適切な対策を取らずに製品を出荷すべきではない」と警告した。Iribeのこの発言は、最近VRプロジェクトで長足の進歩を遂げているソニーを念頭においているのかもしれない。

〔日本版:上にエンベッドしたビデオの最後、18:45あたりでIribeは「何ヶ月か先」と言っている。。〕

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謎の「ウェアラブル拡張現実」スタートアップ、Magic LeapがGoogleなど著名VCから5億4200万ドルを調達

スタートアップが事業内容を秘密に保ったまま巨額の資金を集めるという例はめったにない。フロリダのスタートアップ、Magic Leapはまさにその例だ。今日(米国時間10/21)、CEOのRony Abovitzは、シリーズBのラウンドを完了し、5億4200万ドルの資金を調達したことを発表した。投資家には Google, Inc、KPCB、Andreessen Horowitz、Obvious Ventures、Qualcomm、Legendary Entertainmentが加わっている。

この投資家の顔ぶれは多様で、分野をまたいだトップクラスのベンチャーキャピタルの名簿のようだ。AbovitzはTechCrunchの取材に対して「われわれのテクノロジーが持つ可能性はひとつの分野にとどまらないからだ。このテクノロジーが関連するすべての市場の売上総額は年間1兆ドルにもなるだろう」と述べた。AbovitzによればMagic Leapの会社評価額は10億ドル以上であり、今回のラウンドで投資家が得た株式は過半数にみたないものだという。

それではMagic Leapとはそもそもどういう会社なのか? このスタートアップはまだその答えを明らかにしていない。しかし今回の資金調達を機にAbovitzは秘密のカーテンのごく一部を引き開けてみせた。

現在、モバイル・コンピューティングの進展は目覚ましいものがあるが、依然として「手」コンピューティング」だと私は考えている。つまり手を使ってデバイスを保持し、入力する限りでのコンピューティングだ。その間、「目」は置いてきぼりだ。目が参加していないというのは、つまりオフィスを出てサンフランシスコの町を見渡してみればよい。すばらしい景色が広がる。こうしてじかに世界を見たときにわれわれの脳が作り出すような感動と比較できる映画もテレビもその他どんなデバイスもまだ存在していない。

つまりMagic Leapはモバイル・コンピューティングに新たなレベルの視覚体験を導入しようとしているらしい。目で見る現実に限りなく近い視覚体験をモバイル・テクノロジーと高度なヘッドマウント・ディスプレイを使って作り出すということのようだ。Oculus Riftスタイルのヘッドセットらしいが、Abovitzは「軽量ウェアラブル」であることを強調した。ただしそれ以上の詳細については明らかにするのを避けた。しかしAbovitzのコメントその他から推測すると、Magic Leapのヘッドセットは、上に示した象のような限りなく現実に近い精密な映像をおそらくは網膜スキャンでユーザーに届けるdバイスのようだ。そうした推測が合っているかどうかはデバイスの公式発表を待たねばならない。

Abovitzは取材に対して「Magic Leapは『世界は新たなデスクトップ』と『世界は新たな銀幕』という2つのキャッチフレーズで表現できる」と語った。つまり既存のものとはまったく違う何か新しいメディアが誕生するのかもしれない。『銀幕』というキャッチフレーズを考えるとその影響はテクノロジー界にとどまらず、ビジュアル・エンターテインメントの世界にも及ぶのだろう。それが今回のラウンドでハリウッドの有力プロダクション、レジェンダリー・ピクチャーズだけでなく、CEO、Thomas Tull個人も投資している理由なのだろう。

TechCruchはTullにも別個に取材を行ったが、Tullは「私はOculus Riftにも投資している。あれもすばらしいデバイスだ。しかしMagic Leapのアプローチはまったく異なる。今のところ私が言えるのは1年ほど前から私はロニー[Abovitz]と意気投合し非常に親しくなったということだ。彼らの本社に行って半日ほどテクノロジーを体験させてもらったが、驚くべきものだった。私はその後しばらく自然に笑顔が浮かんでしまったぐらいだ」と語った。

一方、Abovitzは「Magic LeapはOculusのような(周囲を遮断する)完全な仮想現実(VR)ではない。かといって従来のようなレベルの拡張現実(AR)でもない。われわれははるかに高いレベルであたかも現実の物体であるかのように精密な3Dデジタル・オブジェクトを現実世界の中に置くことができる。これまでのARがライト兄弟が1903年に最初に飛ばした飛行機だとするならMagic Leapは現代のジェット旅客機だ」と述べた。

Googleはリード投資家であり、AndroidとChromeの責任者であるSundar Pichai上級副社長がMagic Leapの取締役に就任した。同時にQualcommの執行役会長、Paul JacobsとGoogleの事業開発担当副社長もオブザーバーとして取締役会に出席する。これによっても業界のMagic Leapに対する注目度の高さを知ることができる。なおAbovitzによれば、Magic LeapはGoogle Glassに新機能を加えるようなプロダクトではない―というより、Glassとはまったく無関係だという。

AbovitzによればMagic Leapのプロダクトの消費者へのローンチは「かなり近い」という。今回の資金は主としてプロダクトの量産準備に使われるようだ。ハードウェアの新製品開発には巨額の資金が必要とされるのは理解できる。AbovitzはOculus Riftの「オープンな開発過程」について「それはそれですばらしい戦略だ」としながらもMagic Leapは別の道を選んだとしている。つまりわれわれは公式の製品発表までMagic Leapプロダクトの詳細について知ることはできないらしい。いずれにせよテクノロジー業界とエンターテインメント業界のトップクラスの切れ者が揃った投資者の顔ぶれと投じられた金額を考えただけでもMagic Leapから何が出てくるのか注目する価値がある。

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Oculus、新プロトタイプ、Crescent Bayを発表―ヘッドトラッキングは360度、ヘッドフォンつき

Oculusは昨日(米国時間9/20)開催されたConnectカンファレンスライブ中継)で、新しいプロトタイプ、Crescent Bayを発表した。私は幸運にもこのプロトタイプを短時間実際にテストしてみる機会に恵まれた。Crescent Bayはフレーム速度が向上し、ヘッドトラッキングが360度となり、ヘッドフォンが一体化されている。重量も大きく軽減された。

OculusはまたOculus PlatformをSamsung VRにも開放することを発表した。これはバーチャル・リアリティー・アプリとコンテンツのマーケットプレイスで、バーチャル・リアリティーをメインストリームのユーザーに届けるチャンネルとなることが期待されている。詳しくはわれわれの記事を参照。

CEOのBrendan Iribeは「DK1プロトタイプからDK2へも大きなステップアップだったが、DK2からCrescent Bayへのステップアップも同じくらい大きい」と述べた。とはいえ、このモデルもまだ消費者向け製品ではない。しかしまた一歩製品版に近づいたことは確かだ。

ただしCrescent Bayはデベロッパーキット(DK)ではなく、将来のOculusはこのようになるという「機能紹介プロトタイプ」という位置づけだ。OculusはDK2を発表する前にも Crystal Coveという機能紹介プロトタイプを発表している。そういうわけでCrescent Bayはそのままでデベロッパー向けに発売開始されるわけではないようだ。デベロッパー向けにはこの後DK3(に相当する)製品が提供されることになるのだろう。

Crescent Bayでは後方向けにカメラが増設され、ユーザーの頭の位置を360度追跡できるようになった。装着ユーザーは制約なしに周囲あらゆる方向を向くことができる。ヘッドトラッキングと高性能ヘッドフォンのおかげで、臨場感はさらに向上した。 Oculusはメリーランド大学で開発されたRealSpace3Dという高性能VRオーディオテクノロジーのライセンスを受けている。

Oculusはまたゲーム・エンジンのUnityと契約し、無料版、有料版のUnityのユーザー全員に対してOculusをサポートしていくことを発表した。

アップデート:実際に使ってみた

私はCrescent Bayのデモで、実際に装着してみることができた。Oculusは写真、ビデオの撮影を許可しなかったが、誰かがこっそり写真を撮ることに成功して私に送ってくれたので何枚か掲載しておく。以下、簡単に使用感をレポートする。.

10分間のデモで、私はティラノザウルスと遊んだり、高層ビルのてっぺんに座ったり、ポリゴンフィールドの怪物を見たり、シムシティーの上空を飛んだり、顕微鏡サイズに縮められて巨大なダニを見上げたり、SWATチームが巨大なメカと戦ったりするのを眺めたりできた。

新しいヘッドセットは驚くほど軽く、首への負担はまったくなかった。ゴーグル部分はプラスチックぽくてフィット感は最上とはいえなかったが、軽量なわりにしっかりした作りに思えた。Samsung Gear VRの視野は周囲に黒いフレームが見えてしまうので双眼鏡を覗いているような感じだが、 Crescent Bayの視野ははるかに広い。ただしCrescent Bayも下側に隙間があって床が見えてしまう。これは没入感をやや損なう結果となっている。

グッドニュースは頭の位置をモニタするモーショントラッキングの速度と精度がぐっと上がったことだろう。デモで私は鏡の前に立たされ、素早く動いてみるように言われた。私がどれほど速く動いても宙に浮いた私の映像に遅れは感じられなかった。

Crescent Bayのモーショントラッキング・カメラはデスクトップのパソコンではなく壁に設置されているため、ユーザーはどの方向へも1メートル弱動けるようになった。残念ながらまだティラノザウルスから走って逃げることはできないが、左右に身をかわしたり、体を縮めて上にやり過ごしたりすることはできる。

モーショントラッキングの基準となるLEDライトがDK2では前方にだけあったのに対しCrescent Bayでは後方にも設置されている。

Crescent Bayでも依然として欠けている重要なパーツは、移動したりコマンドを入力したりするには必須となる専用のゲームパッドないしコントローラーだ。今回のOculus Connectカンファレンスで発表されるという噂もあったが、空振りだった。しかしOculusの経営陣もコントローラーが必要だという認識で一致したということで、やがてこの問題も解決されると期待したい。

Oculus Wants To Win PC and Mobile VR

OculusのCEO、Brendan Iribeは「Oculusのデベロッパー・キットは世界130カ国に10万セット出荷された」と発表した。Iribeは「SFが好きならOculusはまさにその聖杯だ。いよいよ長年の夢が実現するときが来た。高度なバーチャル・リアリティーが実用化の時期を迎えている。Oculusの使命はゲーム、エンタテインメント、コミュニケーションに革命を起すことだ」と述べた。

昨夜、Oculusは DK1のデベロッパー・キットのソースコードをすべてGithubにアップロードし、オープンソース化したと発表した。これによってデベロッパーはOculusのデザインを深く学び、独自に改良を加えることができるようになる。Oculusのハードウェアを使わない独自のプロダクトを開発することも可能だ。

 

2014年はOculusにとって波瀾万丈の年となった。Kickstarterで250万ドルを集めた後、ベンチャーキャピタルから9340万ドルの資金を調達し、さらに直後に20億ドルでFacebookに買収された。買収の直後にはKickstarterの出資者やデベロッパーの一部から感情的な反発を受けたものの、Oculusの今後について、Facebookの傘下に入ったことは信頼性を増すことであって下げることではないとバーチャル・リアリティーのコミュニティーを納得させることができたようだ。

Crescent BayとPlatformをベースにデベロッパーがどのような新しいプロダクトを開発するか楽しみだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


次世代VRのSurviosがFacebookに買われたOculusに負けじとさらに$4Mを調達

次世代仮想現実(virtual reality, VR)技術の先駆企業、サンフランシスコのSurviosが、シリーズAで400万ドルを調達した。今朝(米国時間5/19)VentureBeatが報じたこの投資ラウンドは、Shasta Venturesが率い、同社ファウンダのRob ConeybeerがSurviosの取締役会に加わる。このラウンドには、Mavent PartnersのMichael Chang、World Innovation LabのGen Isayama、そしてFelicis VenturesのRenata Quintiniが参加した。

Surviosの資金獲得は、言うまでもなく、Oculus Riftヘッドセットを作っているVRスタートアップOculusをFacebookが20億ドルで買収したことへの対抗だ。OculusとSurviosはどちらも南カリフォルニア大学の混成現実研究所(Mixed Reality Lab)から生まれたプロジェクトで、OculusのファウンダPalmer Luckeyも同研究所の出身だ。しかしSurviosを‘次世代VR’と呼びたくなるのは、その”Kinect + Oculus-Rift”のような性質のためで、人間の物理的な動きに反応できるからだ。そのため3Dの仮想世界の中に人間が実際にいるような感覚を、その没入型のヘッドセットを介して人間ユーザに与える。

先月、本誌TechCrunchのライターKim-Mai CutlerがSurviosの本社を訪れ、同社のVR技術を実際に体験した。今それは、ゲームへの応用を試行している。Survios体験は今すでに、かなりすばらしいもののようだが、自由に使える400万ドルを手にした今後は、応用系のさらなるスケールアップが期待される。とりあえず、下のビデオをご覧いただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


PCやプレステのゲームもVRヘッドセットで楽しめるクロスプラットホームなゲームキットANTVRがKickstarterで資金募集中

Oculus RiftProject Morpheusなどが、仮想現実(virtual reality, VR)のヘッドセットを大衆化したことによって、ゲームの世界が変わってきた。でもそれらの大きな欠点は、それぞれ固有の規格のプラットホームであるため、それぞれのゲームの数が限られていることだ

この問題に対処するためにハードウェアスタートアップのANTVR Technologyは、オープンソースでクロスプラットホームな仮想現実ゲーム用のセット、 ANTVR Kitを作った。
“今のVRプロダクトには、これまでの主要なゲームプラットホームとの互換性がない。うちは、この問題を解決したいと思った”、とファウンダのQin Zhengが北京の同社で語った。

今はKickstarterで資金を募集中だが、目標額20万ドルに対して二日で86000ドル近くが集まった。セットのお値段は300ドルだが、Kickstarter上の説明によると、中国のハードウェアメーカーたちが近くにいるだけでなく、ANTVR Kitを広く普及させることが先決なので、原価で売ってるから安いのだ、という。Kickstarter上の資金募集キャンペーンは、2014年の6月23日が締め切りだ。

ANTVR Kitは、Oculus Riftのほか、PCやゲーム専用機のゲームと互換性がある。デスクトップコンピュータやXBox、PlayStation、iPhones、iPads、Androidデバイス、Blu-rayプレーヤーなど、HDMI端子のあるデバイスなら何でも接続でき、HDMI出力のないデバイスにはアダプタを使える。

ヘッドセットには1920×1080のHDディスプレイと、非球面レンズがある(ここがOculus Riftとの大きな違い)。Zhengによると、標準画面比率の画像を投射したとき、非球面レンズの方が歪みが少ないそうだ。メガネをかけたままでも装着でき、ワンステップの位置追跡により、プレーヤーがプレイ中にめまいを感じるのを防ぐ。

コントローラは変形可能で(右図)、開けばゲームパッド、閉じれば銃やライトセーバーやステアリングホイール(車のハンドル)などをシミュレートできる。


ANTVRはモバイルのゲームにも対応しているから、Candy Crushなんかをもっと没入的に楽しめるだろう。ただしZhengによると、いちばん合っているのはFPSとRPGだそうだ。

ANTVR Technologyはハードウェアをオープンソースにしているだけでなく、近くSDKも出すので、デベロッパがこのキット用のゲームを作れるようになる。

Zhengは曰く、“普遍的なゲームシステムを作りたいんだけど、でもあらゆる種類のゲームプラットホームとの互換性を持たせるのはとても難しい。 XboxとPCとPlayStationは大丈夫だけど、世の中にはまだまだいろんなゲームシステムがあるからね”。

“しかし、ほかのゲームシステムのデベロッパや、デバイスだけのデベロッパでも、うちのハードウェアのファームウェアを書き換えて独自の開発ができる”、と彼は付言した。

クロスプラットホームなVRヘッドセットは、True Player Gearなどほかの企業も挑戦しているが、まだ発売までは遠いようだ。

Zhengによると、ANTVRの場合は実動プロトタイプがすでにあり、来月は金型試験を開始する。そしてある程度量産できたプロトタイプを、初期の支援者たちに7月に送る予定だ。そのフィードバックに基づいて本番の量産向けの設計を完成させ、そのほかの支援者には最終製品を9月に出荷する。

以下の表は、ANTVR KitをOculus RiftやProject Morpheusと比較している。


ANTVRについてもっと知りたい人は、同社のKickstarterのページへ行ってみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


現実空間をホロデッキにしてしまう仮想現実ゲームプラットホーム, SulonのCortexがデベロッパキットを予約受付

仮想現実(virtual reality, VR)は必ず未来のゲームの一部になるだろう。そこでトロントのSulon Technologiesはサンフランシスコで行われたGDC(Game Developer’s Conference)で、彼ら独自のVR技術を披露した。彼らがCortexと名づけたゲームプラットホームは完全にイマーシブな(immersive, 没入型の)ゲーム体験を提供し、そのためにどんな物理空間でもホロデッキ変えてしまう。使うものは、空間スキャナと処理ユニットと専用バイザーで、バイザーをスマートフォンにつなぐと眼前に立体像が映し出される。

同社は今朝(米国時間3/19)から、開発キットの予約受付を開始しており、デベロッパ向けのハードウェアの発売は今年の最終四半期を予定している。Oculus Riftなどとの最大の違いは、AR/VRの像だけでなく、プレーヤーのまわりの実際の物理環境をゲームに利用することだ。そしてそのために、プレーヤーのスマートフォンをCortexの処理ユニットにBluetoothでつなぎ、画像をバイザーに表示する。

バイザー(を着けたプレーヤー)との通信はワイヤレスなので、自由に歩き回れる。Sulon Cortexの初期のバージョン(当時はGVXと呼ばれた)のアクションを下のビデオで視られる。デベロッパはまわりの現実空間を大々的に利用できるし、あるいは最小限だけ利用してもよい。また、Oculusなどのように、完全な仮想現実にしてもよい。バイザーを着けたプレーヤーの視界は、本人の動きで変わる。場所や方角だけでなく、姿勢(屈み込むなど)も視界に反映される。

仕掛けが大げさなわりには、スマートフォンなど既存のデバイスを使うので、そんなに高価にはならないし、デベロッパもとっつきやすいはずだ、とSulon Techは言っている。今はAndroidだけだが、近いうちにiOSにも対応する予定だ。

リアルとバーチャルのハイブリッド、そしてホロデッキが提供する充実した対話性が、何か大きな可能性を感じさせる。今後の最大の課題は、これらの仕掛けを、シンプルですっきりとした(そしてトラブルや故障などのない)消費者製品に仕上げることだ。またもちろん、発売初期のタイトルの充実も重要。今のベータテストの現状から、そこまでの道のりは、相当長いと思われる。じっくりと、見守りたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Lumusのウェアラブル向けVRディスプレイは「レイア姫の瞬間」を実現する

Lumusはまだ消費者向け市場では有名ではない。しかし近い将来、繰り返し耳にする名前になるはずだ。

私は2年前にLumusのセールス担当のAri Grobmanからこの驚くべきテクノロジーを紹介された。これは基本的には拡張現実ディスプレイだが、通常のフレームと通常のレンズの普通の眼鏡に装着できるところが画期的だった。720pモデルはHDに近い高画質の画像を目の前の空中に浮かんだように表示した。ユーザーは近くこのテクノロジーを利用して映画を見たりゲームをプレイしたりモバイル・デバイスを操作したりできるようになると説明された。

今回Lumusは次世代のプロダクトを発表した。

システムにはフル機能のAndroidコンピュータとカメラが追加され、機能はGoogle Glassを上回るものになっている。

ジェスチャーをサポートしているので、スワイプで通知を次々に消すことができる。また目の前の地面に重ねて地図を表示することもできる。私は実際に試してみたが、作動は完璧だった。ジェスチャーで自由に操れるディスプレイが目の前に浮かんでいるところ想像してほしい。残念ながらまだビデオは無理だが、ともかくクールなシステムだ。

といってもLumusブランドの新製品がすぐに市場に出るわけではない。同社では複数の大手メーカーと提携してプロダクトを開発中だ。ウェアラブル・メーカーのMetaはLumusのテクノロジーを利用した製品を近くリリースする予定だという。

Lumusは軍用ヘッドアップディスプレイで50%のシェアを占めており、次にはウェアラブル・ディスプレイの世界のIntelになろうと努力中だ。Grobmanは「われわれは双眼視によって空中に3D動画を目の前に表示する、つまりスター・ウォーズのレイア姫を実現させることができると期待している」と」語った。

Grobmanによれば、ユーザーがテーブルに向かっている場合、テレプレゼンスの対話相手の姿を自動的にテーブルでマスクして、その向こう側に座っているように見せるデモも行われたという。“「われわれの提携先はすごいことをやっている。ただし市場に出るのはまだ少し先になる」そうだ。

ゲームのメーカーも3Dで完全没入型のゲーム開発を試みているそうだ。しかしLumus Insideのログ付きデバイスが発売される時期はまだわからない。

Grobmanは「Glassは顔に装着するウェアラブル・デバイスに人々を慣らすためのGoogle’なりの入門デバイスだろう。次のステップは双眼視が可能で、装着しても不自然でないファッショナブルなデバイスだ。そこまでの道のりは長いが、近くわれわれはそこに行き着く」と語った。

Lumusの写真ギャラリーは原文参照。下は関連動画:MetaのVRヘッドセット

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


バーチャル・リアリティー・ヘッドセットいよいよ普及か―OculusがAndreesen Horowitzなどから7500万ドルを調達

没入的ヴァーチャル・リアリティーは長い曲がりくねった道をたどってきた。ハードウェアの限界はまだまだ厳しく、楽観的な未来学者やエンジニアが説くようには簡単に実現しないことが痛感された。

しかしどうやら事情は変わりつつあるようだ。さきほど、カリフォルニア州アーバインのスタートアップ、Oculus VR がAndreessen Horowitzがリードし、Spark Capital、Matrix Partners、 Formation|8が参加したシリーズBのラウンドで7500万ドルの大型資金調達に成功したことを発表した。この資金は一般消費者向けのバーチャル・リアリティー・ヘッドセット、OculusRiftの開発と販売に充てられる。残念ながらOculusは今回のラウンドでの会社評価額を明らかにしなかったが、Andreessen HorowitzのMarcAndreessenとChris Dixonが取締役に就任すると発表した。

Oculusの資金調達の経緯をざっと振り返ると、まず今年初めにKickstarterのキャンペーンで9500人の支援者から240万ドルを集めた。6月にはシリーズAのラウンドで1600万ドルを調達した。私の得た情報ではこのシリーズAの資金の大半は手付かずで残っているという。「今回の資金調達は消費者向け販売を当初からできるかぎり大規模にすることに加え、デベロッパー、プラットフォームのサポート、コンテンツの充実などが目的だ」とCEOのBrendan Iribeは述べた。

有力ベンチャーキャピタルからの大型資金調達の成功はOculusのバーチャル・リアリティー戦略への有力な信任投票といえる。Iribeは「OculusRiftヘッドセットはタイミング、機能、コンテンツ、サポートすべた最高に時宜に適したプロダクトだ」と自信を見せた。

“Oculusの初期にデベロッパー向けバージョンでさえまったく違う世界を覗きこむような体験だった。「近くOculusが出荷を開始する消費者向けプロダクトは初期バージョンの没入感を損なっていた表示の遅延問題も解決されている。その結果はアーサー C. クラーク的な『もはや魔法と見分けがつかない』レベルに達している」とIribeは述べた。

もちろんIribeの自画自賛は多少割引が必要だが、Riftがバーチャル・リアリティー・ヘッドセットの中ではコンシューマー化にもっとも近い位置にいるのは間違いない。いかに優れた3Dゴーグル・ディスプレイでもそこに表示するコンテンツがなければ無意味だ。その点、OculusRiftはデベロッパーの間に着実に地歩を築いており、すでに4万2000のプロダクトが公開されている。またOculusはゲーム・デベロッパーのValveとその新しいCTOのJohnCarmackと親密な関係を保ってきた。そのためもあってRiftはゲーム・デバイスとして見られることが多いが、IribeはRiftのように高度に没入的な3Dヘッドセットには一人称ゲーム以外にもありとあらゆる応用があると強調する。

「Riftは目新しいゲーム専用機ではない。エンタテインメント全般はもちろん医療、建築、コミュニケーションに幅広く利用されるだろう」とIribeは述べた。

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一般ユーザーもガレージをVR空間に変えて飛んだり走ったりできる―Atlas Rift 3Dゴーグル用のiPhoneアプリ、Kickstarterで予約受け付け中

以前われわれは没入型VRゲーム用ゴーグル、Oculus Rift〔日本でも発売へ〕のデベロッパー向けバージョンを紹介した。

開発元のProtagonistの消費者向け低価格VRゲーム・システムの概要はこうだ。まずある程度広い場所が必要だ。楽にピンポンができるくらい居間が広ければそれでもよいが、まあガレージのほうがいいだろう。バスケット・コートや空き倉庫ならもっとよい。次に専用の位置マーカーを配置する。ファイルをダウンロードすればプリントアウトできるが、Protagonistではビニール製で床に吸い付くマーカーを提供する予定だ。ユーザーはOculus Rift VRゴーグルを頭に付け、 iPhoneを取り付けたAtlasチェスト・マウントを胸に装着する。Razer Hydra照準器を装着した銃や剣を携えてゲーム開始だ。

OculusゴーグルとAtlasのiPhoneアプリを起動すると、そこはもう未来の世界だ。特許出願中のAtlasの位置認識システムが床のマーカーを読み取り、iPhoneの加速度計とジャイロスコープの情報と照合し、ゴーグルに拡張現実を3Dでレンダリングする。ユーザーが一歩前に出るとゲーム中のアバターも一歩前に出る。後ろを向けば後ろを向き、ジャンプすれば飛び上がる。ジムでダンベルを振り回す代わりにエイリアンやドラゴンと戦うのが未来の有酸素運動になるかもしれない。

Atlas ProtagonistのファウンダーAaron Rasmussenは小さいときからスタートレックのホロデッキに憧れていたのだという。RasmussenがSFのガジェットを実際に作ってしまった経験はこれが始めてではない。大学時代にBBガンとビデオカメラを組み合わせ、映像認識ソフトウェアを開発してサバイバルゲームの陣地を自動で防衛するシステムを作り上げたことがある。「すると軍の関係者が寮の部屋にやって来た。そんなことは映画の中だけの話だと思っていたから驚いた」とRasmussenは言う。それ以後、さまざまなロボット・システムの開発を続けてUSMechatronics社を創立して売却した。最近はゴースト探知機を開発している(残念ながらまだ1回も探知に成功していない)。

現実没入型のVRシステムはかなり以前から実用化されているが、これまでは軍隊や航空会社などにおける巨額の費用がかかるシステムだった。ユーザーの動作に遅れなしに作動するヘッドマウント・ディスプレイは最低でも5万ドルした。Rasmussenまずこの問題に取り組み、消費者向け価格帯のOculus Riftの開発に成功した。AtlasはVirtuix Omni VRのようにトレッドミル歩行器の上を歩くだけではない。 走ったり飛んだり振り向いたり伏せたり自由にできる。

現在RasmussenはAtlasのただ1人の常勤社員だが、キックスターターで12万5000ドルの資金が首尾よく調達できれば常勤社員を増やしてソフトの改良に当たらせるという。

Atlasのシステムは将来、現在のゲーム・コンソールに並ぶような独自のゲーム・ジャンルになるはず」とRasmussenは自信を見せる。

Kickstarterのプロジェクトはこちら。今回募集しているのはiPhoneアプリとiPhoneを胸に固定するチェストマウントおよび付属品だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+