電子回路プリンタVolteraがKickstarterの初日で目標額の4倍を突破

本誌のHardware Battlefieldで絶賞され、今日Kickstarterに出たその製品は、やはり圧倒的にすごい。

CES 2015のステージでは初期の完動プロトタイプだったが、今度からは受注して販売できる正規の完成製品だ。このプリンタは要するにPCBメーカーで、ボードを置いて回路図をアップロードしてやると、導電性インクでその回路をプリントする。そのあと、必要な部品をハンダ付けする。

初期の出資支援者は1499ドルでこのシステムを買える(もっと安いのもあったがそれは売り切れ)。目標額5万ドルに対し初日ですでに20万ドルを超えている。CESの時点で完動品だったから製品に関して問題はないと思うが、大量の受注に対するサプライチェーンの問題はどうだろう? 使用目的は特殊だが、すばらしい製品だ。ぼくがPCBを自作できるほど優秀な人だったら、必ず買っていただろう。

本誌のHardware Alleyのときのプレゼンを、下のビデオで見られる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


PCB(プリント回路基板)を数分で作る回路基板専用プリンタV-One

回路基板を作るのは楽しいけど難しい。プラスチックの板とエッチング液があれば家でも作れるが、Voltera社が今度作った回路専用のプリンタV-Oneがあれば、全工程をもっと簡単にできる。

このプリンタを作ったJames PickardとJesus ZozayaとAlroy Almeidaの三人は、全員カナダのウォータールー大学で電子機械工学(メカトロニクス工学)を専攻し、一緒に、ラピッドプロトタイピングをもっと簡単迅速にやる、という課題に挑戦した。

“このプリンタがあれば、すべてのハードウェアデベロッパがこれまでの制作工程に感じていたフラストレーションがなくなり、開発期間を数か月から数日に短縮できる”、とAlmeidaは言う。

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“これまでは、回路基板ができてくるまで二週間もぼーっとして待つなんて余裕のない仕事が多かった。ホビーとしてやるときも、一部はどうしても外注になるから、けっこう高くつく。3Dプリンタが機械的なプロトタイピングに革命をもたらし始めたちょうど同じ時期に、ぼくらは回路基板プリンタのアイデアを発想し、電子工学のプロトタイピングにも同じ革命をもたらしたい、と思った”、と彼は語る。

 

プリンタの製造はアジア等でなく北米でやるつもりだ。彼らは今、ユーザの可能性のある人たちに、家庭用PCBプリンタに必要な要件を聞き取り調査している。想定しているユーザは、大学、メーカー企業、それにハードウェアスタートアップたちだ。

“VolteraのV-Oneは、紙の上の回路図のような単層の回路をプリントするだけでなく、FR4の上に二層の回路をプリントができる。このサイズと費用で二層ができるのは、これが初めてだと思う。しかも小さな部品はすべて基板上に焼結するから、半田が要らない”、とAlmeidaは述べた。

同社はラスベガス(CES)で本誌が主催したHardware Battlefieldのステージでローンチし、発売は来年を予定している。これまでハードウェアホビーを諦めていた人も、全員、大急ぎでトランジスタの勉強をした方が良いね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))