ボルボがEVタクシーを使ってワイヤレス充電のテストを開始

Volvo Cars(ボルボ)は、代替充電オプションをテストするプログラムの一環として、ワイヤレスEV充電システムを都市環境の中に導入して試験を行うと発表した。そのために、ボルボの電気自動車「XC40 Recharge(XC40リチャージ)」数台が、スウェーデンのヨーテボリで3年間、タクシーとして実験運用される予定だ。

これらの車両には、Momentum Dynamics(モメンタム・ダイナミクス)社製のワイヤレス充電システムが搭載される。充電パッドは、2台分のタクシー待機場所の地面に埋め込まれる。ドライバーが360度カメラを使って車両を正しい位置に駐めると、タクシーのバッテリーが自動的に充電されるという仕組みだ。Momentum Dynamicsが公開した画像には、出力41kWで充電中の車両が写っている。

これらのEVタクシーは、1日に12時間以上稼働し、年間10万km以上の距離を走行することが想定されている。ボルボによると、これは同社初の商用環境における電気自動車の耐久性試験になるという。Momentum DynamicsはJaguar(ジャガー)とも提携し、ノルウェーでEVタクシーを使ったワイヤレス充電のテストを行っている。

道路に充電システムを埋め込むというコンセプトは決して新しいものではないが、まだ本格的に普及してはいない。だが、今も研究者やエンジニアは、走行中にEVを充電するさまざまな方法に取り組んでいるので、いつか将来、ドライバーは典型的な充電ステーションまで出向く必要がなくなるかもしれない。

編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したKris Holtは、Engadgetの寄稿ライター。

は、代替充電オプションをテストするプログラムの一環として、ワイヤレスEV充電システムを都市環境の中に導入して試験を行うと発表した。そのために、ボルボの電気自動車「XC40 Recharge(XC40リチャージ)」数台が、スウェーデンのヨーテボリで3年間、タクシーとして実験運用される予定だ。

これらの車両には、Momentum Dynamics(モメンタム・ダイナミクス)社製のワイヤレス充電システムが搭載される。充電パッドは、2台分のタクシー待機場所の地面に埋め込まれる。ドライバーが360度カメラを使って車両を正しい位置に駐めると、タクシーのバッテリーが自動的に充電されるという仕組みだ。Momentum Dynamicsが公開した画像には、出力41kWで充電中の車両が写っている。

これらのEVタクシーは、1日に12時間以上稼働し、年間10万km以上の距離を走行することが想定されている。ボルボによると、これは同社初の商用環境における電気自動車の耐久性試験になるという。Momentum DynamicsはJaguar(ジャガー)とも提携し、ノルウェーでEVタクシーを使ったワイヤレス充電のテストを行っている。

道路に充電システムを埋め込むというコンセプトは決して新しいものではないが、まだ本格的に普及してはいない。だが、今も研究者やエンジニアは、走行中にEVを充電するさまざまな方法に取り組んでいるので、いつか将来、ドライバーは典型的な充電ステーションまで出向く必要がなくなるかもしれない。

画像クレジット:Momentum Dynamics Corporation

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のKris HoltはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Momentum Dynamics Corporation

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(文:Kris Holt、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ウクライナ侵攻を受けた自動車メーカーの動きまとめ

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、世界各国がロシアに対する制裁を強化している。その結果、多くの自動車メーカーを含め、企業はロシアでの事業活動を制限、停止、あるいは完全に撤退している。

本稿では、ロシアからの撤退決定など自動車メーカーの対応を紹介する。

ロシアでの生産を停止している自動車メーカー

MSCやMaersk(マースク)など多くの海運大手や物流会社がロシア発着のコンテナ輸送を停止したため、自動車メーカーはサプライチェーンの混乱により生産停止を余儀なくされている。

直近ではトヨタ自動車が3月3日、ロシアの工場での生産を4日から停止すると発表した。同社はサンクトペテルブルクに工場を1つ持ち、主にロシア市場向けのRAV4とCamryのモデルを生産している。

Daimler Truck(ダイムラートラック)は現地時間2月28に、ロシアのトラックメーカーKamaz(カマーズ)との合弁事業を含め、ロシアでのすべての事業活動を停止すると発表した。これまでロシア市場向けに3万5000台のトラックを生産してきた同JVは、2009年にMercedes-Benz Trucks Vostok(メルセデス・ベンツ・トラックス・ボストーク)とFuso Kamaz Trucks Vostok(ふそうカマーズ・トラックス・ボストーク)の2つの独立したJVとしてスタートしたが、2017年にこの2社が合併した。そして今後はKamazとの提携によるトラックは生産されず、Daimlerもこのトラックメーカーに部品を供給しない、とロイターは伝えている

また、Daimlerがスピンオフする前の親会社Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)も、Kamazの株式15%を売却すると発表した。

スウェーデンのトラックメーカーAB Volvo(ABボルボ)はロシアでの生産をすべて停止し、Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)も現地時間3月1日、追って通知するまでロシアでの事業を停止すると発表した。Fordはロシアの自動車会社Sollers(ソラーズ)との合弁事業を除けば、ウクライナで重要な事業を展開していないが、Fordは2019年にSollersに支配権を譲渡した

フランスの自動車メーカーRenault(ルノー)は現地時間2月25日、物流圧迫により部品不足が生じたため、ロシアにある自動車組み立て工場の一部の操業を停止すると発表した。調査会社IHS Markitによると、Renaultはロシアの自動車生産の40%近くを占めている。

Renaultは減産の具体的な内容を明らかにしていないが、ロシアには3つの自動車組み立て工場がある。モスクワ工場で生産されているロシア人向けの主なモデルは、Kaptur、Duster、Nouveau Duster、Arkana、Nissan Terranoだ。Renaultは、日産および三菱と戦略的提携を結んでいる。また、ロシアの自動車メーカーAvtoVAZの支配的株式を持っている。

韓国のHyundai Group(現代グループ)はサンクトペテルブルクの工場で年間約23万台を生産しており、ロシアの自動車生産の27.2%を占めている。ウォールストリート・ジャーナルによると、同社はサプライチェーンの混乱により、3月1日から5日にかけてサンクトペテルブルクの自動車組立工場を休止するが、来週には操業を再開する予定だ。同紙は、今回の閉鎖は、ロシアのウクライナ侵攻や経済制裁とは関係がないものだと報じた。現代自動車にとってロシアは大きな市場であるため、できることなら操業停止しないよう試みる可能性もある。

Volkswagen(フォルクスワーゲン)傘下のチェコの自動車メーカーSkoda Auto(シュコダ・オート)は、供給不足のため国内工場の生産を一部制限すると発表したが、ロシアでの事業は継続されている。ロシアは2021年、Skodaにとって2番目に大きな市場だった。

「ロシアとウクライナでの販売戦略については、現在、集中的に議論しているところです。最近の情勢から、ウクライナとロシアの両方における販売台数は減少することが予想されます」とSkodaは述べ、ロシアまたはウクライナ市場から撤退するかどうかは、最終的にVWが決定することになると指摘した。

日本の三菱自動車は3月1日、ロシアでの生産を停止する可能性があると発表した。三菱はPSA Peugeot Citroën(PSAプジョー・シトロエン)と合弁事業契約を結んでいて、ロシア・カルーガの組立工場でプジョー、シトロエン、三菱の車両を生産している。

販売・輸出停止

欧米の対ロ制裁の一環として、ロシアの多くの銀行が、国境を越えた迅速な決済を可能にする安全なメッセージシステムSWIFT(国際銀行間通信協会)から締め出された。その結果、ロシア国内の自動車ディーラーやバイヤーが外国車を買えなくなり、外国企業は外国車を売れなくなった。

三菱自動車は、ロシアでの生産を停止する可能性に加え、同国での自動車販売も停止する可能性があると述べた。トヨタは、ロシアへの輸出を停止すると発表した。

米国の自動車メーカーGeneral Motors(ゼネラル・モーターズ)とスウェーデンの自動車メーカーVolvo Cars(ボルボ・カーズ)は現地時間2月28日、追って通知するまでロシアへの自動車輸出をすべて停止すると明らかにした。Volvo Group(ボルボ・グループ)は、売上の約3%をロシアの購買者から得ており、同国に1つの工場を持っている。

国際的な自動車メーカーで初めてロシアへの自動車出荷を停止したVolvoは声明の中で「EUと米国による制裁を含め、ロシアとの材料取引にともなう潜在的なリスク」があるため、出荷を停止したと述べている。

GMはロシアで年間約3000台を販売し、現地に工場は持っていない。

Volkswagenのロシア部門は、追って通知するまで、あるいは欧州連合と米国が科した制裁が明確になるまで、ディーラーへの納車を一時停止する。

同じくドイツの自動車会社BMWは、3月1日時点でロシアへの輸出を停止しており、供給面での制約が予想されるため、同地での生産を停止すると明らかにしている。

Harley-Davidson(ハーレーダビッドソン)は同日、ロシアでの事業と、同国へのオートバイ出荷を停止したと発表した。このブランドは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が乗っているところを写真に撮られたことがある。ロシアは米国のバイク会社にとってあまり重要な市場ではなく、ロシアには10店舗ほどしかディーラーがない。

英国の高級車メーカー、Jaguar Land Rover (JLR、ジャガー・ランドローバー)とAston Martin(アストン・マーティン)も、取引問題を理由にロシアへの車両出荷を一時停止した。JLRは2021年にロシアで6900台を販売したが、これは世界販売の2%未満だ。Aston Martinは、世界販売台数におけるロシアとウクライナの割合は合わせたても1%だと述べた。

地政学的な状況や自動車メーカーの対応は常に変化している。最新情報については再びチェックして欲しい。

画像クレジット:Anton Vaganov / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォードとボルボがカリフォルニア州でEV用バッテリーの無償リサイクルプログラムに参加

Tesla(テスラ)の元CTOであるJB Straubel(J・B・ストラウベル)氏が創業したスタートアップRedwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)は、カリフォルニア州で電気自動車のバッテリーリサイクルプログラムを開始する。Ford(フォード)とVolvo(ボルボ)が設立パートナーとなる。EVの材料調達に圧力が高まっていることが背景にある。

基本的な計画は、Redwood Materialsがカリフォルニアのディーラーや解体業者と協力し、ハイブリッド車や電気自動車の使用済みバッテリーパックを回収するというものだ。ストラウベル氏によると、このプログラムはバッテリーを持ち込む側にとっては無料だ。バッテリーを回収し、適切に梱包して、ネバダ州北部にあるRedwood Materialsのリサイクル施設に輸送する費用は、パートナー企業であるVolvoとFordとともに、Redwood Materialsが負担する。同社は、車種に関係なく、カリフォルニア州内のすべてのリチウムイオン電池とニッケル水素電池を受け入れる予定だ。

「今は混乱していて、人々にとってすばらしい、つまり明白で明確な解決策がないのです」とストラウベル氏はいう。「これは、私たちが変えたいことの本当に重要な部分です。最初はアメリカの誰もが、そしてゆくゆくは世界の誰もが、非常に簡単にバッテリーをリサイクルし、材料がかなり高い割合で回収されるようにしたいのです」。

同社は、スクラップ回収業者やディーラーがバッテリーの回収を組織化するために利用できるポータルを立ち上げた

このパイロットプログラムはまだ初期段階にあり、いくつかの部分は明確に定義されていない。

「強調したいのは、私たちはこのすべてにおいて学習中であり、これはちょっとした西部劇だということです」とストラウベル氏は話す。「少し複雑であることが、これまで実現しなかった理由の一部かもしれないと考えています」。

Redwood Materialsは、循環型サプライチェーンの構築を目指し、2017年に創業した。同社は、携帯電話のバッテリーやノートパソコン、電動工具、パワーバンク、スクーター、電動自転車などの家電製品だけでなく、バッテリーセル製造時に出るスクラップもリサイクルしている。そして、これらの廃棄物を加工し、通常は採掘されるコバルト、ニッケル、リチウムなどの材料を抽出し、それらを再びパナソニックやAmazon(アマゾン)、Ford、テネシー州のAESC Envisionなどの顧客に供給している。

目的は、クローズドループシステムを構築することで、最終的に電池のコストを削減し、採掘の必要性を相殺することにある。

現在市販されている電気自動車には、リチウムイオン電池が搭載されている。電池には2つの電極がある。一方がアノード(負極)で、もう一方がカソード(正極)だ。真ん中に電解液があり、充放電の際に電極間でイオンを移動させる運び屋として働く。アノードは通常、黒鉛でコーティングされた銅箔でできている。

自動車メーカーが電気自動車の生産を拡大し、やがて内燃機関を搭載した自動車やトラックに取って代わるようになると、電池とその材料の需要が急増すると見込まれる。自動車の電動化に取り組む主要自動車メーカーのほぼすべてが、バッテリーセルメーカーやその他のサプライヤーと提携を結び、サプライチェーンの強化に努めている。

2022年初め、既存のパートナーであるパナソニックは、Redwood Materialsとの関係拡大の一環として、Teslaとともに運営するギガファクトリーで製造するバッテリーセルに、2022年末までにリサイクル材をもっと使うと発表した。

Redwood Materialsは、バッテリーセルのアノード側の重要な構成要素であるリサイクル材から製造された銅箔のパナソニックへの供給を始める。Redwood Materialsは2022年前半に銅箔の生産を開始する。銅箔はパナソニックに送られ、年末までにセルの生産に使用される予定だ。

画像クレジット:Screenshot/Redwood Materials

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

2024年発売予定の新型電動4ドアGT「Polestar 5」は軽量で高剛性のアルミニウム接着構造プラットフォームを採用

2024年末に発売されるPolestar 5(ポールスター5)は、それ以前のモデルとはまったく異なる作りになるようだ。スウェーデンに本拠を置く電気自動車メーカーのPolestar(ポールスター)は現地時間2月15日、今後登場するこの電動パフォーマンス4ドアGTが、Polestar 1や2のようなスチール溶接ではなく、まったく新しい軽量なアルミニウム接着構造プラットフォームを採用すると発表した。

画像クレジット:Polestar

アルミニウムを溶接すると一般的に降伏強度が半分になるため、同じ性能を得るためには2倍の材料を使用しなければならず、そもそも軽量な金属を使用する目的が失われてしまう。一方、アルミ製の部品を接着(ネジや接着剤で取付)すると、材料の使用量は減るが、生産時間は長くなる。

「接着剤を硬化させるためのサイクルタイムは、一般的な溶接セルと比較するとかなり長くなります」と、Polestarの車両エンジニアリング担当ディレクターであるSteve Swift(スティーブ・スウィフト)氏はEngadgetにメールで語り「製造の一貫性をコントロールする戦略は、従来の製造方法とは大きく異なります」と続けた。

アルミニウムを使用することによる素材の優位性を維持しつつ、部品を接着することによる生産上の不利を最小限に抑えるために、Polestarのエンジニアリングチームは、ボディとプラットフォームを一斉に組み立てる、より高速な製造プロセスを開発した。

画像クレジット:Polestar

「プロジェクトの初期段階で、我々が求める運動性能を実現するために必要な構造剛性の目標値を固めることができました」と、スウィフト氏は述べ、ユニボディ構造の利点を説明する。

「そのため、性能を実現するために後から設計を変更する必要はなくなります」と、同氏は認めている。「従来の戦略では、プラットフォームとボディの性能に対する貢献度がアンバランスであることが判明した場合、妥協や修正が必要になります」。

この設計による時間短縮の効果はすでに生まれており、開発開始からわずか18カ月で、初期段階の一連の試作品を製造・納入することができたという。スウィフト氏は、このプロセスによって「必要となる一部の生産ツールの製作期間も短縮できる」と期待している。さらに、Polestarは火曜日の発表で、5は「伝統的な2人乗りのスポーツカーやスーパーカーよりも優れたねじり剛性を持つように設計されている」と言及し「より小さなセグメントの車よりも軽い重量になることが予想される」と述べている。これによって移動する車両の質量が減るため、航続距離が伸び、ハンドリングも改善されるはずだ。

画像クレジット:Polestar

この技術は、Polestar 2の生産にさかのぼって適用することはできないが、Polestar 5での成功をきっかけに、将来のプロジェクトにも適用される可能性はある。「まだ何も研究開発していませんが、私たちはその可能性を夢見ています」と、スウィフト氏は語っている。

編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したAndrew Tarantolaは、Engadgetの編集主任。

画像クレジット:Polestar

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(文:Andrew Tarantola、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ボルボが車両のデジタル化が進む今後も「高い安全性」というイメージを維持する方法

現代の自動車において、安全性とはもはや単なるエンジニアリングの課題ではない。センサーやソフトウェアに依存し、ドライバーにとって明確で直感的なユーザーエクスペリエンスが鍵となる、テクノロジーとデザインへの挑戦なのである。

安全性の代名詞ともいえるVolvo(ボルボ)は、どのようにして核となるメッセージを失うことなく、彼らが革新的かつ先進的な考えを持ち、明敏な企業であることを顧客に伝えられるのだろうか。この新世界の目まぐるしい変化についていけなければ、最も高い安全性を象徴する自動車メーカーとしての評判を落とすことになりかねない。

Volvoがどのようにして、機敏かつ革新的でありながらも安全な会社であるというスイートスポットに到達しようとしているのか、そのヒントは伝統的なIPOの道を歩んでいる同社の株式公開へのアプローチや将来の自動車計画に見出すことができる。対照的に、スピンオフした兄弟企業のPolestar(ポールスター)は、ブランクチェックカンパニーとの合併により上場し、テクノロジーとデザインにおけるリーダーとしての地位を確立しようとしている。

Polestarのアプローチは、意図せずしてVolvoが安全性においてより慎重なリーダーであることを際立たせることになる。またVolvoは、Polestarのモデルで実証された最新の革新技術を利用しながら、差別化していくこともできるのである。

VolvoのUX部門の責任者であるThomas Stovicek(トーマス・ストヴィチェク)氏は次のように話している。「今私たちが目にしているのは、少し前にモバイル業界で起こったような業界の変革で、新しい機能や可能性、新しいセンサーなどが常に誕生している非常に興味深い分野だと思います。同時に、ユーザーにとっては複雑にもなりかねません。そのためユーザーエクスペリエンスの話をするときには、お客様にとっての使いやすさや、自動車という環境に置いたときの問題点を理解することについて話すことが多くなっています」。

しかしいくら安全性の先駆者とされるブランドでも、問題を完璧に避けることはできない。現代の自動車の安全性は、車体だけでなくシステムを運用するために必要な膨大なデータにまで及んでいる。Volvoは米国時間2021年12月10日、セキュリティ侵害により研究開発データの一部が盗まれたことを発表した。同社は「現在判明している限りの情報では、顧客の自動車の安全性やセキュリティ、あるいは個人データに影響を与えることはありません」と安全性への懸念に対してすばやく声明を出している。

関連記事:ボルボ、セキュリティ侵害で研究開発データの一部が盗まれる

オラフ vs エルサ

Polestarは企業アイデンティティを定義するにあたり、Volvoとは異なる方向性を示している。Volvoが「安全性と自律性を重視」しているのに対し、Polestarは「技術と性能を重視」している。またVolvoは「安全と責任」を掲げているが、Polestarは「持続可能で進歩的」を謳っている。

Polestarはクールでミニマルだが、 Volvoは暖かくて安心感のあるブランケットのようだ。「アナと雪の女王」で例えるならば、Volvoはオラフのような心地良い魅力を放ち、Polestarは氷の女王エルサである。

Volvoは姉妹ブランドであるPolestarの進化とは逆に、慎重に戦略を進めている。

例えば、VolvoはGoogle(グーグル)と共同でAndroid AutomotiveのOS開発に携わったにもかかわらず、Polestarブランドが先にこれを導入し「Polestar、Volvoには不可能な方法による電気自動車制作を目指す」などという見出しがつけれらている。

新参者であるPolestarは、 Volvoの年間販売台数が50万台であるのに対し1万台程度とまだ比較的小規模であり、その名を知らしめようと機会を模索している最中だ。

Polestarの広報担当者はメールで次のように伝えている。「Polestarはより大きなグループにおける技術リーダーであり、今後もそうあり続けるでしょう。すでに市場に投入されているGoogleのインフォテイメントシステムがその良い例です。Polestar 2が最初にデビューさせ、VolvoはXC40 Recharge、そして今回のXC60でそれに続きました。今後数年の新技術の展開に伴い、Polestarが先駆けてVolvoがそれに続くという形がますます増えていくと思います」。

画像クレジット:Kirsten Korosec

負荷を軽減

Polestarの先進的なメッセージとは対照的に、顧客向けの技術に関してVolvoは車内での体験を「Less is More」の考え方にシフトしている。そしてそのシステムも、Android Automotive OSの登場によって支えられている。

Volvoはこのシステムによってドライバーの認知的負荷を軽減させたいと考えており、人によってどのように情報が変化するかを理解するために、研究チームに行動心理学者を採用しているという。

「高いレベルでの原則として、当社は複雑さを単純化してからユーザーに提供しようとしているのだと思います」とストヴィチェク氏は話す。「まだまだできることはたくさんあります。私たちは衝突事故ゼロを目指していますし、今後プラットフォームに搭載される新機能を使えば、おもしろいことがたくさんできると思います」。

つまり、ドライバーに緊急事態を警告するために使用する場合を除き、鳴動音やブザー音、気が散るような通知は極力減らされるということだ。Volvoの広報担当者は「機能を隠すというのが目的なのではなく、ユーザーエクスペリエンスをシンプルにし、ドライバーの気を散らさないようにするというのが目的です」と伝えている。

「当社は、テクノロジーではなく、使う人を中心に設計、開発しており、可能な限り直感的なユーザーエクスペリエンスを実現できるよう追求しています」。

ここ数年、自動車にスクリーンが搭載されるようになって以来、自動車メーカーはインフォテインメントシステムにありとあらゆるものを投入するようになった。VolvoはXC90を発表した際、いち早く旧式のSensus OSを採用してスクリーンを標準装備している。現在も同社は、ドライバーに提示する情報をさらに厳選するために取り組んでいる他、NVIDIAに依頼して、グラフィック処理を必要とする入力ライダーセンサー、レーダー、カメラの匿名化された安全データを収集し、理解を深めようと試みている。

 完全電気自動車であるVolvo XC40に新しいインフォテイメントシステムを導入

最近Volvo XC60に乗ってみて私が気づいたのは、インフォテイメント画面が先代よりもシンプルで明るくなったということである。また、ワイヤレス充電システムはなかなか作動せず、設定画面を開かなければならなかった。目の前の画面での選択肢の少なさは、ここ10年で出た新型車に対するアンチテーゼとも言える。

Volvoは何十年もの間、道路上で最も安全な車という評判を守り続けてきた。同社がその安全性を主張できるのは、同社の画期的な研究開発によって得られた評価のおかげである。

1959年にはシートベルトが導入され、1972年には後ろ向きのチャイルドシート、1978年にはブースターシートが導入された。1994年には側面衝突防止装置が導入され、また2008年には衝突回避機能、そして歩行者保護機能が導入された。その年、Volvoは「当社の車の中では1人も重傷者を出さない」という目標を掲げている。2021年には米国道路交通安全局の新車評価プログラムにおいてVolvoの11車種が最高の安全性評価を受けた。

ハンズフリー

自動車メーカーたちは今、スマートフォンという運転上最も安全でないものを使って車載システムをコントロールしたがる顧客の欲求に直面している。しかしVolvoはスマートフォンを消費者の手から遠ざける方法を優先しているという。

同社のUX&イベント部門アシスタントトップのAnnika Adolfsson(アニカ・アドルフソン)氏は「ユーザーは車内では提供されていない機能を実現するために携帯電話を使用していますが、それが安全ではない環境を作り出しており、私たちはそれを避けたいと考えていました」。

サードパーティのアプリに対応するため、ソリューションはAndroid Automotiveのアーキテクチャに組み込まれ、運転中でも安全に使用できるプラットフォームとなった。

Volvoは、Android、Google Maps、Google Assistant、Google Play Storiesの各チームと協力し、その結果、シンプルでクリーンなエクスペリエンスが誕生した。「長い間使用し続けられるプラットフォームを開発できたという点が、特にすばらしい点だと思います」とアドルフソン氏は話している。

また、ドライバーが車に乗るとすぐに起動するため、先を見越した安全性が実現する。

「初めてクルマに乗った人がどのような体験をするのか、どうすればその人の助けになるのかを考えてきました。以前の車では、自分でセッティングから探さなければなりませんでした」とアドルフソン氏はいう。

安全第一

スモールオーバーラップ衝突試験。画像クレジット:Volvo

残念なことに、安全性と技術の進歩は、特に人間の判断が介在する場合には、必ずしも一致しない例が多く見受けられる。

「Tesla and self-driving accident(テスラと自動運転の事故)」で検索してみるといい。Teslaは際どい判断を下すことで有名だが、その莫大な価値には影響していないから不思議である(Tesla Model 3の衝突安全性については高い評価を得ていることを付け加えておきたい)。

TeslaもVolvoもその他の自動車メーカーと同様、最先端を行くためにより多くのADAS機能を将来の製品に組み込もうと精を出しているが、新技術の統合は消費者の信頼や一般的な安心感とは必ずしも一致しない。

AAA Foundation for Traffic Safetyの最近の調査によると、完全自律走行車に安心して乗ることができたドライバーは10人に1人しかいないという。

関連記事:【コラム】自動運転車の普及にはまず運転支援システムが消費者に信頼されることが必要

Volvoは自社のウェブサイトで「最近の消費者調査によると、 Volvoは安全な自律走行車を展開できる最も信頼されている自動車メーカーである」と述べている。完全な自律走行車の実現までには、まだ数年かかると同社は伝えている。

自動運転システムをいち早く完成させ、これまで以上に安全性を高めることができると顧客に確信させると同時に、一流の電気自動車メーカーになれると顧客に信じてもらうというのがVolvoの計画である。そのために慎重になっている同社だが、それは正当な考えだろう。

しかしここで、道路をより安全にするための技術がなぜ「技術第一」と呼ばれなければならないのかという疑問も当然起きてくる。これは、安全を守るということの意味を考える上で興味深い問題だ。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Tamara Warren、翻訳:Dragonfly)

Volvoが新型e-SUVに自律走行機能を搭載へ、LuminarやZenseactと提携

Volvo Cars(ボルボ・カーズ)は米国1月5日、ライダー企業のLuminar(ルミナー)および自律走行(AD)ソフトウェア子会社のZenseact(ゼンセアクト)と協力して、次世代の完全電気自動車にAD機能を導入するとCESで発表した。「Ride Pilot(ライドパイロット)」と命名したこの機能を、今年後半に公開予定の電動SUVにアドオン・サブスクリプションとして導入することを目指す。

Volvoによると、Ride PilotはVolvoが「監視なし」のAD機能と呼んでいるもので、車が自分で運転できるようになるため、乗車する人は「読書、執筆、仕事、社交などの二次的活動」を楽しむ時間がたっぷり取れるようになるという。Volvoが株式の過半数を保有するLuminarとZenseactは、少なくとも2021年3月からこうした機能の構築に取り組んでいて、両社は技術を組み合わせて、他の自動車メーカーに提供できる「全体的な自律走行車スタック」を構築する計画を共有していた。Nvidia(エヌビディア)のシステムオンチップが、Volvoの基幹計算システムを動かす。

Volvoは、自律走行機能を備えた商用車の市場投入に向けた戦略を策定した最新の自動車メーカーだ。Tesla(テスラ)は、誤解を招くような名前の「Autopilot(オートパイロット)」と「完全自動運転」ソフトウェアを世に送り出した。これらは、カメラとコンピュータービジョン技術のみに依存し、はっきりと確認できる車線内での自動操縦、交通状況認識クルーズコントロール、自動車線変更、自動駐車、車呼び出し、交通および停止信号制御といったタスクを処理できる高度な運転支援機能を提供するものだ。中国の自動車メーカーXpeng(エックスペン)も、ライダー、レーダー、カメラに依存し、ドライバーが設定したルートに基づいて地点から地点への自動運転を支援する次世代ADASである「Xpilot」を展開している。

Volvoのデジタルビジネス担当副社長Martin Kristensson(マーティン・クリステンソン)氏は、「Ride Pilotで重要なのは、実際に自動運転ができることです」とTechCrunchに語った。「ハンドルにずっと手を置いている必要はありません。前方を見る必要もありません。実際に車の中で朝食を食べたり、本を読んだり、映画を観たりでき、その間、車が勝手に運転します。私たちは、車が自動運転しているときに責任を負います。そういう意味で、今の市場にはない提案だと思います」

Ride Pilotが市場に出る前に、このソフトウェアは、多くの条件下で高速道路で安全に使用できる技術の検証を含む、厳格な検証およびテストプロトコルを受けるとVolvoは話す。当初、Ride Pilotは限られた運用設計領域で利用できるようになる予定だ。具体的には、 Volvoが検証した高速道路での低速走行に限定される。

カリフォルニア州の顧客が最初にRide Pilotを体験し、その後、他の市場に徐々に展開する予定だが、カリフォルニア州が自律走行試験に対して良好な規制環境にあること、晴天が多い気候、そして高速道路を利用する車が多いことを考えれば、これは理にかなっている。ロサンゼルスの通勤者は平均年119時間も渋滞に巻き込まれており、その時間をもっと有効に使えるとVolvoは考えている。

Volvoはカリフォルニア州の公道で車両をテストするための許可を確保する必要があるが、クリステンソン氏は、同社が「カリフォルニア州陸運局を含む関連規制機関と対話し、必要なすべての承認を確保している 」と話す。今のところ、同社はスウェーデンでZenseactとRide Pilotのテストを行っているだけだが、今年半ばまでにはカリフォルニアの公道でのテスト開始に必要な許可を得られる見込みだ。Volvoがこの技術を実際に商業展開するために必要となる規制は、業界が提供するものに対してまだ追いついていない。例えば、カリフォルニア州には現在、運転中のドライバーの電話使用を禁止する法律がある。これは、自動運転中にTwitterをスクロールしたり、電子メールに返信したりできるとうたってドライバーをRide Pilotに加入させるVolvoの計画にとって障害になるかもしれない。

TechCrunchの情報提供要請に対するカリフォルニア州自動車局からの回答は間に合わなかった。

Volvoは、Ride Pilotサブスク料金や、SUVがいくらで販売される可能性があるかについては情報共有しなかったが、クリステンソン氏によると2022年のVolvo XC90の価格とほぼ同じで、5万ドル(約580万円)程度からになるとのことだ。顧客がソフトウェアを追加するかどうかにかかわらず、車両にはADとADAS機能を実現するために必要なすべてのセンサーを搭載する。その中でも、LuminarのIrisライダーセンサーは、光る宝石のようにルーフトップに取り付けられるのではなく、よりシームレスに車両のルーフラインに統合されるようになっている。さらに、新型SUVには5つのレーダー、8つのカメラ、16の超音波センサーが搭載される予定だ。

「Volvoは、ハードウェアの標準化を決定しました。つまり、人々がRide Pilotをサブスクするかどうかにかかわらず、すべての車両がこのソフトウェアを起動することができ、また、監視して安全で起動できることを確認するために必要なデータを収集することができるハードウェアを備えます」とZenseactのCEO、Ödgärd Andersson(オッドガード・アンダーソン)氏はTechCrunchに語った。 「全ての車両に、急ブレーキや急ハンドルの操作をサポートするような、基本的な安全機能が標準装備されます。この新しいレベルの技術とライダーによって実際に全く新しいレベルに到達し、その上、より優れたセンシングと計算が可能になったため、運転中にアシストするクルーズ機能が新しいレベルに到達したのです」

テスラのFSDと同様に、継続的に冗長性を確保するために、新しい市場のユーザーと既存のユーザーの両方に、ソフトウェアそのものとアップデートを無線で送信することができる。

Volvoは今後展開する電動SUVのデザインの詳細をまだ明らかにしていないが、フラットフロア、ガラス天井、後ろヒンジのスイング式後部ドアを備えたクロスオーバーに少し似ている、7月に公開したコンセプトEV「 “Concept Recharge(コンセプト・リチャージ)」は「実際の車がどのように見えるかをよく示しています」とクリステンソン氏は述べた。Volvoは、EVバッテリーを製造するNorthvolt(ノースボルト)、Google(グーグル)、Luminarといった企業と提携し、このEVや将来の車両を作る。

CESの期間中、Volvoは、Qualcomm(クアルコム)のSnapdragonデジタルコックピットインフォテインメントセンターを新しい電動SUVに実装する計画も明らかにした。また、Volvoは1月5日にGoogleとの提携の詳細も発表した。Googleアシスタント対応デバイスとの統合により、ユーザーはGoogleに車のウォームアップを頼んだり、YouTubeを車にダウンロードしたりすることができるようになる。

「電気自動車の充電を待っている間、あるいは自律走行車内で運転というより乗ってくつろいでいる状況で、ドライバーが運転以外の時間を車内で過ごすことが増えるとみています。ですので、車内でもっとデジタルサービスを可能にしたいのです」とクリステンソン氏は述べた。

Volvoが戦略的パートナーシップを通じて構築している一連のデジタルサービスは、同社がサブスクリプションモデルを構築し、顧客がこれらの新製品とどのように接したがっているかを学ぶ機会を与える。

デジタル・コンシューマー・プロダクト責任者のAnne-Mette Nygaard(アンネ・メッテ・ナイガード)氏はTechCrunchに次のように語った。「来年には、前もって購入するのではなく、実際にサブスクできるサービスや体験が消費者に提供されるでしょう。ですから、より柔軟なオーナーシップ、そして消費者への透明性を高めることが進むべき道なのです」。

画像クレジット: Volvo Cars

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Google HomeとYouTubeがVolvo Carsと統合

米国時間1月5日にCESで、Googleは、Androidデバイスをネットに接続し続けるためのさまざまな方法を披露した。そこには自動車も含まれており、多くの車両がEVになり、自動車メーカーがソフトウェアの開発者へと進化していくにつれて、自動車がコネクテッドデバイスになっていくであろうことが予想される。

その1つの例が、Volvo Carsだ。同日、VolvoとGoogleは数カ月後にGoogle Homeのエコシステムを直接統合すると発表した。この統合で自動車オーナーは、オンオフや温度調整、バッテリーの寿命といった自分のクルマの情報取得などを、Googleアシスタント対応のホームデバイスやモバイルデバイスに音声のコマンドでさせることができるようになる。また、Volvo車とGoogleアカウントをペアリングすると、車内でGoogleと直接会話することができるようになる。

Googleによるとこの機能は、当初米国とスウェーデン、ノルウェー、ドイツ、イタリア、フランス、スペインなどのヨーロッパ市場で利用できるようになるが、近いうちに他の市場にも対応していくとのこと。

またVolvoによると、今後のVolvo車はGoogleが内蔵されるため、YouTubeをダウンロードするプラットフォームにもなり、車内でビデオのストリーミングを楽しめるようになる。YouTubeはQualcommのSnapdragon Cockpitプラットフォームから利用でき、Volvoの発表によると、次期の電動SUVに搭載される。Googleとのパートナーシップは、デジタルサービスを増やし、ドライバーにより多くのエンターテインメントを提供していくという大きなプランの一環だという。そのために同社が導入を準備しているRide Pilotは、同社の新しい「監督不在」の自動運転機能であり、最初はハイウェイを走る同社の次期SUVを完全に自動運転化する。その際ドライバーは、ハンドルから完全に手を離して、他のことをしていてもいい。

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「顧客が充電時や子どもが学校から出てくるのを待つ間にビデオを見られることは、生活を幸福で楽しくするという私たちの約束の一環です。YouTubeなどのメジャーなストリーミングサービスを近く見られるようになれば、顧客は充電の時間を面倒と思わずに、むしろ楽しめるようになり、EVのオーナーであることが、やや気楽なものになるでしょう」とVolvo CarsのチーフプロダクトオフィサーであるHenrik Green(ヘンリック・グリーン)氏は声明で述べている。。

Volvoだけで満足していないGoogleは12月に、クルマのデジタルキーを発表した。それによりユーザーはGoogle PixelとSamsung Galaxyスマートフォンの一部機種で、2020、2021、2022年式のBMW車 / 互換車のロックとアンロックおよび始動ができる。今回のGoogleの発表では、ユーザーは年内に超広帯域無線のデジタルカーキーを使って、スマートフォンをポケットから取り出さなくてもクルマをアンロックすることができ、キーを他の人と共有することもできる。この機能が使えるのは、ヨーロッパ、アジア、北米、アフリカの一部、そしてロシアとニュージーランドとオーストラリアとなっている。

画像クレジット:Volvo Cars

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)

クアルコムが自動車分野へのさらなる注力を表明、ボルボ、ホンダ、ルノーなど新規顧客を発表

大手テクノロジー企業のQualcomm(クアルコム)は2022年のCESで、自動車分野の技術をさらに発展させるという強い意志を示した。同社は、新しいOEM顧客を発表するとともに、最新のSnapdragon Digital Chassis(スナップドラゴン・デジタル・シャシー)で、欧州の自動車業界の顧客をサポートするために、ベルリンにエンジニアリング・ソフトウェア・オフィスを開設した。

「このオフィスの開設は、自動車分野に新しいエキサイティングな技術を提供するという当社の取り組みをさらに証明するものです」と、Qualcommの欧州 / MEA担当シニア・バイス・プレジデント兼Qualcomm Europe(クアルコム・ヨーロッパ)社長であるEnrico Salvatori(エンリコ・サルバトーリ)氏は、声明で述べている。

このSnapdragon Digital Chassisとは、自動車メーカーが全面的またはアラカルト的に採用できるクラウド接続の「プラットフォーム」群のことで、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転に対応した「Snapdragon Ride(スナップドラゴン・ライド)」プラットフォームをはじめ、LTE、5Gコネクテッドサービス、セルラーV2X(Vehicle to X、車両とさまざまなモノとの相互接続)、Wi-Fi、Bluetooth、精密測位に対応した「Snapdragon Auto Connectivity(スナップドラゴン・オート・コネクティビティ)」プラットフォーム、そして次世代のデジタルコックピット / インフォテインメントシステムである「Snapdragon Cockpit(スナップドラゴン・コクピット)」などがある。

同社によると、Digital Chassisを含むQualcommの統合自動車プラットフォームには、130億ドル(約1兆5000億円)を超える受注パイプラインがあるという。現在のSnapdragonの背景にあるのは、2020年のCESで発表されたQualcommのCar-to-Cloud(カーツークラウド)サービスで、これは自動車を常にクラウドに接続させておくことを目的とした同社初の製品だった。これによって、より迅速な無線アップデートが可能になる他、車両や使用状況の分析データを収集し、同社とパートナーである自動車メーカーの両方に、新たな収益源を生み出すことができる。

「Qualcomm Technologies(クアルコム・テクノロジーズ)は、自動車メーカーが独自性と差別化を求めていること、そして自動車および輸送のビジネスモデルを再定義する大きな機会が到来していることを理解しています」と、Qualcommの自動車部門担当シニア・バイス・プレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるNakul Duggal(ナクル・ドゥガル)氏は、声明で述べている。「Snapdragon Digital Chassisのプラットフォームでは、ユーザーが車両を購入した後も継続的に新機能を利用することができ、自動車メーカーは顧客エンゲージメントの強化やサービスベースのビジネスモデルを実現するための新機能やサービスを生み出すことが可能です」。

Volvo Car Group(ボルボ・カー・グループ)は、自社の製品にSnapdragonを統合する多くの自動車メーカーの1つとなった。米国時間1月5日に行われた発表で、同社はボルボの次期型電気自動車SUVと、ボルボ傘下の高性能EVブランドであるPolestar(ポールスター)から登場する新型SUV「Polestar 3(ポールスター3)」に、Google(グーグル)のAndroid Automotive(アンドロイド・オートモーティブ)を搭載したQualcommのSnapdragon Cockpitプラットフォームと、Wi-FiやBluetoothをサポートする一連のワイヤレス技術が採用されることを明らかにした。これらの機能を搭載した車両は、2022年後半に発売される予定だ。

また、Honda(ホンダ)も同社の次期モデルにQualcommのデジタルコックピットを初めて採用する計画を発表。この新型車は2022年後半に米国で、2023年には世界各国で発売になる見込みだ。

Renault Group(ルノー・グループ)はすでに2021年9月に、電気自動車「Mégane E-Tech(メガーヌEテック)」にQualcommのデジタルコックピットを採用する計画を明らかにしているが、米国時間1月5日にはこのコラボレーションを、Auto ConnectivityプラットフォームやSnapdragon Rideプラットフォームなど、一連のDigital Chassisプラットフォーム全体に拡大する計画を発表した。

ボルボ、ホンダ、ルノーが加わり、数多くの自動車会社が名を連ねるQualcommのSnapdragon顧客リストは、2021年10月に同社が自動車技術会社のVeoneer(ヴィオニア)を買収した頃から本格的に活性化したように思われる。以来、QualcommはBMW、GM、Hyundai(ヒョンデ)、JiDu(ジドゥ、集度汽車)、Xpeng(シャオペン、小鵬汽車)、NIO(ニーオ)、WM(威馬汽車)など約40社の自動車会社と契約を結び、これらのメーカーの自動車にさまざまなSnapdragonプラットフォームを統合させている。

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QualcommのSnapdragonは、自動車のインフォテインメント機器を製造している他の企業の技術革新にも貢献している。今回のCESでは、同社はAlps Alpine(アルプス・アルパイン)と提携し、Snapdragon Cockpitを用いた「Digital Cabin(デジタルキャビン)」を開発すると発表した。このDigital Cabinには、周辺の視界を映し出すことで死角を改善するeミラー、大型の天井ディスプレイ、各乗員に個別の音楽を浴びせることができるサウンドゾーンなどの技術が含まれる。

Qualcommの顧客の多くは、コックピットやインフォテインメントシステムの強化を選んでいるが、おそらく同社が最も力を入れているのはRideプラットフォームだろう。そのシステムオンチップ(SoC)は、多くのADASや自動運転機能を実現するのに十分な強力なプロセッサーを提供する。Veoneerの自動運転ソフトウェア部門Arriver(アーリバー)が強化しただけで、Rideプラットフォームは、NVIDIA(エヌビディア)の「DRIVE Orin(ドライブ・オーリン)」SoCと直接競合できるようになった。NVIDIA DRIVE Orinは、Cruise(クルーズ)、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)、ボルボ、Zoox(ズークス)、そして最近ではTuSimple(トゥーシンプル、図森未来)などの顧客が、同様の機能を開発するためにすでに使用している。

画像クレジット:Qualcomm Technologies

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ボルボ、セキュリティ侵害で研究開発データの一部が盗まれる

Volvo Cars(ボルボ・カーズ)は、サイバーセキュリティ侵害と、同社の研究開発データが限定的に盗まれたインシデントを調査している。スウェーデンの自動車メーカーである同社は、このデータ侵害を現地時間12月10日に報告した。

同社によると、同社のファイルリポジトリの1つが第三者によって不正にアクセスされたとのこと。調査の結果「限られた量の会社の研究開発資産が侵入の際に盗まれた」ことが判明したと、同社は金曜日に声明を発表した。

Volvo Carsは、限られた量ではあるものの、同社の運営に影響を及ぼす可能性があると述べている。ただし、侵入の規模や何が盗まれたかについての詳細は明らかにしていない。Volvoの広報担当者も、詳細な情報の提供を控えている。

同社は独立した第三者調査機関と協力し、財産の盗難について調査している。

Volvoは、同社の財産へのさらなるアクセスを防ぐための措置を含むセキュリティ対策を実施し、不正アクセスを検知した後、関連当局に通知したと述べている。

今回の盗難は、顧客情報ではなく、会社の研究開発データをターゲットとしたものだったようだ。同社は「現在わかっている限りでは、顧客の所有する車や個人データの安全性やセキュリティに影響を与えるとは考えていない」と述べている。

侵入を最初に報じたメディア「Inside-it」は、Volvoのデータが「Snatch」というランサムウェアギャングのウェブサイトで公開されたことを示すスクリーンショットをダークウェブで見つけた。

デジタルリスク保護企業のCybelAngelが2021年秋に発表した報告書によると、自動車業界は、オンライン上に何十万もの露出した認証情報が存在するため、ランサムウェア攻撃の深刻なリスクにさらされているという。

CybelAngelが自動車関連企業を対象に行った6カ月間の調査では、企業秘密、個人を特定できる情報、エンジンや生産設備の設計図、機密契約書、人事文書など、非常にセンシティブな情報が流出していることが判明した。同社は、これらの情報漏えいは、自動車のサプライチェーン全体における従業員の内部からの脅威と、外部からのセキュリティ脆弱性が相まって原因となっていると結論づけている。

画像クレジット:Getty/Hector RETAMAL / AFP

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

Polestar PreceptはEV自動車メーカーの未来を暗示している

Polestar(ポールスター)は、今後3年間で電気自動車を発売するという壮大な計画を遂行していく。その集大成となるのが、コンセプトモデル「Precept(プリセプト)」。これは、同社の未来を物理的に表現した「ロゼッタストーン」のようなものだ。

Volvo(ボルボ)から独立したブランドであるPolestarは、このコンセプトを「マニフェスト」と呼んでいる。言い換えれば、Polestar 5として生産されるPreceptにより、EV自動車メーカーである同社が目指す姿を消費者や将来の株主に伝えるのだ。

Polestar USAの責任者であるGreg Hembrough(グレッグ・ヘンブロー)氏は、ニューヨークで開催された会社説明会でTechCrunchのインタビューに応じ、「今後数年間は、Volvoのルーツから離れ、自社ブランドを確立していくことになるでしょう」と語った。説明会では、同社のCEO、Thomas Ingenlath(トーマス・インゲンラート)氏をはじめとする経営幹部が、新しい市場に進出し、販売台数を10倍に増やし、またその過程で3つの新型車を発売する計画を打ち出した。この野心的な計画は、同社のコアバリューであるデザイン、サステナビリティ、イノベーションに基礎を置いている。

これまでの道のり

Polestarは1996年、Volvo Carsのためにパフォーマンス・ソフトウェアを販売・開発するレース会社としてデビューした。スタートからVolvoと関連があったが、同盟は2011年には正式なものになり、Polestarはパフォーマンスパートナーとなった。そしてVolvo車のスポーツ性能を向上させた。2015年にはVolvo Car Groupに完全に買収された。その直後に独自のブランドとして分離独立し、2017年には最初で唯一のハイブリッド車「Polestar 1」を、2019年にはフルEVの「Polestar 2」を世に送り出した。

この2つのモデルを約2万9000台販売した。その大半を、4ドアのEV「Polestar 2」が占めた。Polestar 2は現在、本格的に生産されている唯一のモデルだ。Polestar 1の限定生産は先日終了し、次期SUVのPolestar 3は2022年中の発売を予定している。

将来のデザイン

Preceptは最初から、Polestarの理念をできるだけ多く視覚的に伝えることを目的としてきた。その中でも最も顕著なのは、ラグジュアリーとパフォーマンスだ。これは、同社のブランド・アイデンティティの鍵でもある。兄弟ブランドとの差別化を図り、唯一無二の存在にするものだ。

「Polestar 1とPolestar 2を見れば、私たちの兄弟会社のDNAが少しずつ残っているのがわかると思います」とヘンブロー氏はTechCrunchに話した。「Preceptの意図は、当社の将来のデザイン言語の形を示すだけでなく、デザインやサステナビリティの観点から見えてくる要素を明確に示すことにありました。これらは単にあれば良いと思うもののリストではなく、実際に製品化されるものです」

このことを念頭に置くと、Preceptのビジネスの側面が物語を語り始める。Volvoファミリーの面影は薄れ、より個性的で特徴的な外観となっている。例えば、兄弟ブランドの特徴である「Thor’s Hammer」ヘッドライトは「デュアルブレード」となり、オリジナルのデザインを物理的に半分に割ったように見える。加えて象徴的に、ということでなければだ。

「シャークノーズ」のフェイシア(前面)には、エンジン冷却用のグリルがなく、代わりに「SmartZone」と呼ばれるセンサー群が配置された。先進運転支援システムを強化するためのレーダーエミッターやカメラが格納されており、機能的に、「呼吸する顔」から「見る顔」へと変化した。

また、エアフローを改善するために、フロントにウイングを組み込んだフロントエアロフォイルも採用した。「もちろん、見た目も素晴らしいですよ」と、インゲンラート氏はイベントで熱く語った。

イノベーション

Polestarは技術面で課題を抱えている。例えば、高速道路での自動運転を一定レベルで実現したいという野望があるものの、競合車を上回る性能を実現できなければ意味がない。

Preceptの表層の下には、Polestar 5のスポーティな足回りを暗示するアルミニウム製の構造がある。このグランドツアラーには、Polestar 3に載せたものをベースにした電気系統を備え、Nvidia(エヌビディア)製のコンピューティングを組み込む予定だ。モーターは「P10」という450キロワットのユニットを開発中で、約603馬力を出す。出回っている製品の中でも、最もパワフルなユニットの1つにすることを目指している。また、800ボルトのバッテリーパックは、充電インフラに合わせて400ボルトに切り替えることが可能で、双方向充電にも対応する。

多くの課題がある中で、ヘンブロー氏は、ユーザーエクスペリエンスへの集中が、Polestarを正しい方向に導くと言う。「それは、Polestar 2で早くから取り組んできたことの1つです。Polestar 2は、Googleのサービスを組み込んだAndroid Automotive OSを採用した最初のモデルとなりました。毎月、顧客の車のソフトウェアをワイヤレスでアップデートします。Webブラウザ、ゲーム、ビデオプレーヤーなど、あらゆる面で驚きと喜びを提供しています」

「Polestar 3では、それを迅速に次のレベルに引き上げます。Preceptで示されたように、アイトラッキングのようなものは便利であると同時に、安全性にも寄与します。UXはイノベーションの一部であり続けると思いますが、私たちは安全性から離れることはありません」と付け加えた。

サステナビリティ

同社は、持続可能性の問題を強調し、生産における二酸化炭素の排出量を完全にオフセットするとまではいかないが、削減することに重点を置く。

Polestarは、2030年までに完全にカーボンニュートラルな自動車を生産することを宣言している。これは単なる自己満足ではなく、顧客も積極的に関わる話だ。

「振り返ってみると、5年前、10年前には、こうしたことに消費者が関心をもっていませんでした。しかし、世界は劇的に変化しています。あらゆる消費者が強く意識し、求めているものです」とヘンブローは語る。

「Polestar 0」プロジェクトを宣言したことで、社内の危機感が高まった。多岐にわたる方法を用意していた。まず、Preceptのインテリアには、炭素繊維のような亜麻由来のバイオコンポジット部品など、新しく革新的な素材を使った。シートは再生PES(ポリエーテルサルフォン)プラスチックを織り込んだものだ。ファッションやフットウェアの世界ではすでに使用されている素材であり、Polestarが旧来の自動車メーカーとの差別化を図る方法の1つでもある。「こうしたことは単なるキャッチフレーズではなく、私たちの核心をなすものです」とヘンブロー氏は話す。

革新的な素材以外にも、同社は目標達成のために炭素回収技術を採用するほか、サプライチェーンレベルでの透明性を高め、サプライヤーの業務改善にも力を入れる。

2025年以降

このような大胆な試みは、Polestarの計画のごく一部を表すにすぎない。

同社は、2030年までに完全なカーボンニュートラルカーの生産を目指しているが、その先はどうなるのか。それほど先の未来を描くことは、まさに未知の世界への航海だ。同社自身も、こうした努力が差別化につながるかどうかは、振り返ってみなければわからないと認める。同社には、2040年までに完全に気候変動に中立な企業になるというもう1つの目標があり、それが今後18年間の選択のすべてとは言わないまでも、多くを決定づけることになると思われる。

画像クレジット:Alex Kalogianni

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(文:Alex Kalogiannis、翻訳:Nariko Mizoguchi)

Polestarが新型電動SUVをチラ見せ、今後3年間で販売台数10倍増を目指す

かつてのモータースポーツにおける活躍から、電気自動車メーカーとなった現在まで、スウェーデンのPolestar(ポールスター)は長い道のりを歩んできた。だが、Thomas Ingenlath(トーマス・インゲラート)CEOによると、Volvo(ボルボ)からスピンオフした同社はまだ、始まったばかりだという。

インゲンラート氏は、同社の経営陣とともに、米国時間12月2日にニューヨークで行われたプレゼンテーションで、ポールスターの3年計画を発表した。その中では、野心的な販売目標とともに、次の電気自動車が少しだけ披露された。

「クルマとは非常に感情的なものです」という言葉で、インゲンラート氏はメディアに向けて語り始めた。

2021年12月のイベントでティーザーが公開された新型電気自動車「Polestar 3」(画像クレジット:Polestar)

その核となる計画は、2024年までに3つの新型車を発売するとともに、欧州とアジア太平洋地域の新しい市場に進出することで、販売台数を約29万台に拡大するというものだ。そしてこの拡大の基盤となるのが、デザイン、サステイナビリティ、イノベーション、カスタマーエンゲージメントというポールスター独自のコアバリューである。

今回のプレゼンテーションでは、特にサステナビリティ(持続可能性)が強調され、2030年までにカーボンニュートラルな自動車を生産するというポールスターのミッションが再確認された。そのためには、リサイクル素材の使用から、サプライチェーンレベルにおけるビジネスの変更まで、大小さまざまな持続可能への取り組みが必要になる。

今後発表される新型車「Polestar 3(ポールスター3)」と「Polestar 4(ポールスター4)」については、我々はまだほとんど何も知らされていない。それでもインゲンラート氏は、生産に向けて動き出していると主張し、EV愛好家を魅惑するPolestar 3のティーザー画像も公開した。このオールエレクトリックSUVは米国のサウスカロライナ州チャールストンで製造される予定だ。

関連記事:ボルボの高級EVブランドPolestarが初のフル電動SUV「Polestar 3」を米国で生産へ

Polestar 3は、気候変動に配慮したやり方で生産が行われるとともに、LiDAR開発企業であるLuminar(ルミナー)製のハードウェアとNVIDIA(エヌビディア)製のプロセッサを搭載し、高速道路での自動運転を可能にする先進運転支援システムを搭載することになっているが、発売当初はこの機能を使用することはできないようだ。

2022年に発売されるPolestar 3について、我々はほとんど知らされていないが、2023年に登場予定というPolestar 4についてはさらに不明だ。今回のプレゼンテーションで公開されたティーザー画像によると、Polestar 4は3よりコンパクトなプレミアムスポーツSUV「クーペ」として作られるモデルであり、後方がより傾斜したファストバック型のプロフィールを持つとされているが、それ以上の情報はない。

ポールスターは、3と4の価格帯のベンチマークとして、それぞれPorsche(ポルシェ)の「Cayenne(カイエン)」と「Macan(マカン)」の名前を挙げている。このことから、両車が目指すラグジュアリーとパフォーマンスのレベルにおいても、これらの競合車が基準となっていることが推察される。

興味深いことに、現時点で最もよくわかっているクルマは、最も遠い存在であるはずの「Polestar 5(ポールスター5)」だ。

ポールスターは先日、コンセプトカーの「Precept(プリセプト)」が、5番目のポールスター車となる4ドアのラグジュアリースポーツGTとして市販化されることを正式に発表した。現状でプリセプトはある意味、ポールスターの未来を物理的に宣言するものであり、今後発表になる2台のSUVにも影響を与えることになるだろう。

関連記事:Polestarが次世代EVセダン「プリセプト」改め「Polestar 5」は2024年に市場投入と発表

3年間で販売台数を2万9000台から29万台に飛躍させることは、ポールスターの存在感が増すというだけでなく、大変厳しい話にも聞こえるが、インゲンラート氏は心配していない。「これから先のポールスターは、すべてが成長するためにあります」と、同氏は語った。

すでに生産が開始されているというPolestar 3については、近いうちにより詳しい発表があるだろう。

画像クレジット:Alex Kalogiannis

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(文:Alex Kalogiannis、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ボルボが車内ARを見据え光学オーバーレイのスタートアップSpectralicsに約2.3億円を投資

長らく安全の代名詞とも言われてきた自動車メーカーVolvo Cars(ボルボ・カーズ)は、ベンチャーキャピタル投資部門のVolvo Cars Tech Fund(ボルボ・カーズ・テック・ファンド)を通じて、自動車のフロントガラスやウインドウに組み込んでドライバーや乗客に画像を提供する技術を開発している光学・イメージングのスタートアップに投資したことを発表した。

Volvo Cars Tech Fundは、光学機器・イメージングの開発企業であるSpectralicsに200万ドル(約2億3000万円)を投資した。この資金は、自動車の安全性とユーザーエクスペリエンスの向上に貢献する光学フィルムの開発を加速させるために使用されるという。この投資は大きなものではないかもしれないが、Volvoとの関係は、特にその技術が量産車に採用されれば、実りあるものになるだろう。

Spectralicsが開発しているシースルー光学オーバーレイは「多層薄膜コンバイナー」とも呼ばれ、自動車のフロントガラスやウインドウに組み込むことができる。Spectralicsによると、これによってより広い視野が確保され、極めて重要なのは、それとともに安全なAR(拡張現実)オーバーレイに必要な距離感が得られるという。

車外では、スマートグラス、光学システム、その他のヘッドアップディスプレイなどにも利用できる可能性がある。これは、ARやVR(仮想現実)が、ゲームや消費財の域を超えて、自動車の中に入りつつあることを示す最新の兆候だ。これは間違いなく、自動車メーカーが新車を馬力ではなく、ユーザー体験や提供する技術で差別化するという幅広いシフトの一環だ。

Spectralicsの創設者であるRanBar Yosef(ランバー・ヨーゼフ)氏、Eran Falk(エラン・フォーク)氏、Yuval Kashtar(ユバル・カシュタル)氏、Yuval Keinan(ユヴァル・ケイナン)氏(画像クレジット:Tal Givoni for Spectralis)

自動車内のAR / VRの導入には数々のボトルネックが存在したが、自動車メーカー各社は、車内アプリケーション用にこの技術を開発している企業への投資でリードしていると、Abigail Bassett(アビゲイル・バセット)氏がTechCrunch+で指摘していた

VolvoのSpectralicsに対する投資が十分なシグナルでなかったとすれば、広報担当者はTechCrunchに、スウェーデンの自動車大手である同社がこの技術を自社の車に採用することを検討していると認めた。Volvo Cars Tech Fundの責任者、Lee Ma(リー・マー)氏は声明でこう述べている。「Spectralicsは当社のポートフォリオにフィットしており、彼らの技術は次世代のディスプレイやカメラの標準となる可能性があると信じています」。

Spectralicsは、スウェーデンのイェーテボリにあるアクセラレーター、MobilityXlabの卒業生であり、テルアビブにあるスタートアップと自動車業界の投資家をつなぐモビリティハブ、Drive-TLVにも参加している。Volvoのスタートアップ投資部門は2017年から両イニシアチブに参加しており、最近では、事故検知センサーを開発するMDGoや、車両検査技術開発企業のUVEyeなど、他のイスラエルのスタートアップにも投資している。

画像クレジット:Volvo Cars

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Dragonfly)

Polestarが次世代EVセダン「プリセプト」改め「Polestar 5」は2024年に市場投入と発表

コンセプトカーから量産プロジェクトになった「Polestar Precept(ポールスター・プリセプト)」セダンの名前が変わり、正式な発売日が決まった。Volvo Car Group(ボルボ・カー・グループ)からスピンアウトしたEVパフォーマンスブランドであるPolestar(ポールスター)は、シャークノーズを持つこのセダンを「Polestar 5(ポールスター5)」と名付け、2024年に生産を開始すると発表した。

Polestarが2020年初頭に初めてPreceptを公開したときは、この新会社の方向性を示すための印象的な提案ではあったが、単なるコンセプトカーに過ぎなかった。同社はその年の9月には、Preceptを量産化すると発表した。当時、Polestarは「2025年までに」という曖昧な表現を使い、その時期を明らかにしなかった。

それ以来Polestarは、デザイン、開発、そして生産プロセスの内側を垣間見ることができるいくつかのYouTubeビデオを含め、Preceptセダンのティーザーといくつかの詳細を発表してきた。ポールスターの最新のビデオは、エクステリアデザインのインスピレーションに焦点を当てている。

今回のビデオでは、4分近くの時間の大半を、PreceptのエクステリアデザインマネージャーであるNahum Escobedo(ナハム・エスコベド)氏と過ごす。シャープなエクステリアラインは何からインスピレーションを受けたのか?少なくとも部分的には「サメと飛行機です」とエスコベド氏は語る。

画像クレジット:Polestar(スクリーンショット)

「このプロジェクトでは、非常にエレガントでありながら、スピード感のあるものを求めていました。私にとって、サメはそうしたフィーリングを持つものでした」と彼はビデオの中で語った。

Polestar 5のドラマチックなリアエンドには、長い一筋のエアロブレードライトが見られる。これも初期のデザイン上の特徴で、生産バージョンでも採用されているようだ。

画像クレジット:Polestar(スクリーンショット)

Polestarはこの新しいビデオの中で、バッテリーの航続距離やパワートレインなどのスペックを一切公開しなかった。しかし、2022年に生産開始が予定されている電動SUV「Polestar 3(ポールスター3)」に続くモデルであることはわかっている。

Polestarの最初の量産車は、プラグインハイブリッドのグランドツアラー「Polestar 1(ポールスター1)」だった。その後、2020年にはオール電化のセダン「Polestar 2(ポールスター2)」が登場した。(同社が数字による命名法を続けると仮定して)Polestar 4が何であるかはまだわかっていない。

かつてPreceptと呼ばれたEV、Polestar 5についての最新情報は、同社が2021年に行った2つの大きな事業拡大と財務上の動きに続くものだ。Polestarは9月下旬に、Gores Guggenheim Inc.(ゴアズ・グッゲンハイム)とのSPAC合併により上場することで合意し、合併後の会社の評価額は約200億ドル(約2兆3000億円)となる見込みと発表した。合併が完了すると、統合後の会社はPolestar Automotive Holding UK Limitedという新しい公開企業が保有することになる。この会社は「PSNY」というティッカーシンボルでNASDAQに上場する予定だ。

6月には、同社はPolestar 3を米国で生産することを発表した。ポールスター3は、サウスカロライナ州リッジビルにあるVolvo Cars(ボルボ・カーズ)との共同工場で組み立てられる。Polestar 3の生産は、2022年にグローバルで開始される予定だ。

関連記事:ボルボの高級EVブランドPolestarが初のフル電動SUV「Polestar 3」を米国で生産へ

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Dragonfly)

ボルボ・グループが「化石燃料を使わない」鉄鋼で作られた車両を公開

スウェーデンのVolvo Group(ボルボ・グループ)は現地時間10月13日「化石燃料を使わない」鉄鋼で大部分が製作された新しい車両を発表した。同社では、早ければ2022年にこの新素材を使用した小規模な連続生産の開始を計画している。

「私たちの意図は、この化石燃料フリーの鉄鋼を使って、このような比較的積載量の小さな運搬車両の製造を始めることです」と、ボルボ・グループのトラック技術担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるLars Stenqvis(ラルス・ステンクヴィスト)氏は、TechCrunchによる最近のインタビューで語った。「重要なのは、これが研究開発プロジェクトでもなければ、政治家に見せるためのある種の実証プロジェクトでもないということです。これは連続生産するのです」。

今回公開された試作車は、鉱山や採石場で使用される完全電動式の自律走行型運搬車で、車体に3000kgを超えるこの新素材が使用されている。ボルボによれば、建設現場用トラックは車両重量の約70%が鉄鋼と鋳鉄でできているため、この化石燃料フリーの鋼材を最初に適用することにしたという。

この鋼材は、ボルボが2021年初めに提携したスウェーデンの鉄鋼メーカーであるSSAB(スウェーデンスティール)が製造したものだ。従来の鉄鋼製造では、石炭を使って鉄鉱石から酸素を取り除いていたが、SSABは水素を使って鉄鋼を製造するプロセスを開発した。この水素は、再生可能エネルギーを使って水を水素と酸素に分解する電気分解によって生成される。

今回発表された運搬車は、化石燃料フリーの鋼材で100%作られているわけではない。ステンクヴィスト氏によると、それはSSABがまだ、例えば円筒形のシャフトを作るために必要となるような、ある種の形状を実現できていないためだという。しかし、部品の大部分、特に車体後部の大型バケットは化石燃料フリーの鉄鋼製であると、同氏は付け加えた。

SSABの鋼材は、すべての面で従来の鋼材と同じであるため、ボルボの既存の製造施設のすべてで使用することができる。「これは、私たちにとって非常に重要なインプットです。なぜなら、生産や製造の面では変わらないということを意味するからです」と、ステンクヴィスト氏は述べている。

ボルボは、2040年までに事業全体でゼロエミッションを達成することを目標としており、今後10年間でこの鋼材の使用量を増やすことを目指している。また、中国の浙江吉利控股有限公司(Zhejiang Geely Holding、ジーリー・ホールディング・グループ)傘下のVolvo Cars(ボルボ・カーズ)も、早ければ2025年に、この材を使用したコンセプトカーの製作を計画している。

画像クレジット:Bo Håkansson, Bilduppdraget / Volvo CE

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

吉利傘下のVolvo CarsがストックホルムのNASDAQに新規株式公開を申請へ

中国の浙江吉利控股有限公司(Zhejiang Geely Holding)傘下のスウェーデンの自動車メーカーであるVolvo Cars(ボルボ・カーズ)は現地時間10月4日、新規株式公開を申請し、ナスダック・ストックホルム取引所に上場すると発表した。上場により最大29億ドル(約3190億円)の資金調達を見込む。

上場により、Volvo Carsの価値は最大で250億ドル(約2兆7500億円)になる可能性があると、ウォール・ストリート・ジャーナルが関係者の話として報じた

Volvo Carsのプレスリリースによると、吉利は一定数の株式を売却するが上場後も筆頭株主として残る。スウェーデンの機関投資家であるFolksam(フォルクサム)とAMFも同様に株主として残る。Volvo Carsは声明で、吉利との関係、および吉利のエコシステムに属する他の企業との関係のおかげで「既存および将来の技術の共有、共同調達、規模の経済によるメリットを享受し、相乗効果、競争力、長期的な価値を実現することができます」と述べた。

Volvoは2030年までに全ラインナップを電動化し、2030年代半ばまでに販売台数の50%を電動化すると約束した。今回のIPOで得る資金は「市場環境が悪化した場合であっても」電気自動車への完全移行を早めるために使われると述べた。

このニュースは、Volvoがこの11年間でどれだけ成長したかを物語っている。同社は2010年、Ford Motor(フォード・モーター)により18億ドル(約1980億円)で吉利に売却され、Fordは多額の損失を計上した(Fordは1999年に65億ドル[7150億円]でVolvoを買収した)。Volvoは吉利に買収されて以来、中国に2つの車両組立工場を建設し、サウスカロライナ州にも工場を建設するなど、大規模な拡張を行ってきた。6月にはサウスカロライナ工場にさらに1億1800万ドル(約130億円)を投資すると発表した。

回復は販売にも表れている。同社は10月1日、2021年の9月までの売上高が、2020年の同時期と比べ17.6%増加したと発表した。

Volvoが株式公開の意向を表明する前に、EVメーカーのPolestar(ポールスター)が200億ドル(約2兆2000億円)規模でSPAC(特別買収目的会社)と合併するというニュースが流れた。Volvo Carの電気自動車ブランドの一部門であるPolestarも吉利が所有する。このタイミングは偶然ではなさそうだ。WSJの報道によると、Volvoが持つPolestar SPACの株に約100億ドル(約1兆1000億円)の価値が割り当てられ、VolvoのIPOへの道が開けたとのことだ。

画像クレジット:Volvo Cars

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

ボルボの高級EVブランドPolestarが約2兆2200億円の評価額でSPAC上場へ

スウェーデンのEVメーカーPolestar(ポールスター)は、特別買収目的会社(SPAC)のGores Guggenheim Inc.(ゴアズ・グッゲンハイム)との間で合併によるIPO(新規株式公開)に向けて合意したと発表した。これにより、Polestarの評価額は200億ドル(約2兆2200億円)に達する見込みだ。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は米国時間9月26日、この取引に詳しい関係筋を引用して、SPAC合意が間近に迫っていると報じていた。TechCrunchは、公式発表の情報を反映してこの記事を更新した。合併が完了すると、統合後の会社は、Polestar Automotive Holding UK Limitedという新しい公開企業が保有する。この会社は「PSNY」というティッカーシンボルでNASDAQに上場する予定だ。

PolestarはVolvo Car Group(ボルボ・カー・グループ)のEVパフォーマンスブランドに該当するが、PolestarとVolvoはともに、中国の自動車メーカーであるZhejiang Geely Holding(浙江吉利控股集団有限公司)が所有している。

今回の発表により、Polestarは、過去2年間にSPACを通じて上場した、Arrival(アライバル)、Nikola(ニコラ)、EVgo、Proterra(プロテラ)、Lucid Motors(ルーシッド・モーターズ)、Bird(バード)などのEVおよびEV関連企業の仲間入りを果たす。

Polestarは、EV製造業界におけるライフサイクルアセスメントの枠組みを構築することを目指している。製造、販売、廃車のプロセス全体が透明でトレーサブルであり、カーボンニュートラルな自動車を作ることができるというものだ。同社は、6月に初のSUVであるPolestar 3(ポールスター3)を米国で製造する計画を発表し、2022年にはグローバルに生産を開始する予定だ。高品質の部品と米国での製造施設は、決して安い取り組みではない。今回の報道が事実となれば、IPOはPolestarが目標達成に必要な資金を得る手段になり得る。

また、この合併は、PolestarがTesla(テスラ)に対抗するために、米国での市場投入を早めることにもつながる。Polestarは、セダンタイプのPolestar 2をTeslaよりも優れたクルマと位置づけているが、EV業界で同じような知名度を持ち、信頼されるためには、資金が必要だ。2020年、Polestarは部品の不具合により、全世界の車両のリコールを余儀なくされた

SPAC(特別買収目的会社)であるGores Guggenheimは、3月のIPOで8億ドル(約888億円)を調達し、7月にはBloombergがPolestarと交渉していると報じていた。

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画像クレジット:Geely holdings/Polestar

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Aya Nakazato)

高級電気自動車メーカーのPolestarが2021年内に販売店舗数の倍増を計画

Polestar(ポールスター)は、年内に9つの新たな市場で販売を開始する予定であり、世界的な存在感を倍増させて電気自動車セダンの販売拡大を目指す。

Volvo Car Group(ボルボ・カー・グループ)傘下の高級電気自動車ブランドであるポールスターは、年末までに販売店の数を100店舗に倍増させ、サービスセンターも増設する予定だと述べている。販売店の中には、期間限定のポップアップストアも含まれる。このスウェーデンの自動車メーカーは現在、販売を展開している市場で650以上の「サービスポイント」と呼ばれるメンテナンス拠点を設けているが、これを2021年末までに780以上に増やしたいと考えている。

ポールスターは2020年に米国、中国、カナダ、ベルギー、ドイツ、イギリス、スウェーデン、オランダ、ノルウェー、スイスで販売を開始した。2021年内にはさらに、オーストリア、デンマーク、フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、香港、韓国、シンガポールへの展開を計画している。

米国内では、オースティン、ベルビュー、ワシントン、ボストン、デトロイト、デンバー、ロサンゼルス、ミネアポリス、ニューヨーク、プリンストン、ニュージャージー、サンフランシスコ、サンノゼ、アリゾナのスコッツデールにサービスセンターと販売店がある。今後は、カリフォルニア州オレンジ郡、ニュージャージー州中部、ノースカロライナ州シャーロット、テキサス州グレープバインにも店舗を開設する予定だ。

この拡大の勢いは今後も衰えることはないようだ。ポールスターのThomas Ingenlath(トーマス・インゲンラート)CEOは声明の中で、同社が2022年に新たな市場でも同様のペースで拡大することを目指していると述べている。「この継続的なペースは、新しい販売店コンセプトと相まって、オーナーの期待を超えるという当社の目標を支えることになるでしょう」と、同氏は付け加えた。

現在、ポールスターの主要製品は、完全な電気自動車である「Polestar 2(ポールスター2)」の1車種のみだ。しかし、今後数年間でさらに車種を増やしていく計画がある。2021年6月には、同社初となるオール電動SUVを米国で生産すると発表した。「Polestar 3(ポールスター3)」と名付けられたこのSUVは、サウスカロライナ州リッジビルにあるVolvo Cars(ボルボ・カーズ)との共有工場で組み立てられる。

ポールスター3は、電気自動車セダンのポールスター2と、ハイブリッド・グランドツアラーの「Polestar 1(ポールスター1)」に続くモデルとして、2022年に世界の複数の地域で生産が始まる予定だ。

ポールスターは規模の拡大に合わせて、顧客を獲得するための新しい方法を模索している。その主な戦略は、販売店を増やし、既存の市場で拡大を続けるとともに、新しい市場に進出することだ。同社は7月26日の発表で「Polestar Destinations(ポールスター・デスティネーションズ)」という新しいコンセプトの販売店も試みていくことを明らかにした。既存の「Polestar Spaces(ポールスター・スペーセズ)」と呼ばれる販売店が、基本的に都市中心部に置かれているのに対し、この新コンセプトの店舗はより規模が大きく、アクセスしやすい都市郊外の場所に設置される。これらのデスティネーションストアは、オンラインで注文・決済された車両を顧客が受け取る納車センターとしても機能する。

同社では2021年末までに60カ所の試乗できる場所も増設し、ポールスター2の実車により触れることができる機会を用意する。

このような事業拡大を支えているのは、ポールスターが4月に行った5億5000万ドル(約606億円)もの外部資金調達だ。この投資ラウンドはChongqing Chengxing Equity Investment Fund Partnership(重慶承興株式投資基金パートナーシップ)、Zibo Financial Holding(淄博ファイナンシャル・ホールディング)、Zibo Hightech Industrial Investment(淄博ハイテク産業投資)が主導し、韓国のグローバルコングロマリットであるSK Inc.をはじめとするさまざまな投資家が参加した。

このラウンドはポールスターにとって初めての外部資金調達ラウンドだったが、同社は当時、これが最後にはなるわけではないことを示唆していた。

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画像クレジット:Geely holdings/Polestar

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ボルボ、ダイムラー、トレイトンが約660億円を投じて全欧的な電気トラックの充電ネットワーク構築

Volvo GroupとDaimler Truck、およびVolkswagenの大型トラック別会社Traton Groupが米国時間7月5日に、電動の大型トラックとバス用高性能充電ステーションの全ヨーロッパ的ネットワークを作るための、法的拘束力のない協定を発表した。このニュースは、最初にロイターが報じた

ヨーロッパの大手自動車メーカー3社は、5億ユーロ(約658億1000万円)を投じて、戦略的に重要な地点やハイウェイの近くに1700カ所の充電ポイントを構築し運用する。協定の締結は年内とされており、2022年に運用を開始する。また将来的にはこの合弁事業のパートナーを増やして、充電ポイントの大幅増を狙っている。

このベンチャー事業は、2050年までにカーボンニュートラルな貨物輸送を実現するというEUの目標を実現する端緒となるものだ。個人や運輸企業でEV化が遅れている大きな理由の1つが、充電インフラャが未整備であることだ。そのインフラを作ることによって3社は、自社製の電気トラックやバスの売上増を狙っている。

Daimler TruckのCEOであるMartin Daum(マルティン・ダウム)氏は、声明で次のように述べている。「2050年までに、気候の中立性を実現することはヨーロッパのトラックメーカーの共同の目標です。その鍵を握るのは、業界が一致協力して正しいインフラを作り、路上にCO2ニュートラルなトラックを送り出すことです。私たちは、Volvo GroupやTRATON GROUPとともに全欧的な高性能充電ネットワークを構築します。開拓者としての第一歩を踏み出すことに、とてもエキサイトしています」。

VolvoとDaimlerのパートナーシップには前例がある。2021年5月に、互いに競合する両社は長距離トラック用の水素燃料電池の共同開発でチームを組み、開発コストの低減と生産量のアップを狙っている。この最新のベンチャーも、業界の気候関連の問題を大企業が共同で解決していく動きの1つだ。

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ヨーロッパの自動車産業の業界団体ACEAは、2030年までに最大5万基の高性能充電ポイントを、という目標を掲げている。TratonのCEOであるMatthias Gruendler(マティアス・グリュンドル)氏はロイターの記事で、ヨーロッパのインフラを完全にEV対応にするためには100億ユーロ(約1兆3162億円)が必要、と述べている。

Volvoが発表した声明によると、今回のベンチャー事業は、自動車メーカーや政府機関など自動車産業と関連のある者全員へ向けての、気候の目標に達するために必要な迅速な事業拡大とそのためのアクションを呼びかけるものだ。

この充電ステーションには特定のブランド名は表記されず、EV群を運用する者なら誰でも、ヨーロッパの長距離輸送で義務化されている45分間の休憩時間中の高速充電と、夜間充電の両方を利用できる。

この合弁事業は独自の社名でアムステルダムに本社が置かれる。株式を3社が同量保有するが、他の製品分野では互いの競合が続く。

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タグ:VolvoDaimlerTraton電気自動車トラックバスカーボンニュートラル充電ステーションヨーロッパ

画像クレジット:Volvo Group

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ボルボが次世代自動車の方向性を示すEVコンセプトカー「Concept Recharge」を発表

Volvo Cars(ボルボ・カーズ)は、2030年までにラインナップを完全に電動化したいと考えている。それを実現するための計画と、次世代の自動車がどのようなものになるのかを、同社は中央欧州時間6月30日に明らかにした。

しかし、ボルボは単独でそれを開発するつもりはない。同社は将来のモデルラインナップを、Northvolt(ノースボルト)やGoogle(グーグル)、Luminar(ルミナー)などのパートナー企業と協力して構築する計画について詳しく説明した。そして同社の次世代電気自動車の「マニュフェスト」として、フラットなフロア、車内に備わる2つのスクリーン、観音開き式のドアを特徴とするコンセプトカー「Concept Recharge(コンセプト・リチャージ)」の画像を初公開した。

Volvo Concept Recharge(画像クレジット:Volvo Cars)

Concept Rechargeのルーフには、Luminar製のLiDARセンサーが搭載されている。これは、2021年6月初めに発表された、ボルボの次期フラッグシップ電動SUVにLuminarのテクノロジースタックが標準装備されるという発表に沿ったものだ。

バッテリーに関しては、ボルボはスウェーデンのバッテリー開発企業であるNorthvoltと共同で、航続距離1000キロメートルを可能にするパックを開発しており、Northvoltがそれを実現すれば、エネルギー密度の面で大きな功績となるだろう。両社は、2026年までに巨大バッテリー工場を欧州に建設することを目指し、新たに50%ずつの出資で合弁会社を設立する。この工場では最大で年間50ギガワット時のバッテリーパックを製造する能力を有するという。また、ボルボは2024年より、スウェーデンのスケレフトーにあるNorthvoltのバッテリー工場から、年間15ギガワット時のバッテリーを調達する予定だ。

将来のボルボの車両は双方向充電が可能になる。これは、EVを移動可能な発電機として使用したり、あるいは車載バッテリーパックに蓄えておいたエネルギーを電力網に放出し、ミニ発電所としての役割を果たせる機能だ。

ボルボは同社独自のOSである「VolvoCars.OS」が、Googleが主導するインフォテインメントシステムや、Linux(リナックス)、QNX、そして車載電子制御ユニット用のAUTOSAR(オートザー)などを含む、基礎的なオペレーティングシステムの「アンブレラシステム」として機能すると述べている。車両には最大100個の電気制御ユニットが搭載されるが、これらはNVIDIA(エヌビディア)と共同で開発した3基のメインコンピューターで構成されるコアコンピューティングシステム上で動作する。

また、ボルボは主力の電気自動車SUVに、Luminarのセンサー群と、ボルボのソフトウェア部門であるZenseact(ゼンセクト)の技術を搭載する計画についても、より詳細に説明した。ボルボの経営陣は、自動運転システムのレベル(米国自動車技術者協会が区分けした自動運転化のレベルを測る尺度)を尋ねる質問には答えず、今後導入する自動運転走行システムについては「要監視」または「監視不要」という言葉で説明したいと述べた。ボルボのシステムでは、ドライバーの監視が必要な「クルーズ」と、監視を必要としない「ライド」という2つのモードに分けられ、将来は監視不要な機能を徐々に導入していくとしている。

将来的にこのシステムは、顧客から大量の運転データを収集することになるが、ボルボはそれを無駄にするつもりはない。同社は、運転自動化機能を利用した顧客から(顧客の同意を得て)収集した情報を処理するデータファクトリーの構築を目指しているという。これらのデータを活用してシステムを改善していき、それを無線アップデートを介して顧客の車両に反映させる予定だ。

「私たちは、この会社を単なる従来型のプレミアムな会社から、急速に成長している新しいプレミアムな電気自動車セグメントのリーダー的な会社へと変えていく必要があります」と、ボルボ・カーズのHåkan Samuelsson(ホーカン・サムエルソン)CEOは語っている。「私たちは内燃機関を理解したように、電池を理解する必要があります」。

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タグ:Volvo CarsEVコンセプトモデルLiDAR

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ボルボの次世代電動フラッグシップSUVはLuminarのLiDARセンサーが標準装備に

Volvo Cars(ボルボ・カー)とLuminar Technologies(ルミナー・テクノロジーズ)が、パートナーシップをさらに強化する。両社は米国時間6月24日、Luminarの自動運転機能スタック(LiDARセンサーや独自の認識システムを含むハードウェアとソフトウェアの組み合わせ)が、2022年にボルボから登場する電動フラッグシップSUVに標準で搭載されることを発表した。

Luminarは2020年5月にボルボとの生産契約を発表したが、その時点ではLuminarのスタックは、ボルボの車両に追加費用が必要なオプションとして用意される予定だった。しかし、今回の発表によると、ボルボの「XC90」の後継モデルに全車標準で装備されることになったという。

ただし、Highway Pilot(ハイウェイ・パイロット)と呼ばれる機能を利用したい場合は、追加料金を支払う必要がある。この機能は、高速道路の認可された区間・条件下で自動運転走行が可能になるというもので、ドライバーは完全に運転から開放される。現在の路上で一般的に実用化されている多くのシステムのように、人間の運転者が監視を続ける必要さえなくなるという。市販の自動運転システムでは最も高性能なものになるが、顧客がこの機能を望むのであれば、そのための費用を払わなければならない。

この機能は、安全な状況でなおかつ合法的に使用が許可された区間であることが確認された場合のみ作動すると、両社はプレスリリースで述べている。顧客が追加料金を払わずに使える機能は、自動緊急ブレーキや車線逸脱防止支援など、自動車事故の最も一般的な原因を未然に防ぐための一連の安全機能だ。

画像クレジット:Volvo Cars

今回発表されたボルボとの契約は、Luminarにとって大きな恩恵となることは間違いない。ボルボの車両に標準で装備されるとなれば、生産量が増加することに加えて、全車両を合わせると何万キロメートルもの走行距離をシステムが経験することになるため、自動運転スタックにフィードバックできる貴重なデータを得ることができる。また、このシステムは無線でのアップデートが可能なので、時間の経過とともにシステムが「賢く」なっていくため、ドライバーにとっても恩恵がある。

ボルボはまだ、Highway Pilotの価格を明らかにしていない。また、新車購入時にオプション料金として払うことになるのか、それとも月額使用料を払う必要があるのかも、現時点では不明だ。しかしボルボによれば、完全自動運転が実現する際には、すべての車両が「ハードウェア的には準備が整った状態」になっているとのことだ。

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タグ:Volvo CarsLuminar TechnologiesLiDAR自動運転電気自動車

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)