ウォルマートが打倒Amazonに向けてオンラインマーケットプレイス拡大でShopifyと提携

Walmart(ウォルマート)は米国6月15日朝、eコマースショッピングプラットフォームShopify(ショピファイ)との新たな提携を発表した(Walmartリリース)。Shopifyは現在、100万超の販売業者に使用されている。今回の提携で、WalmartのMarketplaceがShopifyの中小販売業者に開かれることになり、1200の販売業者をプラットフォームに呼び込むのが2020年の目標だ。提携により1億2000万人もの月間ビジターを抱えるWalmartのマーケットプレイスにShopify参加ブランドを持ってくることで、Walmartは参加ブランドへのアクセスをかなり拡大できる。

この提携はAmazon(アマゾン)への対抗策だ。Amazonではサードパーティーの販売業者が世界3億人超にリーチでき、発送や返品、カスタマーサービスもAmazonのFulfillment(フルフィルメント)がサポートする。

一方、Walmartはより競争力のある自前のマーケットプレイスの構築を着実に進めてきた。例えば2018年秋に、同社はWalmart Marketplaceのアイテムが同社の無料2日以内配達プログラム(未訳記事)と、店舗での返品を利用できるようになると発表した。そして今日では、WalmartはMarketplaceの成長を「戦略的な優先事項」と表現している。

今回の提携は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによりオンラインで買い物する消費者の数が過去最多となっている中でのものだ。Walmartは自社の米国eコマース事業がパンデミックによる利用増で直近の四半期に74%成長した(Fortune記事)としている。新型コロナで、客は食品や掃除用品といった必需品をオンラインで購入するようになった。Walmart本体の売上も堅調だが、同社のMarketplace事業の成長は事業全体よりも急成長した。

「顧客に提供する商品を拡充することができ、また中小の業者にトラフィックが急増しているWalmart.comへのアクセスを提供できることに興奮を覚える」とWalmart Marketplace副社長であるJeff Clementz(ジェフ・クレメンツ)氏は発表で述べている。「Shopifyは、信頼できる新チャネルを通じての事業拡大に関心のあるサードパーティーのさまざまな販売業者を抱えている。Shopifyインテグレーションにより、承認されたShopify販売事業者は販売アイテムをWalmart.comにもリストアップできる。Walmart.comではWalmartの顧客はさまざまな商品にアクセスできる」と付け加えた。

Shopify統合のローンチで、Walmartは買い物客のニーズに対応できるブランドにフォーカスする。特にWalmartの品揃えを補充するような各種商品を扱い、顧客サービスで実績のある米国拠点の中小事業者を求めている、と同社は話す。

Shopifyの販売業者はShopifyのアプリストアからWalmart Marketplaceアプリをインストールするよう案内され、利用可能かどうかをWalmartが決定する。承認されれば、販売業者は数量無制限でプロダクトをWalmart Marketplaceに加えることができ、またShopify内でプロダクトの画像や品揃えに変更を加えることも可能となる。そうした変更はすぐさま自動でWalmartのサイトに反映される、と同社はいう。

この手の統合は、今後あるかもしれないShopify買収に向けた最初のステップになり得る。WalmartがAmazonの牙城をいかに崩すかという点で、この買収シナリオはこれまでもたびたび浮上してきた(未訳記事)。しかし短期的にはShopifyの販売業者ネットワークはWalmart Marketplaceのライバルという位置付けから、Walmart Marketplaceを活発化させるものへと変わる。マーケットプレイス登録料だけでなく、マーケットプレイスのアイテムが呼び込むトラフィックと売上の増加により、Walmartの収支を押し上げるのに貢献する。

画像クレジット:Walmart

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(翻訳:Mizoguchi

Walmart傘下のインドのFlipkartが買い物を簡単にする音声アシスタントを導入

Walmart(ウォルマート)傘下のインドの巨大eコマース(未訳記事)プラットフォームであるFlipkart(フリップカート)が、インド国内での拡大を狙い、消費者が買い物をしやすくするために、音声アシスタント機能を展開する。

そのAI搭載の音声アシスタントは、現在Supermartと呼ばれる食料品のカテゴリーをサポートしているが、同社の広報担当者はTechCrunchに対して、他のカテゴリーにも拡張していくつもりだと語った。この機能は米国時間6月9日にAndroidユーザーに対して公開され始めるが、同社はiOSアプリへの導入にも取り組んでいると述べている。

インド国内でAmazon(アマゾン)と競合しているFlipkartは、このアシスタントは現在、ヒンディー語と英語をサポートしているが、将来的にはより多くの言語を理解できるようになると述べている。この機能により、ユーザーは会話型音声コマンドを使用して、お買得品や特売品の検索、結果のフィルタリング、カートへの複数のアイテムの追加、状況に応じた提案の受け取り、精算指示を行うことが可能になる。

Flipkartの製品技術責任者であるJeyandran Venugopal(ジェアンドラン・べヌゴーパル)氏は、音声機能を微調整するために、全国を回ったと述べている。「今回の音声アシスタントのリリースは、音声ベースのオンラインコマースに向かっている消費者のみなさまの、動向と快適性の向上にもうまく対応しています」と彼は声明で述べている。

今回の音声アシスタント機能の追加が行われたのは、Flipkartが初めてインターネットを利用するユーザーや、オンラインでの取引に慣れていない既存のオンラインユーザーのために、ユーザー体験を簡素化することを目的とした「オーディオビジュアルガイド付きナビゲーション」機能を追加(未訳記事)してから数カ月後のことだ。

過去10年間で数億人のインド人がインターネットにアクセスするようになっている。だがその大部分の層は、あまり教育を受けておらず、英語でのタイピングおよび操作をあまり快適に行えない。近年、音声検索はそのような人口の多くを占める層での人気が高まっている。Google(グーグル)は2019年に、音声検索がインドで前年比270%で成長している(YouTube記事)と述べている。

「音声を使ったショッピングは自然なやり方です。私たちは可能な限り最も自然な方法でユーザーに真の会話体験を提供したかったのです」と語るのは、Flipkartの食品と一般商材ならびに家具の担当副社長であるManish Kumar(マニッシュ・クマー)氏だ。

Amazon(アマゾン)はそのウェブサイトにヒンディー語のサポートを追加し、Alexa対応のスマートスピーカーやその他のデバイスに音声ショッピング機能を導入した。両社は、2020年3月下旬に政府による全国的な封鎖を促した新型コロナウィルス(COVID-19)によるパンデミックによって深刻な影響を受けた(未訳記事)。しかし、インドはその後規制を緩和し(未訳記事)、eコマース企業や配車企業がサービスの多くを再開できるようになった。

2020年5月にアマゾンはバンガロール郊外でフードデリバリーサービスを開始した。食品小売市場への参入を申請していたFlipkartは、6月初めにその申請が拒絶され(未訳記事)、再度承認申請を行う予定であると報告している。

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(翻訳:sako)

WalmartのQ4決算はeコマースが35%成長も売上高は予想を下回る

Walmart(ウォルマート)のホリデー商戦の業績は予想に届かなかった。2019年第4四半期決算の売上高は1416億7000万ドル(約15兆6000億円)で、予想の1425億5000万ドル(約15兆7000億円)を下回った。1株あたりの調整後利益は1.38ドル(約152円)で、これに対し予想は1.44ドル(約158円)だった。同社は要因をいくつか挙げ、そこには米国店舗におけるホリデー商戦が予想よりも「軟調」だったことも含まれる。12月は特に玩具、メディア、ゲーム、アパレルの売上が芳しくなかった。

消費者がこれまでになくオンラインで買い物する傾向があり、全体的に決算はWalmartに向かい風が吹いていることを示している。その一方でWalmartはオンラインにかなり投資しているものの、いまだにそのオンラインではなく実在店舗でかなり売り上げている。第4四半期にはいくつかの問題が重なった。玩具産業が抱える問題(これはTargetもまた直撃した)、ゲームの新味のなさ、短いホリデーショッピング期間が足を引っ張り、さらには暖冬でアパレルの売上が多くの店舗で落ち込んだ。

Walmartのように店舗が大きくても、棚のスペースと面積がものをいう。棚卸表がすばやく回転しなければ、売上は苦戦する。第4四半期の米国の既存店売上高は1.9%増で、予想の2.3%を下回った。

それとは対照的に、Amazon(アマゾン)のホリデー商戦は予想を上回った。過去最多の売上高となり、有料のプライム会員数は1億5000万人に増加。翌日配達と同日配達の件数は前年同期の4倍になった。

Targetなどと同様、これまでのところWalmartはハイブリッドなアプローチをとることにおいて概ね成功している。これは実在店舗事業とオンライン事業が区別されていないことを意味し、むしろオンラインで購入したものをピックアップするために客を店舗に誘導するように働いている。マーケットシェアを取り込み、Walmartの全体的なeコマース売上高を成長させるのに役立っている。

第4四半期でもそうで、eコマース売上高は35%増えた。これにはオンライングローサリーが大きく寄与した。グローサリーの売上高は「過去10年で最高」だった。Walmartはオンライングローサリーに対応する店舗の数を急速に増やしていて、年末時点でオンライン購入のピックアップに対応する店舗は3200店、そして1600店が配達も行っていた。

eコマースは同四半期中のホリデー商戦を牽引したが、成長幅は前年同期の方が41%増と2019年第4四半期の35%よりも大きかったことは指摘するに値するだろう。

Walmartが今後数カ月ですばやく拡大する必要がある分野はDelivery Unlimitedサービスだ。2019年に始まったこのサービスはInstacartやその他の企業と競合するグローサリー配達の会員プログラムだ。月会費または年会費を払うことで顧客は配達ごとにかかる費用を払わなくてもいい。同社は年末までに米国の50%でこのサービスを展開することを計画していたが、このプログラムが現在どこで利用できるのか、最新の情報は出さなかった。

一方のTargetは、グローサリー以外のものも含む同日グローサリー配達サービスのShiptを拡大していて、自前のアプリTarget.comにもShiptを取り込んだ。そしてもちろん、AmazonのPrime会員はWhole Foodsのおかげでグローサリーを購入でき、日々の買い物でこれまでで最も速い配達を利用できる。

加えて、いまだにもうかっていないWalmartのeコマース事業は2019年は別の問題にも直面した。アパレル部門での買収のいくつかは期待したほどの結果が出なかった。2019年WalmartはModclothを売却しBonobosはスタッフを解雇、そして創業者のAndy Dunn(アンディ・ダン)氏は社を去った。Walmartはまた都市部でのグローサリー事業Jet.comをやめ、実験的な買い物サービスJet blackも終わりにしたばかりだ。

これとは別にWalmartは、第4四半期中のチリにおける政情不安がらみの問題も指摘した。Walmartの多くの店舗が影響を受けた。しかしSam’s Club、Walmex、中国事業、Flipkartの業績は良かった。

「ホリデー期間中の取引は増え、同期中の費用レバレッジは強固だったことがはっきりした。しかし売上高の伸び悩みやカレンダーの日並びによるプレッシャーなどのため、予想したほどに良くはなかった」とWalmartのCFO、Brett Biggs(ブレット・ビッグズ)氏は声明文で述べた。「決算に影響を及ぼした要因を我々は理解していて、これらを解決すべく計画を練っているところだ。ビジネス戦略、そして全世界で提供しているオムニチャンネルの統合を通じて顧客に価値と利便性を届ける能力にには引き続き自信を持っている」と付け加えた。

Walmartは下方修正した2021年ガイダンスも明らかにした。1株利益見通しは5〜5.15ドル(約550〜566円)とし、これはアナリストの予想5.22ドル(約574円)を下回っている。ここには新型コロナウイルス感染拡大の影響は考慮されておらず、同社は状況を引き続き注視している。

画像クレジット: Scott Olson

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(翻訳:Mizoguchi

Bossa Novaの在庫管理ロボットがウォルマートの全米1000店舗に導入

ベイエリアに拠点を置くBossa Nova Robotics(ボサ・ノバ・ロボティックス)は米国時間113日の朝、在庫をスキャンするロボットを米国のWalmart(ウォルマート)の1000店舗に導入する計画を発表した。この計画は、現在の350店舗に追加して650店舗にロボットを導入するものだ。

2005年にロボット玩具のスタートアップとしてピッツバーグで創業したBossa Nova Roboticsにとって、これは大きな発表だ。同社は2017年にウォルマートとの最初の契約を発表し、50台程度のロボットを導入していた。

高さ6フィート(約1.8m)のこのロボットには腕がなく、他社が提案しているような在庫整理の機能は使えない。つまり、手動での在庫整理を直接置き換えるようには設計されていないのだ。代わりに退屈な在庫作業を保管し、置き換えるように設計されている。

具体的には、紛失した商品を探して棚をスキャンし、その情報を中央のコンピューターに送り返す。それにもとづき、従業員は適切な交換品を見つけることができる。今回のロボットの注文は確かに大量ではあったが、これは米国に存在する5000店舗のウォルマートのうちの数分の1である。なお、最新ロボットの導入は今夏に完了する。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

インドのeコマース市場でアジアで最も裕福な人物がアマゾン・ウォルマート連合に挑む

Amazon(アマゾン)とWalmart(ウォルマート)が所有するFlipkart(フリップカート)は、インドの小売市場での存在感を確立し、最近の規制上のハードルをの乗り越えるために数十億ドル(数千億円)を投下した。しかしそれに加えて両社は、アジアで最も裕福な男性であるMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏からの新しい挑戦を受けることになった。

画像クレジット: DIBYANGSHU SARKAR/AFP / Getty Images

アンバニ氏がCEOを務めるReliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)の2つの子会社であるReliance RetailとReliance Jio社は、JioMartをソフトローンチしたことを発表した。これはインドのマハーラシュトラ州の一部であるナビムンバイ、カリヤーン、ターネー近隣の店舗と密接に連携するeコマースベンチャーだ。

ヒンディー語で「新店舗」を意味する「Desh Ki Nayi Dukaan」(デシュ・キ・ナイ・ドゥカーン)としてマーケティングが行われているこのeコマースベンチャーは、現在5万点の取り扱い食料品と「無料迅速配達」を売りにしている。

Reliance Jioの顧客へのメールの中で、前述の2つの子会社がeコマースベンチャーを立ち上げようとしていることや、この先数カ月のうちにサービスをインドの多くの場所に展開する計画であることを伝えている。このジョイントベンチャーはまたはJioの有料会員に対して、初期特典にアクセスできるようにJioMartにサインアップするよう呼びかけている。Relianceの広報担当者は、これ以上の情報提供は拒んでいる。

今週のソフトローンチは、インド最大の企業グループであるReliance Industriesを経営するアンバニ氏が、全国の膨大な数の小売業者と店舗経営者たちにサービスを提供したいと発言した数カ月後に実現したものだ。

もしインドに、強大なアマゾンやウォルマートと競争できる立場にいる人物がいるとするなら、それは彼をおいて他にいない。2006年創業のReliance Retailは、インド国内最大の売上を持つ小売業者だ。6500拠点以上のインドの都市と町にある、約1万軒の実店舗を通して、毎週350万人以上の顧客にサービスを提供している。

そしてReliance Jioは、3億5000万人以上の加入者を持つインド最大の通信事業者である。この2016年下半期に商用運用を開始した4G専用通信事業者は、長期間にわたって大量のデータ通信および音声通話を低額もしくは無料で提供することで、国内の既存の通信事業たちを大いに悩ませてきた。

1月に行ったスピーチで、インドのNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相の盟友であるアンバニ氏は、マハトマ・ガンジー氏を引用し、政治的植民地化への反対運動を指導したガンジー氏のように「データ植民地化への新しい反対運動をまとめ上げる必要があります。インドがこのデータ主導革命で成功するには、インドのデータのコントロールと所有権をインドに戻す必要があるのです。言い換えるなら、インド人の富をすべてのインド人に取り戻す必要があるのです」と語った。その聴衆の中に、アマゾンとFlipkartに影響を与える規制を発表したばかりの、政府の責任者であるモディ首相がいたのだ。

eコマースがインドの小売売上高全体で占める割合は、まだまだ小さなものだ。調査会社Technopak Advisorsは、インドの小売市場は昨年の約790億ドル(約8兆6000億円)から今後4年間で1880億ドル(約20兆円)に成長すると予想している。

Amazon IndiaのマネージャーであるAmit Agarwal(アミット・アガルワル)氏は、今年初めのインタビューで「心に留めておくべきことは、eコマースはインドの小売消費全体の非常に小さな部分だということで、おそらく3%未満です」と述べている。

彼らのビジネスをインド人にアピールするために、AmazonとFlipkartの両社 はサービスを拡大し、新しいビジネスに参入した。どちらのプラットフォームも食品小売に取り組んでいる。Amazonは、インドで2番目に大きい小売チェーンFuture RetailのFuture Couponsや、インドのスーパーマーケットチェーンのMore、そしてデパートチェーンであるShopper’s Stopといった、インドの多くの小売業者の株式を買い集めている。

Flipkart は、ShadowFaxやNinjacartなどの、多くの物流スタートアップに投資している。またAmazon Indiaはバンガロールに拠点を置くスタートアップの株式を購入するために、Ninjacartとも協議中であると、この問題に詳しい人々は語っている。

アプローチを受けた多くのショップオーナーたちの証言によれば、直近の四半期に、Reliance Jioの幹部たちが、インドの多くの場所で、ショップオーナーたちと接触し、彼らのPOSマシンを紹介して、JioMartへの参加を勧誘しているということだ。

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(翻訳:sako)

ウォルマートがソーラーパネル火災でテスラと和解

米スーパーマーケット最大手のWalmart(ウォルマート)は、同社の7店舗で火災を起こしたとされる屋根用ソーラーパネルに関わるTesla(テスラ)の契約違反並びに重大な過失の責任を問う訴訟を取り下げた。

「両社間で和解が成立し却下規定書が法廷に提出された」とウォルマートの広報担当者がメールで伝えた。和解条件は明らかにされていない。TechCrunchは追加情報を両社に要求している。

両社は米国時間11月5日に共同リリースを発行し、ウォルマートが提起した問題が解決したことを発表した。「安全は両社にとって最優先であり、問題への対応が進んでいることから、我々の維持可能エネルギーシステムが安全に再活性化させること両社を共に望んでいる」と声明に書かれていた。

和解はウォルマートがニューヨーク州裁判所に提訴してからわずか3カ月後のことだった。訴訟の標的だったTesla Energy Operationsはクリーンエネルギーと電気自動車のメーカーの一部門であり、以前はSolarCityと呼ばれる会社だった。

訴状が提出された数日後、両社和解に向けて話し合っており、ソーラーパネルの設置サービスは継続すると発表した。

この発表は解決への道筋を示唆したものの、裁判の行方は不透明だった。本日までは。

ウォルマートは、テスラを訴えた理由は長年の重大な過失と業界標準不履行のためだった、と訴状に書いた。ウォルマートはテスラに対して、設置済みの240カ所のソーラーパネルの撤去、およびパネルが原因とされる店舗火災の損害賠償支払いを求めた。訴状には、テスラ製ソーラーパネルが原因とされる同社店舗屋上の火災が複数件挙げられている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Gatikの自動運転バンがウォルマートの日用品を配送開始

物流世界における展開を目指す自動運転車のスタートアップことGatik AI(ガーティックAI)は、Walmart(ウォルマート)と提携して正式にサービスを開始した。

Gatik AIは米国アーカンソー州のハイウェイ・コミッション当局から、Walmartと協業サービスを開始する許可を取得した。同社の自動運転車(なお、安全運転のためにドライバーが乗車している)は現在、Walmartのメイン倉庫からアーカンソー州ベントンビルの周辺店舗へと、食料品のオンライン注文を顧客に届けるサービスを展開している。

自動運転車はWalmartのビジネス全体の中で最も小規模な、2マイルのルートを週7日運行することを目指している。しかし、目標はそれだけではない。Walmartはこのプロジェクトを利用し、自動運転車を店舗やサービスに統合する最良の方法を学ぶためのデータを収集するのだ。

Gatik AIは自動運転システムを搭載したフォードの輸送車両を利用している。共同創設者かつCEOのGautam Narang(ガウタム・ナラン)氏は以前TechCrunchに対し、Amazon(アマゾン)やFedEx(フェデックス)、さらには米郵便公社などサードパーティーの物流大手、自動車部品の代理店、消費財や食品、飲料の代理店、医療や製薬会社と連携することで、さまざまなユースケースをつうじて市場のニーズを満たせると語っている。

6月に公開された同社は、Google(グーグル)の前CEOことEric Schmidt(エリック・シュミット)氏によるInnovation Endeavorsによるシード・ラウンドで450万ドル(約4億9000万円)を調達した。その他の投資家には、AngelPad、Dynamo Fund、Fontinalis Partners、Trucks Venture Capital、そしてUber Freighを率いるエンジェル投資家のLior Ron(リオル・ロン)氏がいる。

Walmartと提携している自動運転車企業はGatik AIだけでない。WalmartはWaymoやUdelvとも提携している。そしてどちらもアリゾナにおけるパイロットプログラムを含んでいる。

Udelvは顧客にオンライン注文された食料品を届ける自動運転車のテストを進めている。昨年、Waymoのアーリーライダープログラムのメンバーは、Walmart.comで買い物をした際に食料品の値引きを受けた。乗客はその後、Waymoの車両で近くのWalmartの店舗へといき、食料品を受け取るのだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ウォルマートの食料日用品配達が年間98ドルで無制限利用できるように

Walmart(ウォルマート)は、Delivery Unlimitedというシンプルな名称の新たなグローサリー配達購読サービスで、Instacart、TargetのShipt、そしてAmazon Prime Now/Whole Foodsに攻勢をかける。これまでウォルマートのオンラインでの買い物客はグローサリーをネットで注文してローカル店舗でピックアップする無料サービスを利用するか、9.95ドル(時にはこれより少ない)を払って配達してもらうかだった。Delivery Unlimitedは利用ごとに配達料金を払うのをスキップする、第3のオプションだ。

今回ウォルマートが導入するのは、1カ月12.95ドルのプランか、年間98ドルのプランで、いずれも15日間のトライアルが含まれる。

サービス内容はほぼ同じだ。オンラインまたは「Walmart Grocery」アプリで買い物でき、買いたいものをカートに入れ、配達の時間を選ぶ。配達の回数に制限はない。もしウォルマートのオンラインで月に1回以上注文するなら節約できることになるかもしれない。

年間98ドルというのは競争力のある設定だ。Shiptの現在の料金は年間99ドルで、Targetはちょうど今週、Target.comへのShipt統合で、Shiptの買い物客が1回あたり9.99ドルでも利用できるようになることを発表した。一方のInstacartは11月に年間料金を99ドルに下げている。Prime Nowの料金が最も高く、年間119ドルだ。しかしもちろんPrime Nowのこの料金にはグローサーリー配達以外のものが含まれている。Primeは、Amazon.comでの購入商品の即配やストリーミングサービスへのアクセス、無料のeブックなど総合的なお得プログラムだ。

Delivery Unlimitedが現在のところどれくらいの規模で利用できるのかは不明だ。ウォルマートのウェブサイトにあるFAQでは漠然と「あなたのエリアでもDelivery Unlimitedが利用できるチャンスは大いにあります」と書かれている。

オーケー!

このサービスはまた、初期テストマーケットの1つであったと思われるユタのとあるウォルマート店舗のアカウントで3月にあったInstagramへの投稿でもほのめかされている。

我々は詳細をウォルマートに問い合わせているが、Delivery Unlimitedサービスについての質問に対する返事はまだ届いていない。

オフィシャルの「Walmart Grocery FAQ」では購読オプションについて触れておらず、正式な発表も今のところまだない。

他のグローサリー配達事業と異なり、ウォルマートは専用の配達ネットワークや独立した請負業者を有していない。その代わり、 Point Picku、Skipcart、AxleHire、Roadie、Postmates、そしてDoorDashを含む全米の配達プロバイダーと提携している。一時期、DelivUber、そしてLyftと提携していたこともあった。

ウォルマートのオンライングローサリーへのかなりの投資は増収に貢献している。家庭用品やファッションカテゴリーにおける成長とともに、グローサリーもeコマースの成長を引っ張っている。第1四半期ではeコマースの売上高は37%のアップで、1株あたりの利益は予想の1.02ドルを上回る1.13ドルだった。そして、売上高は1239億3000万ドルにのぼった。

ウォルマートは現在、2450店舗でグローサリーピックアップを、約1000店舗で配達サービスを提供している。2019年末までに3100店舗でのピックアップサービス、1600店舗での配達サービスの展開に向けた取り組みは順調とのことだ。

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(翻訳:Mizoguchi)

ウォルマートの会話型パーソナルショッピングサービスは一顧客に毎月16万円超を売る

1年前にWalmart(ウォルマート)は、パーソナルショッピングサービスのJetBlackをニューヨークで立ち上げた。そして米国時間6月7日の発表によると、JetBlackの顧客の3分の2が週ベースでこのサービスを利用し、平均して毎月1500ドル(約16.2万円)の買い物をしている。ただしそれらの顧客は全員がWalmartやその子会社Jet.comなどで買い物をしているわけではない。JetBlackは独立のeコマース企業であり、Walmartが育成した。そして、いろんなリテイラーからの商品を配達している。

実際のところ、JetBlackが扱っていないのは、生鮮とアルコール、大麻由来製品、タバコ、処方薬、そしてレンズだけだ。

Walmartがインキュベートしたこのスタートアップは、ショッピングにコンシエルジュを絡ませてeコマースを会話型にする実験であり、顧客はリクエストをテキストメッセージで送り、そしてWalmartやJet.com、そのほかの地元リテイラーからの商品推奨を受け取る。会費は月50ドルでAmazon Primeよりも高いが、本格的な高級コンシエルジュサービスのHello AlfredMagicなどよりは安い。これらは、JetBlackがデビューする数か月〜数年前から注目されている。

Walmartによると、このサービスは、オンラインショッピングの利便性と専門知識を持つエキスパートの個人的アシスタントを組み合わせて、都市の忙しい核家族に効率的なショッピング方法を提供する。

JetBlackは、Rent the Runwayの共同創業者であるJenny Fleissらが創り、WalmartのインキュベーターStore No. 8のインキュベート事業に参加した。インキュベーターを立ち上げてから数か月後の2018年9月にWalmartは、The Wall Street Journalの取材に対し、JetBlackの会員は毎週平均300ドルの買い物をしている、便利なサービスだから買い物の頻度も上がる、と言っている。2019年3月では、毎週の買い物品目数が10以上だが、そのうちいくつがWalmartの商品か、という内訳は公表されていない。

米国時間6月7日はWalmartの株主総会だったが、JetBlackに関する話は少なかった。平均買い物額が増えたことだけが、言及された。

Walmartの国内eコマース部門のCEOであるMarc Lore氏は「JetBlackは会話型コマースに活気をもたらした」とコメント。。そして彼は、eコマース関連の最新の数字を「どれも顧客のおかげ」と述べた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ウォルマートがAI活用大型スーパーをオープン、Amazon Goとは別戦略

米国時間4月25日、Walmart(ウォルマート)はニューヨーク州レビットタウンに「スーパーマーケットの未来形」をオープンした。この店舗はAIカメラ、対話的商品陳列など次世代テクノロジーの実験場となる。コンセプトはインテリジェントリテールラボ、頭文字でIRLだという。

このスーパーはWalmartが展開する生鮮食品、日用品に特化したネイバーフッドマーケットの1つで、取り扱うアイテムは3万点と発表されている。新テクノロジーを現実の店舗環境でテストできる規模だ。

Amazonの次世代コンビニと同様、Walmart IRL店も天井に多数のカメラが設置されている。Amazonの新コンビニの目玉はキャッシャーレスチェックアウトで、ユーザーは欲しいものを棚から取り出して店を出れば購入が完了する。一方、新しいWalmart IRL店は売り場面積4645平方メートル、スタッフも100人以上の大型スーパーだ。

またWalmart店舗の天井のAIカメラは、Amazon Goのように消費者が何を購入したかをモニターするためではない。IRLには従来どおり支払いのためのチェックアウトカウンターがある。IRLのカメラは在庫管理の効率化が目的だ。例えば肉が売り切れそうだったら冷蔵室から補充しなければならない。一部の生鮮食品は一定時間を過ぎれば売り場から回収する必要がある。

いつ、どこで、どんなアイテムを補充ないし回収しなければならないかを正確に知ってこのプロセスの効率化することがAI利用の狙いだ。食品の鮮度管理の徹底やアイテムの欠品の防止は同時に消費者にも大きなメリットとなる。

しかしこれを実現するのは簡単ではなかった。Walmartによれば、IRLでは非常に高度なAIテクノロジーが用いられているという。まずシステムは棚のアイテムを正しく認識しなければならない(牛ひき肉500gと合い挽き1kgを確実に見分ける必要がある)。次に陳列棚の商品量と季節、時間帯によって予想される需要量を比較する。

現在売り場スタッフは担当の棚を常に見回ってアイテムの残量を監視し、補充のタイミングを見極めている。これに対してAIストアでは、朝、売り場のドアが開く前に補充のタイミングと量を知ることができる。

カメラその他のセンサーは毎秒1.6TBのデータを吐き出す。2TBのハードディスクが1秒ちょっとでフルになってしまうほどの量だ。つまりデータの処理はローカルで実行しなければならない。
カメラとサーバーの列というのは一般ユーザーを気後れさせる組み合わせだが、Walmartでは「データは1週間以内に消去される」としている。

上の写真はIRLストアのデータセンターだ。青い照明に照らされたサーバー群は消費者から見える場所にレイアウトされている。店内のインフォメーションセンターなどのコーナーでは消費者にAIを説明している。

あるコーナーではAIがユーザーを撮影して姿勢を推測してみせる。これらはすべて新テクノロジーを少しでも親しみしやすいものにしようという努力だ。

IRLのCEOであるMike Hanrahan氏は「IRLの新テクノロジーとWalmartの50年以上の店舗運営経験を組み合わせれば、カスマーにも店舗側にも非常に有益な非常に改善が得られる」という。

WalmartはAIを効率化のために用いることに力を入れており、CEOは(遠回しに)Amazon Goとの重点の違いを語った。

「ピカピカの要素をならべて人目を引こうとするのはわれわれの目的ではない。そういう人目を引く要素は長期的な視点から役に立たず、顧客にも我々にも有益とは言えない場合が多い」という。

Walmart IRLストアが店舗のキャッシャーレス化ではなく、ひき肉パックの在庫補充や欠品の防止というような地味な分野にAIテクノロジーを利用する理由はここにあるようだ。効率化によって浮いた人員をチェックアウトカウンターの稼働の拡大に回せば消費者にとって大きなメリットとなる。

 WalmartではBosa Nova Roboticsの他のロボットを大量に導入したときと同様、「新テクノロジーは人間を代替するものではなく、機械ができる仕事から従業員を解放して顧客との対話に振り向けるものだ」としている。しかし長期的に見れば、効率的な店舗運営に必要な人員は減っていくはずだ。

IRLのコンセプトはグループ内の先進テクノロジー開発インキュベーター、 Store No8によるものだ。このチームは店舗運営に新テクノロジーを適用する試みをいくつか実行してきた。2017年には個人向けショッピングサービス、Code Eightをニューヨークで実験した。今年に入ってからはショッピング体験を強化するVRツアーをスタートさせている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

次にゲームのストリーミングサービスを立ち上げる大企業はウォルマートか?

今年のGDC(Game Developers Conference)は、GoogleがStadiaでスポットライトを独占した。具体的な情報が欠けてるぶんを、派手な前宣伝で補ったような形だ。でもゲームのストリーミングサービスをねらっているのは、Googleだけではない。US Gamerの記事によると、Walmart(ウォルマート)もレースに参加しているらしい。

このリテイラーは最近の数年間、ハイテク分野への進出を画策していた。世間の注目を浴びるような買収を繰り返し、その中にはAmazonに対抗するJet.comもあった。店頭在庫をチェックするロボットを、50ぐらいの店舗でテストしてきた。そして最近CTOのJeremy King氏が辞めたことは、次の大きな事業の到来を予感させた。

上述の記事では「GDCでWalmartがデベロッパーやパブリッシャーたちと会っている」と報じている。しかし話がどこまで進んでいるのかはわからないし、このリーク情報に関与した連中は当然ながら匿名希望だ。同社に、サービスを試みるためのバックエンドのインフラストラクチャがあることは間違いない。すでに国内の大量の顧客情報があるから、彼らに大量のビデオゲームを売り込むこともできる。

しかし1月には、ビデオストリーミングサービスのプランを捨てたと報じられているから、GDCにおける会談も具体性はまだないのかもしれない。

画像クレジット: SAUL LOEB/AFP

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Walmartは食品通販がヒット、売上43%アップでQ4決算好調

今日(米国時間2/19)、Walmartはクリスマス商戦を含む第4四半期の決算を発表した。アメリカ国内の売上は前年同期比4.2%アップと堅調で、特に国内のオンライン通販は前年比43%アップと大ヒットとなっている。今期決算は収入1388億ドルとなり、1387.6億ドルというアナリストの予測を上回った。 EPS(1株あたり利益)も1.41ドルで1.33ドルという予測以上だった。

ウォルマートは、eコマースの順調な成長は食品のピックアップ、配送事業の拡大とWalmart.comへの幅広い品揃えに起因していると考えていることはことが特に注目される。

同社は食品事業分野で長年、Amazon、Instacart、Target’s Shiptなどに挑戦を繰り返してきた。同社は以前からオンライン通販に力を入れていたが、理にかなっており確実に利益を上げることができるビジネスモデルにたどり着くまでにだいぶ時間がかかった。Walmartは2015年に、コストのかかる通常の宅配サービスの代わりに、顧客が駐車場でオンラインで商品を選ぶピックアップ・サービスを考案した。車内でポッドキャストを聞くなり、ビデオを見るなりしている間に係員が車のトランクにその商品を積み込んでくれる。顧客は広大な店内の通路をあちこち歩き回らずにすむ。

さらに最近では外部の事業者と提携して食品の宅配にも力を入れている。 ここではUber、Lyft、Delivなどの利用を止めて、PostmatesやDoorDashなどのパートナーに事業をシフトした。またPointPickup、Skipcart、AxleHire、Roadieなどの新しいパートナーを追加している。

現在、Walmartの食品ピックアップ・サービスは2100以上のWalmart店舗で利用可能だ。また800近い店舗では宅配サービスが実施されている。同社では「2020年度末までに3100店舗でピックアップを、1600店舗で宅配を開始する」としている。

一方、ウォルマートはオンラインでのその品揃えを拡大し、豊富なショッピング体験を提供しようと努力してきた。たとえば、2018年度には、ハイエンドのオンライン・ショップ、Lord&Taylorを立ち上げた。またホーム分野には3Dによるバーチャルショッピングを追加した。スポーツファン向けにやFanaticsショップをスタートさせている。 Walmart.comに新しく育児用品のカテゴリーが新設された。買収したブランドの商品をメインページに追加した。Koboと提携してWalmart eBookも立ち上げている。

またウォルマートは宅配料金を引き下げた。 2017年に、Walmartは、Amazonの有料制のプライム会員サービスに対抗して、35ドル以上の注文があれば無料で2日以内に配送するという仕組みをスタートさせた。昨年は、Deliverrなどのフルフィルメント・サービス事業者や数多くの有力トップセラーと協力して、無料2日配送をマーケットプレイスの商品にも拡大した

昨年同社は個人別にカスタマイズ可能なサイトをスタートさせた。ここではホーム分野がリニューアルされ、デザインもスマートになりナビゲーションも容易になった。新サイトには顧客の居住地区でのトレンド商品を紹介するセクションも含まれており、食品の注文やお気に入りの商品の再注文も簡単になっている。

昨年11月のeMarketerのレポートによれば、WalmartはAppleを抜いてアメリカ第3位のオンライン通販業者となったという。トップはもちろんAmazonで、eBayが続いた。レポートはWalmart(買収したJetやSam’s Clubのブランドを含む)が2018年中に全オンライン小売の4%を占めると予測していた。

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滑川海彦@Facebook Google+

WalmartはAppleを抜いて米国で第3位のオンライン小売業者になる見込み

eMarketerからの今週のレポートによれば、WalmartはAppleを抜き米国で第3位のオンライン小売業者になった。依然Amazonが、2018年のeコマースの48%を占め、他を圧して首位を保ってはいるものの、年末までにWalmartは(Sam’s ClubとJet.comも加えると)、米国内のオンライン小売業における売上の4%を占めることになりそうだ。

このeコマースランキングの変動のニュースは、Walmartの力強い増益の報告と共にもたらされた。それによればWalmartはオンラインの売上が43%増加し、年末に向けて増益と増収が期待されている。

同社は第3四半期に、1株あたり1.01ドルとされていたウォール街の予想を上回り、1株あたり1.08ドルの利益を上げた。とは言え収益全体としてみたときには、為替の変動により、期待されていた1億2555万ドルには届かず、1億2489万ドルにとどまった、と同社は語っている。

eMarketerは今年7月、ウォルマートが米国で3.7%のeコマースシェアを獲得すると予測していたが、その急速なオンラインセールスの成長を受けて、その数字を4%に変更した。

今年Walmartのオンラインセールスは39.4%増加した。これはオンラインの家具並びに家庭用品の小売業者Wayfairに次ぐ数字だ(Wayfairに関しては40.1%の増加が見込まれている)。

一方、2018年のAppleの成長は、18%強に留まっている。この鈍化は国内でのスマートフォンや、その他のデバイスの売上鈍化に関連している。eコマース市場における同社のシェアは2017年から2018年にかけて相対的に変化していない、その変化は3.8%から3.9%になった程度である。

対照的にウォルマートは、シェアを3.3%から4.0%に引き上げている。

しかし、どちらも現在7.2%を占めるeBayには及んでいない。そして両社とも、2018年の米国eコマース市場で48%のシェア(昨年は43.1%)を占めるAmazonからは大幅に引き離されている。

eMarketerによれば、Amazonの国内売上高は今年2521億ドルになることが期待されている。

「Walmartのeコマースビジネスは、最近絶好調である」とレポートに書くのは、eMarketerの主席アナリストであるAndrew Lipsmanだ。「Walmartはそのeコマースポートポートフォリオを賢く拡大し続けていて、若くてより裕福な購買客を引きつける続けています。しかし何よりも、Walmartは急速に成長する食料雑貨ビジネスを起動に乗せています。これは多くの顧客がクリック購入に慣れてきたことによるものです」。

画像クレジット: SAUL LOEB/AFP

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(翻訳:sako)

Walmartの新技術テスト店舗Sam’s Club Nowが、来週ダラスでオープン

Walmartが経営する会員制大型ディスカウントストアのSam’s Clubが、最新の小売テクノロジーのテストベッドとして利用する新しい店舗を、ダラスにオープンする準備を進めている。具体的に言えば、同社が特にテストしようとしているのは、モバイルチェックアウト、在庫管理を行うAmazon Go式のカメラシステム、電子的な棚ラベル、店内案内テクノロジー、拡張現実、そして人工知能を活用したショッピングなどの、新しいコンセプトたちだ。

同社は6月の時点で、まずダラスにコンセプトストアを開店する計画を発表した、そしてそれが実世界における、技術ドリブンのショッピング体験の実験室であることを表明した。

米国時間10月25日、同社はそのプロジェクトのベールを上げて、新規店舗での計画の詳細について語った。店舗の名前は“Sam’s Club Now”である。

他のSam’s Clubの店舗と同様に、買い物をするためには顧客はSam’s Club Nowの会員になる必要がある。しかし、実際に買い物をする方法は、著しく異なることになる。

精算レジ担当者が置かれる代わりに、店舗にはコンシェルジュのように行動する「メンバーホスト」が配置されていると同社は語る。

またPOSレジでアイテムをスキャンする代わりに、顧客は特別に用意されたSam’s Club Nowモバイルアプリを利用する。

このアプリは、Sam’s Clubの既存の“Scan & Go”テクノロジーを利用している。この技術は現在他店舗で既に、精算をスピードアップするために使われている。既存のScan&Goモバイルアプリは、買い物客が商品をカートに入れる際に、自分でスキャンするオプションを選ぶことができ、そのまま電話を使って支払いを済ませることが可能だ。しかし、Sam’s Club Nowの場合には、これはオプションではなく、必ずスキャンして支払いを行うことが求められる。

Sam’s Club Nowアプリにはそれ以外の機能も満載である。いずれも同社がテストを行いたいと思っているものばかりだ。たとえば統合された店内案内/誘導システム、拡張現実機能、AI支援ショッピングリストなどだ。

最初の段階では、アプリは指定された商品がある通路へのビルトインマップを提供する、しかしやがてこのマップシステムはビーコンを使うようにアップグレードされて、消費者のショッピングリストに紐付けられ店内の最適ルートを表示するようになる。

ショッピングリストはAIによる支援も受ける。機械学習と顧客の購買履歴を用いて、ショッピングリストには、頻繁に購買するものが事前に入力されるようになる。もし不要な場合には、リストから項目を取り除くこともできる。

こうすることで、顧客は普段買う品物を買い忘れることがなくなる、と同社は語る。

また一方で、このアプリは、売られている商品の「物語」と機能を、店側から強調させるための拡張現実をテストすることが可能だ。同時に商品がどのような経路で得られたかの情報にアクセスするための手段も提供する。しかし、こうした機能は一種のギミックである。顧客たちが単に買い物をしようとするときには、こうした「インフォテイメント」に興味を抱くことはほとんどないからだ。

しかし、少なくとも、このテスト店舗は、そうした想定を実世界のデータで確認するチャンスを与えてくれる。

このアプリではまた、1時間以内に店頭受け取りが可能になる注文を行ったり、同日配送を指定して注文を行ったりすることができる。

このSam’s Club Nowと他の店舗の違いは、精算レジの有無だけではない。同店舗は、平均的なSam’s Clubの規模の四分の一の大きさで、3万2000平方フィート(約2973平方メートル)に過ぎない。それが意味することは、場合によっては、他の店舗のものよりも、小さいパッケージサイズのものを扱う可能性があるということだ(Sam’s Clubの他店舗は、大きな倉庫のような形態で、売られている商品の多くがまとめ買い用に大きなパッケージになっている)。

店舗のサイズが小さいため、店員の数も通常の四分の一である44名である。しかし、スタッフを排除し、技術で置き換えることが目標ではないと、同社は明言している。

「不便さを取り除くことは、素晴らしい会員サービスをデジタル体験で置き換えるということを意味しているわけではありません」と語るのは、Sam’s Clubの社長兼CEOのJohn Furnerだ。「会員の皆さまは、両方をお望みです」。

同社は、肉、生鮮食品、冷凍食品、ビールとワイン、弁当や惣菜類などの幅広い製品を取り揃える予定だと語る。

さらに重要なことは、新しい在庫管理と追跡技術も含まれているということだ。この先、700台を超すカメラを使ったシステムが、在庫管理とストアレイアウトの最適化のために使われることになる。

棚では、電子的な棚ラベルのテストも行われており、簡単に価格を変更することが可能だ。これによって紙のラベルや値札を印刷する必要がなくなる。

これらはみなサードパーティ製のシステムではないと同社は語っている。

「ここで構築に使っている技術の大部分は、私たち自身が社内で開発した技術に基づくものです。モジュールの一部にはサードパーティから入手したものがあるかも知れません。しかし、大部分は私たちが社内で開発した技術の上に構築されたシステムなのです」と話すのは、SamsClub.comのCEO兼Membership & Technologyの上級VPであるJamie Iannoneだ。「そうすることで、非常に迅速な繰り返しと改善が行えるのです」と彼は指摘した。

同社が「迅速」という言葉で意味するのは、わずか数週間で様々な変更を行えるということだ。この店舗では、コンピュータビジョン、AI、AR、機械学習、そしてロボットにまたがる、新しい様々な体験に対する実験を、素早く繰り返して行く計画だ。

そこで有効性を証明できた機能は、全米のSam’s Clubへと展開されて行くことになる。

同社によれば、ダラスがテストマーケットとして選ばれた理由は、アーカンソー州ベントンビルのWalmart本社から行きやすいということと、ダラスが擁するテクノロジー人材とリクルートの可能性からだと言うことだ。現在、同社はダラスに100人以上のエンジニアを抱えており、機械学習、AI、コンピュータビジョンの分野での雇用をさらに進める予定だ。

Sam’s Club Nowの企画が立ち上がり、開発が行われ、開店準備が整うまでにわずか5ヶ月しかかからなかったことも注目に値する。

店舗は、来週すぐに、テストのために地元の会員たちに招待制でオープンされる。一般に対する正式オープンは、とりあえず数週間以内に行われる予定だ。

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ウォルマートが17000台のOculus GoヘッドセットをVRによる作業訓練用に試験的に採用

作業訓練は以前から、企業が仮想現実を利用する最初の主要な分野になる、言われていた。Walmartはすでに、そのトレーニングセンターにVRハードウェアを導入してその方向性を見せていたが、今回同社は、その5000近いストアのすべてにOculus Goヘッドセットを送って、Walmartの社員の教育訓練の頻度を上げようとしている。

この大型店の巨人は、Walmartスーパーセンターの各店舗にヘッドセットを4つずつ、そしてNeighborhood Marketには2つずつ送る。それは全社員を教育訓練できるほどの大量ではないが、それでもWalmartともなれば全体で約17000台のヘッドセットが年内に発送されることになる。

昨年同社は、STRIVR Labsの協力により、同社の200あるトレーニングセンター“Walmart Academy”に仮想現実によるトレーニングを導入する、と発表した。今回はさらにその進化形であり、前のようにPCにつないだOculus RiftではなくOculus Goを使用し、単体VRヘッドセットによる社員教育の将来性をさぐる。今回の、各店におけるわずかな台数でのテストがうまくいけば、OculusとFacebookにとっても勝利になる。なにしろこれまでVRヘッドセットといえば、実際に順調に使用する時間よりも、トラブルシューティングの時間の方が長いことで、悪名高かったのだから。

Oculusで企業とのパートナーシップを担当しているAndy Mathisが、プレスリリースでこう述べている: “Walmartは、VRを利用して社員教育の充実を図った最初の企業のひとつだ。今後その利用は、どんどん拡大するだろう。この分野でVRが魅力的なのは、ふつうのやり方では費用が高すぎたり、難しかったり、そもそも不可能だったりするような教程やシミュレーションを、VRは可能にするだけでなく、今すぐ気軽にできるからだ”。

仮想現実では、プロセスや製品が実在する前にそれらを体験できる。社員にとってその体験は、既存のオプションよりもおもしろいから、居眠り効果などもなく、学習効果が上がるだろう。

STRIVR LabsのCEO Derek Belchはこう述べる: “VRはシミュレーションをベースとする体験的学習の機会を与える。それは、2Dの教材ソフトなどでは不可能だった。VRと教育学習の関係が、Walmartの先進性によりこれほど急速に進展していく様子は、見るだけでも感動的である”。

STRIVRのVR教材ビデオは主に360度ビデオを使用し、画面上に対話を促すプロンプトが出るので、社員は実際のインフラストラクチャが存在する前に、新しい店舗形態などに触れる機会を与えられる。Walmartは、ネットで買った物のための“Pickup Towers”〔日本語参考記事〕という具体例を挙げて、実際に店に据え付けられる前に、VRでそれらと対話する体験があれば、稼働開始も早い、と述べている。

ヘッドセットの店舗への発送は、来月から始まる。

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ウォルマートがbitcoinを1ドルで売っている

Walmartが、bitcoinを1ドルで売っている。でも暗号通貨の世界はつねに変化が激しいから、その一環としてこのデジタル通貨はチョコレートでできている。

Frankford Bitcoinsと名付けられたこのお菓子は、40グラムのミルクチョコレートをゴールドに着色したアルミフォイルで包んだもので、メーカーはFrankford Candyだ。去年は、ふつうのフォイルで包んだミルクチョコレートのコインがあった。でもbitcoinはコインとしては存在しないから、去年とはまったく違う。

bitcoinは分散デジタル通貨で、電子的に作られて保存される。Frankfordはそこに、ミルクチョコレートを加えた。

1947年に創業されたFrankford Candyは決して、暗号通貨の流行に便乗しようとした最初の企業ではない。ノンアルコール飲料のLong Island Iced Tea Corpを、誰が忘れようか。同社は社名をLong Blockchain Corpに変えて株価が6倍になった(Nasdaqは今年、同社の時価総額があまりにも低いので扱いから外した)。またアダルト向けのエンターテインメントを提供しているCamSodaのBitCastは、BitcoinとEthereumとLitecoinへのユーザーの投資と同期するバイブレーターなどの性具製品だ。

でもFrankfordのbitcoinなら、誰でも買える。本物のbitcoinは12月に20000ドルを超えてから急落し、今は6240ドルぐらいだ。

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サンダース上院議員、Amazon倉庫の労働環境を懸念

バーモント州選出のバーニー・サンダース上院議員は、準備中の法案を9月5日に明らかにするのを前に、Amazonの倉庫での労働環境についてさらなる情報を求めている。

収入の不平等は、2016年の大統領選におけるサンダースの目玉の主張だった。それは有権者に強く訴える人民主義的なメッセージで、必死の選挙戦が繰り広げられる中、憂慮していた進歩主義者や無党派層の間でダークホース候補だったサンダースを押し上げるものとなった。

選挙戦で先に進むには、そのメッセージではおそらく不十分だったものの、メッセージは議会におけるサンダースの中心的なミッションとして残り、世界最大の企業数社に狙いをつけている。ここ数カ月、サンダースの視野に入っているのはAmazonだ。

今日(米国時間8月29日)早く、サンダースはオンライン小売の大御所で働いている人向けにそこでの労働体験をシェアして欲しいと、リンクをツイートした。現在働いている人、あるいは以前働いていた人に、実名もしくは匿名で労働体験を語るように呼びかけている。要求の厳しい条件で働いている(いた)のか、労働者は公的な支援を必要としているのかを問うものだ。

今日の電話インタビューで、サンダースはTechCrunchに対しサンダース事務所としてはAmazonの倉庫の労働環境についてよく知っているが、9月5日に法案提出を控え、追加の情報を探している、と説明した。

「我々は、Amazon従業員の給与の中央値が約2万8000ドルであることを知っている」とサンダースは語った。「そして、Amazonで働く人のおおよそ半分が年に2万8000ドルももらっていない」。

なぜAmazonがサンダースの主要ターゲットとなったのかは実にわかりやすい。最近の証券取引所の記録によると、従業員の給料の中央値は2万8446ドルで、これはAmazonオーナーJeff Bezosが稼ぐ10秒あたりの額より少ない。

「アメリカ中のAmazon倉庫で働く労働者の多くが極めて少ない賃金で働いているという確証を持っている」とサンダースは説明する。「こうした情報を入手するのは難しい。Amazonは協力的ではない。我々がかき集めた情報では、お分かりの通り、アリゾナのAmazon労働者の3人に1人が公的な支援を受けている。メディケイドやフードスタンプ、公営住宅を利用している(編集部注:メディケイドは米国の低所得者向けの公的医療保険、フードスタンプも低所得者向けの食料品購入のための公的補助制度)。

サンダースは、Amazonがそうした問題を抱えていながら表面上何ら対処していないのが法に反するかどうかというのは認識していない。しかし、彼にとって、なぜ最も安い賃金で働くAmazonの従業員をサポートするために政府の助成金が使われないければならないのかを問いただすのに、そうした賃金格差は十分な理由となる。これこそが、提出する法案の目的だ。

単直に言えば、世界で最もリッチな人なら従業員にもっと払えるだろう、とサンダースは言いたいわけだ。

「この国の納税者は、1500億ドルもの資産を持つ男に助成金を支払うべきではない。彼の富は毎日2億6000万ドルも増えている」とサンダースは語る。「まったく馬鹿げた話だ。彼は従業員が最低限の生活ができる賃金を払うのに十分な金を持っている。彼は企業福利も必要としていない。我々の目的は、Bezosが従業員に対し生活できるだけの賃金を払うようにすることだ」。

こうした問題について、Amazonは悪評が立つほどに固く口を閉ざしているが、サンダースがキャンペーンを展開し始めて以来、ずっと劣勢に立たされている。法案については、Amazonは正式に提案されるまでおそらく直接コメントをしないだろうが、TechCrunchに対しては、この自ら招いた問題についてコメントしている。

「賃金や福利厚生を他の小売と比べてみてほしい」。Amazonの広報はTechCrunchにこう話した。「Amazonは昨年だけで13万もの雇用を創出したことを誇りに思う。こうした雇用は、他社に引けをとらない賃金や手厚い福利厚生を伴っている。米国の梱包センターでフルタイムで働く人の平均時間給は残業前で15ドル以上だ。これには給与、株式、ボーナスが含まれる。加えて、健康・眼科・歯科の各保険、退職金、産休・育児休暇といった充実の福利厚生を提供している。また、Career Choiceプログラムを通じ、需要のある職に就くためのスキルトレーニングも用意していて、こちらはこれまでに1万6000人の利用があった」。

さらにAmazonは、倉庫の労働環境について興味のある人は、“どうなっているのかを見るために”梱包センターの一つでできる見学を予約してはどうかと勧めている。

サンダース事務所の代理人はTechCrunchに、Amazonがサンダースを梱包センターの見学に招待していて、サンダースがその招きに応じるつもりであることを明らかにした。

SAN FERNANDO DE HENARES, SPAIN – 2018/07/16: General view of the Amazon warehouse in San Fernando de Henares.

もちろん、Amazonの従業員の扱いに対する懸念は今に始まったものではない。Mother Jones(編集部注:米国の労働活動家)はAmazonの倉庫で奴隷のように働くのがどんな体験だったのかを2012年に暴露している。2013年にはGawker(編集部注:ニューヨーク拠点のオンラインメディア)が、「非現実的な目標」「極めて短い休憩」「零下の室温」などの表現を用いて梱包センターでの様子を語る従業員の一連の電子メールを公開した。The Guardianが2014年に紹介した抗議者は、Amazonの倉庫で働くよりホームレスになった方がマシだ、としている。そして最近ではBusiness InsiderがAmazonの倉庫で働く人々が直面している“怖い話”を取り上げている。そこには、常時行われている監視、休憩がままならないこと、必要なときに設備を使うことさえできないことなどが含まれる。

Amazonは、そんな広報の悩みのタネとなるような攻撃にさらされ続けてきた。

先週、ツイッターで奇妙な現象が見られた。これまで取り上げてきたような労働環境ポイントを押さえつつ、倉庫で働くことを呼びかけるツイートだ。

「やあ!」。とあるツイートは陽気な出だしだ。「私はワシントン州のAmazon梱包センターで働いているが、我々の賃金や福利厚生はすごくいい。従来の小売店より30%ほど多い賃金が支払われているし、勤務初日から医療給付がフルに受けられる。労働環境はクリーンでゴミもなく、すごくいい。私のいる施設では、安全第一だ!」

Amazonが、自社の待遇を“とても競争力を持つ”ものにしているのは、おそらく倉庫で働く人の確保という大きな問題に対処するためだろう。Amazonは標的になりやすいが、ただしAmazonだけではない。サンダースも、Amazon以外へもネットを広げていると述べていて、DisneyやWalmartが視野に入っている。

6月、サンダースはアナハイムの教会で「90億ドルもの収益をあげ、CEOらに4億ドルも払い、そして30年も働く従業員を飢えさせるような企業がどう倫理的に防衛するのか聞きたい。どうしてこんなことがまかり通っているのか教えて欲しい」と群衆に訴えた。

その1カ月後、サンダースはツイッターで「DisneyのCEO、Bob Igerは4億ドル超ももらっているが、ディズニーランドで働いている人やホームレスが家族を養うためにフードスタンプに頼っているという事実についてどう思っているのだろうか」とBob Igerに直接挑んでいる。

しかしながら、今週初め、Disneyは従業員に最低15ドルの賃金を支払うことでWalt Disney World組合と合意した。

Disneyでは具体的な成果が見られる」とサンダースはTechCrunchに対しこう述べた。「もしJeff Bezosが“私は世界で一番の金持ちだ。従業員に生活賃金として少なくとも15ドルを払い、全従業員が安全と尊厳を持って暮らせるようにする”と言っていたら、Jeff Bezosはアメリカ社会において重大な役割を演じることができたと思う。私が状況を改善しよう」。

一方、AmazonとWalmartは、法案での主なターゲットとなっている。米国上院で民主党は野党であるため、Mark ZuckerbergのようにBezosが証言を求められる公聴会はなさそうだが、にもかかわらずサンダースは来週、法案を前に進めるべく取り組む考えだ。

「法案は極めてシンプルだ」とサンダースは説明する。「もし従業員数500人以上の大企業で、従業員がフードスタンプやメディケイド、公営住宅を利用しなくてはならないくらい低い賃金を払っているのなら、そうした補助のために政府が負担しているのと同額の税金を払わなければならない、というものだ。こうした公的補助プログラムの代金を支払うのは、中流階級の人々ではなくJeff BezosやWaltonファミリーといった、雇う側になる」。

イメージクレジット: Drew Angerer / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

Walmartにとって今が打倒Amazonのとき

Amazon Primeはeコマースで絶大な影響力を振るってきた。しかしこのオンラインの巨人はいま綻びをみせつつある。会員価格、そして専門性のなさ、加えて競合サービスの登場だ。最大の競争相手であるWalmart にとってはPrimeのようなサービスでAmazonを攻撃する絶好のときだ。

Primeが抱える問題はこうだ。Amazonはこのサービスの魅力を維持するために、絶えずPrimeプログラムに投資をしている。しかしそうして追加されたサービスは多くのユーザーにとっては余分なものであり、それらのサービスを利用したかどうかにかかわらずPrimeメンバーは会員料金を払わなければならない。

もちろん、それはAmazonの戦略の一環だ。もし顧客が料金の支払いをやめないとわかっていたら、顧客が利用しそうな他の購読サービスを模倣するのにお金をつぎ込むことができ、結果として自分の懐にもお金が入る。たとえば、Primeビデオとミュージックは明らかにNetflixやHBO、そしてSpotifyやApple Musicを意識している。それらも利用している人は、なぜ似たような2つのサービスにお金を払うのか、ということになる。そしてどちらかを選ぶとしたら、PrimeよりHBOをやめることを選択する方が簡単なのだ。

しかし、それは今までの話だ。何年もの間、Primeの会員料金が上がる一方で、他のサービスがどんどん良いものになるという事態をユーザーは目の当たりにしてきた。ストリーミングサービスや充実のコンテンツが急激に増え、Primeユーザーは往々にしてそれらの蚊帳の外に置かれている。

写真のストレージはどこも無料ではないか?Twitch Primeは何百万もの働く世帯にとって本当に使えるものか?加えて、Prime Originalsはエミー賞にランクインするようなものではない。しかし、それでもやはりPrimeであり、多くの人に必要とされている

現実的に、このデッドロック状態を崩せるのはWalmartしかいない。Amazonとそっくり同じやり方ではなく、シンプルでより何かに特化したもの、そしてPrimeサービスにかかる諸々のこと(配送、セールス、基本的なメディアなど)を低価格で提供し、と同時に顧客にオンラインショッピングの利便性はそのままにどのサービスを利用するか選ぶ権利を保証するというやり方でだ。

Primeに対抗してWalmartが提供するサービスにはどんなものが含まれるか。Walmartはすでに多くの商品の配送を無料にしている。店舗でのピックアップも無料だ。これはまったく難しい話ではない。こうしたサービスをより良くするには何があるか。全商品を対象とし、いくら以上ならという条件もない2日以内の無料配達、食品雑貨や貴重品の配達、テレビ・音楽配信の基本セットもしくはいくつかの既存サービスとの提携、 Black Fridayセールにいち早くアクセスできる(加えてSam’s Clubdのような子会社での特典)といった実在店舗での会員限定の販促キャンペーンなどが挙げられる。

Walmartの実在店舗を活用した相乗効果というのが重要だ。しかしそこに行き着くためにはちょっとした想定外のこともあるだろうし、微妙なバランスというのもあるだろう。とはいえ、核となる店舗に一定の来客があるというのは大きなアドバンテージで、この点においてAmazonには配達するか、ロッカーを設置するかという手段しかない。

Walmartの新サービスの動きは、すでに取り組みが始まっている。宅配におけるスマートロック会社との試験事業があり、またストリーミング配信も噂されている。無人の自動精算機(アカウントを持っているともっと便利)、既存の食品雑貨の配達提携の見直しなどもある。これらは、Amazonのサービスを真似たり、あるいはAmazonのサービスと同レベルあるいはそれ以上のものになるよう既存のサービスを改善したりすることで実現され、消費者に直接つながるロイヤルティサービスにシフトする動きのようだ。


Microsoftによる独立型のスマートデバイスの噂もあるが、これはグーグルとの間ですでに結ばれている音声注文パートナーシップと競合する可能性がある。それでも、音声アシスタントというのはホットな分野で、リビングルームからの注文という面でAmazonと勝負したいなら、WalmartはAlexaに対抗する手段を模索しなければならない。可能性としてあがっているShopifyの買収では、Walmartはより多くの消費者にアクセスできるようになるだろう。

そうしたWalmartのサービスはいくらになるだろうか。もし年間50ドルであれば、ちょっとした騒ぎになるかもしれない。Amazonの年間120ドルを考えれば、60ドルというのがその半額で、50ドルはかなりの“太っ腹”設定となる。

消費者からすれば、そこで節約できたお金をNetflixのような別の購読サービスに使おうか、ということになる。皮肉なことに、これは消費者がかつてAmazonで行なったように、自らをWalmartに囲い込むことになる。というのも、そう簡単に利用するサービスを変更することはできないからだ。だが、確かに払う額以上のものを得ることができるだろう。

当然のことながら、Walmartからすると50ドルというのは全サービスを提供するのに見合う額ではない。しかし、競合他社から顧客を奪いながら数年かけてロイヤルティーブランドを構築すると考えれば、資金を投入する価値は十分にあるといえる。

サービス導入のタイミングも慎重に検討していて、おそらく、ホリデーシーズンの少なくとも3カ月前には発表するだろう。登録から最初の3カ月は無料にし、その後料金が発生する。Walmartにとって多額の経費となるが、乏しい予算の消費者がAmazonをやめたようにはならないはずだ。消費者はWalmartの利用を続け、商品を選んでカートに入れるだろう。

Walmartはこのサービス導入で経営リスクを抱えるということにはならないだろう。むしろ、今積極的に取り組むのはまったく正しい判断だ。この件について、Walmartはまだ一切明らかにしていない。おそらくAmazonが一年で最も忙しい時期を迎える前に正式発表し、そこでははっきりと「こちらの方がいいサービスだ。いま切り替えよう。そして過去は振り返らないで」とうたうだろう。

ここで現実的な疑問がある。そのサービスの名称はどんなものになるだろう。MartLand?  WalSmart? いや、あるいはWal Streetになるかも?

イメージクレジット: NurPhoto / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

テキストで御用聞きするWalmartの買い物サービス、NYでスタート

Walmartのインキュベーターは初の試みを展開する。Store No.8という名称のインキュベーターは、買いたい物をリクエストしてすぐに入手できる、御用聞きスタイルのサービスJetblackを開始した。パイロット期間中、このサービスはコード8と呼ばれていた。

Jetblackを利用するには、まずサービスに招待される必要がある。現在のところ、このサービスはマンハッタンかブルックリンの居住者で、ドアマン付きの建物に住んでいる人向けに展開された8カ月にわたるパイロットプログラムの参加者に限定される。しかし間もなく、より多くの人にオープンになる見込みで、現在ウェイトリストで受付中だ。このサービスは月額50ドルで同日配達を保証する。これはAmazon Primeより高いが、他の似たようなサービスに比べるとかなり安い。

Hello Alfredのようなコンシェルジュサービスが、静かに暮らしたい人向けのハイエンドサービスなのに対し、Jetblackはどちらかというと、より効率的に買い物する方法を探している、都会に住む忙しいパパママ向けのサービスだ。テキストメッセージで欲しいものをリクエストすると、Jetblackがそのリクエストに合うものを探し出してテキストメッセージで案内する。案内商品はWalmartとJet.com、地元の専門小売店から選ばれる。

つまり、どんな商品でも扱うということだ。会員のお気に入りのブティックの美容クリームを取り寄せたり、あつらえのイースターバスケットを手配して子供達が寝ている時間に届けたり。また、バケーション前に急いでビーチ用品をそろえるということもできる。

「消費者は商品のクォリティに妥協することなしに、より効率的に自分や家族の物を買う方法を探している」と語るのはJetblack創業者でCEO、かつて洋服レンタルサービスRent the Runwayを立ち上げたJenny Fleissだ。

「Jetblackはまったく新しいコンセプトでつくられている。消費者は膨大なカタログのページをめくることなく、テキストメッセージを使って本当に欲しいものを購入することができる」と説明する。

同日配送のサービスはすでに珍しいものではなくなってきている中で、Jetblackのようなショッピングサービスが他のサービスと差別化を図ることができるのか非常に興味深い。

Jetblackが行う商品提案がどうユニークなのかは今ひとつはっきりしないが、最大の小売店のバックアップがあるというのは言わずもがなだろう。

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(翻訳:Mizoguchi)

Walmartがパーソナライズドショッピングサービスと、レジの無い店舗を開発中

Recodeの報道によれば、Rent the Runwayの共同創業者Jennifer Fleissによって率いられるWalmartのCode Eightが、ニューヨークの忙しいお母さんたちのためにパーソナルショッピングサービスの試験を開始した。Code Eightは、WalmartのスタートアップインキュベーターであるStore No. 8の一部である。Recodeによると、Code Eightのサービスコンセプトは「忙しいNYCのお母さんたち」が商品のおすすめを知り、それをテキストメッセージ(SMS)で購入できるというものだ。このショッピングサービスは現在、健康、美容、家庭用品、そしてアパレル/アクセサリーに焦点を当てているということである。

過去に出された求人リストによれば、Code Eigntは「信頼できるパーソナルショッピングコンパニオンとして、都会の消費者の皆さまに感動と喜びを届けたい」と述べている。

また他の求人リストに掲載されたものによれば「秘密のソースは、お客様の信頼を勝ち取るために、どの商品がベストであるかを決めるだけでなく、何故それがベストであるかも決めることです。私たちはスタイル、価格帯、有機/天然の嗜好、その他のパーソナルなデータに基づいて提案を行います」ということだ。

現行の求人情報では、Code Eightはその目標を「機械学習、自然言語処理、そしてパーソナライゼーションアルゴリズムの活用によって、従来のコマースでの主導権を取りながら、限界を押し広げていくことです」と述べている。

このテックインキュベーター(Store No. 8)が取り組んでいる、もう1つのプロジェクトがProject Keplerだ(Rocodeが最初に報告した)。アイルランドのダブリンにあるJetのオフィスが出したコンピュータビジョンエンジニアの求人情報で、WalmartはプロジェクトのKeplerの使命は「進化していく顧客の期待を捕らえ提供するために、新興技術を活用して店内体験の変革を創り出すこと」であると説明している。「その成功のためには、ミッションベースの複合機能チームが必要です。高い起業家精神を持ち、協力的で、未解決の問題の解決に対して情熱的である人を募集しています」。

報道によれば、目標は運営のために行列やレジを必要としない物理的な店舗を作ることだと言われている。昨年Amazonは、アプリベースの食品ショッピング体験を提供する、レジの無いAmazon Goのベータ運用を開始した。

これらの全ては、WalmartがJet.comと同社の創業者Marc Loreを、30億ドルで獲得してから起きた話だ。昨年WalmartがJet.comを買収したとき、Walmartは消費者基盤を拡大し、シンプルで簡単なショッピング体験を提供することを計画していると語った。これはまさにWalmartが、「富裕層」の個人的なショッピング経験に対して狙いをつけていることを物語っている。

Walmartに対してコメントを求めた。何らかの回答があった場合には記事を更新する。

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: JOE RAEDLE/GETTY IMAGES