ワーナーの新ストリーミング「HBO Max」がYouTube TVで視聴可能に

WarnerMedia(ワーナーメディア)とYouTube TVは2月20日、HBOとCinemaxを今春立ち上げが予定されているWarnerMediaの新サービスであるHBO Maxを、Google所有のライブTVストリーミングサービスへ配信可能にする契約を発表した。

つまりYouTube TVの顧客は、Huluのような他のストリーミングサービスと同様に、現在の月額課金サービスにHBOやCinemaxを追加可能になる。またはその代わりにHBO Maxの拡張ストリーミングサービスを選ぶこともできる。

今回の契約ではまた、YouTube TVで2018年から利用可能になったWarnerMediaネットワークのTBS、TNT、truTV、CNN、HLN、Turner Classic Movies、Adult Swim、Cartoon Networkも引き続き提供することになる。

「消費者のメディア消費習慣は断続的に発展していて、よりダイナミックになってきている。そうした中、我々の目標はこれまで同様にWarnerMediaネットワークのポートフォリオを可能な限り拡大することにある」とWarnerMedia Distributionの会長を務めるRich Warren(リッチ・ウォーレン)氏は声明文で述べた。「YouTubeは何年もの間、大事なパートナーであり続け、現在の契約を延長するのに加え、HBOとCinemax、そして間もなくHBO MaxもYouTube TV顧客に初めて提供できるようになることをうれしく思う」。

HBO MaxはWarnerMediaがすでに発表しているD2Cストリーミングサービスだ。これにはHBOライブラリー、Warner Bros.の映画、サードパーティーがライセンスをもっているプログラム、そして31本のMax Originalが含まれる。HBOシリーズと合わせると、HBO Maxは初年に69本のオリジナルを配信する。

オリジナルは以下のとおりだ。「Gossip Girl」の続編、コメディ「College Girls」、人気小説「Circe」のリメイク、スーパーヒーロシリーズ「DC Superhero High」、「Dune」シリーズ、「Grease」リブート、「The Boondocks」リブート、「The Green Lantern」、Issa Raeコメディ、Ridley Scottの サイエンスフィクションシリーズ、Anthony Bourdain(アンソニー・ボーディン)の新ドキュメンタリーAmy Schumer(エイミー・シューマー)のドキュメンタリーMelissa McCarthy(メリッサ・マッカーシー)のコメディ映画Monica Lewinsky(モニカ・ルインスキー)のドキュメンタリー、そして台本あり・なしの番組だ。またJ.J. Abrams(J.Jエイブラムス)のBad Robotとの新たな契約Lisa Ling(リサ・リン)との包括的契約もある。

サービスは5月に1万時間分の映画とテレビで始まるが、その後さらに増える見込みだ。料金は月14.99ドル(約1700円)が予定されている。

HBOが加わり、YouTube TVの視聴者は次の番組も観ることができるようになる。「Watchmen」「Big Little Lies」「Last Week Tonight with John Oliver」「Succession」「Westworld」「The Outsider」「Barry」「Insecure」「Curb Your Enthusiasm」、それから「Game of Thrones」「The Sopranos」「The Wire」「Sex and the City」といったクラシックだ。 HBOが今後リリースするものには「High Maintenance」「My Brilliant Friend」「The Plot Against America」「The Undoing」「I Know This Much Is True」などがある。

一方でCinemaxは自前のオリジナル「Strike Back」「Trackers」「Gangs of London」、そして「Boy Erased,」「First Man」「Bad Times at the El Royale」といった映画を展開する。

HBOとCinemaxがOTTサブスクとしてあらゆるところでコードカッター(ケーブルテレビなどの契約を打ち切った人のこと)に提供される一方で、HBO Max向けのWarnerMediaの配信計画は明らかになり始めたばかりだ。NBCUのPeacockやViacomCBSが本日発表したCBS All Accessの拡大など、今年ストリーミング競争がさらに激しくなることを思えば、WarnerMediaが配信パートナーシップを発展させたいと考えるのは当然のことだろう。

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(翻訳:Mizoguchi

元HBOのリチャード・プレプラー氏がApple TV+と独占番組制作契約

HBOの最高経営責任者を退いてからほぼ1年、Richard Plepler(リチャード・プレプラー)氏と、同氏の制作会社Eden Productionsは、Apple TV+と5年間の契約を締結した。

画像クレジット:Bennett Raglin/Getty Images

プレプラー氏は、1993年にHBOで仕事を始め、2013年にCEOに就任した。その間、HBOは新たな番組「True Detective」(トゥルー・ディテクティブ)や「Big Little Lies」(ビッグ・リトル・ライズ)、従来からの「Game of Thrones」(ゲーム・オブ・スローンズ)で成功を収め続けた。また、直接消費者に届けるサブスク方式のストリーミングサービス、HBO Nowも立ち上げた。これが結局、AT&TとWarnerMediaが、HBOを取り込んで大体的に提供することになっているHBO Maxの前身となったのだ。

プレプラー氏は、AT&TがHBOの親会社、Time Warnerを買収した余波の中、HBOを去った。AT&Tは、加入者数と、サービス視聴時間の増加に期待して、HBOのコンテンツ制作にテコ入れしたかったのだと報じられている。

The New York Times紙によると、プレプラー氏との契約により、Eden ProductionsはApple TV+に対して独占的に、テレビ番組、ドキュメンタリー、さらに長編映画を制作することになるという。

今回の動きについてプレプラー氏は、The Times紙に、HBOでやったことを「再現」しようとは考えていないと説明している。そうではなく、「独自のことをやる」点に意味があったのだと。また、真剣に交渉したのはApple(アップル)だけだったとも明かしている。「アップルと組むのが正しいことだと、すぐにわかりました。というのも、まだ十分に初期段階だったからです。つまり、そこなら何らかの貢献ができると思ったわけです」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)