56台のRaspberry PiをLEGOの棚に収めたPiCloud, クラウド環境を目の前の実物で学習

Raspberry Piにはできないことって、あるだろうか? ここにもまた、この35ドルのマイクロコンピュータの…それを56個重ねた…おもしろい実装がある。PiCloudと呼ばれるこの作品は、Pi用のおあつらえ向きの棚としてLEGOブロックを使っている。(PiとLEGOを組み合わせた作品は、ほかにもあった。)

この作品はグラスゴー大学のコンピュータ科学専科大学院(School of Computing Science)で教材として作られ、学生たちはこれをハックしながら、AmazonのAWSなどで使われているクラウドプラットホームのインフラストラクチャと、その技術(仮想化など)について勉強する。

PiCloudの56のRaspberry Piは、LEGOで作った4段の棚に収められ、16のEthernetラインで接続されている。内14がPiのネットワーク用、2つがスイッチ用だ。各PiボードがRaspbian Linuxを動かし、さらに3つのLXC仮想化コンテナがLinuxのインスタンスを動かす。

PiCloudが動かしているソフトウェアは、“シンプルなワークロード”と呼ばれるlighttpdなどと、実験用の“人工的なワークロード”と呼ばれるlookbusyなどだ。PiCloud上のそのほかの実験的なハッキングとして、libvirtdockerなどもある。Hadoopも動かしているが、これは目下ネイティブのLinuxインスタンス上のみで、LXCのインスタンスではない。

学生の一人が、PiCloudのAWSふうWebコンソールインタフェイスを作った(下図):

PiCloudの作者たちは、これは“永遠に未完の作品だ”と言う。教材としてはたとえば、“libvirtが使えるようになったら”ovirtなどの標準ツールも導入したい。やりたいことが、まだまだある。また教材以外に、これは研究材料でもあり、コラボレーションの素材でもある。詳しくは、プロジェクトのホームページを見てみよう。

PiCloudは、Piが利用者のさまざまな目的やミッションに奉仕することの好例であるとともに、いわゆる“メーカー”たち(参考記事)の人気者であることも示している。Raspberry Pi Foundationは元々、イギリスでもっと多くの子どもたちがプログラミングを学べるために、この低価格の超小型コンピュータを作った。PiCloudも今まさに、そのために役立っているのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))