ラマに安住の地― AOL、WinampとShoutcastを500-1000万ドルでベルギーの音楽サービス、Radionomyに売却

一度死の瀬戸際に追い詰められた老舗の音楽サービス、WinampShoutcastがとうとう新しいオーナーを見つけることに成功した。デジタル・オーディオ・ビジネスのRadionomyが両方のメディアをAOL(TechCrunchの親会社)から買収することが公式に発表された。信頼できる筋の情報によると、この買収の支払いはキャッシュと株式の双方で行われた。金額は500万ドルから1000万ドルの間で、AOLはRadionomyの株式の12%を受け取ったという。

1999年にAOLがNullsoftからWinampとShoutcastを買収したときの価格は8000万ドルだった。

AOLがRadionomyの株式を所有することになったのは「戦略的な目的ではなく、経済的なもの」だそうだ。

2013年の12月20日にAOLが両サービスの廃止を決めた後、さまざまな買収の噂が流れ、その間、廃止は延期されていた。

両サービスのドメインがRadionomyのサーバに移管されたことからしてWinampとShoutcastは今後も運営が続けられるものとみられる。

Shoutcastを得たことによってRadionomyは世界でも最大のラジオ・ストリーミング・サービスの一つとなった。Radionomyは6万のインターネット・ラジオ局を配信することになるが、これはすべてのオンライン・ラジオのほぼ半数に相当する。

ベルギーのブリュッセルとニューヨークにオフィスを置くRadionomyのファウンダー、CEOのAlexandre Saboundjianは「この買収は(AOLとの戦略的関係の構築ではなく)単にプロダクトとテクノロジーの取得が目的だ」と語った。AOLで両サービスを担当している人員は極めて少なく、それも契約社員だという。

Radionomyはこれまでに700万ドルを調達しているが、業務拡大のために今後数ヶ月以内にさらに資金調達を計画している。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


AOLが手放したWinampとShoutcastはインターネットラジオ集積サイトRadionomyが買収へ

本誌TechCrunchのオーナーでもあるAOLは、同社の古い在庫であるWinampとShoutcastを、最初は閉鎖するつもりだったが、その後売ることに心変わりした。噂では、買い手はMicrosoftと言われていたが、しかしそれは虚報だった。この2社を買うことになったのは、ベルギーのブラッセルに本拠を置く国際的なインターネットラジオアグリゲータRadionomyだ。

Radionomyとのつながりに最初に気づいたのは、WinampのフォーラムのユーザBryon StoutCarsten Knoblochだった。彼らは、Winampのネームサーバ(DNS)がRadionomyに転送されていることを発見した。その時点ではShoutcastのDNSは変わっていなかった。本誌の信頼すべき情報筋によると、しかし買収案件は2社を含み、金曜日までには契約が完了するという。

Radionomyのカタログにはおよそ6000のインターネットラジオ局が載っているが、DIYのプラットホームであることを売りにしていて、誰でもチャネルを作れる。Shoutcastのカタログには50000あまりのラジオ局が載っているから、Radionomyの業容拡大を助けるだろう。Winampのメディアプレーヤーソフトは傘下ラジオ局の番組制作を助け、またそのほかのサービスも提供できるようになるだろう。

買収によってこの二つのプロダクト/プラットホームは、より商用的な場に置かれることになる。たとえばRadionomyに投資しているMusicMaticは、商店などのためのオーディオ/ビデオ番組を制作している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ラマは生き延びるか―Microsoft、終了決定のWinampとShoutcastを AOLから買い取り交渉中?

懐かしのWinampはそう簡単に消えないかもしれない。昨日(米国時間11/20)、AOLはWinampを終了させると発表した。AOLがこのWindows向け音楽プレイヤーを開発元のNullsoftから買収したのは1999年で、 価格は8000万ドルだった。

しかし今日(米国時間11/21)、Techcrunchが入手した情報によると、AOLはWinampとこれもNullsoftから買収したストリーミング・サービスのShoutcastの売却をめぐってMicrosoftと交渉中だという。なおAOLはShoutcastについても来週に終了を発表する予定だという。

この件についてAOLはコメントを避けた。Microsoftにも問い合わせているがまだ回答はない。情報源によれば、価格をめぐって交渉は継続中だという。サービスが両方共生き残る可能性は低いようだ。

AOL側に立ってみれば、WinampとShoutcastを閉鎖する理由も、売却できるものなら売却したい理由も明白だ。

AOLは両サービスについて一度もはっきりした戦略を立てたことがない。その間に他のデジタル音楽サービスは着々と地歩を固めてしまった(もっとも先週われわれも報じたようにRdioはレイオフしている。デジタル音楽ビジネスも競争が激しい)。AOLは事業の主力をウェブ・パブリッシング(現在、TechCrunch、Engadget、HuffingtonPostなど多数のサイトを所有)に移行する過程の一環として他の音楽関連の事業を閉鎖したり売却したりしてきた。 大量のトラフィックを有するネットワークの運営者として、AOLはますますオンライン広告とその効果を改良するテクノロジーの開発に力を注ぐようになっている。

なるほどその戦略の中には音楽も含まれていいわけだが、音楽事業の立て直しには巨額の資金が必要になる。

一方、Microsoftは音楽であまり成功を収めていない(Zuneの霊よ安かれ)。最近はXbox Musicにすべてを賭けている感がある。これは有料および広告入り無料の音楽サービスで、Xbox 360、Windows 8、Windows RT、Windows Phone 8、iOS、Androidの各デバイスをサポートしている。

それではMicrosoftの戦略のどこにWinampやShoutcastが収まるのだろう? Winampについてはまだ不明だが、Shoutcastはプラットフォームとして5万以上のオンライン・ラジオ局をネットワークしている。現在こうしたパーソナル・ラジオ局機能を欠いているXbox Musicの強化のためにこの資産はMicrosoftにとって魅力的なのかもしれない。

Image: Flickr

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90年代の思い出がまた1つ消える―Winamp、15年の歴史に幕

90年代にパソコンを持っていてMP3で音楽を聴いていた読者ならWinampでプレイリストを作ったことがあるに違いない。NullsoftはWinampをAOL(TechCrunchの親会社)に8000万ドルで売却した。その後オンライン音楽はすっかり様変わりしたが、Winampがずっと健在であるというのはなんとなく安心感を与えてくれた。

しかしそれも終わる。Winampは閉鎖される。ウェブサイトを始め、すべてのWinampのサービスは12月20日に停止される。同時にデスクトップ・プレイヤーのダウンロードも終了する。

Winampを覚えていない読者でもインストールしたときのMP3再生のデモ画面は記憶にあるかもしれない。例の「リャマの尻にムチを入れる」というやつだ。

Nullsoftの最初の社員でWinamp担当の最初のゼネラル・マネージャーを務めたRob Lordが去年Ars Technicaのインタビューで語ったところによると、 AOLの買収直後に起きた経営の失敗がなければWinampがiTunesになっていても不思議ではなかったという。

AOLはWinampの運営を続け、2010年にはAndroid版を出し、2011年にはフル機能のプレイヤーを含むWinamp Sync for Macをローンチした。しかし将来戦略は見えなかった。Winampのブログは去年から更新が止まった。Ars Technicaの記事からすると、AOLは最初から最後までWinampをどうするかはっきりした考えがなかったようだ。

Winampのプレイヤーを記念に取っておきたいなら、すぐにダウンロードした方がよい。1999年にNapsterからダウンロードしたMP3ファイルをインポートしてしばし追憶に浸ってみてはいかがだろう。

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