ノーコードでWireGuardフルメッシュVPNを企業ネットワークに提供するSaaS「Wissy」がβ版ユーザー募集開始

ノーコードでWireGuardフルメッシュVPNを企業ネットワークに提供するSaaS「Wissy」がβ版ユーザー募集開始

Notchは1月24日、SaaS型でWireGuardフルメッシュVPNを提供する新サービス「Wissy」のβ版ユーザーの募集を開始したと発表した。β版への登録は、公式サイトから電子メールで行う。

Wissyは、3月初旬をめどに、招待制でのベータ版提供を開始予定。また、4月初旬〜5月にかけてプロダクトのオープンアクセスを目指し開発を進めている。今後数年で一般化するであろう、分散型のチーム・働き方を支えるインフラの基盤となるべく開発を行っているという。

Wissyは、数行のコード、もしくはノーコードでUXの高いプライベートネットワーク(VPN)を構築できるSaaS型クラウドVPNサービス。コンテナでの運用やセルフホスティングにも対応し、透明性が高い通信環境を運用可能としている。通信プロトコルにはWireGuardを採用しており、ユーザーとユーザーが直接つながるメッシュネットワークをゼロコンフィグで構築可能。サービス利用開始にあたりハードウェアの導入や既存インフラの変更を必要としないため、企業やチームの大きさに関わらず簡単に導入できるという。

また、ユーザーや通信の設定を管理するサーバーなどは希望に応じてすべて自社でホスティングすることが可能。サービスのコア技術はオープンソースソフトウェア(OSS)として公開予定のため(2022年4月頃予定)、透明性が高くより柔軟なネットワークの運用・構築を行える。ノーコードでWireGuardフルメッシュVPNを企業ネットワークに提供するSaaS「Wissy」がβ版ユーザー募集開始

ネットワークアクセス権管理については、法人メールアドレスなど既存SSOアカウントでカスタマイズ可能。部署やチーム、リソースごとのアクセス管理を既存の法人メールアドレスと紐付けて行えるほか、ダッシュボードによる統合的なアクセスコントロールが可能で、スタートアップ・エンタープライズの規模に関わらない運用が実現できるとしている。

クラウドへのアクセス制御に加えて、クラウド間のセキュアな通信環境構築にも対応し、マルチクラウドにおけるセキュリティー強化を図れる。また、IoTデバイスにおけるセキュアかつ効率的なバージョンアップデートのユースケースや、デバイス同士のセキュアなP2P通信も行える。ノーコードでWireGuardフルメッシュVPNを企業ネットワークに提供するSaaS「Wissy」がβ版ユーザー募集開始

WireGuardは、Linuxカーネル5.6.x系からサポートされているオープンソースのVPNプロトコル。2016年ごろよりJason A. Donenfeldを含む複数のコントリビューターが開発を進めている。同プロトコルの特徴は、従来のVPNプロトコルとして一般的であったIPSecやOpenVPNなどと比較して、圧倒的なシンプルさと通信速度の速さをセキュリティー耐性高く実現している点にある。

ただWireGuard単体では、個人が細かな設定ファイルを定義し、ネットワークを構築する必要がある。Wissyでは、そうしたWireGuard接続用の煩雑な設定の自動化とP2Pメッシュネットワーク化を独自の規格で行うことで、誰でも簡単にWireGuardが提供する機能の恩恵を受けることを可能としているという。

ソラコムがIoTプラットフォーム「SORACOM」をWi-Fiや有線からも利用可能にする「SORACOM Arc」提供開始

ソラコムがIoTプラットフォーム「SORACOM」をWi-Fiや有線からも利用可能にする「SORACOM Arc」を提供開始

IoTデバイスをクラウドで一元管理できるプラットフォーム「SORACOM」を展開するソラコムは6月23日、従来同社提供のデータ通信サービスに限定していた同プラットフォームへの通信方法について、Wi-Fi、有線通信、衛星通信など「あらゆるIPネットワーク」から利用できるようにする「SORACOM Arc」(ソラコムアーク)サービスの提供開始を発表した。

多額の設備投資を必要とせず、ソラコムが提供するクラウド型のプラットフォームを使ってIoTデバイスの管理運用が行える「SORACOM」は、ソラコムの接続サービス「SORACOM Air」(ソラコムエアー)による、専用の「SORACOM IoT SIM」を使ったセルラー通信が基本になっている。SORACOM Arcは、各IoTデバイスに仮想SIMを発行し、これを使って認証を行うことで、デバイスとSORACOMとの間に通信経路を確立するというもの。すでにソラコムのSORACOM IoT SIMを利用している場合は、そのSIMに紐付けることで認証を行い、動的に仮想SIMを発行できる。

同時に提供されるエージェントプログラム「soratun」(ソラタン)をデバイスに組み込むことで、暗号化技術WireGuard(ワイヤーガード。オープンソースのVPN実装)を使った仮想ネットワークインターフェイスが構築され、SORACOM Arcが利用可能になる。あとはSORACOM IoT SIMを用いた場合とまったく同じ環境で使えるようになる。

セルラー対応とWi-Fi対応のIoT機器が混在している環境で運用を統合したい場合、コスト削減のため可能な限りWi-Fi回線を使いたい場合、SORACOM IoT SIMを購入する前にSORACOMプラットフォームを使ってみたい場合など、様々な利用が考えられる。

ソラコムが想定した配送用ロボットのユースケースでは、屋外ロボットはセルラー通信、屋内ロボットはWi-Fiと使い分けつつ運用は一元化するというものや、1台のロボットで、移動中はセルラー通信でクラウドに位置情報のみを送信し、配送拠点に滞在している間はWi-Fiネットワークに大量のログデータを送るといったものがある。どちらのネットワークを通じて送られたデータも、SORACOMプラットフォーム上では単一IDに紐づけて扱われることから、デバイス認証、クラウド接続、API管理の一元化が行えるとしている。

利用料金は、初期費用:税込55円(仮想SIM作成手数料)で、基本料金:仮想SIMあたり月額税込55円(1GBの通信料含む)。SORACOM IoT SIMを使わず仮想SIMを単独で作る場合は1仮想SIMあたり月額税込88円(1GBの通信料含む)。そのほか、データ通信料金として、仮想SIMあたり税込22円/GBが発生する(上り/下りの合計。データ通信量は1GB単位に切り上げて課金。試用のための無料利用枠あり)。

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カテゴリー:IoT
タグ:IoT(用語)セルラー通信ソラコム(企業・サービス)WireGuard(製品・サービス)日本(国・地域)