次期iOS App Storeでは評価とレビューを維持できる――インクリメンタルなアップデートが可能に

App Storeのアプリのデベロッパーが新しいージョンにアップデートすると、高い評価も好意的レビューも消えてしまう。この問題が近々解決されそうだ。デベロッパーはアップデートの際に現在の評価とレビューを維持するか消去するか選択できるようになる。

Appleのワールドワイド・マーケティング担当上級副社長、 フィル・シラーは今年のWWDCでジョン・グルーバーがホストするThe Talk Showに登場し、このことを発表した。

レビューを最近のものに限るのは数年前までは理にかなっていた。現在のInstagramアプリは以前とは一変しているので、 2010年のレビューなどは何の参考にもならない。そこでAppleはアプリがバージョンアップするごとにレビューをリセットすることとした。

また以前はアプリのデベロッパーもそう頻繁にバージョンアップを行うことはなかった。これはApp Storeで新たなバージョンが承認されるまでにかなり長い時間がかかったことも一因だ。しかし現在はアプリの承認にはほんの数時間しかかからない。

そこでアプリにバグを発見した場合、修正版を1日ないしもっと短い時間で作成、登録することが可能になった。これはApp Storeアプリの品質向上に大いに役立ったが、同時に評価とレビューがその都度リセットされてしまう仕組みが問題となってきた。一部のデベロッパーはこのリセットを避けるために、バグフィックスをすぐに行わず、メジャー・アップデートを待つようになった。

9月に一般公開されるiOS 11ではデベロッパーはアップデートをためらう理由がなくなる。現行の評価とレビューを維持したまま自由にバグフィックスやマイナー・アップデートが行えるようになる。

デベロッパーがアプリの中心的機能を変更するようなメジャー・アップデートを行う場合は、リセット・ボタンを押してそれまでの評価とレビューを消去することを選べる。というわけで、デベロッパーはApp Storeでもインクリメンタルな改良を行うことができるようになる。最初から完全を目指す必要はない。もしコア機能を変更するv2をリリースするなら評価とレビューを消去してゼロからやり直すこともできる。

〔日本版〕フィル・シラーとクレイグ・フェデリーギが出演したビデオはこちら。1:08:30あたりからWWDCのキーノートでは触れられなかったiOS App Storeの新機能が説明されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、10ドル/月のiCloud容量を倍増、2TBに――家族共有も追加

AppleはiCloudのストレージ容量を料金据え置きで2倍にした。今回のWWDCデベロッパー・カンファレンスでは大量の発表があったために重要な情報がいくつか埋もれてしまった。これもその一つだ。AppleはiCloudの料金体系を変更し、月額9.99ドルのプランの契約者に対し従来の2倍の容量を提供する。この容量は写真、ビデオ、音楽、バックアップ、その他多様に利用できる。

現在月額9.99ドルで提供されているのは1TBだが、これが2TBとなった。

Appleが発表した料金表によれば、6月5日以前に1TBのプランを契約した場合、容量は自動的にアップグレードされて2TBとなる。

残念ながらAppleは安いプランや新規ユーザー向け無料プランのオンライン・ストレージ容量は変更しなかった。

ユーザーがiCloudにサインアップした場合に自動的に付与される無料ストレージはわずか5GBのままだ。iCloudの有料プランでは従来どおり月額0.99ドルの50GBプラン、月額2.99ドルの200GBプランが引き続き利用できる。

ただし、Appleの追加発表によれば、 月額2.99ドル、9.99ドルのプランのiCloud契約者に提供されるサービスは拡充された。

200GBまたは2TBのiCloud契約者はストレージを家族と共有できることになった。これは人数の多い家族にとって非常に有利となるだろう。これまでユーザーは家族であっても個別にiCloudプランの契約を行う必要があった。

ただし家族共有はiOS 11及びmacOS High Sierraで可能となる。どちらも一般公開はこの秋の予定だ。しかし月額10ドルで2TBのプランは今日(米国時間6/6)から現行のデバイスおよびOS上で利用可能となっている。

〔日本版〕Appleの日本サイトのiCloudの料金表は現在(6/7)「2TB:¥2500」のままだが、英語版では「2TB: ¥1300」に改定ずみとなっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AirPlay 2はHomeKitでマルチルームオーディオストリーミングをサポート、Google Cast+Google Homeと競争

AppleのAirPlay 2は’2’のない最初のワイヤレスオーディオストリーミングプロトコルの進化形で、複数の部屋への同時(同期)ストリーミングがサポートされ、AppleのスマートホームコントロールプラットホームHomeKit対応になり、サードパーティのアプリも作れるようになった。また、だれかがそのWi-Fiに飛び込んできて、パーティーなどのプレイリストにライブで貢献/闖入することができる。

AirPlay 2はAPIが公開され、誰もがアプリを作ってストリーミングを楽しく利用できる。もちろんそのアプリも、複数の部屋(‘マルチルーム’)へのスピーカーへブロードキャストができる。スピーカーに関してはパートナーのメーカーの長いリストをAppleは公開しているから、ほとんど必ず気に入ったものを選べるだろう。Apple TVの第四世代ハードウェアにも対応するから、ホームシアターへの統合も可能だ。

マルチルームのオーディオといえば、Sonosの独壇場だったが、独自のソフトウェアやアプリを必要とする。しかしこっちはiOSのシステムレベルのサポートだから、YouTubeやポッドキャストなどもソースにできる。GoogleのGoogle CastもAndroidのシステムレベルのサポートありだが、それはGoogle Homeの主要機能の一つだから、Siriのスピーカーの発表の前に対抗的な発表があるかもしれない。要注視だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Siriに翻訳機能が加わり、声も人間らしくなる

Siriが少し賢く、ちょっとだけ人間らしくなる。これは矛盾していない。

Appleの音声アシスタントは、これまでより男女とも明瞭で人間らしい声になり、イントネーションもよくなって、新しいスキルも身につける。iOS 11ではSiriの総合的能力が向上する。

Appleが今日発表したところによると、現在Siriは月間3.75億台以上のデバイスで利用されている。

AppleはSiriに翻訳機能を導入し、ある英語のフレーズを様々な言語でどう言うかをこの音声アシスタントに尋ねることができる。初期の対応言語は、中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、およびスペイン語。

Siriはここ数年かなり厳しい競争にさらされている。AmazonのAlexaやGoogle Assistantなどの能力が向上したことで、SiriのAIの弱点が明白になってきた。今回の改訂で、Appleは再びSiriが音声アシスタントのリーダーであることを示したいと思っているが、結果は自分の目で実物を確かめるまでわからない。

Siriは、補足質問を扱えるようになる。Google Assistantにはずっと前からあった機能だが、これでSiriは複雑で段階的な質問にも答えらえるようになる。

またこれは派手なニュースではないが、AppleはSiriを単なる音声アシスタントではなく、iOS全体をカバーする汎用AIとして考え始めている。例えばiMessageで、Siriはコンテキストに少し敏感になり、会話の相手から「今どこにいるの?」と聞かれると、現在のGPS位置がポップアップする。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPadのiOS 11にドラッグアンドドロップ、ウィンドウ、ファイルシステムが登場

今日(米国時間6/5)のWWDC 2017キーノートの後半でAppleはiOS 11に立ち戻り、iPad用iOS独自の新機能を紹介した。これは疑いもなくiPadの生産性を高めるものだが、同時にiOSとmacOSの差をいっそう縮めることにもなった。

今回iPad用iOSに追加されたのは、通常ノートパソコンで作業する場合に頻繁に用いられるような機能だ。これまでだとモバイルOSでの作業は無理で、ノートパソコンを取り出すことになっただろう。

最初の変更はドックに選択可能なアプリが多数並ぶようになったことだ。これはiMacのスクリーン下部に表示されるドックにそっくりだ。しかもドックはユーザーがどのアプリを使っていてもアクセス可能だ。つまりドックを表示させるためにいちいちホームスクリーンに戻る必要がない。

次は新しいアプリ切り替え機能で、簡単にいえばウィンドウ・システムがiPadにやって来た。 複数のアプリがそれぞれのウィンドウに表示され、ウィンドウ間を移動して作業することができる。スプリット・ビューを利用している場合はそれぞれのウィンドウでそれが維持される。

AppleはまたiOS 11全体にドラッグアンドドロップを導入した。たとえば、ユーザーはiPadにSafariとメール・アプリを半分ずつ表示させ、URLや写真をSafariからドラグしてメールに挿入することができるようになった。

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さらにFilesという新しいアプリが発表された。これは iPad版のファイル管理システムでデスクトップ・スタイルだ。このアプリはデバイスのすべてのファイルを表示可能で、フォルダをネストさせることができる。タグ付け、検索などファイル管理アプリに必要な機能が揃っている。FilesはまたiCloudだけでなく、サードパーティーのクラウドサービス、DropboxやGoogle Driveもサポートする。

Filesアプリの導入は一般ユーザーにとってiPadをあまりに複雑化することなくパワーユーザーのニーズに応えようとした努力の結果だろう。フル機能のファイルシステムをiOSに導入するのは平均的ユーザーにとって負担が大きく、iPadのメリットであるインターフェイスの単純さを損なうことになりかねない。もちろん一方でAppleは、モバイルデバイスは単純であるべきだとはいえ、複雑な仕事をするためにはやはりテスクトップ級のファイル・システムやウィンドウ・システムが必要だということをはっきり認めたことでもある。

iOS 11のデベロッパー向けベータ版は即日公開された。 一般公開は9月になる予定。



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Appleからテンキー付きMagic Keyboard――ワイレス・フルキーボード(日本でも発売開始)

Appleは今日(米国時間6/5)のWWDCで数々の発表を行った。しかし華々しい新機能や新デバイスの紹介に時間を食われたか、10キー付ワイヤレスキーボード、Magic Keyboardはついにステージでは紹介されなかった。その理由は理解できないこともないが、やはり許しがたい。私の見るところ、これは今回のWWDCで最大、最高の新製品だ。

なるほど最大というのはやや誇張だったかもしれないが、それでも重要な製品だ。機能は従来のMagic Keyboardとほぼ同様で、Lightningポートで充電を行い、キーはApple独自のシザー構造だ。しかし新製品はテンキーとファンクションキー、それに上下左右の矢印キー、page up/page downキーなどが追加された。要するにフルサイズキー配列となっている。

特に印象的なのはフルサイズ化された矢印キーだ。 従来のMagic Keyboardの上下キーはキー1個分を上下に分割したせせこましいサイズだった。新キーボードではナビゲーションははるかに快適になるはずだ。ウェブページをスクロールしたりスプレッドシートのカーソルを移動したりコードを書いたりするときに矢印キーは始終用いられるから影響が大きい。

Appleではバッテリーは充電後1月保つとしている。もちろんMac標準のメディアキーも揃っている。USB/Lightningケーブルも同梱される。Appleがフルサイズ・キーボードを作るのにこれほど時間がかかった理由は知る由もないが、ともかく登場したのだからありがたい。即日出荷される。

〔日本版〕Magic Keyboard(テンキー付き)-日本語(JIS)は13,800(税別)で発売中。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、10.5インチのiPad Proを発表

Appleはつい先ほど新しいiPad Proを発表した。

新しいiPad Proは画面サイズが10.5インチになったが、本体の大きさは以前の9.7インチモデルとほぼ同じだ。これはAppleがベゼルをかなり細く削ったことを意味している。

画面が20%大きくなりベゼルがずっと細くなった新しいタブレットの重さは約1ポンドほどだ[日本語版注:Wi-Fiモデルが469 g]。

ご存知の通り、Appleは3月にiPadの異例な改訂を行い、実質的に処理能力を上げて価格を下げた。

この大画面によって画面キーボードはフルサイズになり、さらにAppleは外部キーボードも提供する。

iPad Proは旧9.7インチモデルの改訂に加えて、13インチモデルは輝度600 nitのTrue Toneディスプレイを搭載し、HDRビデオを扱えるようになった。さらにAppleはリフレッシュレートを120 Hzに上げ、アニメーションのフレームを事実上倍増しスクロールは非常にスムーズになった。

それでも、Appleは見る内容に合わせてリフレッシュレートを自動的に調整することで、バッテリー寿命を維持している。例えば、フレームレートの高い映画を見ている時のリフレッシュレートは最大の120 Hzになっている可能性が高い。静止画を見ている時は、ずっと低いリフレッシュレートに落ちる。

その結果Apple Pencisの遅延時間も改善され、20 msまで縮まった。

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新iPad ProのCPUは6コアA10xで、A9xより30%高速になった。またiPad Proのベースモデルのストレージ容量は2倍の64GBになった。

バッテリー寿命は約10時間と変わらず、カメラも前の世代と同じく背面が12メガピクセル、前面が7メガピクセル。

新しい10.5インチiPad Proの価格は649ドル[6万9800円]から、12.9インチモデルは799ドル[8万6800円]からで、来週発売が開始される。

ソフトウェアについて。iPad Proにドックが導入され、アプリの切り替え方式も変更されて同時に見えるアプリの数が増えた。さらにはiPad でドラッグアンドドロップができるようになった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

WWDC:AppleがHomePodを発表――Amazon Echoに対抗するスマートスピーカー

AppleがAmazon Echoに対抗する製品を開発しているという情報は事実だった。この製品は(もっともなことに) HomePodと呼ばれる。AppleのCEO、ティム・クックは今回のWWDCカンファレンスのキーノートで「われわれはホーム・ミュージックを再発明した」と述べた。つまりAppleスピーカーは単にSiriを登載したスピーカーではなく本格的な音楽用だった。

Appleのグローバル・マーケティング担当上級副社長、フィル・シラーは「Sonosはスマート・スピーカーではないしAmazon Echoは良いスピーカーではない」と主張した。Appleは両者の「いいとこどり」を狙ったようで、マーケティング戦略として巧みだ。HomePodは今年後半に出荷される予定だが、まだ量産段階ではないようだ。

HomePodはクッションを思わせる円形のスピーカーで、7個のツィーターのアレイと1個のカスタムメイドのウーファー、AppleのA8チップを登載する。マルチチャンネルのエコー・キャンセラー、リアルタイムのアクースティック・モデリングなどの機能を備える。

HomePodは置かれた環境をスキャンし、それに応じてオーディオを最適化する。シラーはこのスピーカーのサウンドがいかにすばらしいか説明するために大いに時間をかけた。ただしWWDCの会場では巨大なスピーカーシステムから音が流れていたのでHomePodの音質について正確なところは判断できなかった。

当然ながらこのスピーカーはApple Musicと高度に協調作動する。Apple Musicのライブラリーにある曲ならなんでもスピーカーに向けて呼びかけるだけで再生できる。それ以外にも「これに似た音楽をもっと再生」と指示したり「この曲はいいね」などと言うことができる。

ユーザーはニュース、天気、スポーツの試合の結果その他、Siriが理解できるような他の情報をこのスピーカーに求めることができる。また照明、ガレージドア、エアコンその他がHomeKit対応デバイスである場合はHomePodに話しかけることでコントロールができる。

興味ある点は、今日のWWDCでAppleがAirPlay 2を発表したことだ。これはWiFiを通じて複数のスピーカーをコントロールできるシステムだ。多くのユーザーが複数の部屋で音楽を聞くために複数のスピーカーを買うのではないかと思う。

HomePodの価格は349ドルになる予定だ。カラーバリエーションは白とスペースグレイという。当面アメリカ、イギリス、オーストラリアで販売が開始される。他の国での発売は来年になる。

現時点で判明した情報はざっと以上のようなものだ。秋までにさらに詳しい情報が得られるものと思う。ただAppleはHomePodの発表をあまり華々しいものにはしなかった。Appleとしてもだいぶ遅れてこの市場に参入することになるのを知っており、キャッチコピーなどよりまず実物で優れたスピーカーであること実証したいようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

WWDC:Apple、iOS 11を発表

今日(米国時間6/5)のWWDCでAppleがiOSの時期バージョンを発表することは以前から予測されていた。今回のデベロッパー・カンファレンスでiOS 11が紹介されたのは順当といえる。一般ユーザー向けの公開は9月を待たねばならないが、AppleによればiOS 11は以下のようなモバイルOSになるという。

AppleのCEO、ティム・クックはまず「iOS 10は86%のiOSデバイスにインストールずみだ」と述べた。続いてAppleのソフトウェア・エンジニアリング担当上級副社長、クレイグ・フェデリーギがiOS 11の新機能を紹介し、「iOS 11はテクノロジー面で大幅な進歩を遂げると同時に新機能も多数追加された」と述べた。

iOS 11ではスタンプ(sticker)とiMessageがショートカット・ドロワーから簡単にアクセスできるようになった。スタンプを送信するために何度もタップする必要はなくなる。すべての会話は自動的にiCloudに同期される。この同期は以降も維持されるため、ユーザーが一つのデバイスであるメッセージを削除するとすべてのAppleデバイスで削除される。 つまり今後は休暇旅行から戻ってMacを開くと膨大な未読メッセージの雪崩に襲われるということはなくなる。

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Apple Payに関して、他のApple Payユーザーに現金を送ることができるようになった。VenmoあるいはSquare Cashに似た機能だ。この機能はiMessageにビルトインされている。現金を受け取った場合、Apple Pay Cash cardの残高に追加される。この資金はApple Payを通じて支払に充てることができる。自分の銀行口座に振り込むことも可能だ。

SiriもiOS 11で大幅に強化された。 Siriは毎月3億7500万のデバイスで利用されているという。iOS 11ではSiriの発音は改良され、抑揚もさらに自然になったという。またSiriを用いて翻訳も可能になる。中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、英語が翻訳では最初にサポートされる。

Siriは文脈やユーザーの関心の把握でも改善された。Appleはこれを「Siri知能( intelligence)」と呼んでいるが、iOSのあらゆる場面で利用される。たとえば誰かiMessageで「どこまで行くの?」と尋ねたとすると、iOSはカレンダーを開いてどこに行く予定か調べ、回答の候補を表示する。ユーザーがアイスランド旅行について検索したとすると、iOSはスペルの自動訂正辞書にReykjavik〔アイスランドの首都〕などの単語を追加する。ニュース・アプリにもアイスランドのニュースが表示されるようになる、といった具合だ。

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カメラ・アプリはHEVC(h.265)をサポートする。 このコーデックはビデオの画質を改善すると同時にファイル圧縮にも優れている。画像処理ソフトも改良を受け、既存のカメラで撮影した場合でも画質の向上が期待できるようだ。【略】

コントロール・センターも大幅にアップデートされた。デザインが一新され、多数のボタンが追加された。今後はユ次々にタブを切り替える手数が省かれる。たとえば、ミュージックビデオを再生している場合、輝度調整と一時停止を同一の画面で実行できる。さらに詳細な選択が必要な場合、3Dタッチで即座に機能を呼び出せる。

Apple Mapsのカーナビ機能もiOS 11で強化された。アメリカ内ではショッピング・モールや空港の詳細地図が利用できる。アメリカ人には非常に便利だろう。

iOSは運転中、Bluetoothで車載オーディオに接続していることを認識する。iPhoneのモーション・センサーは自動的に「電話に出られません」モードを起動する。このモードではすべての通知の表示が保留される。メッセージが着信した場合、予め用意した返信が自動送信されるよう設定できる。

AirPlayにもメジャー・アップデートが来た。AirPlay 2ではWiFi経由で複数のスピーカーを接続しiOSデバイスからコントロールできる。Libratone、Devialet、Bose、B&Oその他多数のオーディオ・メーカーがAirPlay 2をサポートする予定だ。それだけではない。AirPlay 2にはデベロッパー向けAPIが用意され、AirPlayを利用したアプリの開発が可能になった。

MusicKit APIの登場にによりデベロッパーはApple Musicの利用ができるようになった。たとえばShazamは(とうとう)Apple Musicのプレイリストに楽曲を自動で追加できるようになる。

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Appleのフィル・シラーはApp Storeのアップデートについて簡単に触れた。もっとも重要な点はデザインが一新されることだろう。見た目はApple Newsにやや似ている。 ‘Today’タブには個人別にカスタマイズされたお勧めが表示される。ゲームは別に独自のタブが用意される。‘Apps’タブにはApp Storeチームによるお勧めアプリが掲載される。【略】

iOS 11のベータ版は今日から公開されるが、今後夏までに細かいバグ修正が行われるはずだ。一般ユーザー向け公開は9月。アップデートは無料。

アップデート: Appleはさらに多数の機能を発表した。キーノートの最後でフェデリーギがステージに戻り、iPad専用機能を発表した。 iPad画面の下部にはドックが用意され、これまでより簡単にアプリを切り替えられるようになった。Split Viewを用いれば同時に2つのアプリを並べて開くことができる。ドラッグアンドドロップで簡単に実行できる。

Split Viewについていえば、アプリ選択機能が一新された。コントロール・センターを開くショートカットと最近使ったアプリのプレビューが表示される。iOS 10の小さなアイコンのリストよりずっと使いやすい。

新しいFilesアプリはiPad上のファイルとクラウド・サービスを表示する。ユーザーはFilesアプリとメール・アプリ間でファイルをドラッグアンドドロップで移動できる。iPadのアプリは閉鎖的に単独で作動するだけではなくなった。これはAppleとしては画期的な方針転換だ。

ユーザーはApple PencilでNotesアプリに書き込むことができる。Appleは書かれたテキストをOCRを使って処理し検索可能にする。カメラ・アプリにもネーティブで文書をスキャンする機能が追加された。スクリーンショットを撮ると、小さいポップアップが隅に表示される。タップするとスクリーンショットをトリミングし、説明を加えることができる。いちいち写真アプリを開く必要はない。

いろいろな面でiPadのiOSはデスクトップ・コンピュータのOSに近づいてきた。アプリは全画面でなく移動可能な窓で表示できるようになりドックも追加された。AppleはiPadをますます強力にしようと計画している。

iOS 11はiPad Air以降、iPad mini 2以降、第5世代iPad以降、iPhone 5s以降の各シリーズで作動する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple開発者会議WWDC 2017の見どころ

年に1度のお祭りがまたやってくる。何千人もの開発者たちがサウスベイに向かい、ソフトウェアを手に入れようとするのだ。そして会場には向かわないものの、Appleに関心を持つ人たちは、(米国太平洋標準時)月曜朝にその目をWWDCのキイノートを映すスクリーンに釘付けにして、Tim Cookとその仲間たちが、Appleの様々なOSに対する最新情報を披露するのを眺めるのだ。

早い段階からのリークによれば、今回は通常のWWDCに比べてよりハードウェアにフォーカスしたものになるようだ。多くのキープロダクトラインの更新があり、ついに本当の意味でSiriをリビングルームに持ち込むためのAmazon Echo競合商品も出ると噂されている。実際、イベント前に聞こえてくる噂や憶測の大半はデバイスに関するものだ。

もちろん私たちは(米国時間)6月5日(太平洋標準時10時/東部標準時1時)にはそこにいて、新しいことがわかり次第、次々にブログ記事としてアップして行く予定だ。とりあえず、この大イベントで私たちが見ることを期待できるものを挙げてみよう。

ハードウェア

WWDCではハードウェアが常に発表される訳ではないが、今年は選ぶのに迷うほどの豊作になるかもしれない。

噂のSiriスピーカー少なくともここ1年間は多くの噂が囁かれていた。Appleは密やかに(いや、実際にはそれほど密やかでもないが)、独自バージョンのAmazon Echo/Google Homeを開発していると伝えられている。長年に亘りスマートアシスタントを努めてきたSiriに対する需要な変更も伴う予定だ。同社はHome KitとiOS 10 Homeアプリを通じて、コネクテッドホームに関心を向けてきたが、この市場を制するために必要なのは、全てのものをまとめ上げる1つのハードウェアなのだ。

現時点では、Apple TVがインハウスハブの位置に最も近いものだ。しかし、このシステムは音声統合機能を備えているものの、EchoやHomeのような、常時音声入力を待ち続けるスピーカーハブへの、理想的な代替品とは言い難い。そのデバイスに関する詳細は、ほとんど存在しないが、競合相手たちに比べてより優れたプロダクトになることは期待できるだろう。何故って、まあ、AppleはまだAppleだからだ。

早い段階の噂では、EchoやHomeとは異なり、仮想サラウンドサウンドの可能性が指摘されていたりした、Appleは、家にスマートアシスタントを導入する際の単なるオマケとしてサウンドを考えているのではなく、その質などにもこだわる筈だからだ。そして、最近はあまりAppleによって力が注がれていなかったように見えるSiriに対する、重要なアップデートが期待できる。

iPad Pro 10.5:このイベントに先立って流されている別の噂は、最近の製品ラインの見直しを受けて、AppleがiPadラインにまた別のサイズのスクリーンを追加しようとしているというものである。登場が予想されている10.5インチのiPad Proは、9.7インチの兄弟と同じサイズになると言われている。Appleはいまだに、Surfaceのような2in1製品に、Proを使って戦いを挑もうとしている。Surfaceは元気のないタブレット市場では珍しい輝きを放っている。

MacBook ProとAirを引き継ぐものたち:Appleがメジャーな変更をMacBookに行ってから丸1年は経過していない、このため多くのアップグレードはマイナーなものにとどまるだろう。イベント前の噂では、インテルのKaby Lakeプロセッサーが、高速とバッテリーの長寿命を実現する最新の選択肢として搭載される。このチップはMacBook Airにも搭載されると噂されている。やっと(マイナーではあるが)長く待ち望まれていたアップグレードが、このAppleから忘れられていたラップトップにやってくるのだ。

ソフトウェア

たくさんある。非常に多くの、あらゆるソフトウェアが対象だ。Appleのオペレーティングシステムのすべてが、今回意味のあるアップデートを受けていると言われている。しかし、イベント前にはほとんど情報が流れてきていない。

iOS 11:Siri Speaker関連は言うまでもなく、iOSはキイノートスピーチの中心となるだろう。なにしろこれは開発者会議なのだ。10周年記念iPhone 8は、少なくとも秋まではデビューしないだろうが、iOS 11の最初の味を知ることはできるだろう。実際にどのような形態になるのかは、現時点では本当にわからない。しかし少しばかりのリーク情報がそこここに散らばっている。もちろん、考えるまでもなくSiriにはハブ機能の発表が行われるだろう。Alexaや、Assistantなどに対して先行してきたAppleの立場を考えれば当然だ。AppleのAIは、月曜日のステージではセンターをとるだろう。また、新しいiPad Proと同時に、タブレット版のオペレーティングシステムは、マルチユーザーログインやApple Pencilのより強力なサポートといった、プロレベルのアップデートが行われると言われている。特にAppleがより多くのビデオコンテンツを推している中、Musicの改訂も同様に大きなものとなりそうだ。

macOS/watchOS/tvOS:この3つのオペレーティングシステムも、今回大幅に更新される予定だが、やはり詳細はほとんどわかっていない。watchOSとtvOSの見かけには最も劇的な変化が期待される。watchOSに関しては、Apple Watchは決して順調とは言えない世のウェアラブルカテゴリーの中では、珍しい希望の星であり、今年後半に計画している新しいデバイスのためのチラ見せをしたいと思っているに違いない。特に注目すべきことは、最近のAppleのウォッチへの修正が、皆デバイス上のヘルスケア機能に関連しているということだ。

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(翻訳:Sako)