宇宙スタートアップのXploreが民間宇宙企業のNanoracksと提携、宇宙船を月や火星、金星へ

私たちが商用目的の宇宙や、宇宙スタートアップについて話題にする場合、その中心は、地球周回軌道やせいぜい月程度までをカバーした、どちらかと言えば地球の周辺である。しかし、米国シアトルに拠点を置くスタートアップのXplore(エクスプロアー)は、月、火星、金星、小惑星帯などへの商用ミッション用に設計された、宇宙船とプラットフォームの開発を通じて、宇宙の民営化をさらに拡大したいと考えている。

Xploreが開発しているのは、小さなペイロード(約32〜68kg)を深宇宙の目的地に運ぶことができる宇宙船だ。これらには光学式カメラなどを含むセンサー群、温度やその他の宇宙の気象状況を測定するためのツール、ハイパースペクトルイメージングツール、またはさまざまな商用クライアントの依頼によって搭載される、他のより小型な宇宙船さえ含まれるだろう。同社は2017年にLisa Rich(リサ・リッチ)氏とJeff Rich(ジェフ・リッチ)氏が創業した。同社は、月に向けた最初の宇宙船の飛行を2021年以降に計画している。ちなにに2人は、VC企業のHemisphere Venturesも創業・管理している。

Nanoracks(ナノラックス)は、国際宇宙ステーション(ISS)から発射された、欧州宇宙機関、NASA、ドイツ宇宙機関などの顧客たちからのペイロードを搭載した小型衛星を含む、商用宇宙船の開発と展開に対する実績を誇る民間の宇宙企業だ。2016年にNanoracksは、民間企業が微小重力および宇宙空間での放射線被曝の中で実験を実施できるように、ISSの外部に設置された最初の商用テストプラットフォームをオープンした。さらに最近では、宇宙空間での構造用金属の切断技術を初めて披露すると発表した。これは、廃棄された宇宙船を、宇宙空間で利用し加工するために再利用するという、大きな機会を開くことができる技術だ。

Xploreの宇宙船は複数のペイロードを搭載できる。Nanoracksはその経験を活用してXploreの顧客の貨物の準備と統合を支援し、必要なリードタイムを短縮してより迅速かつ効率的に打ち上げることができる。

また、Xploreは地球軌道ミッションの飛行も計画している、これは基本的にペイロードのデザインを超えて、顧客のためにミッションパラメーター、宇宙船、および運用の観点から素早くすべてに対処できるようにするためだ。より多くの打ち上げプロバイダーとキャパシティが稼働を始めれば、ミッションロジスティクスとペイロード打ち上げサービスの必要性が確実に高まる。また、軌道外の目的地を設定することによって、Xploreはさまざまな種類のビジネスや商用研究への道を開く。興味深いサービスを提供することになるだろう。

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(翻訳:sako)