警視庁の協力のもと「指名⼿配被疑者」過去写真から現在の姿をAI予測するプロジェクト開始

警視庁の協力のもと「指名⼿配被疑者」の写真から今の姿をAIで予測するプロジェクト開始

ヤフー(Yahoo! JAPAN)・電通デジタル・パーティー(PARTY)の3社は9月30日、警察庁から写真や情報提供などの協⼒を得たうえで、AI(画像解析・⽣成技術)を⽤いて指名⼿配被疑者の現在の姿を予測するプロジェクト「TEHAI」を始動し、情報提供を呼びかける特設サイトを公開すると発表した。警視庁による指名⼿配被疑者捜査強化⽉間の11⽉実施に伴い、指名⼿配被疑者の情報提供の促進を⽬的とするもの。実施期間は12⽉31⽇まで。

TEHAIは、AI(画像解析・⽣成技術)を⽤いて指名⼿配被疑者の過去の写真から現在の姿を予測するプロジェクト。今回は、約630名(2020年8⽉末⽇時点)の指名⼿配被疑者の中で、警察庁指定重要指名⼿配被疑者12名のうち5名の現在の姿をAIによって予測している。

同プロジェクトは、指名⼿配被疑者の存在を広く認知してもらい、情報提供により指名⼿配被疑者の検挙の可能性を⾼めることを⽬指す。

またTEHAIサイトでは、5名の指名⼿配被疑者の予測イメージを公開。被疑者の顔をクリックすると、AI によるシミュレーションと体型変化を加味し、被疑者1⼈につき9パターンの予測イメージを閲覧できる。

5名いずれも検挙に結びつく有⼒な情報を提供した⽅に対し報奨⾦が⽤意されており、⼼当たりがある際にはすぐに情報提供ボタンから連絡できる仕組みを採用している。またYahoo! JAPANでは、同社広告枠を通じて同サイトの認知拡⼤を⽬指すとしている。

今回は、AI(画像解析・⽣成技術)を使って、⼤量の顔写真データから加齢に応じた特徴(シワの⼊り具合、⽪膚のたるみ⽅など)を抽出し、過去撮影された被疑者の顔写真にその特徴を適⽤することで現在の姿を予測した(TEHAIによる⽣成画像は、AIが予測する加齢変化の特徴を捉えた予測イメージ画像となり、実際の姿を保証するものではない)。

加齢変化を得意とするAI、⽼化前後のペア画像から特徴を抽出して変換するAIなど、AIが備える特徴から複数のAIを採⽤し、被疑者1⼈あたり9パターンを公開することで、予測の幅を設けた。いずれも数万枚の顔写真データセットから数万回の学習を実施し、⼗分な検証を⾏っている。また、実際の被疑者での⽣成を⾏う前に、実在する⼈物の若い頃の写真を元に⽣成した写真と、その⼈物の現代の写真を⽐較することで「AI による⽼化加⼯」の確からしさを検証している。

世界で戦えるAIテックカンパニーを目指す、ヤフーとLINE経営統合の理由

Yahoo! Japanの親会社であるZホールディングスとLINEは11月18日、両社の経営統合についての共同記者会見を開催した。登壇者は、Zホールディングス代表取締役社長/最高経営責任者の川邊健太郎氏、LINE代表取締役社長/CEOの出澤 剛氏。川邊氏はLINEのコーポレートカラーのグリーン、出澤氏はYahoo!のコーポレートカラーのレッドのネクタイを締めて登壇した。

今後はZホールディングスとLINEが対等に統合するが、東証一部の上場企業であるZホールディングスが親会社となって、Yahoo! JAPANとLINEが子会社となる。具体的には、経営統合後はソフトバンクとNAVERが50%ずつ出資したJV(65%)と一般株主(35%)がZホールディングスの株主となり、その子会社としてYahoo!とLINEが対等の関係でぶら下がるかたちだ。取締役はZホールディングスが3名、LINEが3名、社外が4名とし、少数株主に配慮したガバナンス体制を敷く。

新生Zホールディングスはソフトバンクの連結子会社となるので、実質的にはLINEがソフトバンクのグループに吸収されることになる。川邊氏と出澤氏が共同CEO(Co-CEO)に就任するが、代表取締役社長が川邊氏が引き続き務める。経営判断については、川邊氏が代表取締役社長としてはリードはするが、経営陣できちんと議論して取り決めていくとした。

経営統合のスケジュールは最終的な統合手続きを2019年末〜2020年年始に完了することを目指し、遅くとも2020年10月ごろには統合する予定とのこと。統合の向けての話し合いは2019年の6月ぐらいに本格的な話が進み、両社の親会社とも相談しながら進めたとのこと。ちなみにソフトバンク側では社長の宮内氏との協議は重ねてきたが、ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫氏は、Yahoo!とLINEの経営統合について陣頭指揮と執るといった直接的な関与はしていないとした。

「両社は切磋琢磨する関係で近しい想いを持ちながらライバル関係だったが、今後は経営統合によって最強のOne Teamを目指していく」と両氏。続けて、両社を合わせると2万人の社員がおり、日本、アジアから世界をリードするAIテックカンパニーを目指すとしている。「両社は年1度ほど話す機会があり、これまでも共同で取り組む事業を模索していた」と出澤氏。

また、両社とも現状に対する危機感があったという。それはグローバルテックジャイアントの存在で、米国ではGoogle、Amazon、Facebok、Appleなどが、中国ではバイドゥやテンセント、アリババなどのプレーヤーがいる。「優秀な人材、資金、データなどは強いところに集約されてしまい、それ以外のプレーヤーとの差が開くばかりとなる」と両氏。「2社が一緒になっても時価総額、営業利益、研究開発費、従業員数を含めても数字上では現在のところ大きく差をあけられている」と続けた。

両社は統合することによって、まずは日本の労働人口、生産性、自然災害などの問題をテクノロジーで解決したいと表明。日本に住む人に最高のユーザー体験を提供して社会課題を解決していくとした。

統合におけるシナジーとしては、利用者基盤、サービス、グループ、人財、年間投資額などを挙げた。利用者基盤として月間利用者数とビジネスクライアント数は、Yahoo!が6743万人と300万社、LINEが8200万人と350万社。またLINEはアジア各地で銀行業を開設するなど進出していることをアピールした。

サービス面については、川邊氏がメッセンジャーサービスとeコマースを例に挙げた。「Yahoo!ではメッセンジャーのサービスがないがLINEにはあり、Yahoo!はeコマースが強いが、LINEはYahoo!ほど事業規模大きくない」と述べ、補完しあえる部分があることを強調。

グループについては、Zホールディングス/Yahoo!はソフトバンク、LINEはNAVERの子会社であり、親会社はAIなどをはじめさまざまなサービスを展開しており、このあたりにシナジー効果があるとした。

人財については両社を合わせると約2万人、年間投資額は両社で合計1000億円以上。AIを基軸に積極的な中長期投資を行い、新たな価値を創り出すとした。そのほか統合後も引き続き、プライバシー保護、サイバーセキュリティについては力を入れていくとした。

質疑応答では、PayPayとLINE Pay、Yahoo!ニュースとLINE NEWSなど競合するサービスについての今後について質問が集中したが、経営統合後に議論・調整していくが、当面は今後も競合しながら事業を進めていくとした。ただし、最終的には最もユーザーに支持されているサービスに絞り込んでいく可能性もあると表明した。

経営統合のトリガーの1つとなったビックプレーヤーの存在について川邊氏は「GAFAの最大の脅威はユーザーが支持されていること」を挙げた。続けて「Yahoo!とLINEが経営統合することで、我々もよりユーザーに支持されるサービス、プロダクトを目指す。そして、オールジャパン体制で協業を呼びかけていく」とした。「ネット企業は強いところにすべてが集まる。気付いたタイミングでは手遅れ」とコメントした。

出澤氏は「LINE単独という思いはあったが、より強くなるための決断としてYahoo!との経営統合を選んだ」とした。LINEの事業については、トロイカ体制はLINE側の意思決定のプロセスは変わらないとのこと。

ヤフーとLINEが統合合意を正式発表

Yahoo Japanなどを運営するヤフーの親会社Zホールディングス(以下ZHD)とLINEは11月18日、経営統合することで基本合意したことを正式に発表した。11月13日に日本経済新聞などが両社の合併を報じていた

両社は18日に開催したそれぞれの取締役会で、両社グループの経営統合について、資本提携に関する基本合意書を締結することを決議したことを明らかにしている。今後、2019年12月をめどに最終資本提携契約の締結を目指して協議・検討を進めていく予定だという。

また経営統合の実現に向けて、ZHDの親会社であるソフトバンクおよび、LINEの親会社であるNAVER Corporationは、上場しているLINEの非公開化を目的とした株式の共同公開買い付け(TOB)を実施し、対象となる全ての株式を取得する意向を発表している。

経営統合後はソフトバンクとNAVER(韓国NAVERおよびその日本子会社)が50%ずつ出資する新会社を設立し、ZHDの親会社となる。ヤフーとLINE(の承継会社)はZHDの完全子会社としてその傘下に入る形となる。

経営統合の目的について両社は、「それぞれの経営資源を集約し、それぞれの事業領域におけるシナジーを追求するとともに、AI、コマース、Fintech、広告・O2O、その他の新規事業領域における成長を目指して事業投資を実行することで、日本及びグローバルにおける熾烈な競争を勝ち抜くことができる企業グループへと飛躍すること」と述べている。

両社は18日17時から、共同記者会見を開催。ZHD代表取締役社長の川邊健太郎氏、LINE代表取締役社長の出澤剛氏が出席し、統合について説明する予定だ。

「3.11」検索で10円寄付、6年目のYahoo! JAPAN復興支援活動

Yahoo! JAPANは3月1日、「3.11」と検索すると復帰支援活動に10円を寄付できる「Search for 3.11 検索は応援になる。」をはじめとするチャリティーアクションを公開した。

本活動は、東日本大震災が発生した3月11日に改めて被災地のことを考え、震災の風化防止や継続的な復興支援を目的とするもの。誰でも参加可能な活動として同社は2014年より毎年実施している。

unnamed__2_

今回は、多くの著名人によるチャリティーオークションが開催されるほか、東日本大震災だけでなく熊本地震と北海道胆振東部地震の復興状況を知ることで応援につながるコンテンツなど、合計4つのチャリティーアクションを用意。各コンテンツによる支援金は、東北をはじめとする被災各地の支援団体に寄付される。

またソフトバンクと連携し、3月9日~11日にはソフトバンク表参道にて本企画をテーマとしたオリジナルバルーンとステッカーを配布し、より多くの方に支援の輪を広げる取り組みを行う予定だ。

スマホ決済のPayPay Yahoo! JAPANアプリから利用可能に

eng-logo-2015ソフトバンクとヤフーの合弁会社「PayPay」(ペイペイ)は11月12日、スマホ決済サービス「PayPay」と「Yahoo! JAPAN」アプリの連携を開始しました。

Yahoo! JAPANアプリのトップにある「PayPay」アイコンから、「スキャン支払い」および「コード支払い」の2方式を選択できます。なお初回利用時にはYahoo! JAPAN IDとPayPayの連携登録が必要です。

PayPay」は、QRコードを使った決済手数料0円(2021年9月まで)のスマホ決済サービスです。支払い方法は銀行口座からチャージした電子マネー(PayPay電子マネー、Yahoo!マネー)、またはクレジットカードから選択可能。決済が完了すると、決済額の0.5%相当のPayPayボーナスが還元されます。なお、還元額は1人につき月間累計で最大5000円に留まります。

Yahoo! JAPANアプリとの連携開始に伴い、ヤフーの決済サービス「Yahoo!ウォレット」の実店舗決済機能は終了。一方、Yahoo!ウォレットのオンライン決済機能は提供を継続します。

Engadget 日本版からの転載。

ヤフー新体制へ——副社長の川邊氏が代表取締役社長CEOに内定、宮坂氏は会長に

ヤフーは1月24日開催の取締役会で、副社長の川邊健太郎氏を代表取締役社長CEOに内定する人事を決議した。現社長の宮坂学氏は、代表権のない会長となる予定。6月に開催される株主総会の決議を経て、それぞれ就任する。

ヤフーでは同時に新執行体制への移行も決定。市場環境変化のスピードが速いインターネット業界を勝ち抜くためには「新たな挑戦と経営幹部の若返りが重要な要素」として、4月1日からの新執行体制を発表した。これまでの宮坂氏の取り組みによる「スマートフォンで利用される会社」への移行やコマース事業の拡大が功を奏したとしつつ、2018年度からは加えて「データの会社」になることを目指す、としている。

川邊氏は1974年生まれ。電脳隊 代表取締役社長、ピー・アイ・エム 取締役を経て、ヤフーとピー・アイ・エムの合併により2000年にヤフー入社。Yahoo!モバイル担当プロデューサー、Yahoo!ニュースプロデューサーなどを務め、2009年5月にヤフーが買収したGyaO(現GYAO)の代表取締役に就任する。2012年より副社長COOを務める。新体制への移行後は、CEO職とCOO職は統合され、川邊氏が担当することになる。

なお、宮坂氏はヤフーが新規事業のために設立した「Zコーポレーション」の代表取締役に、4月1日に就任する予定。新会社では「ヤフーの事業と切り離した新領域への挑戦を加速させていきます」とリリースでは述べられており、こちらの“新領域”の内容についても気になるところだ。

ヤフー前社長の井上雅博氏が60歳で逝去——米国で交通事故

ヤフーは4月29日、前代表取締役社長である井上雅博氏が4月25日(日本時間26日)、米カリフォルニア州での交通事故により逝去したと発表した。60歳だった。

井上氏は1979年に東京理科大学理学部数学科を卒業。同年ソード電算機システムに入社。1987年にはソフトバンク総合研究所に移り、1992年よりソフトバンクに入社した。1996年にはソフトバンクグループ代表取締役社長の孫正義氏とともに米Yahooとの合弁会社・ヤフー株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。国内最大のとなるポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を立ち上げ、2012年6月に同社を退任した。

ヤフーでは「こここに生前のご厚誼を深く感謝するとともに、謹んでお知らせ申し上げます」としている。通夜び葬儀、お別れの会の予定は現在決まっておらず、詳細が決まり次第お知らせするとしている。

SoftBankは日本で自動運転バスの実用化を目指す、商用サービスの開始は2020年を予定

SoftBankは日本で、自動運転バスのプロジェクトに力を入れている。公共交通機関の自動運転技術を開発するために同社が昨年創った会社、SB Drive(SBドライブ株式会社)は、Yahoo Japanが率いるラウンドで5億1000万円(460万ドル)の資金を獲得し、資金的にも潤沢になった。

Yahoo Japanは、Yahooの姉妹会社で、日本のもっとも有力なテクノロジー企業のひとつだが、今回のラウンドでは4億9000万円(440万ドル)を出し、残りをSoftBankが払って筆頭株主の座を維持した。投資後のSoftBankの株式持ち分は51.1%、Yahoo Japanが48.6%である。創業パートナーAdvanced Mobilityが0.3%を保有する。

SB Driveは、公共交通機関にフォーカスした自動運転プロジェクトで、とくに農村部を走る、よりスマートな製品を目指す。来年には公道でテストする予定で、商用走行の開始は2020年を目標としている。

同社によると、すでに“社会的試走”(social trials, 路上運行)は済ませており、今は路線バスと運送用トラックで自動運転技術を試している。そのためにSB Driveは、日本の4つの地方自治体とパートナーしている。

Yahoo Japanは、そのVC部門Yahoo Capital(YJキャピタル株式会社)が資本を提供するだけでなく、重要な戦略的パートナーになる可能性がある。現在の計画では、人気のある地図サービスYahoo MapsとSB Driveをリンクして、天候、渋滞、歩行路、イベントなどの情報を提供して、バスの運行サービスをより充実させる。

西側諸国には大規模な自動運転バスの計画はないが、日本にはそれを必要とする特殊な社会状況がある。SB Driveがとくにねらっているのが、高齢化社会への対応だ。今日、この国の人口の1/4が65歳以上だ。農村部ではこの比率がもっと高くて、また全国的にも、2060年には40%に達すると予想されている。都市部以外では、住民の多くが今後のさらなる援助を必要とするだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

「日本人に最適化したプロダクティビティツールを」 ― BHIがニュースアプリSwingnewsをリリース

swingnews_logo

メールアプリのSwingmail、タスク管理アプリのSwingdoなどを展開する日本のBHIは2月16日、新たにニュースアプリのSwingnewsをリリースすると発表した。これまでのアプリと連携してパーソナライズされたニュースを配信できることを武器に、多くの競合が存在するニュースアプリ市場に参入する。また、これまでLINEのみだったボットプラットフォームも拡大し、新たにFacebook Messenger版、Slack版をリリースする。

連携が特徴のSwingアプリ

従来からBHIが提供していたのは、メールアプリのSwingmailとタスク管理アプリのSwingdoだ。

メールアプリのSwingmailでは、メールとTwitterのDM、アプリ経由でかけたFaceTimeなどの通話履歴を全部まとめて見ることができる。他のメールアプリとの違いは、コミュニケーションする相手ごとにアプリ横断的にすべての履歴を管理することができるという点だ。もう1つのSwingdoはタスクと位置情報が自動でひも付けされるタスクアプリで、他のSwingアプリとも連携することが可能だ。Swingmailについては過去にTechCrunch Japanでも紹介している

そしてもう1つ。同社はSwingmailやSwingdoをサポートする立ち位置となるLINEボットのSwingbotもリリースしている。このボットでは、他のSwingアプリと連動させることによって、重要度の高いメールだけをボットが通知する機能や、現在の位置情報をもとに重要度の高いタスクをボットが教えてくれる機能などを利用することができる。BHIはボットを提供するプラットフォームも拡大中で、2月2日にはSlack版の提供を開始。そして近日中にはFacebook Messenger版をリリースするという。

そして、ここまでSwingブランドのアプリを立て続けにリリースしてきたBHIが次に狙うのが、ニュースアプリ市場だ。Swingnewsはキーワード型のニュースアプリで、ユーザーが指定したワードに関連するニュースを配信することでパーソナライズを実現している。

1487074956

しかし、TechCrunch Japanの読者であればご存知のように、日本のニュースアプリ市場にはたくさんのプレイヤーがいて、それぞれが凌ぎを削っている。KDDIなどが提供するNewsPassや、AntennaスマートニュースGunosyNewsPicksカメリオなどがその例だ。しかも、これらのアプリがすべて順風満帆というわけではなく、苦戦を強いられているものもある。

そのような市場環境のなか、なぜBHIがニュースアプリなのか。そして、彼らはどのような武器をもってこの市場を戦っていくのだろうか。CEOの日昔靖裕氏に話を聞いた。

「Swingnewsの強みは、これまでのアプリと連携することによって、高度にパーソナライズされた『自分だけの専門誌』をつくれることです。例えば、Swingdoとの連携で取得したスケジュールデータを利用すれば、『翌週に北海道旅行を予定しているユーザーには、現地のニュースを集中的に届ける』ことが可能になります」。

これまでのSwingアプリは、他のアプリと連携してはじめてその真価を発揮するように設計されている。今回リリースするSwingnewsもその例外ではないということだ。

目指すはYahoo Japanのような統合プラットフォーム

ところで、Swing〇〇というように統一されたアプリ名や、Swingアカウントと呼ばれる単一アカウントですべてのサービスを利用できるあたりを考えると、BHIが目指すのは、アメリカ発祥の企業でありながら「Yahoo!BB」など日本独自のサービスを展開するYahoo Japanのような企業なのだろうかと感じる。

日昔氏はその点について、「プロダクティビティツールは米国大手が強いが、日本人に最適化する形が作れると思っているし、BHIはそこを目指している。日本の大手が提供するいくつかのツールは、GoogleやMicrosoftとは異なり、日本の生活管理に適していると感じるし、実際に支持されている」と語る。

この話を聞くと、僕はふと母親のことを思い出した。50代前半の母親は、あまりITリテラシーが高い方ではないのだが、それでもパソコンを開くと必ずYahoo Japanのトップページに行ってニュースなどを眺めている。トップページで新しい「Eメール(彼女の発音に従えば、えーめーる)」がないかチェックもしている。あくまで一個人の例でしかないことは重々承知のうえで言うと、彼女にとってのパーソナルな統合プラットフォームがそこにはある。

日昔氏によれば、BHIが今年目指すのも、その統合プラットフォームだという。「今年は、統合プラットフォームのWeb版を目指している。旧来型のメールやタスク、ニュースを新しいまとめ方で一覧で見れるイメージ」と日昔氏は話す。「ラップトップ、モバイル、Botなど、それぞれに表示する内容の量やまとめ方、通知のタイミングを最適化することで生活管理はまだまだ進化できる」。

SwingmailやSwingdoは、どちらかと言えばフリーランスなどのユーザーに利用されることを意識してつくられたアプリだった。しかし、同社はSwingbotのリリースによってLINEをよく使う主婦層をユーザーとして獲得。同社がこれまでに獲得した15万のSwingアカウントのうち、主婦ユーザーの割合は半分だそうだ。LINEボットと「友だち」になったユーザーは約1万人だという。

もしかすると、日本のスタートアップであるBHIが広範なユーザーに使われる統合プラットフォームを実現する土壌はできつつあるのかもしれない。

2013年創業のBHIには現在10名のチームがいる。創業計画をまとめた日昔氏は、2012年にサムライインキュベートから430万円の出資を受けた。また、昨年10月にはMVNOのmineoが展開するmeneoメールとの連携を発表。日昔氏は今後もMVNO各社との連携を進めていきたいと語っている。

Marissa MayerはYahooの取締役会を去り会社はAltabaと改名して残る

marissa-mayer15

中断していたようなYahooのVerizonへの身売り話は、実は進んでいるらしい。ただし同社の一部の部門は、Altaba Inc.と名前を変えて残ることになる。

YahooはAlibabaの15%の株とYahoo Japanの35%を保持し、その保有主体がAltaba Inc.という名前の投資企業になる。そしてYahooの残りの部分がVerizonに統合される。その部分の資産には以前、Remain Co.(残り物)というあだ名がついていた。

Altabaに残る取締役は、わずか5名である: Tor Braham, Eric Brandt, Catherine Friedman, Thomas McInerney, そしてJeffrey Smith。CEOのMarissa Mayerをはじめ、そのほかの取締役は、新会社に残らない。MayerはVerizonに統合後のYahooに役を得るかもしれないが、その地位職責等は発表されていない。

社名変更というニュースのソースは、SECへの提出文書だ。そこにはVerizonがYahooの買収を進めている、と示唆されているが、当のYahooは昨年、10億あまりのユーザーに影響が及ぶ複数のセキュリティ侵犯事件を公表したばかりだ。そのためVerizonは、48億とされていた買収価額の値下げ要求を検討し、その新価額の発表を待って買収契約が締結される、と報じられている。買収が破談になる可能性もある。(情報開示: Verizonは本誌TechCrunchの親会社AOLのオーナーである。)

Yahoo…今やAltabaと呼ぶべきか?…はそのSEC提出文書の中で、セキュリティ侵犯事件がVerizonとの契約を危うくするかもしれない、と認めている。それは、こんな言葉だ: “Verizonが主張する、あるいは主張を迫られるリスクは、2016年9月22日と2016年12月14日に開示されたセキュリティ事故に関連した事実の結果として、株式買収合意の部分の権利または要求が解約されたり、あるいは会社販売条件の再交渉に持ち込まれるかもしれない、という問題だ”。

今月の終わり頃にはYahooの決算報告が発表されるので、会社の売却に及ぼすサイバーセキュリティ問題の影響はそこで、より明らかになるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

BuzzFeed Japan、思わぬ大物を創刊編集長に起用

shutterstock_182075207

驚きの採用劇と言っても良いのではなかろうか。BuzzFeedジャパンは創刊編集長として、朝日新聞で長い経験をもつジャーナリストである古田大輔氏を起用することとしたのだ。BuzzFeedによれば、日本国内でのサービススタートに向けて、日本のエディトリアルチームの採用や、コンテンツ戦略を統括する立場になるのだとのこと。

日本の中でももっとも歴史を持ち、760万の読者を抱える朝日新聞社において、古田氏は東南アジア特派員、およびシンガポール支局長を務めた経験をもつ。2013年には東京に戻り、「朝日新聞デジタル」の編集に携わり、朝日新聞社の運営するBuzzFeed風サービスの「withnews」に記事を書いたり、またインタラクティブ要素やビジュアル要素を扱う作業も手がけていた。

BuzzFeedによると、古田氏はまずBuzzFeed JapanのBuzz、Life、およびNewsセクションおよびFacebookやSnapchatなどのソーシャルメディア上で扱われるコンテンツについて作業を行うチームメンバーの人選に携わるのだとのこと。

BuzzFeedは現在、9ヵ国でローカルコンテンツを扱っている。ただし、地元企業とのジョイントベンチャーとして運営するのは日本が初めてとなる。ジョイントするのはYahoo Japanで、日本でもっとも人気のあるサーチポータルのひとつであり、Googleとトップ争いを繰り広げている。

Yahoo Japanと連携することにより、同社の広告ネットワークを活用することができるのが、BuzzFeedにとっての大きな魅力となる(Yahoo Japan本体だけでも月間600億のページビューがある)。BuzzFeed Japanでの広告についてはYahoo Japanが独占販売権を持つことになっている。

ところでYahoo Japan自体もソフトバンクおよびYahooのジョイントベンチャーとなっている。ただしYahooは35.5%を保有する株式を売却する機会をうかがっているようでもある。

なお、Yahoo JapanはTwitterDigital Advertising Consortium、およびIntegral Ad Networkなどとも広告パートナー契約を結んでいる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

BuzzFeedがYahoo Japanとパートナーして日本進出

buzzfeed

BuzzFeedYahoo Japanとのジョイントベンチャーにサインした。Yahoo Japanは、最近Googleにわずかに抜かれるまでは、日本でトップの検索ポータルだった

BuzzFeedはこれまで、合衆国に加え、イギリス、フランス、オーストラリア、インド、ドイツ、メキシコ、カナダの計8か国でローカライズしたニューズフィードを提供してきたが、同社によると(7月の場合)全トラフィックの45%が合衆国以外だ。しかし国際展開にあたってご当地にローカルパートナーを設けるのは、今回のYahoo Japanの例が初めてである。

Yahoo Japanは、BuzzFeedの日本語と日本文化への適応を助けるが、それは多くの外国企業にとって難題であり、また今回は日本人オーディエンスの心を一瞬でつかむ見出し作り、という課題もある。Yahoo Japanは、日本のインターネットユーザの88%が同社のユーザであり、月間ページビューは560億に達する、と主張している。ユーザの約半分は年齢層が20歳から39歳で、それはBuzzFeedのターゲットとほぼ一致する。

Yahoo Japan自身もアメリカの企業(Yahoo!)と日本企業(SoftBank)のジョイントベンチャーだ。BuzzFeedによると同社はYahoo Japanに同社のブランド力と独自の技術プラットホームとネイティブ広告を提供し、ただし“編集と創造の独立性”は維持する。

BuzzFeedはこれまで5回のラウンドで計9630万ドルを調達している。最近のシリーズEはAndreessen Horowitzのリードによる5000万ドルで、発表は2014年8月に行われた。

BuzzFeed参考記事(日本語)。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Yahoo、Yahoo Japan株35.5%、90億ドルの将来性を占うべく投資顧問を迎える

screen-shot-2015-04-21-at-23-35-33

今日(米国時間4/21)、YahooのQ1決算を説明するビデオストリームで、CEO Marissa Mayerは就任以来17のオフィスを大型効率化戦略の一環として閉鎖したと語った。そしてYahooは、国際的ポジションのさらに大きな変更を計画しているようだ。同社は35.5%を保有するYahoo Japan株の扱いに関してアドバイザーを雇った。Yahoo Japanは長年日本の国内ポータルとして、Softbankとのジョイントベンチャーが運営している。

果たして持ち株すべてを売却するのか? それともGrouponがTicket Monsterで行ったように一部のみを処分するのか。まだ誰にもわからない。Mayerは、会社がどう決断するにせよそれが「重要優先事項」であり、「入念な調査」が必要であることを強調した。

その後CFOのKen Goldmanも彼女の言葉を繰り返し「持ち株の価値を最大化することに集中し続ける」と語った。

Yahooの持ち株35.5%は、90億ドル近い価値と推定される。Yahoo自身も、検索および広告契約を通じて同社から年間2.5億ドルの収益を上げていることが、会見ビデオ中のアナリストからの質問でわかった。株式売却がこの売上に与える影響について尋ねられたGoldmanは、「まだ何とも言えないが…投資顧問と相談することになるだろう」と答えた。

当然このニュースは、売上利益共に予想を下回った決算報告後な落ち込んだ同社の株価を上昇させる要因となった。

Mayerは本件について、今後の会見で正式発表すると語った。

SoftbankとYahooは、日本初のウェブポータルとして1996年に最初のジョイントベンチャーを作った。同サイトが今でもYahooの古いロゴを使い続けているのは驚きである。

Yahoo Japanは1997に東京の株式市場に上場した。同社株は現在も取引きされている。Softbankは、Yahooと並びAlibabaが上場してすぐに株主となっている。AlibabaはYahooの株を購入する候補者の一つと考えられる。

Mayer体制のYahooは、米国内市場への取り組みと投資に集中してきたが、アジア地区での閉鎖とレイオフが目立つ中でも、他の地域への投資は考えている。Mayerは今日、台湾および香港が今もYahooの重要な市場であり、同社が最近買収した会社を拡大する足がかりとして成熟した基盤となり得ると語った。

「こうした地域は最近買収したTumblr、Flurry、Brightroll等を進出させるのに適した市場だと考えている。当社が国際市場に足跡を残すために、これらの投資を生かす方法を探っている」と彼女は言った。。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ヤフーが大赤字でも「2時間配送」にこだわる理由


ネットショッピングで翌日配送や当日配送といった「短時間配送」は当たり前。もっと早く欲しいというニーズを満たすためにヤフーが5月8日に試験的に始めたのが、注文後2時間以内に商品を届けるYahoo!ショッピングの「すぐつく」だ(関連記事はこちら)。アメリカだけでなく日本でもにわかに注目が集まる「数時間配送」だが、なぜヤフーはこのジャンルに参入したのか。札幌で開催中のInfinity Ventures Summit2014 Sprint(IVS)でヤフー執行役員の小澤隆生氏がその狙いを語った。

すぐつくは、巨大な物流拠点から配送する従来型の物流ではなく、近隣にある実店舗から利用者に直接商品を届けることで「2時間配送」を実現する。実証実験では東京・豊洲のスーパーマーケットなど3店舗と提携している。この動きには、ブロガーのやまもといちろう氏が「戸別配送を手がけたチェーン店は死屍累々」などと指摘。この点について小澤氏は「はっきりイイましょう。大赤字です」と言い放った上で、すぐつくを始めた理由を次のように話した。

なぜやっているかというと、やっぱり商流の中に1枚入るのが重要なんですよ。どこの誰が何をいくらで買ったかがわかれば、広告配信に使える。地元のスーパーはチラシを打っているけれど、その間に僕らが入る。そうすると、チラシのビジネスが取れるかもしれない。プラットフォームになるには、いかに砂時計の真ん中を作り出して取るか。購入の直前、家までのラストワンマイルをいかに取るか。

これは喋りたくなかったなあ……と反省気味の小澤氏だったが、話は止まらずさらに続いた。

どんなに赤字でもこの情報が欲しい。どこの誰が何をいくらで買っているかがわかれば、ヤフーとしては広告配信に使えるデータになる。こうした情報は今までスーパーマーケットしか取れていなかったのですが、すぐつくはリアルの購入に完全に食い込んでいるんですよ。そういうことをやろうとしているのは、言うつもりがなかったんえすけどねえ。ECで考えると、ヤフーや楽天は販売店が自由に使えるプラットフォームになりがち。でも私としては、楽天と同じ戦いをしても難しいし、つまらないので、砂時計の真ん中をギュッと掴む。


ブレスト不要、1人で悶々と考えろ!LINE流「面白いプロダクト」の作り方


今日から札幌で開かれている「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」に来ている。初日には、LINE執行役員の舛田淳氏とヤフー執行役員の小澤隆生氏が登壇し、「次世代プラットフォーム革命」をテーマにしたセッションが開かれた。テーマとは若干離れるが、セッション内で両者が「面白いプロダクトの作り方」について語った内容が興味深かったので紹介しよう。

ブレストするな。1人で悶々と考えろ――。舛田氏によれば、LINEで新しいプロダクトを作る際には、社内で無駄に情報共有をしないように呼びかけているという。「プロジェクト間で連携しようとすると、『向こうではこれをやってるから』と身動きがとれなくなる。(木を見て)森を見ないと動くべきではないというが、全体の合意を取ろうとするとつまらなくなる」

1人で悶々と極限までプロダクトを考えたあとは、「早く、小さく始めて、ダメならばすぐに閉じることが大事」と舛田氏は語る。「すぐに閉じればダメージは小さい。ちょっと恥ずかしいけど。言ったことでも、ダメならすぐに撤退するのがイノベーションに必要なこと」

これに対して小澤氏は、面白いことや新しいことのほとんどは失敗するとの持論を展開。2012年4月に宮坂学氏が代表取締役CEOに就任し、社内で「10倍失敗しろ」というメッセージを発信してからは、「挑戦しないとダメだ」という空気が醸成されたのだという。

「9割は失敗するので、それを許す企業文化をいかに作るか」。小澤氏の言葉の通り、軽井沢の高級別荘を予約できる「Yahoo!トラベル 軽井沢の別荘特集」が4月16日のローンチから1カ月余りで閉鎖したことも明かした。「昨日閉じたんですよ。僕が華々しく始めたんですが、社内大騒然ですよ」。

さらに、ヤフーがイー・アクセスの株式取得を中止したことについて暗に触れ、「今週も大きな失敗があったんですが、よくないですよ、あれは!」と語り、会場をわかせる一幕も。ちなみに小澤氏はセッションで開口一番、「今週冒頭に大きなニュースがありましたが、広報からは『くれぐれもふざけるな』と言われている」と話していた。


ヤフーがイー・アクセスを3240億円で買収、「Y!mobile」で携帯事業参入へ

ヤフー宮坂学社長

ヤフーは27日、イー・アクセスの株式の99.68%(議決権比率33.29%)をソフトバンクから3240億円で6月2日に取得することを明らかにした。6月1日にイー・アクセスとウィルコムが合併して誕生する新会社の株式を取得する。日本初のインターネットキャリア事業として、「Y!mobile」(仮)を展開するという。シンプルな料金体系や仕組みで、すべての人にインターネットを届けることを目標に掲げている。

具体的な相乗効果としては、イー・アクセスが持つ約3000店舗をY!mobileの販売店とすることで、来店者に有料サービス「Yahoo!プレミアム」を紹介したり、端末にYahoo! JAPANの各種アプリをインストールするなどのプロモーションを行う。Y!mobileが扱う端末は当面、Androidのみを展開する。具体的なサービスは未定で、「LCC(ローコストキャリア)でやるかも含めて料金も検討中」と、ヤフーの宮坂学社長は説明している。

「スマートフォンやタブレットの利用者が増えることで、Yahoo! JAPANにシナジーが生まれる。シンプルに言うと、スマホの利用者が増えるほど、ヤフー以外のスマートフォン専用サイトが見られるようになり、それが広告売上の原動力になる。我々はテレコムの会社になりたいわけではない、インターネットの会社としてスマホやインターネットを届けたい。」

キャリアからインフラを借り、自社ブランドで通信サービスを提供するMVNOではなく、従来型の携帯会社として事業参入する理由については、次のように説明している。「MVNOでもいいのではないかという議論もしたが、我々が登りたい山は1000万台ぐらい。従来型の携帯会社として事業に参入し、端末やサービスプラン、販売チャネルの決定権を持った状態でやらないといけないと思った」。

なお、イー・アクセスとウィルコムが提供するPHSサービスやMVNO向けサービス、ADSLホールセールについては今後も継続するが、契約内容が変わる可能性もあるとしている。


先着300社、ヤフーが協業・出資に興味のあるスタートアップを今年も募集


ヤフーとの協業や出資に関心のあるスタートアップを対象にしたセミナー「Yahoo! JAPAN提携・出資説明会」が今年も開催される。セミナーは昨年2月にも行われ、今回が2回目。初回は国内外の企業250社が参加し、これをきっかけにヤフー100%出資の投資子会社「YJキャピタル」がSkype英会話のレアジョブに投資するなどの成果も出ている。

今回のセミナーは2月7日、東京・ラフォーレミュージアム六本木で13時から16時まで開催。参加条件は前回同様、事業の領域や規模を問わず、ウェブサイトを持つ国内外の企業300社(1社2名まで)を先着で募集する。ヤフーとの協業やYJキャピタルなどからの出資に関心のある企業は、1月24日15時までに専用サイトから参加を申し込める。

セミナーではまず、ヤフーの宮坂学社長がベンチャー企業に対する方針を説明。続いて、グリーの田中良和社長、アスクルの岩田彰一郎社長、コミュニティファクトリーの松本龍祐社長らが登壇し、「ヤフーと組んで良かったこと、悪かったこと」と題したパネルディスカッションを行う。実際にヤフーと協業する企業のトップの話を聞くことで、参加者は「ヤフーと提携するイメージ」が湧くかもしれない。

YJキャピタルCOOの小澤隆生氏

さらに前回同様、ヤフーが展開する12〜14事業の責任者が5分ずつ、来場者にピッチ(プレゼン)を実施。会場内には事業部門ごとの名刺交換の場となるブースも設置する。スタートアップが投資家を前にピッチするのはよくある光景だが、ヤフーのセミナーは立場が逆。YJキャピタルCOOの小澤隆生氏は、「ヤフーはこういう方針なので何かあればお声がけくださいというスタンス」と話している。

ヤフーによれば、昨年のセミナーには400社の申し出があり、先着250社を招待したのだという。そのうち7割はベンチャー企業、残りは大企業が中心。全体で120社から協業の申し出があったのだとか。セミナーがきっかけとなってYJキャピタルが出資したのは、レアジョブともう1社(2月7日のセミナーで公表される予定)の合計2社だ。

出資に至った経緯について小澤氏は、「誤解を恐れずに言えば、もともと(出資する)機会があると思っていなかったが、向こうから来てくれたので『ありがとうございます』と(笑)。代表番号に電話してオファーするのもためらわれたので、きっかけとして出資説明会はよかった」と振り返る。今後は出資だけでなく、ヤフー本体との提携も月1〜2件ペースで実現していきたいという。


ヤフーとFacebook活用の恋人探しアプリ「Omiai」が業務提携

Facebookユーザーのみが使える恋人探しアプリ「Omiai」とヤフーが運営する「Yahoo!パートナー」が3日、業務提携した。Omiaiは、Yahoo!パートナーからユーザーを誘導してもらう。ヤフーは、Facebook認証を使うことでしか実現できない出会いをユーザーに促すことで満足度を高めることが狙いのようだ。

Omiaiは、Facebookのプロフィール写真や年齢、交際ステータス(既婚や交際中のユーザーは利用できない)を見ながら好みの異性を探せるアプリ。Facebookアカウントはログイン時に利用するのみで、相手には実名が公開されない。アプリからFacebookに一切投稿しないだけでなく、Facebookでつながっている異性はマッチングされないため、友達に知られずに使えるのも特徴という。

アプリ上では年齢や身長、性格、年収など30項目以上から検索でき、気になる相手が見つかったら「いいね!」を押し、相手から「ありがとう よろしくネ!」ボタンを押してもらったらマッチングが成立する。ここまでは無料だが、その後は男性のみ有料で、匿名でメッセージを投稿したり、お互いのFacebookアカウントを教えあうことも可能だ。

Omiaiを運営するネットマーケティングによれば、累計会員数は38万人(男性26万5000人、女性11万5000人)。平均年齢は男性30歳、女性26歳で、これまでに111万7195組のマッチングが成立しているのだという。

今回の業務提携では、Yahoo!パートナーのページにOmiaiへの導線を掲載してユーザーを誘導する。Omiaiは有料サービスの決済手段として、2014年をめどに「Yahoo!ウォレット」を導入する。なお、Yahoo!パートナーとOmiaiのユーザーデータは、お互いのサービスで利用されることはない。