空飛ぶタクシーのLilium、AudiとAirbusの元幹部を招聘

未来的な空飛ぶタクシーサービスのための垂直離着陸機を開発するLiliumは、AirbusAudiから大物の元幹部を招き入れ、テクノロジーを向上し市場にサービスを提供する準備を進めている。

Mirko Reuterは、Audiで自動運転の責任者を務めていた人物で、無人飛行の責任者として取締役に就任する。Jakob Waeschenbachは元Airbusの機器組立責任者、Rochus Moenterは元Airbusの財務・投資部門担当副社長で、それぞれ飛行機組み立て責任者、および法律顧問・法務責任者としてLiliumに加わる。

Liliumは2015年にDaniel Wiegand、Sebastian Born、Patrick Nathen、およびMatthias Meinerによって共同設立され、そのビジョンは独自の垂直離着陸機のネットワークを構築することで航空移動のコストを削減し、パリからロンドンまで乗客を1時間以内に運ぶことにある。

Audiで長年自動運転の長を務めたReuterは、無人航空機システムに必要なプロセスと技術の開発を受け持つと同社は声明で述べた。

「私は、社会のあらゆる分野で広く使われる効果的で利用しやすい輸送を可能にする革新的サービスを開発する、という当社のミッションに全力を注いでいる。Liliumは新しい革命的な輸送手段を開発しており、その一端を担えることを非常に嬉しく思っている」とReuterが声明で語った。

Liliumは2019年に最初の機体を送り出す準備を整えるなか、経営チームを強化していると記事は伝えている。2017年、同社は9000万ドルの新たな資金調達を行い Tencent、国際民間銀行資産管理グループの LGTAtomico、Skype共同ファウンダーのNiklas Zennströmが設立したLiliumのSeries A支援者、およびTwitterのEv Williamsが共同設立した初期ステージVCファンドのObvious Venturesらが出資した。

こうした投資や有力幹部の入社は、益々競争の激しくなるこの業界でLiliumのビジネスに信用を与える(そう、空飛ぶタクシー業界は競争が激しい)。

ドイツの自動車メーカーDaimlerは、Volocopterを支援する投資家コンソーシアムに参加して約2850万ドルを出資し、配車サービスのUberはブラジルのEmbraerやスロベニアのPipistrelと組んで、独自の空飛ぶタクシーを開発している。実は飛行機メーカーのAirbusも、独自の無人空飛ぶタクシーVahanaを開発中で、数年のうちに市場に出したいと考えている。

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Amazon、Alexa for Windows 10を公開

本日(米国時間11/9)Amazon は、Windows 10版Alexaアプリを公開した。Microsoftストアで配布中。このボイスアプリケーションはパソコンユーザーがAlexaに向かって話すことで、リマインダーやタイマー、アラームの設定、TO-DOリストの作成、予定表の確認、ニュース、天気その他の情報取得、音楽、ポッドキャスト、オーディオブックの再生、スマートホーム機器の制御などが可能になる。

このアプリは、AlexaがEchoスピーカーなど通常は家に留まっているデバイスから解き放たれつつあることを示す一例と言える。モバイルデバイスのAlexaアプリと同じく、Windows 10アプリでもAlexaを使って旅行中でもコンテンツや情報をアクセスできるだけでなく、ドアをロックしたり監視カメラをチェックしたりすることもできる

アプリは何万種類もあるAlexaスキルも利用できる、とAmazonは言っている。

ただし一部の機能——ビデオ、コミュニケーション、Spotify、Pandoraなど——は、公開当初Windows 10アプリではサポートされない。

このアプリの登場は、AmazonとMicrosof によるAlexa-Cortana統合の公開プレビューが開始されて間もなくのことだった。その統合は、ユーザーがEchoデバイス経由でCortanaを呼び出したり、Harman Kardon InvokeスピーカーでAlexa on Windowsを使えるようにするものだ。

一部のパソコンは“Alexa Built-In”に指定されており、Alexa向けに調整されていてユーザーはハンズフリーでAlexaに話しかけることができる。Acer、Asus、Dell、HP、Lenovoの一部製品が対象だ。

現在CortanaスキルはAlexa for PCから使うことができない。しかし、Echo、Echo Dot、Echo Plus、Echo Show、およびEcho SpotのEchoデバイスでは利用可能だとAmazonは言っている。

Alexaアプリは米国、英国、およびドイツのWindows 10パソコンで利用できる。その他の地域では2019年に提供される予定。

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ジョージア州州務長官、不在者投票者29万人の個人情報を公開

ジョージア州の州務長官で中間選挙の州知事候補のブライアン・ケンプは、不在者投票者29万1164人の個人情報をネットで公開し誰でもダウンロード可能にするという、奇妙かつおそらく前例のない行動にでた。

ケンプの事務所は総選挙開票の数時間後に公式ウェブサイトにExcelファイルを投稿し、不在者投票用紙を郵送した州民の名前と住所を、「障害がある」「高齢」などの理由とともに公開した。

Twitterでは多くの人々がすぐにこれを発見し怒りを表した。

ウェブページによるとこのファイルは、ジョージア州民が「自分の郵送投票の状態を確認する」ためだという。全米で数百万人の有権者が投票日前に記入済み投票用紙を郵送した。特に投票所に行くことが困難な人々——身体障害者、高齢者、旅行者などだ。

ジョージア州州務長官の報道官、Candice BorceはTechCrunchの問い合わせに対して、データはすべて「州法で明確に公開情報に指定されている」と言い、「機密でも取扱い注意でもない」と強調した。

「州法では、有権者のリストは公開が義務付けられており、そこには登録有権者の氏名、住所も含まれている」とBorceはメールで伝えた。

たしかに規則はそうかもしれない。有権者と選挙人名簿は公開情報で通常無料で閲覧できるが、州によって規則は異なる。有権者の名前と住所は、各州の選挙委員会または州務長官事務所に要求できる。政治分析会社は、自社の調査データを補完して浮動投票者を特定するために、しばしばこのデータを利用する

州法は有権者データの使用方法を厳しく制限している。その規則は今回数十万人の有権者記録をダウンロード可能な一般市民には適用されない。

ケンプの事務所が不在者投票を確認するためにとった方法が怒りを呼んだことはさほど驚くにあたらない。

「データは既に公開されていたかもしれないが、このような集約した形で利用できたわけではない」とセキュリティー専門家でRendition Infosecのファウンダーかつジョージア州民でもあるJake Williamsが言った。Williamsはこの問題について、州は不在者投票者の情報を提供することで「犯罪者が留守宅を標的にする機会を与えたかもしれない」と指摘した。

「このデータをまとめて公開することは、このような方法で個人情報を公開されることを好まないジョージア州民が将来不在者投票をためらう理由になりかねない」と彼は言った。

TechCrunchの問い合わせから間もなく、ダウンロード可能ファイルへのリンクはウェブサイトから削除された。

共和党州知事候補であるケンプは——本稿執筆時点で——50.3%の票を獲得し、民主党のライバルであるステイシー・エイブラハムをリードしている。エイブラハムは州の下院で少数派野党のリーダーを務めている。

ケンプは自身が立候補しているにも関わらず、州務長官として実質的に州の選挙を運営しており、最近投票者妨害で告発された。ケンプが民主党は彼の事務所の選挙システムをハッキングしていると証拠のない告発をしたこともそのひとつだ。彼がハッキングのカードを切ったのはこれが初めてではない——2年前にケンプは同じような行動を起こした。

ケンプは、今週の選挙の前に少数民族有権者5万人以上の登録を廃棄した疑いでも責任も問われていた。

エイブラムスは州知事選挙の敗戦を認めることを拒み、決選投票を望んでいる。

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スタバがUber Eats導入、LINEとのタッグもーーデリバリーや事前注文・決済を強化へ

スターバックスコーヒージャパンは11月8日、顧客体験の価値向上のための戦略的な取り組みを発表した。

そこでは年間100店にのぼる新規出店を継続して日本市場をより強化させることなどに加え、Uber Eatsの導入やLINEとの提携、モバイル・オーダー・アンド・ペイ(事前注文・決済)についての計画などデジタル領域の動きについても明かされている。

まずは9日よりUber Eatsを導入し、ビバレッジやフードなどを直接届けるデリバリーサービスをスタートする。新宿2店舗と六本木1店舗の合計3店舗においてトライアルを実施し、2年間で拡大を目指す方針。「日本におけるデリバリー市場の急速な成長を捉えることで、お客様がどこにいても、スターバックスの本格的な商品体験をお届けします」としている。

合わせてLINEと2019年上半期に包括的な戦略的提携を進めることも発表。こちらはスターバックス店舗とLINEのモバイルテクノロジーを融合することで、モバイル決済を含めた様々なイノベーションに取り組むという。日本全国で7800万人以上のユーザーを抱えるLINEと繋がることで、リアル店舗×デジタルの可能性がさらに広がっていきそうだ。

その他、2019年中にはアメリカを含む数か国で導入済みのモバイル・オーダー・アンド・ペイのテストも開始する予定。ユーザーはモバイルデバイスから事前に注文・決済することで、列に並ぶことなく商品を受け取れるようになる仕組みだ。

モバイル・オーダー・アンド・ペイについては5月に紹介したDIRIGIOの「PICKS」や、先日JR東日本スタートアップとの資本業務提携を発表しているShowcase Gigの「O:der」など、日本でもこの領域に特化したサービスが生まれてきている。

特にスタバの人気店では、時間帯によって結構な時間待たされることもあるので、事前の注文・決済の仕組みが広がればストレスも軽減されそうだ。

再現可能エネルギー普及の鍵は貯蔵コスト。Energy Vaultが答を知っている

ソーラーエネルギーや風力エネルギーが化石燃料エネルギーより安く作れるようになった今、再生可能エネルギーの普及にとって唯一残る問題は、作られたエネルギーの貯蔵に必要なコストだ。

現在再生可能エネルギー100メガワット(約60万世帯を賄うのに十分)を貯蔵するためには、Teslaが作っているようなバッテリーを約6560万ドル分大量に揃えるか、ダムを作り落下する水でタービンを回す巨大揚水発電所(通常100メガワット以上の能力を持つ)に頼るしかない。

Bill GrossのIdealabというカリフォルニア州パサディナのインキュベーター出身のEnergy Vaultは、揚水発電の原理に基づく新しいテクノロジーを開発した。同社によると、そのテクノロジーはエネルギー貯蔵コストを今の1桁以下に抑えることが可能で、再生可能エネルギーのコスト効果を一日中毎日高くすることができる。

気候変動の懸念が増すにつれ、再生可能エネルギーの魅力とコスト効果を高める方法を見つけることは、優れたビジネスチャンスであるだけではない——全地球の優先課題だ。

Engergy Vaultのテクノロジーは、33階建ての高さで6本のアームを持つクレーンからなり、ブームを延ばすとフットボール場の長さに近くになる(約87ヤード)。そのクレーンは5000個の巨大なコンクリートブロックが囲まれていて、重量は全体で約35トンになる。

「通常これを風力あるいはソーラー発電所の近くに作る」とEnergy VaultのCEO Robert Piconiは言う。「これは都市の真ん中に置くものではない」。

クレーンは、ソーラーや風力で発電されたエネルギーを蓄積、あるいは電力網に放つためにセメントブロックを動かすソフトウェア・システムによって制御される。

Piconiによると、同社のシステムはエネルギー容量公称35メガワット、ピーク容量4メガワットの能力を持つ。立ち上がり時間は最短1ミリ秒で、2.9秒で100%のパワーを得ることができる。

システムの充放電効率は約90%で、この技術は耐用年限約30年の極めて耐久性の高い材質による力学的エネルギーに依存しているためエネルギー損失はない。

このすべてを実現するシステムの価格は7~800万ドル程度だとPiconiは言う。システムの永続性をさらに高めるのが、埋め立てに使うしかないリサイクルコンクリートを使っていることだ
——新たなセメント工事は不要だ。

すでにEnergy Vaultは、デモシステムをスイスのルガーノ本社近くのビアシカに建設済みだ。このデモンストレーション施設は、同社初の顧客であるインド最大の総合電力会社The Tata Power Company Limitedが、2019年までに35 MWh のEnergy Vaultシステムを構築する契約に一役買ったはずだ。

「エネルギー貯蔵法のイノベーションは、再生可能エネルギーを加速し、世界の増え続けるエネルギー需要を満たす化石燃料に代わる主要供給源とする最大最速の方法だ」とEnergy Vaultの共同ファインダーでIdealabのファウンダーBill Grossが言った。「Energy Vaultがこの画期的テクノロジーを市場に送り出すために役立てることを大いに喜んでいる」

事実、Piconiによると、今後2年間に同社顧客がこのシステムを使って作る設備の総貯蔵容量は500メガワットから1ギガワットに上るとEvergy Vaultは予想している。

「われわれにはこうした設備を作る顧客が各大陸にいる」と彼は言った。

Danaherの幹部だったPiconiは、12年前にIdealabのファウンダーだったGrossが再生可能エネルギー技術を手がけ始めた頃に出会った。ふたりは連絡を取り合い、10年近く協力しあった後、Energy Vaultの設立を真剣に考えるようになった。

そして2017年、PiconiとGross、そして共同ファウンダー、最高技術責任者のAndrea Pedrettの三人はEnergy Vault斬新なエネルギー貯蔵の方法を思いついた。i

「数年前、エネルギー貯蔵が重要になることを彼ははっきりと知っていた」とPiconiは言った。
三人は揚水発電の効率に注目し、力学的エネルギーを使ってそのプロセスを真似る方法についてブレインストーミングを始めた。「まず鉄塔を考えたが高価すぎた。塔の上に水を汲み上げることを考えたが、効率に問題があった」とPiconiは言った。「そして、コンクリートブロックとクレーンを思いついた」

コンクリートは材料コストの点で重要であり、セメント製造に関わるエネルギー消費と公害を考え、チームはリサイクルセメントを使い、彼らのエネルギー貯蔵システムに使うブロックを作ることにした。

そして、世界最大手のセメント製造会社Cemexが、Energy Vaultにパートナーとして加わった。

Energy Vaultはすでにいくつかの「シード」ラウンドで資金を調達し、テクノロジー開発やスイスのプロトタイプの建設・運用に充てている。

「Energy Vaultのチームは画期的なプラットフォームを開発した。われわはこのチームを支援し、環境効率とコスト効率の高い実用性の高いエネルギー貯蔵ソリューションを提供することを大いに楽しみにしている」とCemexのグローバル R&D・知財権の責任者r. David Zampiniが言った。「われわれは資源が責任をもって使われる未来を可能にするという共通認識を持っている。それはCemexの維持可能開発戦略の核心でもある」

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Samsungの折りたたみディスプレイの開閉動画はこちら

噂されていた通り、本日(米国時間11/7)Samsungは 折りたたみディスプレイのプロトタイプを披露した。たたむとスマートフォン。開くとタブレット。すばらしい!

あまりすばらしくないこと:Samsungは本当の意味で見せるつもりがなかった。プロトタイプがステージにいたのは45秒間で、意図的に背面から光を当てられてほぼシルエット状態になっていた。彼らは「デザイン要素を偽る」ことで、秘密の調味料がなんであるかを隠していた。

プロトタイプが開閉する映像を探すためには2時間にわたるSamsungのデベロッパー向け基調講演を掘り起こす必要があるので、読者のためにGIF動画にしたものを貼っておく。

これがスマホモードからタブレットモードに変わる瞬間だ:

そしてこちらがタブレットモードからポケットに優しいスマホモードに戻るところ:

これは初めての折りたたみ端末ではないが、最後でもないだろう。本日Googleが折りたたみディスプレイ対応機能をAndroidに追加したということは、複数のメーカーがこのコンセプトを試そうとしていると考えたに違いない——少なくとも、Androidのコードベース本体にこの変更を加える価値があると判断できる数のメーカーが。

Samsungが基調講演で話した関連部分を見たい人は、下に貼り付けたストリームの1時間25分の少し前から始まっている。

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Samsung、折りたたみスマートフォン「Infinity Flex Display」をチラ見せ

長らく噂されていた折りたたみスマートフォンの発表をほのめかしていたSamsungが、これを発表と呼べるのかどうか、折りたたみディスプレイ付き端末のプロトタイプを披露した。

「デバイス自身のサイズを大きくすることなく画面を大きくするにはどうすればよいだろうか?」とSamsungの幹部が壇上で問いかけた。

同社は折りたたみできるデバイス、”Infinity Flex Display”のプロトタイプを紹介した。真っ暗な部屋の中で幹部が披露したそのデバイスは、「フォームファクターを隠す」ために大きめのケースに入れられていた。外側には本体と比べて小さめの通常画面が置かれていたが、開くとそこには巨大な7.3インチディスプレイがあった。

折りたたみ画面が外側ではなく内側に置かれていたのには少々驚かされたが、画面の実際に折れ曲がる部分が端末の縁にならなくてすむ方が、ディスプレイの信頼性を高められるに違いない。

端末を開くと、動いていたアプリは前面ディスプレイからタブレットサイズのディスプレイへと移動する。Androidの最近のアップデートで初めて可能になった機能だ。

この「イノベーション」を大きく謳ってはいるものの、Samsungはこのタイプのデバイスを発売できる準備がまだ整っていない。新型ディスプレイの量産は数ヶ月のうちに開始すると言っていた。また2019年の次期Samsung Unpackedイベントでこのデバイス関連の発表をさらに行うことも同社は示唆した。

これがファブレットの未来なのかどうかはともかく、スマートフォンのフォームファクターの進化の一つであることは確かだ。Samsungは折りたたみディスプレイが「明日のスマートフォンの基礎をなす」と信じているが、果たしてギミック以上のものになるかどうか、もちろんまだわからない。

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LINEのトークンベンチャーファンドが韓国の仮想通貨プロジェクトCarry Protocolへ投資

韓国・ソウルを拠点とする暗号通貨のプロジェクトCarry Protocol(キャリープロトコル)は11月7日、LINEのトークンベンチャーファンド「unblock ventures(アンブロックベンチャーズ)」からの投資を誘致したことを明らかにした。

Carry Protocol自体はオープンな暗号通貨プロジェクトだが、主導するのは韓国発のスタートアップSpoqa(スポカ)のメンバーだ。Spoqaは2011年11月にソーシャルコマースアプリをローンチし、同月開催されたTechCrunch Tokyo 2011のスタートアップバトルで審査員特別賞を受賞している。

Spoqaが運営するクラウド型ポイントシステム「Dodo」は、韓国内では1万店舗、1650万人に既に利用されている。Carry Protocolはこのポイントシステムを使うことで、オフラインコマースの世界では追跡や収集が難しかった決済データを、ブロックチェーン技術を活用して統合しようとしている。

データ統合の方法はこうだ。ユーザーがオフラインでの購買データを共有することで、トークン(暗号通貨)をポイントの形で報酬として受け取り、また店舗で使えるようにする。こうしてデータ報酬のエコシステムを構築しよう、というのがプロジェクトの狙いだ。

Carry Protocolの共同代表チェ・ジェスン氏は「店舗オーナーや顧客は我々の技術力に関心があるわけではない。(店舗オーナーは)より多くの顧客を店に集めること、(顧客は)無料でコーヒーを飲むことに関心がある。そうしたニーズを満たすことで、ユーザーがブロックチェーンについて全く分からなくてもブロックチェーンを使うようにすることが我々の目標」とコメントしている。

unblock venturesは、LINEの韓国子会社でブロックチェーン技術開発を専門とするunblock社により、2018年7月に設立された。同社はブロックチェーン・仮想通貨関連のスタートアップに投資するトークンベンチャーファンドで、1000万ドル(約11億円)規模でブロックチェーン関連のスタートアップに投資を行う。Carry Protocolへの投資は、unblock venturesが行う初の投資プロジェクトのうちの1つだ。

LINEは8月に「LINE Token Economy」構想を発表。自社開発のブロックチェーンネットワーク「LINK Chain」を基盤とした「LINEエコシステム」と、同システム内で利用できる汎用コイン「LINK Point(日本向け)」と「LINK(海外向け)」も公開している。

Carry Protocolではunblock venturesからの投資により、今後のLINEとの協力、シナジー効果も期待していると述べている。

精密農業スタートアップのTaranis、農業監視テクノロジーで2000万ドル調達

Taranisは、空中監視とディープラーニングを使って農作物の問題を見つけ出す農業技術(AgTech)のスタートアップだ。本日(米国時間11/6)同社は2000万ドルのシリーズBラウンドをViola Venturesのリードで完了した。既存投資家のNutrien(世界最大級の農薬メーカー)、Wilbur-Ellisのベンチャーキャピタル部門Cavallo Ventures、およびSumitomo Corporation Europeも参加した。

テルアビブ拠点のTaranisは、現在同社の空撮テクノロジーは、高速ドローンまたは有人飛行機に搭載されてアルゼンチン、ブラジル、ウクライナ、よび米国で使用されていると語った。このラウンドで調達した資金を使ってオーストラリアをはじめとする他の国々にも進出する計画だ。

この会社は2015年、Ofir Schlam、Asaf Horvitz、Eli Bukchin、Ayal Karmiの4人によって食料生産を増加するために設立された。Taranisのソフトウェアがターゲットにしているのは、トウモロコシ、綿花、大麦、大豆、サトウキビ、ジャガイモなどの大規模生産作物だ。害虫被害、栄養不足、病害などの問題原因を突き止め、農業従事者に(例えば)虫が作物を食べているところの詳細を写した高解像度の拡大画像を提供する。

Viola VenturesのパートナーZvika Orronはプレスリリースで、「デジタル農業産業を分析した結果、Taranisをこの分野で最初の投資先に選んだことを誇りに思っている。Taranisは農業デジタル化のリーダーになるために必要な要素をすべて兼ね備えている。広範囲な精密農業ソリューション、市場のスケールに対応し、市場進出するために必要な第一線業界パートナー、およびそれを実現させる情熱的なチームが揃っている」

従来の農作物監視は労働集約型であり、センサーを使って土壌品質や施肥量、害虫などの問題を追跡する場合であっても、必ずしも正確ではなかった。コンピュータービジョンとAI技術を使ってこのプロセス(「精密農業」と呼ばれる成長分野)を効率化しようとしている他のVC支援スタートアップには、これもテルアビブ拠点のProsperaArableCeres Imagingらがいる。

農業の巨人らも精密農業スタートアップを買いに動き始めている。たとえば、過去12ヶ月間に、DeereがBlue Riverの買収に合意し、ブラジルのスタートアップStriderがSyngentaに買われた

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ジャケ・ドローの「Sports Watch」は、ハイエンド・へビューデューティーなクロノグラフ

ウォッチメーカーのJaquet Drozは、サンフランシスコのアパートよりも高価な高級腕時計を作っている。しかし、このたび同社はクロノグラフのSports Watchを「大衆化」化する決断を下した。その時計は仕事と遊び両方に向けて作られている。

Sports Watchは標準的なクロノグラフだが、日付が回転ダイヤルではなく大きな数字2桁で表示されている。その結果外観はオートクチュールのSpeedmasterのようで、価格は1万5000ドル前後と思われる。Drozの他のモデルが10万ドルという現金不足の起業家にとって興味のわかない価格領域にあることを考えると、職人による手作り時計として受け入れられる値段といえる。

リリース文からさらに引用する。

時計作りの伝統を守り、文字盤の時刻目盛りは18 Kホワイトゴールドの「アップリケ」で作られている。幅広のローマ数字が3時、6時、9時、12時を示し、Jaquet Drozは12時の位置に大きな日付を配置した。精密な時計作りの伝統的コンプリケーションだがクロノグラフでは滅多に使われない。シンプルな日付窓よりも複雑な工程を要するが、大きな日付は読みやすさに優れている。最適な見やすさを実現するために、この最新バージョンのスイスクロノグラフは45 mmの文字盤を採用し、機構部分の上にレールトラックを配置している。

バンドは「ロールドエッジ・ハンドメイド・ダークブルー・ファブリック」製で、これまでラバーまたは金属のベルトが使われてきた高級時計の世界ではユニークな試みだ。これをつけたまま濡れるつもりなら、防水は50メートル。年内に販売開始される予定だ。

  1. JD_DP_Fiches_techniques_2010_GB.indd

  2. J029530540_SW_CHRONO_BLUE_BACK

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デートサービスのTinder、有料ユーザー410万、年間予測売上8億ドルに

デートサービスのTinder、有料ユーザー410万、年間予測売上8億ドルに
Facebook Datingは、Tinderを所有するMatch Group(NASDAQ: MTCH)の敵ではなかった。同社は火曜日(米国時間11/6)に第3四半期決算を発表、1株あたり利益は44セントだった。

TinderのほかHinge、Ok Cupid、PlentyOfFishなど複数ブランドのインターネットデートサービスを所有するMatchは、アナリスト予測売上4.37億ドルを超え、Q3売上は対前年比29%増の4.44億ドルを記録した。

年間予測売上は17.2億ドルになるとMatchは言っている。

好調な売上にも関わらず、同社の4Qへの見通しはウォール街を満足させられなかった。MatchのQ4売上予測4.40~4.50億はアナリスト予測の4.545億ドルに届かなかった。その結果Matchの株価は時間外取引で10%下落した。

今年に入ってからMatch株は約60%上昇している。

位置情報ベースのモバイルデートアプリケーションTinderは、依然としてMatchの成長を支える原動力として同社の有料ユーザーの約半数、年間予測売上の約半分を占めている。Matchの購読ユーザー総数はQ2の770万人から810万人になり、対前年比23%増だった。成長の大部分はTinder Goldによる。これはTinderのプレミアム購読サービスでユーザーは以前「いいね!」した相手をスワイプせずに見ることができる。全体でTinderの有料ユーザーは、前四半期の380万人から410万人に増えた。

Tinderは2018年の年間売上を8億ドルと予測している。

6月にMatchが買収したもうひとつのアプリベース・デートサービスHingeも好調だ。Matchによると、最初に投資してからダウンロード数は5倍になっているという。

さらにMatchは初めて、1株あたり2.00ドルの特別配当金をMatch Groupの普通株およびClass B普通株に対して12月19日に支払うことを発表した。

Matchは引き続き戦略的M&Aの機会をうかがうとCEO Mandy Ginsbergは声明で語った。

「われわれには長期的潜在能力のある革新的製品を見つけたときに会社を買収する財務的余裕がある」と彼女は言った。

報道によると、同社はTinderの競合Bumbleの買収を複数回にわたり試みたが、両社間の厄介な法廷闘争によってその可能性とはなくなった。最近Bumbleは、Matchに対する4億ドルの訴訟を取り下げたことを発表した。同社はMatchが買収交渉中に企業秘密を不法に入手したと主張していた。Bumbleはこの訴訟を州裁判所に再申請する可能性がある。

ダラス拠点のMatchはIACの傘下にあり、、IAC自身の決算報告は明日の市場閉鎖後に行われる。

画像出典:S3studio / 投稿者 / Getty Images

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あなたの州で「投票撮り」(votie)は合法? このマップで調べよう

明日は2018年中間選挙。興味深い政治展望の変化に加えて、この日は何百万というvotie[投票撮り]、つまり記入済み投票用紙の写真がソーシャルメディアに投稿されることが約束されている。それは同時に、合法か違法かという国レベルの混乱を招く事象でもある。それはあなたがどの州に住んでいるかによって変わる。でも心配はいらない、この地図を見るか、下に載せた便利なカラーコード化リストを見れば安心だ。

さて、読者の中には誰に投票したかを公開して自分の政治見解を表明することがなぜ違法になるのか不思議に思う人もいるだろう。問題は政治的発言をすることにあるのではない。当然その権利は守られている。問題は、選挙手続き上その行為が明示的に禁止されているとき、実際の投票を公開することだ。

投票の秘密は力を与えるためであり、制限するためではない。自分の投票内容を誰にも知られることがなく、なんらかの形で投票の証拠を公表することが法で禁止されていれば、誰に投票するかを強制されたり脅迫されたりする心肺はない。この可能性に加えて、投票所という人に見られたくない場所に撮影装置を持ち込む、というもっと一般的な脅威もある。

民主的プロセスの完全性と〈他人の〉投票の秘密を侵害する可能性は、この特別な場所と時間には個人の言論の自由に優先するという判断が、一部の州では決定されているが、そこには少なからぬ議論や異義がある。憲法修正第1条の例外として、これはかなり範囲の狭いものの一つだ。

ダウンロード用の大型マップはこちら

ともあれ、18の州がこの行為を禁止しているが、その範囲と厳格さはまちまちだ。低レベルの軽犯罪であったりもっと重大な罪であったり、投票所への電子機器持ち込みが全面禁止されていることもある。州によっては訴訟することも、何もしないこともあるが、私はシンプルに “ILLEGAL”[違法]と分類した。この選挙投票の日になんらかの形で法に抵触するのだから。

21の州は、この行為を禁止する法律がないか、明示的に許しているのでLEGAL[合法]とした。ただし、写真は自分と自分自身の投票用紙であり、他人のものであってはならない。

残る11州は、いずれのカテゴリーにもすっきり収まらない。たとえば、一部の州では書き込み済みのMAIL-IN BALLOTS[郵送投票用紙]の写真は自由にシェアできるが、投票場所やその周辺の写真を撮ることは許されていない。〈私〉には理解出来ないが、法律家や立法者から見るとvotieで法を犯す方法があるらしい。UNCLEAR[不明]な州にいる人は、何もしないのが安全だが、どうしてもやらなければならないなら、Law & Crimeにあるこのリストの最後を確認されたい。

それでは本題のリストはこちら:

  • Alabama: ILLEGAL
  • Alaska: ILLEGAL
  • Arizona: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Arkansas: UNCLEAR
  • California: ILLEGAL (but not for long)
  • Colorado: ILLEGAL
  • Connecticut: LEGAL
  • Delaware: ILLEGAL
  • District of Columbia: LEGAL
  • Florida: ILLEGAL
  • Georgia: ILLEGAL
  • Hawaii: LEGAL
  • Idaho: LEGAL
  • Illinois: ILLEGAL
  • Indiana: LEGAL
  • Iowa: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Kansas: LEGAL
  • Kentucky: LEGAL
  • Louisiana: LEGAL
  • Maine: LEGAL
  • Maryland: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Massachusetts: UNCLEAR
  • Michigan: ILLEGAL
  • Minnesota: LEGAL
  • Mississippi: ILLEGAL
  • Missouri: UNCLEAR
  • Montana: LEGAL
  • Nebraska: LEGAL
  • Nevada: ILLEGAL
  • New Hampshire: LEGAL
  • New Jersey: ILLEGAL
  • New Mexico: ILLEGAL
  • New York: ILLEGAL
  • North Carolina: ILLEGAL
  • North Dakota: LEGAL
  • Ohio: UNCLEAR
  • Oklahoma: UNCLEAR
  • Oregon: LEGAL
  • Pennsylvania: DEPENDS ON COUNTY
  • Rhode Island: LEGAL
  • South Carolina: ILLEGAL
  • South Dakota: ILLEGAL
  • Tennessee: ILLEGAL
  • Texas: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Utah: LEGAL
  • Vermont: LEGAL
  • Virginia: LEGAL
  • Washington: LEGAL
  • West Virginia: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Wisconsin: ILLEGAL
  • Wyoming: LEGAL

もし自分の州が違法または合法かどうか疑問の場合は、自分の責任でvotieをシェアされたい。

投票妨害や投票マシンの不具合その他の問題をスマートフォンで記録することは、規則の例外になる場合がある。最善の判断を下し、他人のプライバシーに配慮されたい。

私は法律家ではなく、これは法的な助言ではない! 本稿は単なる情報提供であり、2018年11月5日現在私の知る限りの知識による。誤りがあった場合は? [原文の]コメント欄で教えてくれれば調査する。すでにいくつか修正した箇所もある。

ちなみに私は “votie” が起きるのを止めようとしているのではない。きっと起きるだろう!

more 2018 US Midterm Election coverage

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Apple、watchOS 5.1.1を公開。一部Apple Watchの文鎮化問題を修正

AppleはwatchOS 5.1.1を公開した。前バージョンのwatchOS 5.1から一週間もたたないなか、一部のApple Watchが文鎮化するという報告を受けてのことだ。

このアップデートには、ほかにウォーキートーキー機能やアクティビティのリワードが一部表示されない問題などのバグ修正も含まれている。

watchOS 5.1は10月29日にiOS 12.1と共に公開されたが、ソフトウェアアップデートをインストールした後Apple Watchが 立ち上がらないという苦情を受けすぐに配信が停止された。Appleは、この欠陥アップデートが「少数」のユーザーに影響を与えた(詳細は語らず)ことを認め、「問題のあるユーザーはAppleCareに連絡をとってほしい。インストールが成功した人は何もしなくてよい」と発表した。

watchOS 5.1.1はwatchOS 5.1の全機能に加えて、グループFaceTimeオーディオ、新しい絵文字、新しい文字盤などいくつか新機能も追加された。

ほかに、セキュリティーアップデートも施され、アタッカーがカーネル特権を得られる重大な脆弱性が修正された。

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Samsungのソーシャルロゴは折りたたみ画面のヒント?

ここ数ヶ月の間にあらゆる主要メーカーがイベントを開催したが、ハードウェアシーズンにはまだいくつか隙間が残っている。今週サンフランシスコで開かれるSamsungデベロッパーカンファレンスは、家電製品の大きな発表の場ではないが、同社は今後の新製品を垣間見る機会を準備しているようだ。

Samsungは以前から発表前にビッグニュースををチラ見せするのが好きだ。同社がソーシャルメディアで公開した折りたたまれたロゴによってベールは剥がさせた。Bloombergが報道し、後にThe Wall Street Journalが裏付けをとった記事によると、同社は折りたたみ式ディスプレーを搭載した携帯電話のプロトタイプを今週披露するらしい。

ハードウェア仕様の詳細はこの段階になっても未だに議論されていると言われており、見ることができるのはレンダリング画像かプロトタイプの形かもしれない。Samsungにとって、重要なのは同社がイノベーションを続けていることを世界に示すことにある。最近の同社のデバイスは、評論家からどっちつかずの評価を受けている。

Samsungは折りたたみ画面を最初に販売する会社にはなりそうにない。その称号は年内発売予定のRoyole Corporationの端末FlexPaiが手にしそうだ。ただし、状況を見る限り最高の第一印象を残す可能性は低い。

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米国セブンイレブン、レジなし店舗を導入

Amazonが最初のレジなし店舗Amazon Goを2016年末にオープンして以来、他の小売業者は未来のコンビニエンスストアと戦う方法に取り組まざるを得なくなった。

Amazonはその後もシアトルサンフランシスコなどいくつかのAmazon Goを出店し、会員制スーパーのSam’s Clubは先週、テキサス州ダラスに“Sam’s Club Now”を開店すると発表した。そして今、世界規模チェーンストアの最古参が、類似のレジなし支払いシステムを発表した。

7-Elevenは、新たなモバイルチェックアウト方式、Scan & Payのパイロットテストを行っている。7-Elevenの利用者はスマートフォンで商品のQRコードをスキャンして商品を登録し、7-Elevenモバイルアプリを使って支払いができる。現在17カ国で6万5000店舗を運営する同社は、ダラスの14店舗でScan & Payのパイロットを行っている。2019年には他の都市にも同サービスを拡大する計画だ。

ユーザーはApple Pay、Google Payあるいは従来からのデビットあるいはクレジットカードを使える。レジなしチェックアウトで禁止されている商品は、ホットフード、宝くじ、アルコール、およびタバコのみだ。

「私たちにとって、利便性をデジタル世代に継続して推進する方法を見つけることが重要だった」と7-Elevenの最高デジタル責任者で最高情報責任者のGurmeet Singhが言った。「これで消費者の行動パターンや要求の変化に対応していく準備が整った」

ダラスに拠点を置く7-Elevenは、米国人口の50%が同社店舗の1マイル以内に住んでいると言っている。

他の大規模リアル小売業者と同じく、同社はITの急速な進歩に遅れを取らないことに全力を尽くしている。今年同社は、映画『デッドプール』シリーズと提携して、店内で拡張現実(AR)体験その他の実験サービスを提供した。

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医療・健康分野でITソリューションを提供するメンタルヘルステクノロジーズが2.5億円を調達

医学会や医師向けのITソリューション、企業の健康経営に関するサービスなどを提供するメンタルヘルステクノロジーズは11月5日、第三者割当増資と金融機関からの融資により、総額約2.5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。第三者割当増資の引受先は、INTAGE Open Innovation Fund、ファストトラックイニシアティブが運営するファンド、マネックスベンチャーズエボラブルアジアの各社・各ファンド。借入を行ったのは、みずほ銀行、三井住友銀行、きらぼし銀行の各行だ。

なおメンタルヘルステクノロジーズは今回の発表と同時に、2018年2月から4月にかけ、既存株主であったサムライインキュベート2号ファンドの持分全株とユビキタスAIコーポレーションの持分一部が譲渡され、オーケストラインベストメントベクトルが株主となっていることも明らかにしている。

メンタルヘルステクノロジーズは2011年3月、株式会社Miewとして創業。当初はコミュニケーションサービスや電子ドキュメントのプラットフォームアプリなどを開発・提供していた。かつてはサンフランシスコで開催されるTechCrunch DISRUPT SFのハッカソンにエンジニアが参加していたこともあるが、その後、医療・健康分野のソリューションやサービスに注力するようになる。

これまでに複数回の資金調達を行っている同社だが、2017年7月には、今回も出資に参加したファストトラックイニシアティブが運営するファンドから1.6億円を調達。2018年8月には社名をメンタルヘルステクノロジーズへ変更し、メンタルヘルス分野に事業ドメインを集中させた。

2018年10月には、企業の健康経営を促進するためのメンタルヘルスサービスの新ブランドとして「ELPIS(エルピス)」をスタート。シリーズ第1弾サービスとして、職場におけるメンタルヘルス・ハラスメントを学ぶ研修動画サービスをリリースしている。

同社は資金調達により、メンタルヘルスに関するAI開発や事業基盤・体制をさらに強化し、サービス利用事業所数を2019年6月までに2000事業所と、現在の900事業所から約2倍強とすることを目指す。同社のグループ会社で産業医紹介などを事業とするAvenirとも協力しながら、AIによるアラート通知やメール・チャットによる相談サービスなど、従業員のメンタルヘルスケアに関わるシステムやサービスを提供していく。

ウェブ制作経験者が人力で最適な紹介を——B2Bマッチング「Web幹事」シード資金5700万円を調達

ウェブ制作会社と制作依頼企業とのマッチングに特化した、BtoBのマッチングプラットフォーム「Web幹事」が今日11月5日、リリースされた。運営するのは2015年4月設立のユーティル。ユーティルは同日、シードラウンドでエンジェル投資家などからの投資や金融機関からの融資を合わせ、総額約5700万円の資金調達を実施したことも明らかにしている。

ユーティルを設立した代表の岩田真氏はジャフコ出身。新卒入社から3年間、投資部に所属し、数億円単位のベンチャー投資に携わっていた人物だ。ユーティル創業から3年間は、ウェブ制作会社として50社以上のウェブを制作してきた。

ビジネスマッチングの仕組み・サービスは既にいろいろ存在していて、アイミツ発注ナビ比較ビズといったマッチングサイトや比較サイト、個人のフリーランスを対象にしたクラウドソーシングサービスなどもある。そうした中で、岩田氏はWeb幹事の特徴を「ウェブ制作に特化しており、制作会社の経験を仲介に生かしている点」と話す。

Web幹事では「制作経験のないカスタマーサポートの担当者が右から左へつなぐ、というのではなく、ウェブ制作の背景や相場観を持った担当者が、適切なマッチングを人力で行っている」という。岩田氏は「一括請求などの仕組みの場合、制作会社のリストがダーッと送られてきて、電話もたくさんかかってくるが、結局ユーザーに制作に関する知識がなく、どこへ発注するか選べない、ということも多い。我々は、1社から2社の最適な制作会社を紹介するので、ユーザーは結果として手間が減ることになる」とWeb幹事の特性について説明する。

ユーザー企業の要件がはっきりせず、そのままでは制作依頼に結びつかないと思われる場合は、「制作会社へつなぐ前に、僕らのところで防いでいる」とのこと。これを完全に人力で行うのは大変ではないか、と聞いたところ、岩田氏は「1時間あれば、大体のクライアントからのヒアリングは完了する」という。ユーティルでは、ユーザー企業からは費用を取らないが、案件成約時に制作会社から10%の報酬を手数料として受け取れるため、十分ビジネスとして成り立つ、という仮説でスタートしたと岩田氏は述べている。

Web幹事は2018年5月より、ステルスでサイトを公開し、サービスインした現在、掲載されているウェブ制作会社は3600社。「ランディングページ制作に強い」「不動産業界に強い」など、さまざまな切り口で制作会社を検索できるようになっている。

利用のトラフィックが増えれば、将来的には制作会社を評価できるよう、口コミなどの機能も取り入れる予定だ、と岩田氏。今回の調達資金は、それらも含めた機能改善や新機能追加のための開発費に充てるという。また、同社が提供する、ウェブ発注に関するユーザー向けコンテンツの充実・強化にも使う、とのことだ。

iPhone、5G採用は2020年か(Fast Company報道)

初の5G携帯電話は来年登場しそうだ。Motorolaは次世代通信をMoto Z3のModを通じて提供する計画であり、LGとOnePlusは2019年中に新技術を端末に取り込むことを約束している。iPhoneユーザーは、もう少し待つことになりそうだ。

もちろんこれはAppleにとって(他の誰にとっても)不可欠なテクノロジーなので、問題は時期だけだ。Fast Companyの最新記事(via the Verge)によると時期は1年半ほど先だという。

「Appleの計画に詳しい筋」によると、5G iPhoneは2020年のどこかに登場し、テクノロジーはIntelが提供するという。AppleとIntelは最近ちょっとしたトラブルに見舞われている。5GモデムチップXMM 8060の熱/バッテリー問題のためだ。もちろん、再びQualcommの戸をノックするほど深刻ではない。

現在両社間で起きている問題を踏まえるとQualcommという選択肢は考えにくい。代わりにAppleはIntelの8161チップに期待している。5GはIntelにとって、前回Qualcommに譲った大きな市場を取り戻す絶好の機会だ。

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ソフトバンクの孫正義氏はサウジアラビアとの関係をどう説明するのか? まもなく判明

10月を通じて、SoftBankはサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)との良好な関係を見直す必要に迫られている。皇太子は権力の座につくとともに多額の資金を提供していたが、ジャーナリストのジャマル・カショギ氏の陰惨な殺人と死体遺棄が明るみに出るにつれ急速に負の側面が見えてきた(MBSはサウジアラビアを導いて数多くの恐怖をもたらしてきたが、バージニア州在住のWashington PostコラムニストでMBSを批判してきたカショギ氏の残酷な終末は、イエメンで数万人の子供たちが殺された事件と異なり、欧米の注目を集めることとなった)

もちろんSoftBankにとってMBSとの決別は容易な決断ではない。CEOの孫正義氏は、 今年5月に完了した1000億ドルのVision FundはMBSに支えられていると語った。事実、孫氏によるとMBSはサウジの公共投資ファンド450億ドルの提供を45分間で決定し、さらに第2のVision Fund設立のために別途450億ドルをSoftBankに出資する意志を最近表明している。

これは断るにはかなり大きな金額だ。しかし、SoftBankにとってMBSと仕事をすることの是非を再考することは理にかなった行動といえる。Financial Timesによると、SoftBank COOのMarcelo Claureは先月、SoftBankが新たなVision Fundを立ち上げるかどうか「決定していない」ことを公表した。

そして時間が過ぎた。世間の怒りの矛先は別の方に向けられつつある。そして先週の終わり、SoftBankの準備は整ったようで、一時停止ボタンから指を離し大きな契約が2件交わされた。ロボット調理のスタートアップZumeに3.75億ドルを投資し(後日さらに3.75億ドルを投資する計画が報じられた)、金曜日(米国時間11/2)にはインターネットにつながる窓ガラスに使われるガラスのメーカーであるView11億ドル投資することを発表した。

両社の経営陣とも、SoftBankと提携する方が別の資金調達源を探すより得るものが大きいと考えたようだ。

問題は、SoftBank自身が、会社の将来を計画する上で同じ決断を下すのかどうかだ。それがもうすぐ明らかになりそうだ。Financial Timesが報じているように、孫氏はSoftBankの第2四半期決算を明日報告する予定であり、そこではMBSが支配する主権国家資産ファンドであるPublic Investment FundとSoftbankのつながりに関する長い質問リストを提示されることは間違いない。

少なくとも役に立つ答えがいくつか出てくるだろう。これまで孫氏はカショギ事件について何も語ってこなかった。また、孫氏は2週間前にサウジアラビアのリヤドで行われたMBSの投資カンファレンスに姿を見せなかったものの、イベント前に皇太子と個人的に会っていた。本誌の情報源によると、その会合はカショギ事件に対する彼の懸念を個人的に伝えるためだったということだが、つながりを断ち切る話しは出なかったという印象を受けた。

その予想が正しいかどうかはすぐに分かるだろう。いずれにせよ、SoftBankとMBSとの関係がすぐに忘れられることはなさそうだ。Financial Timesの記事にある通り、SoftBank株はカショギ氏が10月初めにトルコのサウジ領事館に足を踏み入れて出てこなかった運命の日から26%下落している。

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女性起業家が調達した資金は米国VCのわずか2.2%(今年も)

女性起業家に公平な活躍の場を与えようとする数々の努力にもかかわらず、2018年に米国女性が設立したスタートアップの調達金額はベンチャー資金全体のわずか2.2%だった。

この数字に見覚えがあるかもしれない。PitchBookによると、これは昨年、女性ファウンダー単独あるいは女性のみのチームのスタートアップが調達した資金の割合とまったく同じだ。

この数字は、女性起業家や支援者たちがこの長きにわたる問題の解決を試みる際の一種のスローガンとして使われている。女性起業家が調達する民間資本は男性起業家と比べて著しく少ない。いくつかの新しい試みや、All Raiseのような専門組織が、メンターによる指導プログラムによってこの問題を解決しようとしているが、変化を達成するだけのリソースを追加するためには1年以上必要なのは明らかだ。

現在ベンチャーキャピタル会社の意思決定者に女性の占める割合は10%以下であり、米国VC会社の74%には女性投資家が一人もいない。こうした数字が変わり始めるまで、資金調達のギャップが縮まる見込みは小さい。

良いニュースもある。2018年を2ヶ月残した時点で、女性たちが調達したVC資金の額は過去最高を記録している。過去10ヶ月間に女性が起業したスタートアップは計391件、23億ドルの調達契約を完了し、2017年の20億ドルを超えた。男女混合チームによる今年の資金調達も132億ドル、1346件で、昨年の127億ドルより増えている。

一方米国スタートアップ全体では2018年に967億ドルを調達しており、年内に1000億ドルを超えるペースだ。女性が起業した会社はそのわずか2.2%しか調達していない。男女混合チームの数字は12.8%で前年の約10.4%より増えている。

昨年米国のスタートアップは9000件以上の案件で総額820億ドルを調達し、ベンチャー業界にとって今年同様に印象的な年だった。

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