ウェブ版YouTube Kidsが公開された

子供向けのYouTubeコンテンツ専用のウェブサイト、youtubekids.comが誕生した。このウェブサイトは、既存のYouTube Kidsモバイルアプリと同様の体験を提供する。このアプリを使うと、親が年齢にふさわしい動画に子供を誘導したり、子供の視聴履歴を追跡したり、YouTubeのフィルターが見逃したコンテンツを報告したりすることができる。ローンチ時には、サイトでのサインインオプションは提供されないが、後日公開されることが発表されている。

ウェブサイトがもうすぐ公開されることは、今週YouTubeによって控え目に発表された。またこれは、米国の子供のプライバシー法(COPPA)に対する違反に対して、Googleが所有するビデオプラットフォームに課された数億円に達する罰金を含むと言われているFTCとの和解の公式発表に先立って行われたものだ。

こうしたFTCの裁定には、先例がないわけではない。

規制当局は今年初め、Musical.ly(現在のTikTok)に過去最高の570万ドル(約6億円)の罰金を科し、アプリに年齢制限を設けさせた。

FTCのYouTube裁定も、同様の年齢制限が要求されるだろう。それは13歳未満の子供を、親の同意なしに子供の個人情報が収集されることはない、子供にとって安全なCOPPA準拠のYouTubeウェブサイトにリダイレクトするようにデザインされたものになるのだ。

今回の新しいウェブサイトは、FTCの発表に先立ち、YouTubeが最近行ったいくつかの変更の1つに過ぎない。

同社また、YouTube Kidsに、これまでの5歳から7歳向けの「小学校1〜2年生向け」、そして8歳から12歳向けの「小学校3〜6年生向け」に加えて、4歳以下の「未就学児向け」の新しい年齢グループを追加する変更を今週行った

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YouTube Kids(8〜12歳向けグループ)

そして先週、同社は子供の安全に関するポリシーを拡張し、以前のようにただ制限するだけでなく、「子供たちとその家族を対象とした動画の中で、誤解を招くおそれのあるファミリーコンテンツ、例えば性的なテーマ、暴力、猥褻、または若い視聴者にふさわしくない成熟したテーマなどを含んだもの」はすべて削除する、とした。

YouTubeはキーワードとYouTubeアルゴリズムを使用して子供をターゲットにした多くの奇妙で不穏なビデオをホストした件で、2017年に激しく非難された

例えば、子供たちが人気漫画キャラクターのペッパピッグ(Peppa Pig)の動画を探すと、ペッパピッグが漂白剤を飲んだり、歯を乱暴に引き抜かれたりする動画が見つかったりしていた。実際、この種の問題は何年もの間続いていたが、YouTubeがやっと腰を上げて、ビデオに年齢制限をかけ状況に対処したのは、報道によって大きな注目が集まってからだった。また同社は一部の動画の収益化も遮断した

しかし、消費者保護団体が主張しているように、YouTubeのより大きな問題は、YouTubeが子供にとって不適切な可能性があるだけではなく、実際に法律に違反しているということなのだ。

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YouTube Kids(4歳以下向けグループ)

Campaign for a Commercial-Free Childhood(CCFC、商業主義に無縁な子供時代を実現する運動)や、Center for Digital Democracy (CDD、デジタル民主主義センター)といった組織は、FTCにYouTubeの調査を依頼している。同社が長年にわたって2500万人近くの米国の子供たちから個人情報を収集しており、また「非常に洗練されたマーケティング手法」の中で同社がそのデータを使っていると主張しているのだ。

グループは、YouTubeはその利用規約を盾に逃げていると主張している。利用規約はサイトが13歳以上向けのものであると述べているのにもかかわらず、若いユーザーがアクセスしないようにするための策をなにも講じていないからだ(そして、より若いユーザーがYouTubeにいることは明らかだ。結局それこそがYouTubeがコンテンツのサブセットを、まず自身のYouTube Kidsアプリへと分離できた理由なのだ)。

YouTube Kidsのウェブサイトの準備は整った。あとはFTCの公式裁定を待つだけだ。

ワシントン・ポストは、その裁定の詳細が確定し、数百万ドルの罰金が含まれていると指摘している。本日のPoliticoのレポートによれば、罰金は最大2億ドル(約210億円)になる可能性があると言われている。また、ブルームバーグによれば、YouTubeは子供向け動画のターゲット広告を終了するという。

しかし、新しいウェブサイトからリンクされているYouTubeの既存のYouTube Kidsプライバシーポリシーをみる限り、それはまだ実現されていない。

また、子供向けの安全なコンテンツが実際にYouTube.comから引き出されてYouTube Kidsだけに掲載されるかどうかも、まだわからない。

なぜYouTubeが、公式YouTubeブログではなく、YouTubeのヘルプフォーラム上で、メディアに警告することなく、子供向けコンテンツポリシーの変更、Kidsウェブサイトの事前発表、年齢フィルタへの変更、そしてウェブサイトのローンチのニュースなどを発表したのかは不明だ。

とはいえ、確かにYouTubeはそのユーザーにKidsプロダクトの存在を周知しようとしている。大きなポップアップバナーがYouTube.comを開くたびに表示され、それは子供を持たないユーザーをイライラさせている(なお訳者の使っている日本語版の環境ではこのポップアップバナーは現在表示されないようだ)。

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新しいKids Webサイト自体に関しては、報告することはそれほど多くない。コンテンツはアプリ同様に、「アニメ・ドラマ」「おんがく」「はっけん」「ゲーム」などのカテゴリに整理されている。親は、自分のパスコードを設定して、子供が設定に入ることができないようにできる。ただし、プロファイル、ホワイトリスト、タイマーといった、アプリにあるより高度な機能の一部がまだ欠落している。それらはおそらく時間をかけて展開されるだろう。

「私たちは子供たちが興味と好奇心を探求できるより安全な環境を作るために、YouTube Kidsを構築しました。同時に保護者の方には子供たちの体験をカスタマイズするためのツールをご用意しています。保護者の方々や専門家の皆さまからのフィードバックに基づいて、アプリの改善を続けています」とYouTubeは述べている

[原文へ]

(翻訳:sako)

YouTubeが子ども向け/子どもが登場する悪質ビデオの排除基準をより具体化

YouTubeは、Web上の最良のコンテンツと最悪のコンテンツのごった煮にようなサイトだが、これからは子ども向けビデオにおける虐待や間違いを厳しく取り締まる気だ。おふざけビデオや倫理的にいかがわしいビデオで子どもをターゲットにしたり、利用したりしている連中は、ビューを稼ぎお金を稼ぐことが難しくなるだろう。

子どもたちはYouTubeのアルゴリズムが提案/推薦するビデオをよく見ているから、一部のユウチューバーたちは自分のコンテンツをそういう子ども向けストリームに忍び込ませようとする。たとえば自作のビデオにPeppa Pigを登場させれば、YouTubeのアルゴリズムはそれを、フレンドリーな架空の動物が現れる子ども向けビデオだ、と認識する。するとそのPeppa Pigは、屠殺場へ連れて行かれるのだ。退屈しているティーンにとっては笑えるかもしれないが、スポンサーを失いかねないYouTubeの広告部門にとっては、嬉しくない。

子どもが登場するけど子ども向けでないコンテンツも、厄介だ。血だらけの真っ赤な口をした小さな女の子が二分間泣き続けるビデオに、なぜ1億5000万ものビューワーがいるのか、ぼくには理解できないが、理解したくもない。でも、自分の子どもが見るビデオのキュー〔自動再生〜次の動画、など〕にそれが入っていたら、嬉しい親はいないだろう。

この“上昇中のトレンド”と戦うためにGoogleは、子ども向けコンテンツにいくつかの制約を設けた:

  • コントロールの強化 こんな警告: “未成年者が登場するが、それがアップロード者の意図ではなかったとしても、子どもを危険にさらすおそれがある”…これは血だらけの口のケースだ。そして、“ファミリー向けのキャラクターが登場するが、テーマやユーモアは大人向けである”。

  • いかがわしい子ども向けビデオは広告料無払い Peppa Pigがハムになるビデオは広告料がもらえない。
  • 悪質なコメントの監視と排除 YouTubeのコメント欄は、Penny Arcadeに言わせると、“樽の底にまた樽があり、その樽の底にも樽があり〜〜、それらの樽の中には病気の鼠が大量にいて、腐った下水の中へ次々と飛び込んでいる”。登場(出演)している子どもに対する不適切で忌まわしいコメントのあるビデオは、コメントだけでなくビデオごと消去される。
  • コンテキストを正しく理解する たとえば、Rick & Mortyは漫画だから子どもが見てもよい、とは言えない。同様に、本来は子ども向けのDora the Explorerが、(なぜか?)セクシーなコスプレになっていたら教育コンテンツではないだろう。

以上、YouTubeは、“監視を手伝ってくれるエキスパートを増員し、また、悪質ビデオの報告協力者(Trusted Flaggers)の数も増やして”、 摘発を強化していく、と言っている。

これで親たちが自分の子どもに、屠殺のやり方を質問されたり、なぜバナナにハンモックが必要か聞かれたりすることが、なくなるといいけどね。〔banana hammcok, 男性用Tバック下着のこと〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa