Take-Twoがモバイルゲーム大手Zyngaを1.4兆円で買収、業界最大手の1社に

ゲーム界で巨大な統合が進行している。Take-Two Interactive(テイクツー・インタラクティブ)は米国時間1月10日、モバイルゲーム大手のZynga(ジンガ)の買収計画を発表した。1株あたり9.861ドル(約1135円)の取引で、3.50ドル(約403円)を現金で、、残り6.361ドル(約732円)をTake-Two普通株式で支払う。この取引でのZyngaの企業価値は127億ドル(約1兆4623億円)だ。

買収により、コンソールとPCゲーム(「Grand Theft Auto」などの代表的なタイトルを含む)のTake-Twoと、Zyngaが間違いなくその大部分を定義したジャンルであるモバイルゲーム(FarmVille、Empires & Puzzles[エンパイア&パズル: エンパズ]、Words with Friendsなどを手がけている)の巨大企業2社が合併することになる。

買収で(2021年9月30日までの)12カ月のプロフォーマ純利用額は61億ドル(約7024億円)となり、プラットフォームに関係なく全体で最大のゲーム会社の1つになるとTake-Twoは述べた。

取引は、株主および規制当局の承認を得て、2023年度第1四半期の完了が見込まれている。

Take-Twoの会長兼CEOであるStrauss Zelnick(ストラウス・ゼルニック)氏は「Zyngaとの変革的な取引を発表できることをうれしく思います。この取引により、当社のビジネスは大幅に多様化し、インタラクティブエンターテインメント業界で最も急速に成長しているモバイル分野で当社のリーダー的地位が確立されます」と声明文で述べた。「この戦略的統合により、当社の業界最高クラスのコンソールおよびPCフランチャイズと、イノベーションと創造性の豊かな歴史を持ち、市場をリードする多様なモバイルパブリッシングプラットフォームが一体となります。Zyngaはまた、非常に優秀で経験豊富なチームを抱えており、今後数カ月のうちに彼らをTake-Twoファミリーに迎え入れることを楽しみにしています。両社の補完的な事業を統合し、より大きな規模で運営することにより、買収完了後の最初の2年間で年1億ドル(約115億円)のコストシナジー、長期的には少なくとも年5億ドル(約575億円)の純利用額のチャンスなど、大きな価値を両社の株主に提供できると信じています」。

ZyngaのCEOであるFrank Gibeau(フランク・ギボー)氏は「Zyngaのモバイルと次世代プラットフォームにおける専門性、そしてTake-Twoの業界最高の能力と知的財産を組み合わせることで、ゲームを通じて世界をつなぐという我々のミッションをさらに推進し、ともに大きな成長とシナジーを達成することができます」と付け加えた。「2021年にZyngaの歴史の中でも最高のパフォーマンスを発揮し、力強い仕上がりを実現したチームの頑張りを誇りに思います。プレイヤーへの投資、クリエイティブな文化の増幅、株主へのより多くの価値の創出という当社のコミットメントを共有するTake-Twoというパートナーを見つけることができ、大変うれしく思っています。この変革を起こす取引で、より優れたゲームを創造し、より多くの人々にリーチし、ゲームの次の時代のリーダーとして大きな成長を遂げることができるよう、新たな旅を始めます」。

ゼルニック氏が合併会社を率い、ギボー氏とZyngaのパブリッシング担当社長Bernard Kim(バナード・キム)氏はより大きなモバイル事業(ZyngaとTake-Twoの既存のモバイル事業の統合を含む)を監督する。

他の多くの統合の動きと同様、今回の買収は相乗効果によるコスト削減を目的としている。Take-Twoは、買収により2年後には規模が大きくなった事業で年約1億ドルのコスト削減が可能になると述べた(まずは統合が行われる)。Take-Twoはすでに多くのモバイルゲームタイトルを有し、フランチャイズをモバイルに拡大してきたが、今回の買収によりこの分野での保有資産が大幅に増加することになる。

これは、Zyngaが長年にわたってどのように推移してきたかを考えると、重要なポイントだ。Zyngaは、上場時に株価が大きく上昇して以来、少しジェットコースターのような状態が続いており、2021年は株価が下落したため、買収のターゲットになっていた。

今回の動きは、ある種の時代の終わりを告げるものでもある。ちょうどサンフランシスコ市がシリコンバレーとは別のテックハブとして地位を確立しつつあった頃、サンフランシスコのSOMA地区を拠点とするスタートアップとして、Zyngaはモバイルゲームの機会をいち早く発見し、拡大させてきた。

当初は、Facebook(フェイスブック)のソーシャルグラフ経由でソーシャルゲームの巨大企業として大きな牽引力を持っていたが、それが迷惑でスパム的なものになると、Facebookがルールを変更し、Zyngaのオーディエンス供給を停止させた。より一般的には、モバイルゲーム市場は消費者の嗜好や利用状況がより不安定であることが分かっており、Zyngaの成功の多くは、人気が衰えたタイトルに代わる次の注目タイトルやフランチャイズを見つける(そして時には買収する)ことで成り立ってきた(最近の大きな買収の1つは、2020年のToon BlastとToy Blastですでに人気を確立していたトルコのPeak Gamesの18億ドル[約2070億円]での買収だ)。

Red Dead Redemption(レッド・デッド・リデンプション)、Midnight Club、NBA 2K、BioShock、Borderlands、Civilization(シヴィライゼーション)、Mafia、Kerbal Space Programを展開するTake-Twoとの統合により、新しいモバイルゲーム体験を構築するためのフランチャイズやIPの大規模ライブラリを手に入れることができる。同様に、ZyngaのIPは今後、さまざまなフォーマットやシーンで新たな牽引を得ることができるかもしれない。

興味深いのは、この大企業が市場全体との関わり方を考えるのに拡大したコンテンツIPを活用するかどうか、またはどのように活用するかだ。最近ではTwitch(ツイッチ)やDiscord(ディスコード)など、人々が集まってゲームについて議論したり、交流を深めたりするプラットフォーム上で、ゲームに関する多くのアクションが起きている。

ゲーム市場は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックをきっかけに「勝ち組」の1つとして、ここ数年で大きな注目を集めてきた。モバイルゲーム業界全体の利用総額は2021年に1360億ドル(約15兆6556億円)で、現在8%で成長しているという数字をTake-Twoは引用した。そしてモバイルが同社の利用総額の半分を占めるようになる、と述べた。

画像クレジット:Zynga

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

モバイルゲームの巨人ZyngaのCEOが広告危機への対応とブロックチェーンゲーミング部門について語る

ウォール街と自身のガイダンスを上回る実績を上げたZynga(ジンガ)は、第3四半期決算で売上7億500万ドル(約804億円)、前年同期比40%を記録し、月間アクティブユーザー数1億8300万人、前年同期比120%増でモバイルユーザー数は過去最大に達した。

第2四半期にはApple(アップル)のプライバシーポリシー変更の深刻な影響を受け、8月5日から11月4日の間に持ち株の30%を売却するという劇的な出来事があったにも関わらず、予測を超えるユーザー数を獲得し、好調のうちに年を終える見込みが立ったことを伝える米国時間11月10日のニュースを受け、Zyngaの株価は急騰した。

ZyngaのCEOであるFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏(画像クレジット:Zynga)

TechCrunchはZyngaのCEOであるFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏をインタビューし、モバイルゲームの巨人がどうやって広告危機を乗り越えながら、クロスプラットフォームの拡大とブロックチェーンへの進出という転換ができているのかを尋ねた。

嵐を乗り切る

4月26日、Apple(アップル)はIDFA(広告識別子)を変更し、デベロッパーにATT(アプリ追跡透明性)ツールを使ってユーザーがiOSアプリを横断して追跡されることからオプトアウトできるようにすることを要求し、モバイル広告エコシステムを震撼させた。ロックダウン中に獲得した新規ユーザーは、パンデミックによる制約が解除されると一気に離脱し、獲得コストは急増した。企業は次々と15~20%の売上減少を報告し始めた、とConsumer Acquisitionは伝えている。中でも最も影響が大きかったのが、Snapchat(スナップチャット)のような広告プラットフォームや広告主のPeloton(ペロトン)、広告プラットフォームでも広告主でもあるZyngaなどだ。

「2021年の中間点は大変でした」とジボー氏がTechCrunchに語った。「当社はIDFAと大きな再開需要の問題の重なりから最初に立ち直った企業の1つです。進路を正すために、広告出費を抑え、新しいツールと技術の実験を開始して、9月には平常状態に戻りはじめました」。

ジボー氏は、「FarmVille 3」の公開を成長速度が回復するまで待ったことを話し、11月4日の発売後、この新作ゲームがiPadとiPhoneのApp Storeでそれぞれ第1位と第2位になったことを大いに喜んでいた。

「最悪の状態を脱したことを実感し、第4四半期に向けて新規ゲームへの投資を拡大できることを喜んでいます。この時期を乗り越えるための鍵は、当社のファーストパーティーデータ(自社で収集したデータ)をChartboost(チャートブースト)プラットフォームでどう使うかです」と、Zyngaが2021年買収した広告ネットワークに言及した。

「プレイヤーが当社のゲームにやってきた時に起きることやプレイしたイベント、当社の既存サービスで広告主が何をしているかなどに関して、私たちは大量のデータを持っています。ファーストパーティーデータを活用することで、会社にとって有益なリターンやオークションを予測するためのモデルを構築することができます」と同氏は語った。

Zyngaは、Unity(ユニティ)、Google(グーグル)、Iron Source(アイアンソース)とも提携して、プレイヤーをターゲットするよりよい方法を見つけようとしている。

「この問題には多くの賢い人が取り組んでいます。これはどちらかというと時間の問題で、答えがないわけではありません。長期的に見て、Appleは健全な広告市場を支える有効なプラットフォームを作ると同時に、プレイヤーのプライバシーを守ろうとしているので、私たちは喜んで協力しています」と同氏は語った。

ハイパーカジュアルを使いこなす

Zyngaのビジネスの80%はサブスクリプションとアプリ内購入の少額決済だが、売上の5分の1は広告によるものだ。ハイパーカジュアルゲームと呼ばれる、シンプルなインターフェースで通常30秒以内にプレイが終わるゲームの人気が広告を支えている。

第3四半期、Zyngaは広告売上を前年同期の2倍近くに伸ばした、とジボー氏はいう。この成功に寄与したのは、Zyngaが1年前に買収したトルコ拠点のゲームメーカーRollic(ロリック)で、Zyngaが同カテゴリーのトップ3パブリッシャーになるきっかけとなった。

「アプリストアのインストール数を見ると、ハイパーカジュアルは最大のカテゴリーです。非常に安上がりのゲームで膨大なオーディエンスにリーチできるので、広告を主要な収益方法として利用しています。当社にとって非常に実入りの良い分野であり、私たちのネットワークにユーザーを誘う理想的な入口です。このネットワークは、2022年以降に当社の成長を支える大規模なパブリッショングと広告のプラットフォームを作るという私たちの野心的計画につながっています」とジボー氏は言った。

すべての道はメタバースに続く

Zyngaが次にリリースする大型ゲームは、「Star Wars:Hunters」で、Androidの一部市場で2021年11月中旬に限定公開し、iOSとSwitchで2022年にテストを開始するとジボー氏はいう。これは同社にとってゲーム専用機で動く最初のクロスプラットフォームゲームであり、「Farmville 3」は、macOSで公開された最初のクロスプラットフォームゲームだった。

ジボー氏は、Zyngaのモバイルゲームを他のプラットフォームでプレイできるようにすることへの関心について話した。

「FarmVilleファンとStar Warsファンはどこにでもいるので、プラットフォーム無依存にして私たちの体験をできるだけ多くの場所に提供するのは至極当然のことです」と彼はいう。「結局私たちは、ゲームは1人より一緒にプレイするほうが楽しいと信じているソーシャルゲーム会社です。だから、革新を起こして新しいことを試すことは会社カルチャーの一部なのです」。

2020年以来、ZyngaはSnapchatGoogle Nest、およびAmazon Alexaでゲームを提供してきた。そしてつい最近、TikTokで同社初のゲーム、Disco Loco 3Dを公開した。これは無料でプレイできる音楽とダンスのチャレンジだ。

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「ゲーミングの世界では、次のプラットフォームを逃すと窮地に追い込まれます。そこで失敗すると、非常に痛い目にあいます。だから、さまざまなソーシャルプラットフォーム向けに体験を開発して、チャンスがあるかどうかを見ることは非常に重要だと思いました。Snapchatとの提携では、彼らのエコシステムでゲーミングの存在を大きくするに方法を協力して考え、いくつか良い結果を得ていますが、まだ始まったばかりです」とジボー氏はいい、それらのゲームは概念証明が目的であり収益を生むためではないことを強調した。

Netflix Gaming(ネットフリックス・ゲーミング)は11月2日に公開され、Zyngaの元最高クリエイティブ責任者であるMike Verdu(マイク・バードゥ)氏が指揮をとった、とジボー氏は語った。「Netflixにとって、このビジネスのサブスクリプション部分にどうアプローチしたいのか、ユーザーはゲームをどのような操作するのかなど、検討すべきことがまだたくさんあるので、彼らがサードパーティーコンテンツを受け入れる準備ができているのかどうか私にはわかりませんが、将来どこかの時点で話をするのはとても有意義だと思います」。

さらにジボー氏はこう付け加えた「それがNetflixでもRobloxでもEpicでもValveでも、そこにプラットフォームがあり、私たちのコンテンツがそこにあって聴衆に届けることが理に適っているなら、私たちは間違いなく追究していきます」。

しかし、おそらくZyngaにとって今後最大の冒険は、元EA(エレクトロニック・アーツ)幹部のMatt Wolf(マット・ウルフ)氏を新設のブロックチェーンゲーミング部門の責任者として迎えたことにかかっている。NFT(非代替性トークン)の狂乱がゲーミング業界に吹き荒れ、ブロックチェーンのスタートアップ、Mythical Games(ミシカル・ゲームズ)やAnimoca(アモニカ)やForte(フォーテ)の評価額は過去数カ月で10億ドル(約1140億円)に達し、デベロッパーがゲームを横断して使える永久収集アイテムを作る後押しをした。

「この分野には多くの資金と人材が流れ込んでいます」とジボー氏は言い、決断のタイミングを説明した。「当社のファンダーで会長のMark Pincus(マーク・ピンカス)氏と、長年取締役を務めているBing Gordon(ビン・ゴードン)氏がこの分野に非常に熱心なので、ブロックチェーンは長期的にゲーミングの一部になると私たちは信じています。

ウルフ氏が現在最適な道筋を見極めるための専門部隊を立ち上げているところで、FarmVilleで農場を所有することでエンゲージメントや定着率が向上するかどうかなどを調べる予定だとジボー氏は語った。

「私たちはZyngaのスピードで動くつもりなので、数カ月のうちには何かをお見せできると思います」と同氏は語る。

画像クレジット:Zynga

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(文:Martine Paris、翻訳:Nob Takahashi / facebook

TikTokがモバイルゲームに挑戦、まずはZyngaとの提携で

TikTok(ティクトック)は手始めに、モバイルゲーム大手のZynga(ジンガ)と提携してゲームの実験を行う。Zyngaは米国時間11月8日、HTML5ベースの新しいゲーム「Disco Loco 3D」をTikTokプラットフォーム向けに展開する計画を発表した。このカジュアルゲームはプレイヤー1人のエンドレスランナーで、プレイヤーは友達に挑戦しながら自分のダンスを集め、障害物を避け、メダルを集めながらキャットウォークを歩くというものだ。Zyngaの「High Heels」に似ている。TikTokは、このゲームはアプリ内でのゲームに対するユーザーの一般的な関心を測るためのものだとしているが、他のゲームメーカーとの協議がすでに進行中であることを認めた。

HTML5ベースのモバイルゲームは、世界中の多くのユーザーにリーチするための一般的な方法となっている。特に、消費者が高価格帯の携帯電話を所有していなかったり、高速データプランを購入できなかったりする新興市場のユーザーに人気がある。例えば、Google(グーグル)は、HTML5ベースのゲームプラットフォームGameSnacksを立ち上げ、インド、インドネシア、ナイジェリア、ケニアなどの市場においてGoogle Chromeの新しいタブページで2021年展開した

しかしテック業界を見渡すと、ユーザーが娯楽や社交の場として利用するプラットフォームと、ゲーム専用のプラットフォームを結びつける動きが広がっている。Facebook(フェイスブック)は2020年、ウェブとAndroidでFacebook Gamingを立ち上げてクラウドゲーミングに参入した。また、Netflix(ネットフリックス)は、ゲームをエンターテインメントにおける新しい部門だと考えている、と述べ、世界中のユーザーに向けに独自のゲームサービスをAndroidで開始し、11月9日にはiOSでも提供を始めた。

そしていま、TikTokもそのコンセプトを模索することを大っぴらにしている。

Zyngaとの提携により、TikTokのコミュニティがどのようにゲームに関わっているかをより深く理解できるようになる、とTikTokは話す。同社は現在、カジュアルゲーマーとハードコアゲーマーを含むゲームファンを虜にしているが、こうしたユーザーが今回のようなゲーム統合に反応するかどうかはわからない、と指摘する。

ただし、これはTikTokにとって初めてのゲームではない。同社は2021年初め、非営利団体Feeding Americaとの提携で、チャリティ募金のための独自ゲーム「Garden of Good」を立ち上げた。これは、ゲームへのユーザーの関心に関する初期データをTikTokに提供したかもしれないが、ゲーム自体は異なるタイプの体験だった。このゲームでは、TikTokユーザーが自分の庭の手入れをしたり、ゲームをしている友人をサポートしたりする。そして、庭が成長すると、TikTokのポイントを使ってFeed Americaに寄付をすることができる。

統合するZyngaのものは昔ながらのゲームだが、現在は収益化されていないとTikTokは指摘する。例えば、アプリ内課金やゲーム収益に対する売上シェアなどはない。当面はTikTokユーザーのゲームに対する欲求を測ることに焦点を当てている。

@zynga

Disco Loco 3D is coming!

♬ original sound – Zynga

Zyngaとしては、TikTokを膨大なリーチを通じて新たなオーディエンスを獲得できるプラットフォームだと捉えているという。

「Zyngaは、プラットフォームのユニークなユーザー体験を活用してゲームを制作するという豊かな経験を持っており、いつでもどこでもエンターテインメントを得られる、プレイヤーの心に響く新鮮で楽しいコンセプトを提供しています」と同社の出版担当プレジデントBernard Kim(バーナード・キム)氏は声明でで述べた。

Disco Loco 3Dは現在TikTokでは配信されていないが、今後数週間内にiOSとAndroidの両方で北米市場で展開される予定だ。

Zyngaとの提携はおそらく、TikTokがモバイルゲームに関する広範な調査を行って生まれた最初のものだ。TikTokはTechCrunchに対し、他のゲームパートナーとも同様の契約について協議中だが現時点では詳細を発表できない、と話した。

今回のゲームのニュースはZyngaの第3四半期決算と同時に発表された。同社の売上高は前年同期比40%増の7億500万ドル(約803億円)、ブッキングは同6%増の6億6800万ドル(約761億円)だった。また、同社はブロックチェーンゲーム事業の責任者として、Coca-Colaの元幹部Matthew Wolf(マシュー・ウルフ)氏を採用したことも明らかにした。

画像クレジット:Zynga

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

ZyngaとRollicがハイパーカジュアルゲームメーカーUncosoftを買収

Zynga(ジンガ)は2020年にハイパーカジュアルゲームメーカーRollic(ロリック)を買収した。現在RollicはZyngaの子会社であり、そして4月29日、RollicはUncosoft(アンコソフト)という別のゲームスタジオの買収を発表した。

Rollicと同じく、Uncosoftもハイパーカジュアルなゲームを開発し、トルコ拠点の会社だ(Rollicの場合イスタンブールで、Uncosoftはイズミルだ)。実際、RollicはすでにいくつかのUncosoftのゲームを公開していて、その中で最も知られているのはHigh Heelsだ。High Heelsではプレイヤーは馬鹿げているハイヒールで障害のあるコースに挑む。同社はHigh Heelsが1月の提供開始以来、6000万回超ダウンロードされたと話した。同ゲームは「App Storeチャートのトップに風変わりな喜び」をもたらしたとして称賛されした。

Rollicの共同創業者でCEOのBurak Vardal(ブラク・ヴァルダル)氏は、ハイパーカジュアルゲーム事業に携わっていると、「常に製品指向のチームを探す」と筆者に語った。これはヴァルダル氏がUncosoftのチームに見出したものに感銘を受け、「High Heelsのような新しいタイトル」をうまく制作できると自信を得た、というふうに聞こえる。

「開発スタジオ、そしてパブリッシャーとして共にゲームを制作することで、合併した会社のようにすでに機能し始めています」とヴァルダル氏は述べた。「1日中ゲームデザインについて議論し、戦略を共有し、そして企業がどのように事業を展開するか、創業者はどうなのか、アートのチームはどういう状況なのか、といったことを意図せずに学び始めます」

一方、UncosoftのCEO、Edip Enes Çakır(エディップ・エネス・チャクル)氏は、2つのチームがここ数年協業する中で「前例のない調和」があり、「グローバルなゲームを制作するという当社のカルチャーとビジョンは、RollicとZyngaの専門的ノウハウでもって増大します」と声明文で述べた。

Rollicは実際には、Zyngaのイスタンブールにおける4つめの買収で、イスタンブールやトルコがハブのようになっているのは明らかだ。ヴァルダル氏はRollicがトルコ外にもパートナーを抱えていると指摘したが、トルコが学生の多さゆえにハイパーカジュアルゲームで特に成功していると示唆した。

同氏はまた、他のハイパーカジュアルなゲームも続いて成功するようHigh Heelsが道を示した、との考えも示した。つまり、TikTokだ。

「ゲームのアニメーションとキャラクターメカニックは、我々がTikTokできるもの、と呼んでいます」と同氏は話した。「Z世代に大きなインパクトがあり、TikTokでかなりのオーガニックなリーチがありました。新世代はエコシステムを養うコンテンツを求めています」

買収の取引条件は明らかにされなかった。

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画像クレジット: Rollic

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(文:Anthony Ha、翻訳:Nariko Mizoguchi

ZyngaがRPGゲーム分野に拡大を目指し「Torchlight III」のEchtra Gamesを買収

ソーシャルゲーム会社のZynga(ジンガ)は、ここ数年、特にモバイルとカジュアルパズルゲームでの活動を強化するために、30億ドル(約3210億円)以上を費やしてヨーロッパ(特にトルコとフィンランド)のさまざまなスタートアップ企業を買収してきた。しかし同社は米国時間3月3日、より没入型の、高度なグラフィックのクロスプラットフォーム体験へと方向転換し新たな展開を見せた。同社は、Steam、XBox One、PS4、Nintendo Switchで発売されている「Torchlight III(トーチライトIII)」を手がけたアクションRPGパブリッシャーであるサンフランシスコのEchtra Gamesを買収すると発表した。

Echtraのチームは、ZyngaのNaturalMotionスタジオと提携して新作タイトルのリリースに取り組むとのこと。それ以外の詳細は今のところ発表されていない。

取引の財務条件は非公開となっており、また、誰がEchtraを支援したのか、誰かに支援されたのかは明らかにされていない。

しかし、Echtraはある意味、冷酷に計算された金儲けではなく、情熱的なアイデアから構築されたゲームスタートアップの古典的な例であり、おそらく持つとすれば最高の類の会社だろう。

共同設立者兼CEOであるMax Schaefer(マックス・シェーファー)氏は以前「Torchlight(トーチライト)」オリジナルシリーズの開発者であるRunic Gamesに在籍し、またアクションRPGの金字塔「Diablo(ディアブロ)」などの開発者でもあった。Runicはその親会社であるPerfect Worldによって閉鎖されたため「Torchlight」フランチャイズにはまだ命が残っていると感じたシェーファー氏は、2016年にRunicの同僚や業界の他の開発者とともに、新会社Echtraを設立することにした。

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しかしそれは、Echtraが期待していたようにはうまくいかなかった。ゲームが早期アクセスを終了して一般に発売された後、新作はまちまちな評価だったゲームのデザイン、そしてバグに対する批判も見られた。

買収後の計画は、潜在的にはフランチャイズを構築し続けるためにEchtraのチームと専門知識を導入するということだが、より一般的には、Zyngaがクロスプラットフォームのゲームでフットプリントを拡大すること、またゲーム技術、特にRPGや他の没入型アプリケーションのためのプラットフォームとして現時点で最も使われているUnreal Engineで構築されたツールの面でZyngaを支援することになる。

ZyngaのCEOであるFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏は声明でこう述べた。「Echtra Gamesのマックスと彼のチームは、これまでに作られた最も伝説的なゲームのいくつかを担当した経験があり、アクションRPGジャンルとクロスプラットフォーム開発の専門家です。Echtra GamesチームをZyngaファミリーに迎え入れることに興奮しています。この買収は、モバイルからPCおよびコンソールまで、当社の象徴的なライセンスおよびブランドを成長させ、Zyngaがリーチできる市場をさらに拡大するのに役立ってくれることでしょう」。

「Echtra GamesはZyngaファミリーに加われることをうれしく思います」とシェーファー氏は付け加えた。「我々は、クロスプラットフォームでのプレイがRPGとインタラクティブエンターテインメントの未来に不可欠であるというZyngaのビジョンを共有しており、この取り組みに我々の幅広い経験と能力を生かすことを楽しみにしています」。

パンデミックのせいで屋内や自宅で過ごす時間が増えているのだから当然といえば当然だが、ゲーム業界は、2020年の明るい場所の1つとなった。Zyngaは、その結果として、2021年2月発表された第4四半期の売上がアナリストの予想を上回ったことも含め、最近絶好調だ。その収益は6億1600万ドル(約659億円)で、四半期としては過去最高となっている。買収は最近の同社の戦略の主要な部分であると、ジボー氏は当時語っていた。

モバイル以外の、より没入型のRPGタイトルを目指すことは、野心的でより高額になる可能性がある事業であり、トルコのRollicの過半数株式を2億2800万ドル(約244億円)で、Peakを21億ドル(約2248億円)で、Small Giant Gamesの80%を7億1800万ドル(約768億円)で、そしてGram Gamesを2億9900万ドル(約320億円)で買収してきた近年の同社の買収とは方向性が目立って異なっている。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Zynga買収

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Aya Nakazato)

ソーシャルゲームZyngaのCEOがさらなる買収計画を語る

Zynga(ジンガ)がなぜ、2020年の終わりに8億7500万ドル(約915億2000万円)の転換社債を発行したのか不思議に思っている人へ。会社はさらに買収するための「軍資金」を蓄えているところだとCEOのFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏は語った。

「ご存知のとおり、最近の当社は業界のコンソリデーター(混載業者)であり、今後もすばらしい会社、すばらしいカルチャー、すばらしいチームをZyngaに迎えるべく、攻めの姿勢を続けていきます」とジボー氏は私に語った。

2020年だけで、Zyngaはトルコ、イスタンブール拠点のゲーム会社を2つ、Peak Gamesを18億ドル(約1882億8000万円)で、Rollicを1億8000万ドル(約188億3000万円)でそれぞれ買収した(後者については当初会社の80%だけを買収した)。

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「私たちにはこれまでに4、5つの成功例があります」とジボー氏はいう。「会社をスタートした時、私たちの電話に誰も答えませんでした。今連絡すると、多くのデベロッパーにとって私たちが目的地の1つとなっていると感じます」。

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ジボー氏と私は、Zyngaの第4四半期決算について話した。同社は史上最高の売上6億1600万ドル(約644億2000万円)と純損失5300万ドル(約55億4000万円。ただし、もう1つの利益の基準である調整後EBITDAでは、9000万ドル[約94億1000万円]のプラスだった)を計上した。1日あたりアクティブユーザーは対前年比77%増の3600万人、月間アクティブユーザーは103%増の1億3400人だった。

将来に向けてZyngaは、2021年の売上を26億ドル(約2719億4000万円。対前年比32%増)、調整後EBITDA4億5000万ドル(約470億7000万円)と予測している。今後の買収によって事業が大幅に成長する可能性があるものの、同社の予測は「買収を仮定していない」とジボー氏は述べ、「私たちは有利な位置にいる、なぜなら2021年に買収を行おうと考えているが、交渉の必要はないからだ」とつけ加えた。

2021年には新しいゲームが揃っている。「Puzzle Combat」「Farmville 3」「Star Wars(スター・ウォーズ)」などだ。さらに同社はハイパーカジュアルなゲームの開発を続けていく他、クロスプラットフォームゲームを開発して海外への拡大、および広告ネットワークの構築も続ける計画だ。ちなみに、近く実施されるApple(アップル)のプライバシー規則変更はZyngaにとって追い風であることを同氏は示唆した。

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「伝統的なマーケティングサービスの多くは、うまく生き残ることが難しいでしょう」とジボー氏はいう。「私たちは第1者データ企業(生み出すデータすべてが自分たちのゲームによるサービスから来る)であり、規模も大きいので【略】IDFA(広告主識別子)は我が社にとってチャンスなのです」。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Zynga買収

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Anthony Ha、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ソーシャルゲームのZyngaの第3四半期は過去最高の売上高、しかしユーザー数増加も約127億円の赤字

Zynga(ジンガ)の最新の四半期決算報告書によると、第3四半期の売上高が過去最高となる前年同期比46%増の5億300万ドル(約525億円)に達した。ブッキングは同59%増の6億2800万ドル(約655億円)だった。また、モバイルアクティブユーザー(3100万人)と月間アクティブユーザー(8300万人)もこの6年間で最多となった。

しかしすべてがバラ色だったわけではない。同社は第3四半期に1億2200万ドル(約127億円)の赤字となった。純利益は2億3000万ドル(約240億円)だったが、ただしこれはサンフランシスコのZyngaのビル売却によるものだ。米国東部時間11月4日午後4時44分時点のZyngaの株価は時間外取引で4.9%下げた。

決算が発表される前、CEOのFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏は、パンデミックにより春と初夏に使用は「大きく伸びた」ため成長は順当なものとなったが、「エンゲージメント、収益化ともに依然として増えています。モバイルゲーミングを初めて体験した人が戻ってきて利用を続けています」と筆者に語った。

同社は第4四半期の売上高は55%増の5億7000万ドル(約595億円)との予想を示した。ジボー氏は、新しいモバイル端末が出回っていること、結果として「多くの人が店に足を運んでギフトを買うことができない」ソーシャルディスタンシングとロックダウンで、モバイルゲーミングに大きな恩恵がもたらされかもしれない「デジタルホリデー」を指摘した。

第3四半期中にZyngaはまた、イスタンブール拠点のハイパーカジュアルゲーム開発会社Rollic(ロリック)の買収をクローズした。チームは「運用の観点から現時点では完全に統合される」が、Zyngaは次の四半期までRollicをユーザー数に含めない、とジボー氏は述べた。

そして「次なるM&Aに向けて準備万端です」と付け加えた。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Zynga決算発表

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(翻訳:Mizoguchi

Zyngaが超カジュアルゲームメーカーRollicの買収を完了、CEOはさらなる買収に意欲的

ソーシャルゲーム会社のZynga(ジンガ)は、この8月に、イスタンブールのRollic(ロリック)を買収すること(Venture Beat記事)を表明していた。Rollicは、ヒット作である「Go Knots 3D(ゴー・ノット3D)」や「Tangle Master 3D(タングル・マスター3D)」などの超カジュアルゲームを開発し展開している企業だ。そして米国時間10月2日、同社はその買収が完了したことを発表した。

はっきりさせておくと、ZyngaはRollicを、まだ完全には所有していない。その代わりに、ZyngaはRollicの80%を約1億8000万ドル(約189億6000万円)の現金で購入し、残りの20%を今後3年間で支払う予定だ。

取引の完了を見越して、CEOのFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏は、これがZyngaにとって超カジュアルゲームの世界への最初のステップであると語った。超カジュアルゲームとは、ゲームタイトルたちが示すように、プレイヤーがナイフを投げたり、結び目を解くといった、簡単なプレイをすることを前提としたゲームだ。

ジボー氏は、Rollicがこの分野で成功していると主張したが「最初の3年間は、誰もがそれを一時的な流行と呼んでいた」のである。彼は、何百人もの開発者のネットワークを組織することによって、ゲームを猛烈な速さでリリースするRollicの開発プロセスに特に感銘を受けたのだ。

「彼らはすでに、ある程度の規模と速さを持っていて、新しいことにもすぐに全力で取り組んでいましたが、それでも私たちと組むことでさらにすばやく成長することができると考えたのです」とジボー氏はいう。

彼はまた、オーディエンスの規模にも感銘を受けていた。統合後の会社は、月間アクティブユーザー数が合計1億6000万人に達するようだが、そのうち6500万人がRollicからのものだ。そしてジボー氏が指摘したように、アプリ開発者にユーザーがトラッキングをオプトアウトするできるようにすることを要求することにな、Apple(アップル)が検討している変更の後には、広告トラッキングなしで多数のユーザーにリーチし、ユーザーたちをマネタイズする能力がさらに重要になってくるだろう。

これは、Zyngaによるイスタンブールでの4回目の買収だ。実際、Rollicとの契約のわずか数カ月前に、同社はPeak Games(ピーク・ゲームス)に18億ドル(約1895億9000万円)を支払っている(未訳記事)。移動や対面での作業が限られている中で、新しいチームを迎え入れるのは難しくないかと質問されたジボー氏は、「対面時間ではなく、多くのZoom時間ズーム時間を必要としています」と答えた。

さらに彼は「この点について良かったことは、もちろん現在は明らかにとても悲劇的な状況で、在宅勤務環境は多くの点で大きなマイナスではありますが、ゲーム会社にとっては、状況はかなり良いことです。ですよね?この環境の中でも、ゲームを開発することはできます」。

ジボー氏はまた、同社はさらに多くの買収を行うことに関心があると語ったが、その戦略は「単に評価額を上げるためではありません」と述べた。Zyngaは、Facebook(フェイスブック)ゲームの波に最初に乗って以来、浮き沈みはあったものの、ジボー氏は同社が、最近の四半期(Venture Beat記事)で目覚ましい収益成長を遂げ、期待を上回ったと述べた。

「私たちにはまだ証明すべきことがたくさんあると思います」と彼はいう。

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カテゴリー:ゲーム / eSports

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画像クレジット:Zynga

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(翻訳:sako)