昔ながらの井戸端会議をネットで再現、MAU100万人超えたマチマチが新たに1.6億円調達

地域限定型SNS「マチマチ」を提供するマチマチは2月6日、横浜キャピタル、FFGベンチャービジネスパートナーズ、OKBキャピタル、ヘイ代表取締役の佐藤裕介氏、Connehito代表取締役の大湯俊介氏らから1億6000万円を調達した(シリーズA)。また、同時に神奈川県川崎市との協定締結および連携開始も発表した。

日本には古くから「井戸端会議」という言葉がある。かつての長屋に住んでいた人々が共同井戸の周りに集まり、世間話や噂話をする様子を表す言葉だ。現代でも、ゴミ出しのついでにマンションのエントランスなどで話し合い、「あそこのお店がおいしい」「どこどこの公園に不審者がでたらしい」なんていう世間話をするシーンをドラマなどでよく目にする。

でも、特に都心部ではそのような近所の人々との関係性は希薄になりつつあると思う。その理由ははっきりとは分からないが、少なくとも僕が住むアパートでは住民同士が話合うところを見たことはないし、僕自身も隣に住んでいる人の顔さえ知らない状況だ。

とは言え、自分が住む地域に関する情報は知りたいと思うし、特に小さな子どもを持つ家庭にとっては近所の防犯・防災情報はとても重要なもの。そういった昔ながらの井戸端会議をインターネットのちからで復活させようと奮闘するのが、マチマチだ。

同サービスに参加するために、ユーザーはSNSによる認証と実名登録が必要になる。そのようにして集まった半径800メートルほどの「ご近所さん」同士が、地域のおすすめ店やイベント情報、防犯・防災情報などを交換する。

最近ではお店のレビューや施設の場所をスマホで簡単に検索することができるようになったけれど、その地域に実際に住んでいる人からのレビューや情報は、特に信頼できる情報ソースになりうる。マチマチ代表取締役の六人部生馬氏によれば、ユーザーの70%が20〜40代の女性で、25%ほどが50〜60代の中高年世代。そういった人たちが、その地域に住んでいるからこそ得られるリアルで濃い情報をやり取りしているのだ。

マチマチは2016年3月にサービス提供開始。同年6月には6000万円のシード資金調達とともに事業を本格的にスタートさせ、2017年11月には1億7000万円を追加調達した。現在、サービス全体の月間アクティブユーザー(MAU)は100万人を超え、渋谷区だけでもMAU2万人と、特に都心部では順調にコミュニティが形成されつつある。また、同社は自治体と連携してサービス提供地域を徐々に拡大。現在では、都内8区のほかに兵庫県神戸市や本日発表されたばかりの神奈川県川崎市など、自治体との連携数は16にまで拡大した。

「マチマチが本当の意味で地域のインフラになるためには、3000〜4000万人のMAUは最低限必要。まずは、今後1、2年間でMAU1000万人の達成を目指す」(六人部氏)

今回の資金調達ラウンドに参加した投資家にも注目だ。投資家リストには横浜キャピタルやFFGベンチャービジネスパートナーズなど地銀系のVCが並んでいる。地域に住む人々との関係値を高く保ちたい地銀とマチマチはとても相性がよく、「地域の活性化を求める地銀とマチマチの目標がうまく一致した。地銀が取引する企業の採用活動などにもマチマチを活用できるだろう」(六人部氏)。

また、同社は2018年12月からマチマチ内での広告配信機能をテストリリース。今後は地域のビジネスがそこに住む人々をターゲットにした密度の濃い広告を打つことも可能になった。月間MAUが100万人を超え、新たに1億7000万円を調達したマチマチは、さらなるビジネス拡大のためにマネタイズを検討するフェーズへと駒を進めた。

投稿者:

TechCrunch Japan

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