「ストリーミング戦争」の正体:Disney、Netflix、Amazon、Appleなど各社徹底解説

編集部注:本稿は米国スタートアップやテクノロジー、ビジネスに関する話題を解説するPodcast「Off Topic」が投稿したnote記事の転載だ。

自己紹介

こんにちは、宮武(@tmiyatake1)です。普段は、LAにあるスタートアップでCOOをしています。これまでは、日本のVCで米国を拠点にキャピタリストとして働いてきました。普段は、Off Topicのポッドキャストでも発信してますが、前回の記事が好評だったので、今回は「ストリーミングサービス事情」について記事にしてみました。

はじめに

2019年から2020年にかけて多くのプレイヤーが参入してくるストリーミング事業。Netflix、Amazon、HBO、Huluなどプレイヤーがいるなか、昨年11月にはDisney+、さらにAppleがApple TV+も登場。2020年はHBO Max、NBCUniversalが自社ストリーミングサービスのリリースを予定しており、元Disney会長のJeffery Katzenbergが始めた「Quibi」もリリース予定と、競合がかなり増えている。

このストリーミング戦争のポイントは、Netflix以外のプレイヤーはコンテンツやストリーミングでマネタイズする気がなく、ストリーミングはただ一つのユーザー獲得・ロイヤリティーチャネルでしかないことだ。利益率がより高い各社エコシステムへ導く戦争となっている。

これをDisney+が一番上手にやっているため、まずはDisney+の話から紹介し、続いて他社プレイヤー(Amazon Prime、Apple TV+、HBO Max)、最後にNetflixの状況について紹介していきたい。

TLDR

まずは、各プレイヤーと全体の流れのポイントをまとめると:

・「ストリーミング戦争」は存在しない。ストリーミングをきっかけに各社(Netflix以外)はユーザーを自社エコシステムに入れて別でマネタイズしている
・現段階では、Disney+とこれからリリースされるHBO Maxがパワープレイヤーに見える
・Netflixは5〜10年後には無くなっているかもしれないが、グローバルでは優位性はまだある
・Netflix/Spotifyのようなピュアプレーは厳しいビジネスになるかもしれない

Disney+(ディズニー・プラス)とは

Disney+(ディズニー・プラス)はDisneyの自社ストリーミングサービスで、Disney、Pixar、Marvel、Star WarsなどDisneyの作品を月額課金で見放題のストリーミングサービス。

価格は月額7ドルだが、3年契約は月額4ドル。Verizon利用ユーザーは1年間無料。競合のNetflixの月額13ドル(一番人気プランが)と高く感じる。

Disneyが大きなリスクをとってストリーミングを始めた理由は?

Disneyは「世界のトップメディア企業」といっても過言ではない。過去10年のDisneyの実績を振り返ると:

・$1B以上の売上を達成した映画を25作(他社を合計して13作)
・$2B以上の売上を達成した映画を3作(他社は0作)
・歴代最高売上の映画を製作
・10年中8年は年間のトップ映画を製作
・Baby Yodaを作ったw

圧倒的なコンテンツ力は、Star WarsやMarvel、Foxなど有名IPを買収したからでもあるが、本当にすごいのは、上手に自社エコシステムへ取り組んでいること。
これまでのビジネスモデルは、AmazonやNetflixへコンテンツの放映権を渡す形で、フィーだけでも約$5Bの売上とほぼ粗利。では、そのDisneyはなぜ大きなリスクを取って自社ストリーミングサービスを始めたのか?

2017年7月、Disneyはストリーミング技術を持っているBAM Technologiesを$3.75Bの時価総額で買収した。今回、オリジナルコンテンツ制作のために何千億円と払い、さらにNetflixや他社ストリーミングサービスからDisneyコンテンツを引き戻すためにも大金を払っている。

今回のDisneyの行動を見ると、社運を賭けたようにDisney+を推している風に見える。逆に言うと、失敗するとかなりDisney全体・株価に影響することになるだろう。

Disney+の戦略 Disney-as-a-Service

Disney+の安いプランで月額4ドルと聞くと、Disneyは儲ける気がなさそうに見えるが、事実儲ける気がない。
つまり、低価格設定はユーザー獲得のためであり、小売業界でも同じことが起きたように直接(ダイレクト)にユーザーと関係を作りたいのだ。今まで映画館やテレビ、Netflixなど他社のプラットフォームでは取得できなかった、顧客の趣味嗜好がわかるようになる。例えば、どのDisneyキャラクターや作品が好きかがわかるようになり、コンテンツやマーチャンダイズの判断はもちろん、Disney商品や体験のクロスプロモーションが可能となる。

このクロスプロモーション戦略は、最近のDisneyが考えているものではなく、創業者のウォルト・ディズニー氏本人も考えていたことだった。最初のテーマパークが作られた1年後に描かれた戦略の中心にはコンテンツスタジオがあり、テレビや音楽、漫画、雑誌などに繋がり、そこから全てのビジネスがマーチャンダイズ事業とテーマパーク事業に繋がっていくと50年前以上前から生み出していた。

たしかに、Disney+の値段を4ドル値上げして一人当たりから追加で毎年50ドル取るより、一人でも多く$1,000の年間パスや$5,000の家族クルージング旅行を買ってもらった方が儲かる。この戦略はすでにDisneyは映画で行っている。2018年だけでDisney Parks and Resort部門(テーマパーク事業)は映画部門の2倍の売上と1.5倍の粗利を出している。Disneyのアセットをフル活用するには、自社でストリーミングサービスを持つしかなかった。Disneyはこの個人データの価値を圧倒的に評価しているため、ストリーミング事業なんて無料で提供しても問題ないのだ。

今のDisneyのアセットを見ると、過去ウォルト・ディズニー氏が描いたチャネルやIPが変わったかもしれないが、テーマパーク事業自体はあいかわらず強い。

Disneyテーマパークの2018年売上が$20B、営業利益率が18%、年々10%成長。代行品がないため、価格弾力性が小さい。LTV/CACも良い数字になっているだろうし、メディアより遥かにマネタイズが出来るビジネス。

このコンテンツ力、そしてコンテンツをより単価の高いオフライン事業や体験事業に流し込む戦略は正に「Disney-as-a-Service」と言えるだろう。

他社にはできないDisney+の強みとは?

まず、他社ストリーミングサービスと比較して明確にプロダクトの強みを伝えられている。Disney+は知名度はあったが、それでもDisneyは何を提供するかを常に表現するようにしていた。アメリカではDisney+ロゴだけではなく、『Disney + Pixar + Marvel + Star Wars + National Geographic」と記載がほぼ必ずあった。

これは明確にどのコンテンツを提供できるかを上手く伝えていて、さらにStar Warsの新番組「The Mandalorian」をプロモーションする広告でも他のIPブランドを並べている。簡単に見えるが、これは競合は上手く出来ていない。

Apple TV+は何を提供して、何で欲しいと思う?同じくHBO MaxやNetflixは何を提供する?Disney+ほど明確にIPを並べる会社が今までなかったからこそ、Disney+の強みが明らかに見える。

さらに、運も少し良かったかもしれないが、「The Mandalorian」というヒット作品を出せたのは、Disney+の強みになった。Disneyコンテンツは人気だが、新しいヒット作品が無ければここまで成功はしなかったはず。The Mandalorianと作中に登場する新キャラクター「Baby Yoda」が大きなインパクトを与えたのは間違えない。

さらに、子供向けのコンテンツが強いのは良い優位性になる。HBO Maxも良い勝負をしてくるとは思うが、Disneyはやはり子供向けのコンテンツが多い。子供が見たいコンテンツは中々親は断ることが出来ないし、さらに子供は何回も見てくれる。Disney+のオリジナルコンテンツとライセンス予算は圧倒的に他社とは少なかったが、強く見えるのは何回も見たいコンテンツを選んでいるから。大人は「アイリッシュマン」を一度しか見ないかもしれないが、子供たちは「Mr.インクレディブル2」を何度も見る。

良いコンテンツが揃っているが、コンテンツ数を見るとNetflixや他社とは少ない。来年の中旬ぐらいで見るコンテンツが無くなってユーザーがエンゲージしなくなる可能性もあると計算して3年契約のパターンを出してきたと思う。そのためDisney+を更新する判断は数年後になり、そのタイミングでは十分なコンテンツ量を貯められる時間稼ぎの技。

ザ・シンプソンズという有名ショートアニメの大きな影響

Disneyは自社コンテンツ以外の購入もしたが、その中でも最も高額だったのはシンプソンズのライセンスだ。シンプソンズの独占契約だけでも毎年$125M〜$150M払っていると言われている。

ただ、Disney+内ではシンプソンズが圧倒的に人気になったせいで、Disney+の新しい広告では「+The Simpsons」を入れるようにした。

実際にDisney+の初期に一番見られていた番組はThe Mandalorianとシンプソンズ。それはシンプソンズというコンテンツがストリーミングと相性がいいからだ。

アベンジャーズやStar Warsも実際観られているが、視聴可能時間数はシンプソンズと比べてとても低い。それは、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)を全部見るには48時間かかるが、シンプソンズは250時間。シンプソンズは集中して見るケースと裏で半分聞いているだけでもフィットする番組。特にアメリカ人は日本人がラジオを聴いたりするように、シンプソンズのような軽いコンテンツを半分雑音として聞いたりする人もいる。

あらゆる手を使った、Disney+の本気のプロモーション

Disney+は1日目で1,000万人の登録者がいた中、多くはオーガニックで入ってきたと言われているが、実際はローンチ6週間前からたくさんのキャンペーンしていた。9月〜12月だけで$250M使ったと言われている。

Disneyが保有しているABCのテレビ番組「Dancing with the Stars」でも何度もプロモーションされ、フロリダのDisney Worldも広告だらけだったらしい。

Disney店舗の従業員もTシャツに登録用のQRコードをつけたり、テレビでの天気予報中にもプロモーションするように手掛けている。

さらに、Verizonとの提携によって1,700万人に1年間無料アカウントを発行した。

Disney+を成功させられたのも、会社全体としてDisney+を一番重要視することを判断したから。会社としてオフライン店舗、クルーズ船、テレビ番組との連携、さらに2018年リリースする予定だった映画もわざと遅らせてDisney+で配信するようにした。

これからさらにDisneyはDisney+を推してくるための戦略予想は以下だ:

・マーベルの漫画アプリはDisney+ユーザーに無料にする
・Disney年間パスを持っているユーザーはDisney+が無料に付いてくる
さらに、Disney+のリスクのパートでも話したが、DisneyはNetflixや他社ストリーミングサービスからDisneyコンテンツを買い戻している。他のサービスとのライセンス契約をしていたため、アメリカではMCU(マーベル映画)の全23作中、6作しかDisney+にしか出ないと言われていた。でもDisney+がローンチした時は23作中、16作を見ることが出来た。これはライセンスを買い戻したということだが、このコストは偉大な物だったはずだが、マーベルのほとんどを見れる価値の方がDisneyに取っては重要だった。

 Disney+の現状と実績

TechCrunchがSensor Towerのデータを公表したものだとTikTokより倍以上ダウンロードされ、2019年Q4ではアプリランキングのトップを示したとのこと。

合計4,100万ダウンロード、モバイルからだけで$97.2Mの売上を達成。12月だけで1,350万ダウンロード、モバイル売上が$43.9M。これは他社ストリーミングサービスのローンチと比較しても圧倒的な差がある。Disney+の次にでかいローンチをしたのはHBO Nowで、それがたったの$23.7Mの売上しか達成しなかった。

どれだけ他社ストリーミングサービスと比較してダウンロードされたのかが明らかなグラフはこちら:

さらに、Apptopiaによるとローンチした最初に一ヶ月間の間では1,000万人のDAUがいて、セッション時間もNetflixより5.8%長く、Amazon Prime Videoより7.8%長かった。

YouGovのアンケート結果でも、76%のユーザーがDisney+を5点満点中4か5をつけていた。Netflixだと74%、Amazon Prime Videoは66%、Huluは64%、Apple TV+は48%。特にDisney+の使いやすさが評価されたらしい。

Amazon Prime Video 「ゴールデングローブ賞を取れば、靴がもっと売れる」

Amazon Prime Video(アマゾンプライム・ビデオ)、はユーザーがAmazon Primeに入っていれば無料。そう考えると現在で、1億世帯がAmazon Prime Videoが使えることになる。Amazon CEOのジェフ・ベゾス氏は、「Amazon Prime Videoはコンテンツではなく、EC/Amazon本業へ繋げる戦略」だと2016年のRecodeインタビューで語っている。「Golden Globe賞を勝てば靴をもっと売れる。Prime Videoを見ているPrimeメンバーはトライアルから課金する確度が高く、Annual Subscriptionを更新する確度が高い。」

実際にその動画はこちらで見れる:

AmazonはわざとAmazon Prime VideoをAmazon Primeより高い値段にしている。なぜなら、少しでもAmazon Primeへ入ってくれる理由を上げるためであれば、コンテンツを無料で配信してもROIが十分だと計算しているからだ。実際に2018年の調査を見ると、11%はAmazon Primeに入った一番の理由はPrime Video。

それでAmazon Primeに誘導させて、もっとユーザーにものを買わせて、購入データと動画視聴データを元によりターゲティングした商品レコメンドを出来るようにしている。実際にこのデータの活用したのは去年末にAmazonが出したパーソナライズされたカタログ。

Amazon Prime Videoはコンテンツを利用したユーザー獲得の戦略でしかない。Amazon社内で計算した結果、Amazonのヒット作品The Man in the High CastleのPrimeへの新規ユーザー獲得コストは一人当たり63ドル。Amazon Prime自体は毎年99ドルかかるので、それだけでも良いCACだと思う。

Amazon社内では重要KPI「Cost per first stream」がある。これはAmazon Primeに入ったユーザーが一番最初に見る番組を評価している。計算方法は:

(番組Aの製作費 + 番組Aのマーケティング費用)/ Amazon Primeに入って初めて見た番組が番組Aだったユーザー数

Cost per streamは低い方が良く、Amazonからするとどの番組がPrimeへの加入を上げているのかをコスパベースで見れる。これはNetflixでも後ほど説明するが、Netflixも似た指標を持っている。

2017年だが過去にリークされたAmazonの社内データはこちら(S1 = シーズン1):

Apple TV+は、iOSエコシステムとApple製品を買わせるためにある

AppleのアプローチはAmazonと似ている。Appleはテレビ市場なんて興味なく、AppleはiOSのエコシステムにしか興味がない。今だとAppleデバイスを購入したユーザーは1年間Apple TV+に無料アクセスできる。さらにApple Music、TV+、Newsなどを今年バンドルして安く売る噂が出てきている。これはやはりApple商品とiOSエコシステムにユーザーを取り入れるためとしか思えない。

Appleはかなり著名人を集めてオリジナルコンテンツを作っているが、今のところは評判があまりよくない。特に外部IPを取り入れてないので、全てオリジナルだが、ヒット作品は今のところないため、あまり見られてない印象。Apple TV+は特に事業的にはインパクトはあまりなかったとApple CFOが言っている。ただ、Ampere Analysisによるとアメリカだけで3,000万人以上がApple TV+に登録されているとのこと。これは新規Appleデバイス購入者が1年間Apple TV+を無料でもらえるからかもしれないが、2019年4Qでデビューしたオリジナルシリーズのトップ10の中の6作がApple TV+のものだったらしい。

本当に見られているかは少し疑問があるが、Apple TV+も今後どう動くかは見てみたい。

AT&T/HBO Max:デジタルサービスのクロスプロモーション

AT&TがHBO親会社Time Warnerを11兆円で買収したコアな理由はAT&Tユーザーに対してHBO Maxを無償で与えてAT&Tのコア事業(インターネット、電話キャリア)を伸ばす・リテンションさせるため。AT&TとしてはHBO Maxは良くあるキャリアの無料特典にしかすぎない。

AT&Tは2025年までに5,000億円の粗利をHBO Maxは出すと言っているが、それをするために5,000億円かける予定で、さらに自社ビジネスとカニバってしまうので、実際にHBO Maxの粗利を本気で見ているとは思えない。さらにユーザー離脱以外に個人データを取得して他のデジタルサービスのクロスプロモーション、分析・広告事業にも色々展開できる。

HBO Maxの良いポイントは良いIPを揃え始めていることだ。特に良いのが20分以下のコンテンツを多く集めていること。短め尚且つ何回も見れるコンテンツを集めるのはストリーミングサービスの利用率が上がる(Disney+でシンプソンズが人気のように)。HBO Maxが獲得したIPと払った放映権はどれも高額で有名だ。サウスパーク($500M)、リック・アンド・モーティ(数百億円想定)、フレンズ(5年間で$425M)、Big Bang Theory($1B以上の噂)、Adult Swim、Crunchyroll、カートゥンネットワークなどが含まれる。

特にアニメコンテンツを重要視しているHBO Maxは正しい選択だと感じる。子供は何回も同じテレビ番組を繰り返して見るし、さらに大人に人気のアニメ(サウスパーク、リック・アンド・モーティ)やあらゆる世代からの人気アニメ(カートゥンネットワーク)を集めているのはミレニアルやY世代を囲い込む戦略に違いない。そして、ここ5年ぐらいで急成長している日本のアニメコンテンツの放映権を持っているCrunchyrollとも提携。

そして、ジブリまでHBO Maxに入ることを決めた。2019年の初めではオンラインでは絶対にジブリを見ることはないと言っていたジブリ側だが、2019年秋にHBO Maxが放映権を取得したと発表。こちらも数百億円支払ってもおかしくないと思われるが、面白いのはディズニーと組んでたジブリがHBO Maxと提携したこと。

ストリーミングの先駆者 Netflix アメリカ市場では苦戦中

Netflixのユーザー成長率はかなり株価を影響しているが、アメリカではここ最近は伸びていない。2019年は一時期ユーザー数がアメリカで減ったせいで、株価がかなり下がった時期もあった。その主な理由は競合が増えていること、Netflixが保有していた外部ライセンス(人気IPのFriends、The Office)などが別のストリーミングサービスと独占契約していること、オリジナル番組で大ヒットしているコンテンツが少ないからだと思われる。

アジア市場に先手を打ちたいNetflix

Netflixの強みは海外市場をちゃんと取れていること。競合が少なく、他社より良いコンテンツを出していて、それは数年変わらないと予想している。加えて、そこからの売上をアメリカに投資できる良い仕組みを作っている。

ただ、難しいのは価格設定。アメリカのユーザーはNetflixは安いと思っているが、インドや東南アジアだと毎月10ドルは少し高いかもしれない。その影響もあってインド、マレーシア、シンガポール、インドネシアでは月額3ドルのスマホのみのプランも出している。

さらにNetflixは各地域でもオリジナルコンテンツにとてもお金をかけている。インドだけで$400M以上。インドネシアだと、ライター向けのワークショップをLAとジャカルタでNetflixが主催している。Disney+、HBO Max、その他ストリーミングサービスがアメリカにフォーカスしている中、Netflixは海外にフォーカスしているのは正しい戦略なのかもしれない。

Netflixオリジナルコンテンツの現状

Netflixがオリジナル番組に多くの予算をかけ始めてから、アメリカ内で「誰でもNetflix番組」を持てるとジョークになった。

2019年にオリジナル番組に$15.3B使ったNetflixは今年$17Bの予算を予定。

2018年のオリジナル番組は全体の予算の85%を占めているので、オリジナルがどれだけ重要か明確だ。過去は他社IPのライセンス契約が大事だったが、ストリーミング企業が増えている中でそのIPがNetflixで見れないようになっている。

実際にNetflixで人気のコンテンツ「The Office」や「フレンズ」は、他社から独占契約されてしまった。そうなるとオリジナル番組を作らなくてはならない。オリジナルコンテンツへ投資を過去からしているおかげで、昔だと圧倒的に外部IPに頼ってたのが、NetflixオリジナルIPの価値が4年ほどでほぼゼロから$6Bまで上がった。

3年前にマーベルのシビル・ウォーなどの映画の原作を作ったコミック出版社のMillarworldを買収するなど、コンテンツクリエイターへの投資が加速するだろう。

もちろん人気外部IPをキープできるのであればNetflixはやっているが、今だと高くなっている。The OfficeだけでNetflixは数百億円出す予定だったが、それでも取れなかった。Friendsを去年Netflixで載せるだけで$100Mかかった。

ただ、実際これだけオリジナルに投資してもまだライセンス外部IPの方が見られている。合計視聴時間の3分の2が外部コンテンツ。

NetflixだとHouse of Cards、Stranger Things、Orange is the New Blackなどのヒット作品はあるが、何回も見るヒット作品が少ない。フレンズやSeinfeldは何回も見るため、視聴時間からするとオリジナル作品が少ないのもわかる気がする。

Netflixのコンテンツは、本当にデータドリブンなのか?

近年Netflixはデータ活用してコンテンツ制作やレコメンドするので有名だが、実は創業時からデータの重要性を謳っていた。最初にどれだけDVDをストックするかを決めるときも創業時にジョインしたMitch Loweさんの経験データを使って決めていた。

事実、Netflixは各番組の価値をトラッキングしている。トラッキングしているKPIは各番組がどれだけ新規ユーザーを連れてくるか、そして既存ユーザーのリテンションを影響しているか。これを社内では「Adjusted Viewer Share」と呼んでいる。Adjusted Viewer Shareとは視聴者を単純にカウントしているだけではなく、サブスク登録して24時間以内に番組を見たユーザーと数週間ぶりにNetflix番組を見てなかったユーザーが視聴したユーザーをより高いウェイト・評価を与えている。逆にNetflixを普段見ているユーザーの評価は低い。これを28日サイクルでトラッキングしている。

このAdjusted Viewer Shareと番組の予算を組み合わせてスコアリングしている数字「Efficiency Score」が社内の人たちによると一番重要視されているKPI。この数字を見て番組が成功したかを決めるらしい。

Netflixは人気番組でも2シーズン目の後に番組を終わらせることが多い。社内データで解ったのは、最初の2シーズンが新しいユーザーを獲得するのに一番効果的らしい。3シーズン目以降はあまり新規獲得に繋がらない。

ただ、ストリーミング戦争でデータを活用してより良い番組を制作できるのは間違っている。既にいろんな数字は見ているはず。実際にNetflixがデータ活用した「House of Cards」も結局イギリスで人気だった類似シリーズとアカデミー主演受賞者のKevin Spacey、有名監督David Fincherを組み合わしているので、それは上手くことは予想できるはず。

実際に、Netflix Chief Content OfficerのTed Sarandos氏も徐々にデータの重要性をトーンダウンしていると取材で公言している:

・2015年:「判断軸の7割はデータ、3割は上からの指示」
・2018年:「判断軸の3割はデータ、7割は勘」
・2019年:「判断軸の2割はデータ、8割は勘」

子供向けコンテンツに弱いNetflix

Disney+リリース直後にNetflixがスポンジ・ボブなど人気アニメ番組を出している「Nickelodeon」とオリジナルアニメコンテンツ制作の提携を発表。

提携の重要案件はスポンジ・ボブのスピンオフシリーズ。約$200Mほど払ったと噂されているて、スポンジ・ボブ以外は人気シリーズのティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズの制作もする。

ストリーミング戦争の中でNetflixが子供に圧倒的に支持されるコンテンツがなかった
・Disney+:Pixar、Marvel、Star Warsの自社コンテンツ
・HBO Max:Sesame Streetのライセンス、ジブリ、カートゥンネットワーク、Crunchyroll(アニメ)

Netflixは過去子供向けのコンテンツ制作していたが、Disney+とHBO Maxと比較するとかなり弱い。これを考えるとNickelodeonとの提携はわかりやすい = 良いIP取得のためだ。

これで90年代の子供向けアニメ番組トップ3(Disney、カートゥンネットワーク、Nickelodeon)がストリーミングされる時代になった。ただ、この三つの中だと圧倒的にカートゥンネットワークが強かった印象。

HBO Maxはみんな大好きな「Game of Thrones」だけじゃなくなくなり、『子供向け番組が得意なHBO Max』になるかもしれない。Disney+もMarvelでかなり使われるが、TV番組系だとSesame Street、カートゥンネットワーク、Crunchyrollのライナップは強すぎる。

気になるのはNickelodeonがViacomの子会社なこと。Viacomは自社ストリーミングサービスをリリース予定、さらにアメリカ放送ネットワーク企業のCBSとの合併も考えている中、CBSも自社ストリーミングサービスを出す。Netflixは制作費の負担を含めて、かなり大金を出したはず。

若者の支持率が高いNetflix、しかし油断はできない?

YouTube TVが出た影響でGen Zの中で初めてYouTubeがNetflixよりもストリーミングで人気になったが、それでもかなり若者層には人気だ。ただ、2018年から少しずつだがNetflixでの視聴時間割合が徐々に減っているのだ。

Netflixのインフラの強み

Disney+が開始初日に接続障害が起きた理由の一部はインフラに問題があった。Netflixはというと、自社のCDNを開発し、世界中に自社サーバーを立ち上げて、そのサーバーに人気番組のコピーを入れている。Netflixは1.58億人のグローバルユーザーをサーバーを世界中にばらまく事によってStranger Thingsの新しいシーズンが出た時の需要に応えられるようにしている。

ストリーミング以外の別のマネタイズ方法が必要?

これだけオリジナルコンテンツに投資しても、新規登録ユーザー数が足らないと以前取締役会で説明したNetflix。今の売上とコストを見ると、圧倒的にコストの上がっているスピードが高い。

売上を上げるためにNetflixは値段を上げなければいけなかった。しかも、ユーザー獲得コストもどんどん上がっている。

毎月13ドル払っているアメリカのユーザーのペイバック期間は4年(今後アメリカでのユーザー数成長率が下がるとさらに上がる)。

これを見ると、Netflixは他の方法でユーザー単価を上げる、別の方法でマネタイズを考えないといけない。そこでNetflixは、IPのグッズ商品化やテーマパークを考えているらしい。テーマパークは元々自社で作ると言ってたが、コスト的に合わなかったためユニバーサルスタジオでStranger Thingsのハロウェン企画・イベントなどを数年試している。グッズもやはりStranger Thingsのものはかなり売れている。

ただ、広告を絶対やらないと話しているNetflixはかなり損をしている気がする。Stranger Thingsで出るものは90年代のレファレンスするものが多く、それで他社が設けている。例えばコカコーラの失敗した商品のNew CokeがStranger Thingsに出た時に、コカコーラはNew Cokeの限定版を出して、かなり売れたに違いないが、恐らく一円もNetflixに入ってきてない。

グッズ化するにはヒット作品じゃなければいけないし、Netflixのヒット作品を見ると基本的にグッズ化するようなものではない。そうすると他のマネタイズ方法は他社(Disney、Apple、Amazonなど)の方が圧倒的に優位性を持っているのに違いない。

ブラックホースなるか?謎に包まれたQuibi(クイビー)

Quibi(クイビー)はモバイル専門の動画配信サービス。ドリームスワーク・アニメーションの元CEOのJeffrey Katzenbergと元eBayと元HPのCEOのMeg Whitmanが作った会社。サービスリリース前になんと$1.4B調達している。

Quibiの特徴は全ての動画が10分以下。Netflixなどストリーミング系の会社はテレビやデスクトップ向けのコンテンツを提供している中、Quibiの作戦はモバイルメインでのコンテンツ配信すること。名前のQuibiも「Quick」と「Bites」を混ぜて出来た。

2020年4月6日リリース予定。サブスク型で、広告付きは月額$5、広告なしだと月額$8。クリスシー・テイゲン、スティーブン・スピルバーグ、ジェニファー・ロペスなどと一緒にコンテンツ制作を発表。さらにP&Gなど大手との広告案件も獲得済み。

中身があまり公開されていない中、唯一出ているのはTurnstyle技術。動画を見ている間にスマホを縦か横に向きを変えると違う見方に瞬時に変わる。

これをやるにはストリーミングと圧縮技術が必要。番組制作での撮影・編集は必ず縦型と横型でされている。制作側はQuibiに二つ動画と別の音声データを送り、それがシンクされてストリームされるようになる。ストリーミング中は見てない方の動画は解像度を下げて同時再生されていて、向きを変えるとそっちの解像度が高くなるように設定されてある。そのため通常の動画よりたった1.2倍のデータしか使わない。

Turnstyleが人気になるにはそれをフル活用するコンテンツが必要。ある番組では主人公がスマホを見るシーンがあるので、その動画を見ているユーザーがスマホを縦にするとまるで主人公の携帯をそのまま見ているようになるらしい。逆にアクションになるとスマホの向きを横にするように勧められるらしい。

ここでそもそもの疑問点が出る:コンテンツ見ている間にそんなにユーザーはスマホの向きを変えたいと思うか?実態はまだわからないが、Quibiはこの技術・体験が他社との差別化ポイントとして出しているのは間違えない。

Quibiのコンテンツは3つの種類がある:

・一つはハリウッドスターなどを活用した「Lighthouse」
・二つ目はニュースに特化して毎日見れる「Daily Essentials」
・三つ目はその間のクオリティーの「Quick Bites」

その中でもDaily Essentialsの影響でユーザーが毎日見てくれるようになると主張している。

Lighthouseコンテンツは映画フォーマットにイノベーションを及ぼすもの。実際にはLighthouseコンテンツは映画と同じもの。映画をチャプター分けして毎週一部リリースする形(いわゆる漫画・アニメと似ている)。なので2時間の映画を12チャプター(12週)にかけて出す形となる。

Lighthouseコンテンツの制作費はGame of Thronesと同じぐらい。1分間で約$125K、1エピソードが$7.5Mぐらい。Quick Bitesコンテンツは1分で$20Kから$50K、Daily Essentialsは1分で$5Kから$10Kぐらいの製作費用らしい。この製作費はテレビ・映画業界と似たレベルのもの。Jeffrey Katzenbergはあえてテレビ・映画業界と同じ製作費にしている。彼としてはNetflixよりも、そもそものテレビ・映画のフォーマットを変えようとしている。

平日だけで毎日3時間の新しいコンテンツを出す予定。それだけの新しいコンテンツを出せば高いDAUを保てると信じている。1年目で175作のオリジナル番組、8,5000エピソードをリリース予定だそう。

ローンチまでは感や経験を活用して、その後はデータで全て決める。最初にどうやってローンチするか、何作リリースするか、配信スケジュールなどはJeffrey Katzenbergの知見を使ってやるが、4月7日(リリース直後)はMeg Whitmanの得意とするデータ活用して判断をするとのこと。

しかし、アメリカだと既に上手くいかない声が上がっている。ストリーミング事業は難しいのでその理由も分かるが、まだ情報が少ない中で判断はしにくいと思う。

直近で$400M調達していて、合計$1.4Bほど調達しているが、社内ではコンテンツ制作とプロモーションだけで$1.5Bかかると言う話も出てきている。Quibiはサブスクで伸びていくが、社内計画だと1年目に$260Mの売上、2年目に$700Mの売上になるとのこと。さらに、1年目の広告分は既に売り始めていて、そこから$150Mほどの売上が出るとのこと。サブスクの売上が思った以上上がらなければもう一度資金調達が必要になるかも。

しかも今回の$400M資金調達では前回参加した投資家のViacomやNBCUniversalが参加してない。これはあまり良い印象にはならない。1年で750万人のサブスク登録を目指しているとのこと。そのうち200万人はほぼ確定:アメリカ電話キャリア会社T-Mobileと提携して、彼らのユーザーは1年間無料でQuibiを使える。

新しいストリーミングサービスが入るのには難しい理由:課題解決型のサービスが少ないから

実際にストリーミング事業の需要は数年前に起きたものだが、今多くの大手ブランドがサービスリリースしているのは彼ら的に今やる必要性があるからだけで、あまりユーザーのことを考えてない。

Netflixは過去にあった課題(良いアクセス、値段、体験)を解決したのでファーストムーバーとして成長した。ファーストムーバーだったため、今の課題を解決しなくても十分使われる。

Huluが伸びた理由は低コストであったことと過去ネットに載ってなかったテレビ番組の再放送を出せたので需要の満たした。Amazonは無料でのコンテンツ提供と複数社からのコンテンツのアグリゲーションをして簡単なUI、配信体験を届けたのが良かった。HBOなどプレミアムネットワークはトップティアナコンテンツを提供することで優位性を保っている。

上記プレイヤーは初期でこの領域に入ったので課題解決を明確に出来た。今後も課題解決型なソリューションも出てくると思うが、そんなに多くはないと思う。

ほとんどのユーザーは追加料金(Disney+)でディズニーコンテンツを別に見たくない。出来ればNetflixで見たいと思っている。ただDisneyのような特化型ブランディングやその他コンテンツ・体験・特化型UIへの連携が出来るブランドに対してユーザーは価値を感じるかもしれない。

問題はその他プレイヤー。Netflix、Amazon、Apple TV、Hulu、Disney+、HBO以外のサービスは何の課題を解決する?何故人が欲しがるのか?それとも見たい番組と独占契約したから仕方がなく、そして恐らく短期的に課金・視聴しているだけでは?

無料のAVOD(広告付きストリーミングサービス)は解決ではない。無料で提供する方がユーザーが使ってくれるハードルが下がって見えるが、特に新しい課題を解決してない。4つ〜6つのストリーミングサービスを使っているユーザーがもう一つのサービスに登録するところまで行かない。

メディアに対してお金を払わない文化 = ピュアメディアが厳しい

アメリカ人はメディア・エンタメが好きだ。平均的に毎日5時間半の動画を視聴、2時間半の音楽を聞いている。仕事中、運転中、エクササイズ中、どの時でも何かしらメディアと触れ合っているが、その割にはコンテンツにお金をかけてない。

メディアの中だと、現在世界で一番お金が使われているカテゴリーはテレビで約30兆円ぐらい。ただ、60億人が2.5時間のテレビを見ていると考えると、コスパが良すぎる。それは音楽、映画、ストリーミング、ゲームも同じ状況となっている

しかも値段上げをユーザーがかなり嫌う。普通に考えるとケーブルテレビで月間450時間テレビを見る家族が80ドル払うのは良いディールだと思うが、誰も払いたくないと言う。SpotifyやApple Musicも年間120ドルで広告無しで4,000万曲へのアクセス権を持ってる。毎月90時間サービスを使っている中だとコスパが半端なく良いが、それでもユーザーはメディアに対してお金を払いたくない。New York Timesは新聞紙として最大手と言われているが、時価総額が5,000億円ぐらいしかない。

これを理解している企業たちは、メディアコンテンツを効率よく他の領域、商品、カテゴリーに誘導してユニットエコノミクスを成立させなければいけない。これはストリーミング戦争の裏に隠れている「エコシステム戦争」と言う新しいビジネスモデル。

結論

業界としてはNetflixがファーストムーバーだったが、今だとビジネスモデル的には一番遅れているかもしれない。ここ10年ぐらいでレガシーメディアから見るとNetflixは一番イノベーションを起こしていて、デジタル世代で一番進んでいたビジネスモデルを持つ会社だった。ただ、今見るとそのビジネスモデルは時代遅れかもしれない。

Netflixの市場規模は30兆円のコンテンツビジネス。彼らは動画広告をやらないので、それだけでも20兆円のビジネスチャンスの機会損失している。Quibiもこの市場を狙っているが、そのほかの会社はここではなく、別の方法でマネタイズをしている。コンテンツをフックにしてユーザー獲得する方法を取ってしまうと、そこから売上ゼロでも投資を莫大にしていく。実際にDisneyやAmazonはそうしている。ピュアメディアだけだとほぼ確実にプライシングで負ける。Netflixは値段を上げている中、Disneyは値段を下げているのを見るとそれが明らか。今後Netflixがピュアプレーであり続けるのか、今後Netflixがどう対抗していくのかが見所になる。

そうなるとNetflixが勝つ方法はコンテンツ、いわゆる自社アセットになる。ヒット作品、もしくは外部IPの独占契約を締結すること。Netflixが直近でジブリと締結したのも、去年$500M以上払ってSeinfeldの放映権を取ったのも、重要IPを確保する重要性をNetflixは理解しているから。結局コンテンツ勝負になると思われるが、ストリーミングで勝つには以下コンテンツが必要になってくる:

・有名コンテンツ・シリーズ:Stranger Things、マーベル映画など
・年代別コンテンツ(特に子供向け):カートゥンネットワーク、ジブリ、スポンジ・ボブなど
・ながら観できるもの:シンプソンズ、Big Bang Theory、フレンズなど

コンテンツのラインアップを見ると現状はDisney+とHBO Maxがリードしている風に見える。Disney+はシンプソンズ、Pixar、Marvel、Star Warsを持っている。特にシンプソンズは大量のコンテンツと、仕事しながら裏で聞けるライトなコンテンツ。後はDisney+は今の所The Mandalorianにベットして、今後はMarvel系の番組が出てくるので、人気度は落ちない。HBO Maxは子供番組が意外と揃っている:セサミストリート、カートゥンネットワーク、Crunchyroll、ジブリ。

結局家族で買うサービスとかだとこの2社が強い。その理由でDisney+がリリースされた1日後にNetflixはNickelodeonと提携を発表、彼らも必死に子供向けのコンテンツ制作をしている。ただ、ユーザー数ではNetflixが圧倒的にリードしているので、ここ5年で潰れるとかはないはず。Disney+も5年後の予想はまだ今のNetflixを抜いてないので、Netflixは今現在のユーザーのデータや他のマネタイズ方法を考える時間は少しある。

最後に、この記事には全く触れなかったが、Netflixやその他ストリーミングサービスにはもう1社競合がいる。それはSNSやゲーム、そして特にアメリカでは「Fortnite(フォートナイト)」。実際にNetflixの株主総会でも代表がFortniteを競合として指名した。結局これはアテンション戦争であり、アメリカの若者層は今圧倒的にFortniteにハマっている。そのアテンションを使ってマネタイズ方法が各社違うだけ。

Fortniteを作るEpic Gamesも実はゲーム以上の世界観を作ろうとしているが、それはまた別記事で説明させていただきますので、お楽しみにしてください!

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Written by Tetsuro(@tmiyatake1) | Edited by Miki (@mikirepo)

引用元

・https://www.theinformation.com/articles/netflix-plays-new-role-budget-conscious
・https://www.theinformation.com/articles/at-netflix-speed-is-key
・https://www.theinformation.com/articles/how-iger-broke-disneys-netflix-addiction
・https://www.multichannel.com/news/netflix-wont-be-hurt-by-disney-plus-and-other-svod-launches
・https://www.theinformation.com/articles/netflix-races-to-make-more-originals-as-studios-pull-back
・https://www.yahoo.com/lifestyle/experts-disney-streaming-kill-netflix-194842719.html
・https://www.vox.com/2019/4/12/18307539/disney-streaming-launch-cost-billions-netflix-strategy-change
・https://www.vox.com/recode/2019/11/12/20959837/streaming-wars-10-lessons-matthew-ball-alex-kruglov-disney-apple-amazon-netflix
・https://www.economist.com/prospero/2019/11/11/what-is-the-endgame-for-disney-
・https://www.matthewball.vc/all/minedmedia
・https://www.matthewball.vc/all/minedmedia
・https://www.statista.com/chart/10311/netflix-subscriptions-usa-international/
・https://www.wsj.com/articles/netflix-subscribers-fall-slightly-short-of-expectations-11571257175
・https://www.deseret.com/entertainment/2020/1/16/21069282/netflix-spending-billions-streaming
・https://www.vox.com/2018/12/21/18139817/netflix-most-popular-shows-friends-office-greys-anatomy-parks-recreation-streaming-tv
・https://www.forbes.com/sites/greatspeculations/2019/07/19/netflixs-original-content-strategy-is-failing/#28fd4d713607
・https://variety.com/2018/digital/news/netflix-original-spending-85-percent-1202809623/
・https://variety.com/2019/digital/news/netflix-orange-is-the-new-black-stranger-things-most-poular-1203267573/
・https://www.theinformation.com/articles/netflixs-asia-growth-challenge-trading-price-for-volume
・https://www.nj.com/entertainment/2019/05/new-coke-was-a-disaster-stranger-things-is-bringing-it-back-because-old-fails-never-say-die.html
・https://fourweekmba.com/amazon-prime-revenue-model/
・https://ew.com/tv/2019/10/29/rick-and-morty-south-park-hbo-max/
・https://www.theverge.com/2019/10/17/20919325/studio-ghibli-stream-hbo-max-spirited-away-kikis-delivery-service-my-neighbor-totoro
・https://www.forbes.com/sites/lisettevoytko/2019/10/18/south-park-reportedly-nearing-500-million-streaming-deal/#29d8c06851e2
・https://www.theverge.com/2019/9/17/20870140/big-bang-theory-hbo-max-streaming-exclusive-worth-billion-seinfeld-netflix-friends-the-office
・https://live.recode.net/jeff-bezos-2016-code/
・https://techcrunch.com/2020/01/14/disney-was-the-most-downloaded-app-in-the-u-s-in-q4-2019/
・https://www.fool.com/investing/2020/01/15/disney-plus-has-made-100-million-from-subscribers.aspx
・https://sensortower.com/blog/top-apps-games-publishers-2019
・https://sensortower.com/ios/US/disney/app/disney/1446075923/overview
・https://www.fool.com/investing/2020/01/15/disney-plus-has-made-100-million-from-subscribers.aspx

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。