「スマートタンポン」で子宮内膜症を発見するNextGen Janeが1億円超を調達

いわゆる「フェムテック」(女性向けビジネス)のスタートアップが資金調達する話題には事欠かない。理由は明白だ。

世界の不妊治療サービス市場は2023年までに310億ドルに達し、2016年の2倍近くになると、コンサルタント会社のAllied Market Researchは予測している。こうした市場機会の成長と並行して、多くの女性が自らのリプロダクティブヘルス(性と生殖に関連する健康)の情報を欲しがっているが、15分の診察ではその目的は達成できない。

最新のベンチャー資金を受け取ったNextGen Janeは設立4年半のカリフォルニア州オークランド拠点の会社で、タンポンに吸収された血液を使って子宮内膜症を始め、子宮頸がんその他の疾患の早期マーカーを発見しようとしている。

同社は米国時間4月1日に900万ドル(約1億円)のシリーズA調達ラウンドをMaterial Impactのリードで完了したことを発表した。Material Impactは本誌が昨年11に報じた素材技術に特化した新しいファンドだ。同ラウンドには他に、Access Industries, Viking Global Investors, Liminal Ventures、さらにハーバード医科大学とスタンフォード大学のPhDらを含む多数の著名なエンジェルが参加した。

同社のアプローチはこれまで女性が受けていた苦痛に比べてはるかに受け入れやすい。現在子宮内膜症細胞を見つけるためには骨盤腔に小型カメラを挿入しなくてはならない(注記:通常女性がここに行き着くのは、著しい苦痛に耐えたあげく医者に飛び込んだ後である)。 NextGen Janeのやり方では、約2時間装着した専用タンポンをホームキットに含まれる試験官に入れ検査機関に送り返して分析する。

もちろん、まずは研究が必要であり、FDAの認可もまだ受けていない。実際、証明もされていない。

今回の資金調達でそれが変わるかもしれない。先月のTechnology ReviewのインタビューでNextGen Jane CEOで共同ファウンダーのRidhi Tariyal氏は、臨床試験は設計済みで準備はできているが、経血の診断効果を確立するために約800人の女性で試験する資金が必要だと語った。この資金によって、同社は約2年間有効な量のデータを取得することができるとTariyal氏は言った。

不妊治療の専門家は、女性が自分の生殖能力を知るためのホームキットをスタートアップが作るトレンドには概して懐疑的だ。提供される情報には一定の価値を認めているものの、抗ミュラー管ホルモン(AMH)の測定のように目的を達成できることが証明されているホームキットでさえも、女性を助ける以上に混乱させることを恐れている。

NextGen Janeはこれまでに230万ドルの資金を調達している。ちなみにTechCrunchはフェムテック投資の急速な上昇について詳細な記事を書いている。誰がどれだけなぜ調達したのか、ここで詳しく読むことができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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