「ベタックマ」などのキャラクター会社クオンが約4億円の資金調達、国際的な展開を加速させる

インターネット発のキャラクター会社のクオンは2月20日、ニッセイ・キャピタル、ABCドリームベンチャーズ、オー・エル・エム・ベンチャーズ、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、CiP協議会を引受先とする第三者割当増資、および三井住友銀行とみずほ銀行からの融資で合計約4億円の資金調達を実施したと発表。同社の累計調達額は、約8億円となった。

「ベタックマ」や「ビジネスフィッシュ」などのキャラクターで知られるクオンは、“インターネット発”のキャラクター会社。2015年頃から全世界の有力チャットアプリと提携し、LINE、KakaoTalk、Facebook、WeChat、Zalo、Hike、Kik Messengerなどでスタンプを展開。累計ダウンロード数は、2018年12月末現在で26億件、累計送信回数は240億回を超えているという。

ベタックマ

また、有料スタンプでの販売に加え、スタンプで人気の出たキャラクターのライセンス展開をグローバルで本格的に開始している。

中国、タイには子会社を設立。韓国・台湾・香港では現地のキャラクターエージェンシーと契約、アジア地域でのグッズ、ポップアップストア、プロモーションコラボを行なっている。2018年9〜12月時点での当社のキャラクター事業の海外売上比率は65%程度に達しているそうだ。

インターネット以外へのコンテンツ展開施策としては、2017年7月に東宝株式会社と資本業務提携。同社のキャラクターを原作とした映像作品が検討されている。

CharaBiz DATA 2018によると、国内キャラクター市場規模は、約1.5兆円と推定されている。そのうち、市場規模上位100キャラクターのうち99%が本、テレビ、映画、ゲームなどインターネット以前のメディアから生まれたキャラクターだ。

クオンは、従来キャラクターが生まれてきた既存メディアからインターネットメディアに置き換わっていく中で、キャラクタービジネスは大きく変革されていくと考えている。

同社は調達した資金をもとに、以下についてさらに注力していく予定だ。

  • キャラクターのライセンス営業組織を構築し、国内外企業との当社キャラクターコラボレーション案件や、キャラクターやスタンプの共同開発案件に対応。
  • 海外子会社のマーケティング、営業組織の補強、および海外のキャラクターライセンスエージェントとの提携の強化。
  • 新規のキャラクター開発を行なう。特にVTuber、ブロックチェーンなどの新規ネットメディアやテクノロジー向けのキャラクター開発に注力。
  • 当社キャラクターのアニメ・映像作品化(協業、製作委員会など)を促進。

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TechCrunch Japan

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