「リモートワークを当たり前にする」、オンライン秘書サービスなど開発するキャスターが3億円調達

オンライン秘書サービス「CasterBiz(キャスタービズ)」などを展開するキャスターは12月5日、WiLを引受先とした第三者割当増資を実施し、総額3億円の資金調達を完了したと発表した。また、同社は年内にも、既存株主を引受先とする第三者割当増資を追加で実施する予定だ。

「リモートワークを当たり前にする」というミッションを掲げるキャスターは2014年9月創業のスタートアップだ。同社はオンラインで経理、人事、秘書代行などを行うCasterBizを2014年12月にリリース。その後にも、リモートワーカーをオンラインで派遣する「在宅派遣」やウェブ制作や開発受託に特化した「RemoteStyle」など、新しい働き方を軸にした新サービスを次々に展開してきた。

そして、2017年9月には“新しい働き方”特化の求人サイト「REWORK」をリリース。同サイトには現在までに60件の求人が掲載されている。

キャスターが提供するサービス群

少子高齢化が進む日本では、労働人口は年々減っていく一方だ。そんななか、安倍政権は「一億総活躍社会」の実現に向けて、さまざま働き方改革を推進している。リモートワークや在宅勤務といった新しい働き方の推進もその1つだ。

でも、一部の先進的な企業を除いて、大部分の企業ではそのような新しい働き方が十分に浸透していない印象もある。その理由として、キャスター代表取締役の中川祥太氏は次のように語る。

「リモートという分散型労働を行う際の基本的な運用ルールとして基礎となるものが存在していないからだと認識しています。しかし、一旦ベーシックなルールさえ一般化して普及してしまえば、必然的に導入が進むと思う。弊社では運用ルールが整備された各サービス群の中で、企業側の運用ルールなどのハードルを下げ、購入しやすい形態に直す事で、企業側の導入を促進していく考えだ」(中川氏)。

キャスターは今回調達した資金を利用して、更なる事業拡大に向けた人材採用の加速と、徹底した効率化を図るシステム開発を行うとしている。新しい働き方を軸としてさまざまな分野に対応するサービスを横展開してきた同社だが、今後の戦略についても中川氏は「基本的には働いて貰う側、働く側の両面ともにニーズが多様な状態。今後も横展開が主軸の戦略となる」と語る。

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TechCrunch Japan

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