「草ベンチャー」という選択肢、TechCrunch Tokyoでビズリーチ南社長に聞く

草野球ならぬ、「草ベンチャー」

これは、株式会社ビズリーチを設立し、2009年に日本初の有料会員制転職サイト「ビズリーチ」を立ち上げた南壮一郎氏の造語である。

仕事をしながら草野球を楽しむように、本業を持ちつつベンチャーを始める。事業立ち上げに必要な仲間を集める方法のひとつだ。

起業家にとっては、企業で活躍する「即戦力」の協力を仰ぐことができる。一方、草ベンチャーの参加者は、平日の就業時間後や週末の空いた時間にボランティアで協力するかわりに、新規事業を立ち上げる経験が得られるのがメリット。その後の転職につながることもある。

実際、ビズリーチも草ベンチャーとして立ち上がった。

創業当初。個人に対して課金する転職サイトのアイデアを思いついた南氏だが、仲間集めに奔走しては拒絶される日々だった。特に苦い思いをしたのがエンジニア集めだ。エンジニアの会合に片っ端から参加しては100人以上を口説き、断られ続けた。

それでも南氏ら数人の創業メンバーは、周囲でベンチャーに興味を持っていそうな人に声をかけ、草ベンチャーチームを結成。エンジニアだけでなく、事業開発や広報などの専門家にボランティアで協力してもらい、事業の立ち上げにこぎつけた。

ちなみに当時の草ベンチャー仲間には、生活ハウツーサイト「nanapi」を運営している「けんすう」こと古川健介氏だったり、日本のサブカル情報を海外に紹介する「Tokyo Otaku Mode」創業者の亀井智英氏らもいたそうだ。

14696849_865012050265620_1665284285_n

ビズリーチの南壮一郎社長

そんな草ベンチャーの名付け親でもある南壮一郎氏が、11月17日、18日に東京・渋谷で開催する「TechCrunch Tokyo 2016」に登壇いただけることになった。イベント2日目の11月18日に登壇することが決まっている。

ビズリーチは会員制転職サイト以外にも、レコメンド型転職サイト「キャリアトレック」、求人情報に特化した検索サービス「スタンバイ」、クラウド型採用管理ツール「HRMOS(ハーモス)」などを提供する。

今年2月には37億3000万円10月には11億5000万円を調達し、学生向けのキャリア支援に参入したばかりだ。創業7年で従業員700人以上の組織を作り上げた南氏に、草ベンチャーのリアルな話を伺えればと思っている。

草ベンチャーは、事業立ち上げの方法ではあるが、あらゆる企業の新規事業開発にも活用できるだろう。それだけに、南氏のセッションは起業志望者やスタートアップへの参加を考えている人だけでなく、スタートアップ以外の企業で働く人にも参考になりそうだ。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。