「誰かWeb3を見た人はいるか?」テスラ/SpaceXのイーロン・マスクと元Twitter CEOのジャック・ドーシーがWeb3を語る

「誰かWeb3を見た人はいるか?」イーロン・マスクとジャック・ドーシーがWeb3について語る

Handout . / reuters

元Twitter CEOのジャック・ドーシー氏と、テスラ/SpaceXのイーロン・マスク氏はともにBitcoinの信奉者ですが、月曜日にこの2人は「Web3」というキーワードで互いに意見を述べ合いました。

まず、Web3とは一体何なのかというところからですが、ざっくりいえば、次世代のインターネットの姿を漠然と現すために使われている単語ということです。2000年代中頃にはWeb 2.0という言葉がよく使われていましたが、Web3もそれと同じように、今の時点から見た将来のインターネットを指しています。

もう少し具体的に説明を付け加えると、Web3を考える人は現在のインターネットがGoogle(Alphabet)、Amazon、Facebook(Meta)、Appleによって大半のデータやコンテンツを握られ、支配されすぎていると考えています。実際われわれはインターネット上に共有した膨大な量のデータやコンテンツをこれら企業に蓄積、利用させています。またその弊害として行きすぎたターゲティング広告の氾濫などといった問題も表れています。

そして、未来のインターネットとなるWeb3では、こうした集中、集約型のネットワークとは違う、分散型のネットワークを基本にブロックチェーン技術に基づくインターネットが利用されるようになるとよく言われ、企業や起業家らがWeb3となるような技術やその他仕組みを設計、構築しようとしています。

現在のところ、Web3はまだ漠然としたものであり、流行のNFTや暗号資産を支えるブロックチェーン技術によってそれが実現されれば将来のインターネットはイケてる感じになるだろうと人々は夢想している、と言う段階の話です。

イーロン・マスク氏は、月曜日に1995年に当時マイクロソフトCEOだったビル・ゲイツ氏が人気司会者デイヴィッド・レターマン氏とインターネットに関して話している場面を使ったTikTok動画をツイートし「当時ほとんど想像できなかったような現在の状況を考えると、未来はどうなっているんだろう?」と述べました。

そして「今のところ、Web3が本物、現実のものというよりはマーケティングのためのバズワードのようだが、10年後、20年後または30年後の未来はどうなっているんだろう。 2051年なんてクレイジーなほど未来にじゃないか!」と続けました。さらに翌日、マスク氏は「誰かWeb3を見た人はいるか?私は見つけられないのだが」ツイートしました。

これを見たジャック・ドーシー氏は「それはきっとa~zの間のどこかにあるよ」と返答しました。これはWeb3の理想を追う人たちに向けたちょっとした皮肉で、Web3はすでに早くからFacebookを支援していたベンチャーキャピタル企業のAndreessen Horowitz(a16z。aで始まりzで終わる)が管理下に置いているとの意味を暗に示しました。ドーシー氏の考えは最終的にWeb3がどんな形になるのであれ、それを所有するのはベンチャーキャピタル(VC)とそのリミテッド・パートナーシップ企業(LP)であり「彼らの支配から逃れることはできないだろう」とツイート、結局は呼び方を変えただけの中央集権方式なのだと主張しています。

このドーシー氏のツイートには、大量のいいねやリツイートが付きましたが、一方で「大間違いだ」「まったくもって同意できない」といった否定的なコメントもあります。まあ、まだマスク氏ですら見つけられていないものがどんな風になるのか、いったい誰にわかろうかという話ではありますが、今のインターネットと、皆が思う理想のインターネットの形が違うのは間違いなさそうです。

(Source:Elon Musk(Twitter)Jack Dorsey(Twitter)Engadget日本版より転載)

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TechCrunch Japan

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