「bizNote Expense」はスタートアップの経費精算業務を効率化する

スマートフォンで利用できるクラウド家計簿アプリは、「Zaim」「ReceReco」「マネーフォワード」「Dr.Wallet」など数多く登場している。これらはあくまで個人や家庭向けのサービスだが、スマートフォンを利用して手軽にお金の計算をするというニーズは何も家庭だけにあるわけではない。

たとえば会社員にとっては、毎月の経費精算は非常に負荷のかかる作業だ。これを手軽にしてくれるのが、クラウドキャストが提供する経費精算サービス「bizNote Expense」だ。iOSアプリを1月にリリースし、4月2日にはAndroidアプリをリリースした。

bizNote Expenseは管理者向けのツールと、従業員向けのアプリで構成された経費精算サービスだ。管理ツールでアカウントを登録すれば、従業員がアプリをダウンロードしてすぐに導入できる。

アプリでは、交通費や会議費、タクシー代などの経費入力から申請までを3ステップで実行可能。ファイル添付も可能なため、領収書をスマホのカメラで撮影したり、交通ルートのスクリーンショットを付与するといった運用も可能だ。あとは、管理者が承認をすればよい。

初期費用および従業員向けアプリは無料。管理者向けツールは3アカウント月額390円から。NPOや学生起業家には、サービスを無料で提供する。 ターゲットとするのは、10〜20人規模の中小企業やスタートアップ。クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏は「会社員をやっていれば分かるが、経費精算は提出する側もされる側も面倒なもの。だが経費管理のシステムといえば、必要のない機能までついて初期費用、月額で数万円以上といったものしかなかった」と語る。 競合を見てみると、従業員数1000人以上での利用を想定した米「コンカー」が2011年から日本に参入している。同社のサービスを利用する企業は100カ国1万8000社(国内でも180社以上)、Fortune 500の61%以上の企業が採用しているという。また、従業員数200人程度の企業をターゲットとする「経費Bank」「楽楽精算」「ビジネスナビタイム」などもあるが、スタートアップや中小企業向けのソリューションはほとんどない状況だという。「我々のミッションはスタートアップの人たちにファイナンスの“見える化”をして、活躍してもらうこと」(星川氏)。無料期間のユーザーも含めて、現在約1000社のスタートアップや小規模ビジネスの経営者、従業員が利用しているという。なお、海外を見てみると、「Expensify」「Abacus」のようなサービスも登場しているようだ。

クラウドキャストは2011年の創業。弥生が主催したアプリコンテストにてグランプリを受賞。2013年には同社との資本業務提携を実施している。今後は弥生と連携したサービスの開発や、弥生の顧客企業への営業などを進める。また将来的には、海外市場への進出を目指すとしている。


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TechCrunch Japan

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