「CREW」が与論島で自家用車ライドシェア実現

MaaSプラットフォーム「CREW」を提供するAzitは2月1日、ヨロン島観光協会と南陸運と共同で、鹿児島県与論島で自家用車によるライドシェアサービスを提供することを発表した。

自家用車もタクシーも1つのアプリで呼べるように

現在国内では、自家用車を使った営業目的のライドシェアでは法律で禁じられているが、CREWでは利用者が実費(ガソリン代)とシステム利用料、そして任意で謝礼を支払うというかたちで法律に抵触しないサービスを提供。謝礼が「任意」というところがミソ。相互評価システムも搭載しており、ドライバー、ユーザーとも相手を選べるのも安心だ。

与論島では、2018年に訪れた観光客が7万3204名となり、3年前の5万5464人に比べて約30%増加。一方で公共交通機関は、バス1路線とタクシー8台のみで、観光客の移動需要を満たすことが難しいという問題に直面していた。Azitでは、2018年8月に1カ月間、与論島で公共交通機関の不足を解決するための実証実験を実施し、結果として総ライド実績は約130キロになったという。ドライバー、ライダー双方からの評価も高かったことから、ヨロン島観光協会、そして地元でバスやタクシーの事業を手がける南陸運と組んでサービスを提供することになった。

Azitでは今後、交通手段が限られている地域向けの特例である、道路運送法の自家用有償旅客運送を活用したライドシェアサービスを広げていく意向だ。自家用有償旅客運送とは、個人が自家用車での営業運転を可能にする法律。さらにCREWアプリでは、4月以降をメドにアプリ内で地域のタクシーも配車できるように開発を進めている。近い将来、タクシーと自家用車を1つのアプリで配車が可能になることを目指す。

なお、今回の取り組みの運営主体はヨロン島観光協会となり、実施時期は2019年4月以降を予定。実施時間帯は現在のところ未定で、ヨロン島観光協会、タクシー事業者と役割分担の方法について調整するとのこと。

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TechCrunch Japan

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