「Facebookでの安全」ページが50言語に拡大―「いじめ防止ハブ」もアップデート

2016-10-25-safety-center-page-002

Facebookは17億人のメンバーを有する世界最大のソーシャルネットワークだが、最近メディアとして強い批判を浴びる事件が起きている。Facebookではこれに対してユーザーがこのプラットフォームでの体験をさらに安全にするため、多数の新機能を追加中だ。

今日(米国時間10/24)、同社はFacebookでの安全(Safety Center)を全面的にアップデートし、世界の50言語で利用できるようにした。Facebookのユーザーはプライバシーをよりきめ細かく設定できるようになる。Facebookによれば「いじめ防止ハブ」は世界で60のNPO等と提携しており、さまざまなツールへのアクセスが容易になったという。

これらのパートナーにはChildnet InternationalConnect Safely(十代の青少年と保護者のためのオンライン・フォーラム)、Family Safety Online Instituteなどが含まれる。〔日本の場合、カタリバ、キッズドア、Re:incが提携先とされている。


このニュースが発表されたタイミングはいくつかの点で興味深い。1週間前にFacebookは投稿にあたっての禁止事項を多少緩和する ことを発表した。要するに、ニュース価値が認められる限り、一部のユーザーが不快に思うかもしれない露骨その他の内容であっても投稿可能になる。

また新しい「Facebookでの安全」ページの発表はライバルと目されていたソーシャルメディア、Twitterが1つだけでなく2つの買収候補を失った1週間後だった。大手企業がTwitter買収から手を引いた理由の一つはプラットフォーム上に蔓延するトロルとハラスメントをTwitterが効果的にコントロールできていないことだった。Twitterはこの点にもっと真剣に取り組む必要がある。

Facebookの安全センターはn 2010年4月ごろからある。「いじめ防止ハブ」も2013年に立ち上げられており、両方とも定期的にメンテナンスされてきた。場合によっては、特定のオンライン・ハラスメントやセキュリティー問題に対する回答という形でアップデートされることもあった。

今回Facebookはこうした安全対策ツールの利用を世界のユーザーに拡大した。こうした問題が英語圏のユーザーに限られないことをFacebook自身も認めたかたちだ。

Facebookのグローバル・セキュリティーの責任者、Antigone Davisは新しい安全センターはさらにモバイル・フレンドリーになったと書いている。 多くの国や地域でモバイルがFacebookの利用のメインのプラットフォームとなってきたことを考えるとこれは理にかなっている。安全センターは50ヶ国語に拡張され、Facebookのセキュリティー設定を適切に利用するための方法を解説するビデオも追加された。

「いじめ防止ハブ」が最初に登場したのは2013年で、FacebookはYale Center for Emotional Intelligenceと共同でこのプロジェクトを開発した。新バージョンは新らたな機能満載というわけではないが、Facebookは提携団体を60に増やし、このページの存在を広く知らせると同時に関係者にとってさらに使いやすいものにする努力を払っている。

Facebookでは近況の投稿の表示先を特定のグループに制限できるし、その方法もわかりやすく解説されている。これはツイートの公開先を制限できないというTwitterの重大な欠点を浮き彫りにするものだ。Twitterがこの点を改良するのは、まだ間に合うか手遅れか、という際どいところに来ていると思う。

Facebookは安全センターのアップデートを機に、5つの分野の分野に関してユーザーの注意を再度呼びかけている。

  1. Facebookは2段階認証機能を用意しているのでメンバーはできる限り利用すべきであること。新しいデバイスからFacebookをログインしようとすると予め登録した携帯電話経由で身元認証が行われる。
  2. 投稿が不快、ハラスメントなどの内容を含んでいる場合、「報告」機能(ほとんどすべての記事にリンクが付属する)を利用することを推奨(ただし報告の結果、Facebookがどのような措置を取ったかなどの報告はなされない)。
  3. Facebookでは利用体験を改善するために投稿が表示される相手を選ぶことを推奨している。公開範囲は「友達」、「親しい友達」など細かく設定できる。また友達、仕事、地域など適切な基準で相手を選んでカスタムリストを設定することができる。
  4. タグ付け、タイムライン表示の内容もカスタマイズできる。Facebookではこうした設定についても確認するよう勧めている。
  5. プラバシーセキュリティーのページにこうした設定方法がすべて説明されている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。