「Recipio」は、家にある食材から最適なレシピが分かるAI献立アプリ――1000万円の調達も

AIを活用したレシピアプリ「Recipio(レキピオ)」を開発するTADAGENICは4月24日、同アプリの正式リリースとともに、F Venturesおよび個人投資家などから約1000万円の資金調達を実施したと発表した。

Recipioは、家の冷蔵庫にある食材をアプリに登録し、チャットボットが投げかけてくる質問に答えるだけで最適なレシピを提案してくれるというサービス。誰と食べるのか、何人で食べるのか、今日の気分はどうか(あっさりか、またはガッツリか)などの簡単な質問に選択形式で答えていく。

例えば、友人のために料理を振る舞う場合と家族で食べる場合では、作るべき料理は変わってくるだろう。そういったものを変数にして、特に主婦層が抱える「今日何作ろう」という毎日の悩みをAIが解決するというわけだ。

主に主婦層をターゲットにしたRecipioだけれど、同サービスは僕のような本当の料理のド素人にとっても有用なサービスだ。僕の場合、主婦の方々のように毎日の意思決定が苦痛だというよりも、そもそも冷蔵庫にある食材から作れそうなレシピを思いつくだけの想像力がゼロだ。そこをAIが補ってくれるのは、嬉しいかぎりだ。

リリース時点のRecipioの総レシピ数は300通りほど。現状、レシピはサードパーティから購入するというかたちで整備を進めているという。TADAGENIC代表取締役の平塚登馬氏は、現状のレシピ数はまだ少ないと認めつつも、「1日に4品のレシピを提案するとしても、最終的に約3000通りのレシピがあれば十分だと思う。Recipioは意思決定を助けるサービス。例えばハンバーグというカテゴリーのなかで、“大根おろしハンバーグ”や”デミグラスハンバーグ”というように種類が多すぎると、意思決定が逆にしんどくなってしまう」と語る。コンテンツの数を追わず、ユーザーによる繰り返しの利用によってAIの精度を高めていく、というのがRecipioの戦略のようだ。

Recipioを開発するTADAGENICは2017年9月の設立。代表取締役の平塚氏をはじめ、創業メンバー全員が関西地方の大学生だ。同社は今後、「スマートスピーカーへの対応で、提案から調理サポートまで音声のみで行えるようになる機能も追加していく」としている。

写真右から2番目が代表取締役の平塚登馬氏。

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TechCrunch Japan

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