「Zombs Royale」のEnd Gameが約3億2000万円調達

End Game InteractiveのCEOであるYang C. Liu(ヤン・C・リュウ)氏は、彼と共同創業者であるLuke Zbihlyj(ルーク・ズビリジ)氏が現在何をしているのかについて、あっけらかんと次のように語る。「私たちはただゲームを開発しているところです。正直なところ、私たちは何をしているのか、わかっていないのです」

この無計画宣言にもかかわらず、End Gameは名のある投資家グループから300万ドル(約3億2000万円)のシード資金を調達した。今回のラウンドはゲームに注力するMakers Fundが主導し、「Clash of Clans」の開発元であるSupercell、UnityのCEOであるDavid Helgason(デビッド・ヘルガソン)氏、TwitchのCOOであるKevin Lin(ケビン・リン)氏、TwitchのVPであるHubert Thieblot(ヒューバート・シーブロット)氏、Main Street AdvisorsのDanny Epstien(ダニー・エプスタイン)氏、そしてScooter Braunの音楽エグゼクティブであるAlexandre Cohen(アレキサンダー・コーエン)氏が参加している。

リュウ氏の話によれば、彼とズビリジ氏が最初に始めたのは、既存のゲームに関連するウェブサイトの制作だった、たとえばPokemon GOのポケモンを探すためのサイトPokéVisionなどがその例だ。しかし、彼らはSlither.ioのようなブラウザベースのシンプルなマルチプレイヤーゲームの成功に触発されて、独自のゲームを開発。最初はZombs.ioを、次にSpinz.ioそしてZombs Royaleを開発した。

End Gameによれば、タイトルを合わせると1億6千万人以上のプレーヤーを獲得し、1日で100万人がプレーしているという。特にZombs Royaleは大ヒット作のようだ。このバトルロワイヤルゲーム(1つのマップで最大100人のプレイヤーが対戦できる)は、2018年に最もGoogle検索されたゲームの1つだった。

リュウ氏は、こうしたチームによる成功が、彼らをゲーム開発に集中させるようになったのだと述べる。「私たちは、みんながただ使うだけの製品を作りたいのだろうか? それともみんなが学校に行ったり、仕事に行ったり、夢を見てしまうようなゲームを作りたいのだろうか?」

End Gameの創業者たち

Zombs Royaleは4週間足らずで開発されたとされるゲームだが、リュウ氏によれば、2018年初めに最初のローンチを行って以降、チームはゲームの保守とスケールアップの対応に大部分の時間を使ったのだという。そして2019年は新しいチームづくりと、次のゲームであるFate Arenaの開発に費やされた。このゲームは近日中にPC、モバイル、その他のプラットフォーム上で発売される予定になっている新しい「オートチェス」ジャンルのタイトルだ。

リュウ氏によれば、シンプルな2Dアートを用いたこれまでのEnd Gameの製品とは異なり(「Zombs RoyaleとSpinzで、私はアートを担当しましたが、それらはひどいできでした」と彼は語った)、Fate Arenaは「3Dで高精度のアートスタイル」を採用しているということだ。

しかし、同社のゲームがこれまでのような素朴なものではないように見え始めたとしても、依然として目標は迅速な開発と反復だ。リュウ氏はこのシードラウンドの資金を、他のクロスプラットフォーム、マルチプレイヤーゲームを開発するための「たくさんの試行錯誤」に注ぎ込みたいと語る。

「私たちは迅速な実験を行えることに誇りを持っています」と彼はいう。そして重要な点は「噛み砕ける以上には、齧り取らないことです」と付け加えた。 「私たちは、(ゲームを)最初からスケールアップできるように設計しています。とはいえ、最低限でも100個のクエストを作らなければならない『World of Warcraft(非常に大規模なオンラインゲーム)』のようになる必要はありません。私たちは、より大きな何かへと拡大することができる、小さな出発点を持つゲームに焦点を当てています」

Supercell Developer Relationsの責任者であるJaakko Harlas(ジャッコ・ハラス)氏も、資金調達の発表時の声明で同様の点を指摘していた。

多くの企業は、自分たちがどれほどすばやく動いているかをすぐに口にします。ですが、End Gameのようなチームに出会うことで、無駄のない迅速な動きが何を意味しているのかを、本当に理解するのです。ヤン、ルークそしてチームは、自分たちに娯楽を生み出す真の才能があることをすでに証明しています。私たちは、次の大ヒットゲームを目指す彼らをサポートすることを楽しみにしています。

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画像クレジット: End Game Interactive

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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