【レビュー】マイクロソフトのSurface Laptop 4は予想どおり堅実な進化を遂げている

最近では、ノートパソコンのデザインで最も簡単なやり方は、Apple(アップル)のMacBook(マックブック)をそのまま模倣することだと言われている。確かにこの数年の間には、酷いケースも目にしてきた。しかし、Microsoft(マイクロソフト)はその製品ラインアップ全体の工業デザインにおいて、独自の道を挑戦的に切り開いてきた。同社の製品は概して非常に興味深く、革新的だ。最近こんな言葉はすべてのハードウェアメーカーに対して言えるものではなくなっているが。

しかし、マイクロソフトのやることが常に正しかったとは限らない。例えば、Surface Duo(サーフェイス・デュオ)では非常に大胆な試みに打って出た。確かに革新的ではあったものの、誰もに推奨できるとは言えない部分があったのも事実だ。その一方で、Surface Laptop(サーフェイス・ラップトップ)は、シリーズで最も画期的な製品というわけではないが、Windows対応のタッチスクリーンと、より標準的なノートブックのデザインを併せ持つ、一貫して最も優れた製品の1つであり続けている。

ここ数世代のモデルは堅実で、2021年のモデルも(おそらく大方の予想通り)大きな変化はなかった。約1年半ぶりの大きなアップグレードは、新しいチップ(AMD Ryzen、Intel Core i5またはi7のいずれか)の搭載と、8時間30分も長くなったバッテリー駆動時間の大幅な向上だ。基本的には、モデルの定期的な刷新時に予想される(あるいは期待される)種類の改良に過ぎない。

画像クレジット:Brian Heater

デザイン言語はほとんど変わっていない。Surface Laptopは、テーパードした側面やフェルト(アルカンターラ素材)で覆われたパームレストなど、その面では類を見ない独自性を備えている。素材の感触は良く、特に寒い日にはメタル素材製のものを明らかに凌ぐが、しかし短期間使用しただけで、すでに少し摩耗していることに気づいてしまった。

キーボードは従来と同じくソフトな感触で、驚くほどの弾力性がある。これまで私が見たノートパソコンの中で最高のキーボードというわけではないが、最悪のキーボードでもない(あのアップルの粗雑なキーボードの動きを忘れることができるだろうか?)。他のすべてのキーボードと同じように、慣れるには少し時間がかかる。

また何度も同じことを繰り返すと思うかもしれないが、おそらく毎回マイクロソフトが気候の良い時期にSurface Laptopを発表するせいだろう、私はいつもこれを外に持ち出したくなる。そして毎回、残念に思うのがあのディスプレイの反射だ。ほとんど集中できない。もちろん、多くのノートパソコンに光沢(グレア)スクリーンが採用されているが、マイクロソフトは特にその傾向が強い。この点において、Surface Laptopを陽光の下で使うことはおすすめできない。たとえ輝度を最大にしても、スクリーンは反射を打ち消すことができないからだ。

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見える環境に持って来れば、画面の表示はきれいだ。マイクロソフトが送ってくれたのは、2サイズが用意されているうち小さい方の13.5インチで、解像度は2256×1504px、201ppiとなる(15インチでも画素密度は同じ)。我々は新色のアイスブルーを選んだ。しかし、これは微妙な色合いだ。正直なところ、私にはブルーというよりシルバー / グレーに近ように見える。スピーカーの音は素晴らしく、ウェブカメラも問題ないが、依然としてビデオ会議が多く行われている現在、そろそろ(現在の720pから)1080pにアップグレードする時に来ていると言っていいだろう。

13.5インチのモデルの価格は1000ドル(日本では税込12万8480円)からで、8GBのRAMと256GBのストレージ(SSD)、そしてAMD Ryzen 5 4680Uプロセッサを搭載する。我々の手元にあるモデルは、RAMとストレージを2倍に増やし、プロセッサをAMDからIntelのCore i7に変更した仕様で、価格は1700ドル(日本では税込21万6480円)となる。さらに600ドルを足せば、RAMとストレージがさらに2倍になる(プロセッサは同じCore i7、日本では税込29万3480円)。Geekbenchのスコアでは、シングルコアで1378、マルチコアで4876という堅実な数値が出た。パフォーマンスは全体的に安定しているものの、アップルのM1を長時間使用した後では、Intelに大変な仕事が残されていることは明らかだ。

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マイクロソフトは、依然として独自のマグネット式充電ポートの採用にこだわっている。熱狂的なファンがいることは承知しているが、個人的にはUSB-Cポートをもう1つ追加するなど、より一般的な方法を採用してもらいたいと思う。だが、それでは他のSurface用のさまざまなアクセサリーとの互換性に影響が出てしまう。反対側には、USB-A、USB-C、そしてヘッドフォンジャックが備わる。これは良い組み合わせだが、ポート数が増えればさらに強化されることは間違いない。

2020年のSurface Laptop Goでは、さまざまな機能が削減されており実に失望させられた。もちろん、エントリーレベルの13.5インチLaptopは、12インチLaptop Go(日本では税込8万4480円)よりも300ドルも高い。しかし、基本的な作業以上のことをやりたいと思うのであれば、これはおそらく賢明な投資になるはずだ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:MicrosoftSurfaceノートパソコンレビュー

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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