【レビュー】Apple Studio Display、発売と同時に注文することにためらいはなかった

Apple(アップル)は同社の3月イベントで、Studio Displayを発表した。27インチの外部モニターで、価格は1599ドル(日本での価格は税込19万9800円)からと、これまで同社唯一のモニターだった、Pro Display XDR(5000ドル[税込58万2780円]から)から大きく引き下げられた。

Studio Displayの発表は、Appleが10年以上前に発売し、ディスプレイ事業を完全撤退した2016年に販売が中止された人気のThunderbolt Displayの後継機を待ちわびていた多くの人たちにとってビッグニュースだった。テック業界では多くのプロダクトデザイナーが、限られた解像度と時代遅れのポートにもかかわらずThunderbolt Displayを手放すことを拒み、いつかAppleが後継機を出すことを期待して使い続けていることを私は知っている。

AppleがThunderbolt Displayの販売を中止したとき、市場に大きなギャップを残した。当時、ウェブカム、マイクロホン、スピーカー、(プラス)USBポートをすべて備えたオールインワンのディスプレイは、事実上ゼロだった。LG(エルジー)のUltrafineは1つのソリューションとしてAppleも推奨していたが、製造品質、信頼性、接続性ともにThunderbolt Displayと比べて劣っていた。新しいUSB-Cポートを備えてはいたが。

2020年、パンデミックのためにテック業界がフルタイムのリモートワークに切り替えた時、新しいモニターを物色していた私は、オールインワン外部ディスプレイの選択肢が少ないことに驚かされた。ほとんどの新しいコンピューターにUSB-Cが装備され、高速通信とディスプレイ接続と充電が1本のケーブルでできるようになり、私はモニターメーカー各社がThunder Displayの成功の再現を狙うだろうと予測していた。しかし、私が探したなかで選択肢はごくわずかしかなく、結局単なる4Kモニターと、Logitech(ロジテック、日本ではロジクール)のウェブカム、USBハブ、マイクロフォンを別々に買うことになった。

Appleの新しいStudio Displayはその答えであり、10年待たされた結果の仕様はあらゆる期待に答えるものだった。5Kディスプレイ(5120×2880ピクセル)はリフレッシュレート60Hz、P3ワイドカラーガムートで、12メガピクセルのウェブカムと、あらゆる周辺機器をつなげるUSB-Cポートを3基備えている。MacBookと1本のThunderbolt 3 USB-Cケーブルで接続可能で、(さらに)使用中に充電もできる。

画像クレジット:Apple

ライバルとの差を際立たせているのは、現在購入可能な5K解像度の数少ない選択肢の1つであるからだけでなく、AppleがA13プロセッサーを搭載して、室内の周囲の照明に基づいて色温度を調整するTrue Toneや、人物の動きに合わせてウェブカムが被写体を追跡するセンターフレームなどの機能を付加していることだ。ありふれたことと思うかもしれないが、他にも輝度、音量、その他の機能はMacのキーボードからホットキーで直接制御可能であり、モニターに組み込まれた謎めいたオンスクリーンメニューをたどらなくてすむのは、クオリティー・オブ・ライフの大きな向上である。

ネットで最もよくみかけるこの新型モニターに対する不満は、最新のコンピューターに見られるApple ProMotionテクノロジーに対応しておらず、バターのようなとしか表現できない高い最大リフレッシュレート(120hz)が利用できないことだ。しかしこれは今後もサポートされる見込みはない、なぜならこの能力を引き出すために必要なポート・スループットがまだ存在していないからだ。5K解像度を120 hzでリフレッシュするには53.08Gbpsが必要だが、Thunderbolt 3/4は1本のケーブルで40Gpsしか扱えない。このレベルのスピードは、Thunderbolt 5標準に採用されるといわれているが、公式発表はされておらず、どのコンピューターにも搭載されていない。


1599ドルの基本価格にたじろぐ人も多いが、高解像度で忠実な色再現のディスプレイが必要で、一日のほとんどを画面の前で過ごす人、特に在宅勤務の人たちにとって十分な価値があると私は言いたい。私を含め、プロダクトデザインに携わる者にとっては特にそうだが、一日中オンライン・ミーティングに出席し、余計なアクセサリーを手放したい人にもおすすめだ。

ケーブル1本でつなげて、ビデオ通話のためにウェブカムとマイクロフォンとスピーカーの準備ができていることは、ノートパソコンを取り外すたびにあちこちいじりまわすのと比べて大きな改善だ。組み込み型マイクロフォンはノイズキャンセリングに最適化されているので、多人数のビデオ会議でスピーカーを使うのにもうれしい。リモートワークの社員を雇う会社にとって、買うべきアクセサリーが全部ついているモニターを1台送ればすむので、企業ユーザーにとっても人気の選択肢になる可能性が高い。

Studio Displayは高いか?そのとおり。しかしこれは1日中使う可能性の高い道具への投資であり、Thunderbolt Displayの歴史が参考になるとすれば、今後長らく使うことになるだろう。私も1599ドルを「スクリーン」につぎ込むことなど考えたことがなかったが、発売と同時に注文することにためらいはなかった。できの悪いスクリーンの上にウェブカムを不安定にとまらせ続けるには人生は短すぎる。

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画像クレジット:Apple

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(文:Owen Williams、翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

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