つねに一歩先を見ながらやっていける農業経営をデータ分析で支えるFarmLogsが早くもシリーズCで$22Mを調達

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収穫量の計算、利益予測、天候被害や害虫/疫病対策など、農家の経営のさまざまな側面を支えるミシガン州アンアーバーのFarmLogsが、立ち上げから4年で早くもシリーズCの資金調達ラウンドを迎え、2200万ドルを獲得した。ラウンドをリードしたのはNaspers Venturesで、同社の初期の投資家Drive Capital, Huron River Ventures, Hyde Park Venture Partners, SV Angel, それにY Combinatorの社長Sam Altmanのような個人も参加した。

FarmLogsのCEOで協同ファウンダーのJesse Vollmarによると、Y Combinatorのアクセラレータ事業を2012年に卒業した同社はその後、衛星画像およびデータの分析利用に重点投資をしてきた。それらの原始データをもとに予測モデルを開発し、農家の“計画的な”農業経営を助ける。

“今では全国各地の農地を年間を通して分析している。そして問題の兆候が見えたらそこを強調して農家に警報している。彼らは、地上にいるだけでは分からない初期的問題をチェックでき、対策を講じる。それができるのは、衛星画像を複数年にわたって分析している、われわれの積み重ね努力のおかげだ”、とVollmarは説明する。

最近の例では、近隣の農家がどこもバッタの被害に遭っているから、うちでもすでにどこかで発生しているかもしれない、被害がわずかながら始まっている場所を特定してくれ、という依頼が大規模農家からあった。これなどは、衛星画像が得意とする分野だ。もうひとつの例では、やはり大規模農家から、灌漑設備に故障が起きて過灌水や乾燥が生じている箇所を見つけてくれ、という依頼があった。そんな農地では、高価な肥料や農薬が無駄になってしまうのだ。

Vollmarは農家の子どもとして農村で育った。実家は、コーンを有機栽培していた。FarmLogsはこれまで主に、コーンや大豆のような条植作物の生産農家を対象にしてきた。それらはアメリカの農業生産の大きな部分を占める。Vollmarによると、農家が同社のモバイルアプリやWebサイトを好むのは、データサイエンスに基づくデータ駆動の農業経営のために、自分で大量のハイテク機器を導入せずにすむからだ。しかし今ではトラクターなど主な農業機械には必ずデータ収集機能があるから、それらJohn Deere, Holland, Case Corporationなどの農業機械メーカーが作った機器からFarmLogsは原始データを集め、それらのデータをあらゆる角度から分析する。

FarmLogsの正社員は今や約70名いるが、今度の資金でさらなる増員を図り、もっと多くの条植作物農家に同社の技術を知ってもらいたい。この投資の一環としてNaspers Venturesのアメリカにおける投資のトップMike Katzが、FarmLogsの取締役会に加わる。

同社の主な競合相手は、Monsanto傘下のClimate Corp.と、そのClimate FieldViewアプリケーションだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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