どんなアプリにもチャット機能をつけられるSendbirdはデベロッパーの苦労を減らす

customer_beat

John Kimと彼のチームが、ご近所のママたちを結びつけるコミュニティアプリケーションSmile Mom を作ったとき、ある問題にぶつかった。そのアプリにメッセージング機能を持たせようとしたけれど、既製のコンポーネントやサービスには良いのがなかった。

結局自作したのだが、そうするといろんな友だちが、自分のアプリに使いたいと言い出した。そこでKimたちは、消費者アプリからデベロッパーソリューションに看板を変えて、汎用APIのあるメッセージングサービスSendbirdを作った。それは、デベロッパーが自分のサービスに簡単にチャットを加えられるための、SDKだ。彼らは会社を作ってY Combinatorで勉強し、今日(米国時間2/12)公式にローンチした。

Kimはゲーム専門だったから、‘チャット機能があれば…’という問題を、かねてから痛切に感じていた。今ゲームはほとんどモバイルだから、プレーヤーたちのコミュニケーションが重要なニーズになる。とくにゲーム製品の多いスタジオでは、複数のゲームにまたがるコミュニケーションが重要だ。複数のゲームに、連続感が生まれるのだ。AゲームからB ゲームへ、簡単に移行する。プロのゲーマーだったKimは、彼の最後のスタートアップ、ゲームスタジオPaprika Labsを2012年にGREEに売った。

Kimは語る、“ソーシャルゲームを作ってるとき、チャットを二度も作ったことがある。しかしどのゲームでも毎回それを書くのは、たいへんだ。まるで、毎回々々、車輪を再発明してるみたいだからね。チャットはアプリの重要な機能だけど、スタートアップはデベロッパーの数も限られているから、アプリ本体の開発にすべての労力を取られてしまう”。

最初、Sendbirdは中小企業対象と思っていたが、Parseの協同ファウンダーIlya Sukharの話を聞いてからはエンタープライズにも注目するようになった。実は、ケータイにSMSしかないころから、企業はいつも消費者とテキストでコミュニケーションしていたのだ。

エンタープライズを相手にすれば、小さなアプリデベロッパーを相手にするよりも、大きなビジネスができるかもしれない。Sendbirdは有料会員制で、そのチャットサービスのユーザー数に応じて課金される。また、面倒なサポートは有料になる。

Kimの悟り: “技術が消費者製品から企業向けに広がっていくのが、進化の自然な方向だ。だから、今のわれわれは正しい路線に乗ってると思う”。

どこかで聞いたような話だな、と思ったら、2013年にTechCrunch Disruptで優勝したLayerの、2200万ドルの資金調達だ。.Sendbirdと同じような業態だが、チャットの機能はかなり違う、とKimは主張する。たとえば、同じルームでチャットできる人の人数は、Sendbirdでは無制限だ。

Layerにも、月間アクティブユーザー数を無制限にするプランはある。ほかにも、Twilioが同様のサービスをリリースするなど、コンペティターはけっこういる。

Sendbirdは、社員が15名。出身は韓国だ。今はサンフランシスコだが、それは、今後世界展開をしたいためと、B2Bのスタートアップがサンフランシスコに多いからだ。サンフランシスコは“食物連鎖の上の方だからね”、とKimは言う。サブプライム住宅ローンの危機以来、韓国ではスタートアップの立ち上げが難しくなってることもある。

Sendbirdが使われているアプリは、今340ある。その全ユーザーは各月で約200万だ。今同社は、Slackなどのように、ボットの統合化を進めている。つまり、いろんなサードパーティサービスをボットとしてアプリのメッセージング部分にくっつけるのだ。メッセージングから、いろんな機能を呼び出せるようになる(メッセージングを閉じずに)。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。