どんなサイトでもソーシャルネットワークになるツールSpot.IM

FacebookやTwitterはソーシャルマーケティングの必須のツールだが、これらのサイトの上でのユーザのエンゲージメント(engagement, 参加, 関わり・関与)がそのまま自社サイトのビジター増につながるわけではない。TechCrunch Disruptの優勝経験者が作ったSpot.IMは、この問題を解決するために、どんなサイトでもたった2行のコードでソーシャルネットワークにしてしまう。同社によると、これによってサイトのオーナーが自分のところへのトラフィックを自分で管理し、収益化にも生かせるようになる。

Spot.IMはNadav ShovalとIshay Greenが創業した。Greenの前のスタートアップSolutoはPCのパフォーマンスをモニタするソフトウェアで、2010年のTechCrunch Disruptの優勝作品だ。2013年にSolutoは、デバイスの保険を提供しているAsurionに1億ドルあまりで買収された。

Spot.IMのベータバージョンは、約1000のサイトが利用していて、その中にはTime OutKerrangSuamusicaなどもいる。

“われわれが作ったのは、どんなWebサイトでもソーシャルネットワークになれる技術で、その結果“どこでもソーシャルネットワーク”という、インターネットの新現象が生まれた。どのサイトでも小さなコミュニティを築き、Web全域に広まることができる”、とGreenとShovalは説明している。

“これまでは、パブリッシャーが苦労して良質な楽しいコンテンツを作っても、そのコンテンツをめぐるソーシャルなエンゲージメントは、どこかよそのソーシャルネットワークで行われていた。それは、パブリッシャーにとって残念な事態だ。だからソーシャルなエンゲージメントがその、話題のサイトそのものの上で行われるようにしたい、と考えたんだ”。

Spot.IMのベータユーザがこれまでに生み出した登録ユーザ数は合計で25万を超えており、先月は200万あまりのメッセージが送られた。“Spot.IMに送られたメッセージの約20%はプライベートだから、Spot.IMを埋め込んだサイトで出会った人たちの1対1の会話がこれだけ多いことは、新発見だった”。

Spot.IMは今投資家たちと折衝し、また収益化の方法を検討中だ。

“今後しばらくは、コミュニティ体験を充実するための新しい機能の開発に力を入れたい”、とGreenとShovalは言う。“リアルタイムの会話のためのプラットホームを作ったことは大きな成果だが、でもそれは最初の第一歩だ。最終的には、もっと複雑で多層的なコミュニティを作れるツールを目指したい”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


投稿者:

TechCrunch Japan

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