はてな創業者の近藤社長が退任し会長に–新事業に注力

はてな代表取締役社長の栗栖義臣氏(左)と会長の近藤淳也氏(右)

2001年に京都で産声を上げたはてな。同社の創業者であり、代表取締役社長だった近藤淳也氏が社長職を退任することをブログで発表した。新社長にはサービス開発部本部長の栗栖義臣氏が就任し、近藤氏は代表取締役会長となる。また、取締役副社長の毛利裕二氏は取締役ビジネス開発本部長に、創業メンバーの大西康裕氏は執行役員サービス開発本部長にそれぞれ就任する。

新代表の栗栖氏は2008年にはてなに入社。任天堂「Wii U」向けのサービス「Miiverse(ミーバース)」のディレクターを務め、2013年にはサービス開発部本部長に就任している。

はてなは2001年に「人力検索はてな」を公開。その後もブログサービスの「はてなダイアリー」「はてなブックマーク」など主にコンシューマ向けのサービスを展開してきた。2004年には東京に本社を移転したが、2006年に米国にHatena Inc.を設立して近藤氏を中心としたメンバーが渡米。その後2008年には再び本社を京都に移した。最近では、サーバー監視ツール「Mackerel」の提供も始めている。

近藤氏は自身のブログで、新規事業を手がけるとしつつ、「これまで開発組織を卓越したマネジメント能力でまとめあげてきた栗栖に経営執行を託す。新たな役割分担に移行することで、より魅力的なはてなを作り上げ、会社の発展を促進することができると判断した」と説明。

ところではてなと言えば、2012年2月に転職サービスのビズリーチを通じて、上場に向けてのCFO募集を実施していた。すでにCFOは参画しており、「上場に向けての準備中」(はてな)とのこと。

ただ一方で近藤氏がブログでも「はてなの価値の核であると考えているユーザー様向けのサービスにおいては、必ずしも期待したとおりの目覚ましいサービスの成長や、新サービスの創出ができていないという自覚もある」と説明しているし、東京都とはてな本社のある京都との距離的な問題もあるのかも知れないけれど、あまり同社の大きな話題を聞くことがないのは事実だ。近藤氏も新しいサービスに注力するということだし、はてなが新体制で生み出すサービスが気になるところだ。


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TechCrunch Japan

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