まるで“お菓子版Netflix”、サブスク型スナックBOXのsnaq.meが本格的なパーソナライズに舵取り

映画クルマ家具オーディオブックなど、さまざまプロダクトを対象としたサブスクリプションビジネスがここ数年間で多く生まれている。大人から子どもまで、みんなが大好きなお菓子だって、その例外ではない。

スナックミーが提供するsnaq.meは、4週間または2週間に1回、8種類のお菓子を詰め込んだスナックBOXを自宅まで届けてくれるサービスだ。お菓子のバラエティは全170種類。組み合わせは1800億通り以上もあり、毎回少し違ったスナックBOXが届くので長期間サービスを利用し続けていても飽きることはないだろう。

1箱1580円ということなので、スナック1つあたりでは約200円。コンビニで買うよりも高いけれど、ちょっと良さげなスーパーで買うよりは安いという価格だろうか。

サブスクリプション型サービスの代表格といえばNetflixがある。今や1億人以上のユーザーから支持を集める同サービスは、月額料金を払えば映画が見放題であるだけでなく、ユーザーの好みにあった映画をリコメンドするというパーソナライズ機能が最大の特徴だ。“おやつ版Netflix”とも言えるsnaq.meにも、しっかりとそのパーソナライズの要素が組み入れられている。

snaq.meに登録する際、ユーザーには自分の間食習慣や好きなお菓子の種類などを答える“クイズ”が出題される。それに答えることでsnaq.meはお菓子に対する好みを判断。それに合わせてスナックBOXの中身を調整する。また、届いたお菓子を1〜4の星の数で評価することもできる。それらの追加的なデータによってパーソナライズを深め、新製品の開発にも活かしていくというわけだ。

そして、5月22日にスナックミーが発表した新機能の「snaq tasting box」も、このパーソナライズという要素をさらに進化させるための試みだ。snaq tasting boxは1箱1058円の試食用スナックBOXで、合計12種類のミニスナックが詰め込まれている。ユーザーはそれぞれのスナックを食べてみて、専用ページから味、食感、フレーバーについての評価を入力していく。

スナックミーはそれら12種類のスナックの甘みや苦さを定量化し、食感や風味をタグ付けしている。例えば、snaq tasting boxに入っている「黒糖くるみ」の甘さはレベル3、食感はカリカリしていて、黒糖風味がある。これに対して「甘すぎる」と答えたユーザーには、今後甘さが3以下のお菓子が送られ、黒糖くるみの食感が好きと答えたユーザーには、カリカリとした食感の別のスナックが送られるというわけだ。

スナックミー代表取締役の服部慎太郎氏は、「人の味覚をもとにリコメンドする場合、Netflixなどのように、あなたと似た特徴をもつユーザーがAというものが好きだから、あなたにもAを勧めますというようなアルゴリズムは使えない。そのため、ユーザーに実際にお菓子を食べてもらい、個人ごとのプロファイルを作る必要があった」とsnaq tasting boxnの開発背景について語る。

服部氏によれば、現在snaq.meは数千人の定期購買ユーザーを獲得しており、その約95%が女性だ。スナックミーの創業は2015年9月。これまでに「数千万円の資金調達を複数回」(服部氏)行っているという。

スナックミー代表取締役の服部慎太郎氏

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TechCrunch Japan

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