もしもFacebookがコンテンツに料金を支払ったなら?

like-a-vision

バカバカしい考えだとはわかっているが、もしライターやアーティストがFacebookにタダで作品を提供しなかったからどうなるだろうか?たしかにパイプを敷いたのはFacebookだが、だからといって水に価値がないわけではない。コンテンツは人々をFacebookのニュースフィードにとどまらせ、そこは専門的にターゲットされた広告で埋め尽くされている。たった今クリエイターたちへの見返りは参照トラフィックだけだ。

ニュースサイトのように広告を売っているコンテンツビジネスにとっては、受け入れられる取引かもしれない。New York Timesにはこうしたクリックを資産に変える営業チームがいる。しかし、このニュースフィード経済は一部のクリエイターにとって残酷でさえある。

unnamed-4

あなたが映画製作者や写真家なら、Facebookは容易にあなたのコンテンツを吸い上げ、壁に囲まれた庭園の中で、売り上げを分け合うことなく配信する。ようやく最近、Instant Articlesによって、パブリッシャーに分け前を与え始めたが、それもコンテンツを全面的にFacebookアプリ内でホストする場合に限られる。もちろんクリエイターはFacebookをボイコットすることが可能だが、代わりのコンテンツはいくらでもある。跪かなければ追放されるだけだ。

クリエイターがファンから直接収入を得るのを手助けするサービスもいくつか現れている。MemberfulとTinyPassは、プレミアムコンテンツを販売するための有償ウォールの設定を容易にする。さらに面白いやり方として、Patreonはクリエイターがコンテンツを公開するたびに、ファンが一定額を寄付するしくみを提供する。例えば曲やビデオにつき1ドルなど。

投資家らはこれを、レコードレーベルその他アーティストとファンを仲介するしくみの代替案として期待しており、1700万ドルをPatreonにつぎ込んだ。KickstarterとIndiegogoは巨大なしくみへと成長したが、彼らの提供する一回ごとのしくみは、定期的にリリースしていくために継続的な資金調達が必要なクリエイターには適用できない。

sunset

今週まで、この支援支払い分野にもう一人のプレーヤーがいた。Tugboat Yardsだ。彼らはGreylockとAndreessen Horowitzという一流ファンドの支援を受けていた。しかし、 FacebookがファウンダーのAndrew Ankerを買収/雇用したことでサービスは閉鎖された。

Ankerは、買収についての発表文にこう書いている。「私たちはFacebookの製品チームに加わり、ニュース、ビデオなどのメディア製品に取り組む。Tugboartをスターストした最初の理由 — 中小メディアプラットフォームのための視聴者管理プラットフォームがない ー は3年後の今も変わっていない。私たちは、より広いスコープを持つFacebookでこの問題を解決することを楽しみにしている」

Tugboardで、Ankerはこうした問題を解決するためにパプリッシャーが一部のコンテンツを有償化したり、ショップをひらいたり、デジタル投げ銭箱を置いたりするしくみを提供した。

Facebookでは、同様のツールを膨大なクライアントベースに届けることが可能だ。事実上、インターネット上のあらゆる人とパプリッシャーがアカウントを持ち、Facebookのコンテンツ配信チャンネルであるニュースフィードを知っている。

Screen Shot 2015-05-24 at 12.12.55 PM

Facebookがこれに関してできることはいくつかあると私は考える。

まずAnkerは、パブリッシャーが収益化に関して何を必要としているかをFacebookに理解させ、そのしくみを既存製品にさりげなく取り込む。例えば、Facebookの新サービスであるInstant Articlesを改良して、気軽なビジターを忠実な読者へと変えるしくみにする。自サイトでそのつながりを作ることは、パブリッシャーがアクセスを増やすために犠牲にすることの一つだ。Ankerなら、パブリッシャーに視聴者との関係をFacebookが分断していると感じさせなくできるかもしれない。

Tugboat Facebookさらに積極的なやり方としてFacebookは、
Parseの買収を通じてアプリデベロッパーに開発、成長および収益化のためにツールを提供したのと同じように、パブリッシャーやアーティストのコンテンツを収益化するツールを作ることもできる。もしFacebookがパプリッシャーに送り込むトラフィックを収益化する方が、単に広告を掲載するよりも良いとなれば、彼らはFacebookの配信チャンネルに頼ることへの抵抗が減るだろう。例えば有償ウォールの入り口に、どの友達が購読しているか、料金を払えばどんな素晴らしいコンテンツを読めるかが表示されているところを想像してほしい。

そしてもしFacebookがさらに本格的な支援システムを作りたければ、Patronに真っ向から競合し、Vesselのような新しいクリエイタープラットフォームの分野に進出するシステムを作ることもできる。おそらくFacebookは、Facebookページのコンテンツを唯一あるいは早期に閲覧するしくみとして有償購読を提供するだろう。お気に入りのクリエイターのコンテンツを追いかけることなく、ファンは支援したコンテンツをフィードの中で見ることができるようになる。

自分のビデオや写真や記事をFacebookにホストさせることも、最大のファンたちからの支払いと結びつけるためと考えれば、そう怖くは感じなくなるだろう。

Facebookはインターネットを飲み込もうとしている。その新しいモバイル支払いシステムや、急速に拡大するビデオインフラストラクチャーからInstant Articlesまで、Facebookが張り巡らせてきた輝く新たなパイプはまさにそのためにある。コンテンツを送り込む人々に支払うための努力は、それらのバイプを満たす確実な方法だ。

[画像提供:Mister Thoms

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。