やった!ついにSnapが黒字に

クラクションを鳴らせ、のぼりを立てろ、パレードをしよう。Snap(スナップ)が黒字になった

それも、調整後EBITDA黒字のことでも、調整後営業利益黒字でも、悪名高き非GAAP純利益黒字でもない。「本物」の黒字だ。

2021年第4四半期、Snapは売上13億ドル(対前年比42%増、約1493億3000万円)、営業損失2510万ドル(約28億8000万円)、GAAP純利益2260万ドル(約26億円)を計上した。これまで長年にわたりSnapのときには曲がりくねった黒字への道について書いてきた意地悪のすべてに代えて、私は「おめでとう」をいいたい。

1つだけ、わずか6320万ドル(約72億6000万円)の注意点。営業損益はマイナスなのに、どうやってプラスの純利益をひねり出したのか?

画像クレジット:Snap

この会社の2021年第4四半期の営業損失をプラスに変えるのにひと役買った「その他の利益(Other Income)」とは何か?私は知らない。今はまだ。会社の決算リリースでも用意されたコメントでも説明されていない。しかしいずれにせよ、Snapの四半期は絶好調であり、投資家たちは興奮した。株価はこの日の散々な通常取引(23.53%安)から、数字が発表されたあとの時間外取引で現在急上昇(40.90%高)している。

要するに、多くの会社に打撃を与えたApple(アップル)のプライバシーポリシー変更が、SnapにとってはOKだということらしい。これは驚きだ。なぜなら2021年第3四半期同社は、Appleの新しいプライバシー方針は損益に直接的打撃を与えるとコメントしていたからだ。どう考えればよいのか?会社の決算発表文を見てみよう。最高ビジネス責任者であるJeremi Gorman(ジェレミ・ゴーマン)氏が次のように語っている(強調は引用者による)。

ダイレクトレスポンス広告部門では、AppleのATT(アプリケーション追跡透明性)関連の変更から生じた課題への継続的取り組みによって、堅調な進展を見せています。予想していたとおり、ブランド部門では、サプライチェーン崩壊と労働力崩壊に関連するマクロな逆風が顕在化し、新年になっても未解決のままです。こうした状況にもかかわらず、当社は新しい広告主の獲得を続け、アクティブ広告主数は史上最高を記録しました。

確かに堅調な進展だ。

絶好調の四半期を推進したのは着実なユーザー成長であり、それはMeta(メタ)が現在苦闘していることそのものだ。これに関するSnapのグラフを見てみよう。

画像クレジット:Snap

要約すると「ヤバイ!」

他に関連する企業のニュースとしては、Amazon(アマゾン)は絶好調の決算報告後の時間外取引ですばらしい時間を過ごしている。これはPayPal(ペイパル)、Spotify(スポティファイ)、Netflix(ネットフリックス)をはじめとするテック世界の他社が、投資家の期待に答えられずに沈黙せざるをえなかった後の出来事だ。

最近の決算報告は悲喜こもごもであり、言い方を変えれば、我々は、少なくとも2021年は足並みを揃えて前進していたようだった企業間の業績の相違を確認しているのだ。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。