アウディは自ら運営するライドシェアサービスを南ドイツで実験

Audi Business Innovation(アウディ・ビジネスイノベーション)は、南ドイツでBITSと呼ばれるライドシェアサービスをテストしている。ガソリン車と電気自動車の両方からなるフリート(車群)を使うもの。

アウディは、このサービスを管理するために、Fleetonomy(フリートノミー)に協力を仰いだ。ホワイトラベルの配車アプリサービスと、フリート管理テクノロジーを提供する会社だ。

同社は、車両の利用率を管理し、効率を向上させる技術を開発している。メンテナンスのタイミングを調整し、需要と供給のバランスをリアルタイムで可視化する技術によるもの。

このサービスでは、電動車と内燃機関車を組み合わせて、南ドイツ全域をカバーする長距離の運行を提供する。

「お客様に柔軟なモビリティを提供する必要性が高まっています。そこは、自動車業界にとって注力すべき領域に加えられるはずです」と、アウディ・ビジネスイノベーションのNico Gropper(ニコ・グロッパー)氏は声明で述べている。「私たちはそうした領域の開発で、常に最前線にいることを目指しています。電動車と内燃機関車の両方を含むサービスは、スムーズに運営するために、さらに高いレベルの複雑さに対処する必要があります。そうした複雑な課題を解決するためには、適切なテクノロジーパートナーと協力することが不可欠です。そうしてこそ、サービスの運用面でも、財務面でも成功することができるのです」。

アウディは、10月の初期段階のテストを成功させ、このサービスをさらに拡張することを計画している。Fleetonomyとの新しいパートナーシップにより、アウディとしては、アプリを活用したカスタムメイドの配車サービスと、電動車と内燃機関車を組み合わせた車群を管理する手法の両方を手にすることができた。

この技術を使うことで、走行距離が問題となる状況を解決できる。あらかじめ距離が分かっている走行に対して、それに適した車を配置できるからだ。そのため、バッテリー容量はそれほど問題ではなくなる。また経路も、充電時間と充電可能な場所を考慮して最適化するよう管理できる。

Fleetonomyによって、アウディは配車とスケジューリング管理用のダッシュボードが使えるようになった。また、乗客とドライバーの両方に向けたモバイルアプリも提供できる。これは自動車メーカー自身がコントロールするUberのような世界だ。

「世界中の自動車メーカーは、オンデマンドのモビリティサービスのプロバイダーとしての役割まで果たすようになっています。そして、収益性を確保するのはもちろん、素晴らしい乗車体験を提供できるサービスを作り出すため、フリートを管理する効率的な方法を探し求めています」と、Fleetonomyの創立者兼CEOであるIsrael Duanis(イスラエル・ドゥアニス)氏は声明で述べた。

「Fleetonomyの高度なモビリティプラットフォームは、アウディ・ビジネスイノベーションの新しいモビリティプロジェクト、BITSを支える技術の候補となり、この業界初のサービスを実現するためのテクノロジーパートナーに選ばれたことを非常に光栄に感じています。アウディ・ビジネスイノベーションが掲げるNew Mobility(ニュー・モビリティ)への旅をサポートし続けることを楽しみにしています」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

投稿者:

TechCrunch Japan

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