アジア人特化のマッチングサービス「EastMeetEast」が約4億円を調達、東南アジアで新サービスも

英語圏在住のアジア人に特化したマッチングサービスを提供するEastMeetEastは4月13日、DG Daiwa Venturesモバイル・インターネットキャピタルセプテーニ・ホールディングス朝日メディアラボベンチャーズAPAMANグループなどを引受先とした第三者割当増資を実施した。調達総額は400万ドル(約4億円)だ。

「サービスを始めたきっかけは、自分自身の婚活経験からきている」と、EastMeetEast代表取締役の時岡真理子氏は話す。時岡氏はロンドンに拠点を置く教育アプリ「Quipper」の共同創業者兼COOを務めた人物。スタートアップの経営で毎日忙しく働いていた彼女は当時、プライベートでは真剣に結婚相手を探していたという。

時間の制約があるなか、時岡氏が選んだのは大手のマッチングサービスだった。時岡氏が結婚相手として望んでいたのは、両親と会話ができ、食の好みも共通する日本人男性だった。しかし、海外のマッチングサービスでは、日本人や韓国人、インド人などを“アジア人”として一括りにしてリコメンドされるという課題があったそうだ。

「そもそも単一民族の日本とは異なり、人種のるつぼである欧米では、結婚の価値観の合う人を見つけるのが難しい。そのため、海外ではユダヤ人向けのJDate.comやインド人向けのShaadi.comが成功している。私と同じく婚活に苦労しているアジア人女性を助けたいという思いでEastMeetEastを立ち上げた」(時岡氏)

そんな思いで作られたEastMeetEastは、アジア人が同じ人種やバックグランドをもつパートナーを探しやすいように設計されている。人種や言語、移民した年齢などで細かく検索できる機能を備えるほか、学歴や職歴を重視するアジア人の特性に合わせてプロフィール項目の内容を調整した。

ニューヨークに本社を構えるEastMeetEastの主戦場はアメリカだ。同サービスは現在、ニューヨークやロサンゼルスなどの米国主要8都市でよく利用されている。カナダやイギリスなどの他の英語圏に住むユーザーも多い。国籍は、多い順から中国人、ベトナム人、フィリピン人、韓国人、日本人だという。ユーザー数自体は非公開であるものの、時岡氏によれば「2016年1月から2017年12月までの約2年間でユーザー数は800%、売上は1200%」伸びたという。

EastMeetEastは今回の調達を期に、フィリピンでリリースした新サービス「WestEastDating」の展開を進めていく。同サービスは、アジアの文化や言語などに興味のあるユーザー全員を対象とした、異人種間マッチングサービスだ。「アジア地域の人口は現在45億人を超え、世界人口の60%を占めている。そういった巨大なマーケットで恋活・婚活を支援することにより、弊社のビジョンである、より多くのアジア人に幸せなご縁をもたらすということが実現できると考えている」と時岡氏は話す。

WestEastDatingは今後、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムなど他の東南アジア諸国での展開をめざす。

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TechCrunch Japan

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