アップルがクラシック音楽配信サービスのPrimephonicを買収

米国時間8月30日、Apple(アップル)はクラシック音楽の提供を拡大するために、Primephonic(プライムフォニック)を買収したことを発表した。2014年にスタートしたアムステルダムを拠点とするPrimephonicは、これまでApple Musicの一般的なストリーミングのアプローチでは不足していた音楽ジャンルに、特に大きな貢献をすることになる。

サービスはApple Musicのプラットフォームに吸収されるため、単独での提供は事実上終了する。米国時間9月7日にPrimephonicは終了し、Appleは自社のストリーミングサービスをベースにしたクラシック音楽アプリを2022年に立ち上げる準備を進める。

Primephonicの共同創業者でCEOのThomas Steffans(トーマス・ステファンス)氏は、Appleが発表したプレスリリースの中で「アーティストのみなさんには、Primephonicのサービスと私たちがクラシック音楽の世界で行ってきたことを気に入っていただいていると思っていますが、今回Appleと一緒になることで、より多くのリスナーのみなさんに最高の体験を届けることができるようになります」と語っている。「クラシック音楽をメインストリームにお届けし、新世代の音楽家と次世代の観客を結びつけることができるのです」。

2020年発表されたPrimephonicのCTO Henrique Boregio(エンリケ・ボレジオ)氏へのインタビューによれば、150カ国でサービスが開始されているとのことだった。また、一般的なストリーミングサービスに比べて、より高い年齢層の人々が利用しているようだ。

エンリケ・ボレジオ氏は、2020年にMixpanel(ミックスパネル)に対して「当社のユーザーの多くは55歳以上で、高学歴で比較的裕福な生活を送っていらっしゃいます」と語っている。「クラシック音楽が好きになってお金持ちになるのか、それともその逆なのかわからないね、とオフィスでは冗談を言っています」。

Appleはこの先行う提供に関して「Apple Musicのクラッシックファンのみなさまは、作曲家やレパートリーごとのより優れたブラウジングや検索機能、クラシック音楽のメタデータの詳細な表示、さらに新しい機能や特典などの、Primephonicの最高の機能を備えた体験をお楽しみいただけるようになります」とコメントしている。

新しいクラシック音楽サービスが開発されている間、Primephonicの既存のユーザーには、Apple Musicの6カ月間 無料利用という形の特別提供を行う。

関連記事
Apple Musicが空間オーディオとロスレスオーディオの提供を開始
Apple Musicでのストリーミング売上詳細をアーティストへの手紙に記載、やはり中堅や独立系たちには厳しい
アップルが動画や音楽をバーチャル共同視聴できる新機能「SharePlay」をiOS 15で導入
画像クレジット:Westend61 / Getty Images

原文へ

(文: Brian Heater、翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。