アップルが日本の公正取引委員会と和解、アプリ内の外部リンクを承認

Apple(アップル)は、日本の規制当局と和解し、「リーダー」アプリの開発者がユーザーアカウントを管理するための独自のウェブサイトにリンクできるようにすることを決定した。この変更は2022年初頭に有効になる。

これまで、日本の公正取引委員会はAppleに対して、「リーダー」アプリに対する同社のポリシーを変えるよう迫っていた。リーダーアプリとは、NetflixやSpotify、Audible、Dropboxなどのように、ユーザーが購入したコンテンツやコンテンツのサブスクリプションを提供するアプリで、そのコンテンツはデジタル雑誌や新聞、本、オーディオ、音楽、ビデオなどさまざまだ。

AppleでApp Storeを統轄しているPhill Schiller(フィル・シラー)氏は、「私たちは日本の公正取引委員会をとても尊敬しており、これまでともに成し遂げたことも高く評価しています。今後、『リーダー』アプリの開発者は、ユーザーのために自分のアプリやサービスをセットアップし管理することが、より容易になり、また同時に、ユーザーのプライバシーの保護と信頼の維持が可能になるでしょう」と述べている。

声明によると、この変更が有効になる2022年まで、Appleは「リーダー」アプリのユーザーのためにガイドラインとレビュープロセスのアップデートを続け、ユーザーと開発者の両方にとってより良いマーケットプレイスでありたいという。

Apple Storesは先週、いくつかのアップデートを発表を行い、開発者が顧客にもっと柔軟に接することができるようにし、また地元のジャーナリストをサポートするためのNew Partner Programをローンチしている。

なお、「リーダー」アプリに関するこの変更はグローバルに適用される。

Appleやその他のテクノロジー巨大企業に対しては、世界中の政府や議会がその市場支配をますます厳しく監視しようとしている。オーストラリアの競走・消費者委員会も、AppleとGoogle、WeChatのデジタル決済システムに対する規制を検討しており、また韓国ではAppleとGoogleがアプリ内での購入に独自の決済システムを課すことを制限する最初の国となった

Appleの登録開発者は3000万人を超えている。

関連記事
アプリ開発者は今後、アップルに手数料を支払わなくてすむ直接購入をユーザーへ提案可能に
世界初、韓国がグーグルとアップルのアプリ内課金手数料を抑制する「反グーグル法」可決
画像クレジット:Kiichiro Sato/AP

原文へ

(文:Kate Park、翻訳:Hiroshi Iwatani)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。