アップルが104億円を投じる「人種の公平性と正義のためのイニシアチブ」関連の新たな取り組みを発表

2020年6月、Apple(アップル)は「人種の公平性と正義のためのイニシアチブ(REJI)」に1億ドル(約104億円)を投じた。このイニシアチブを主導しているのは、アップルの環境、方針、社会的イニシアチブ担当バイスプレジデントであるLisa Jackson(リサ・ジャクソン)氏だ。アップルは米国時間1月13日、このイニシアチブの一環として、いくつかの新たな取り組みを発表した

アップルのTim Cook(ティム・クック)CEOは声明で次のように述べている。「あまりにも長い間、人種差別やその他の差別の犠牲になってきたコミュニティに力を与えるために、私たちは学生から教師、開発者から起業家、住民組織から正義の提唱者まで、幅広い業界やバックグラウンドを持つパートナーとともに、REJIの最新のイニシアチブを立ち上げます。私たちはこのビジョンの実現を支援し、我々の言葉と行動を、我々が常にアップルで大切にしてきた、公平性と多様性を受け入る価値観に一致させることを誇りに感じます」。

アップルは、歴史的に黒人の多いカレッジや大学のための革新と学習の中心地であるPropel Center(プロペルセンター)に、2500万ドル(約26億円)を提供する。この資金は、アトランタ大学センター内のバーチャルプラットフォームと物理的なキャンパスの両方に使われる予定だ。アップルは、その新しい建物の完成予想図をいくつか公開した(上と下の画像を参照)。

学生たちは人工知能、農業技術、社会正義、エンターテインメント、アプリ開発、拡張現実、デザイン、芸術創造、起業家精神など、専門の様々な教育コースを受けることができるようになる。アップルは単に資金を提供するだけでなく、同社の従業員もカリキュラム開発を手伝ったり、メンターシップを提供する。学生のためのインターンシップの機会も用意される。

また、アップルはデトロイトのダウンタウンに、若い黒人起業家に焦点を当てた「Apple Developer Academy(アップル・ディベロッパー・アカデミー)」を開設する。これはミシガン州立大学との共同事業で、デトロイト中のすべての学習者を対象とし、起業家、クリエイター、コーダーのための貴重なスキルを教える。

そこでは2つのプログラムが用意される。30日間の入門プログラムは30日間で、さらに深く掘り下げたい人は、10カ月から12カ月の集中プログラムを受けることもできる。アップルによれば、これら2つのプログラムで年間1000人の学生に教えることを目指しているという。

3つ目の取り組みは、黒人や有色人種色の起業家に向けて投資機会を拡大することに焦点を当てている。アップルはニューヨークに拠点を置くベンチャーキャピタル企業のHarlem Capital(ハーレムキャピタル)に1000万ドル(約10億4000万円)の資金を提供する。ハーレムキャピタルとアップルの間では、今後さらに多くのコラボレーションが行われる予定だ。

そのほか、アップルはSiebert Williams Shank(シーバード・ウィリアムズ・シャンク)のClear Vision Impact Fund(クリア・ビジョン・インパクト・ファンド)に2500万ドル(約26億円)を出資し、キング牧師の記念館であるThe King Center(キング・センター)にも寄付を行っている。

以上がアップルの人種的公平性と正義のためのイニシアチブは継続的な取り組みであり、常に新しい機会を評価することが求められる。アップルが資金を提供する相手は、誰でもいいというわけではない。それぞれの機会を個別に評価し、最良のコラボレーションを見つけようとしている。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Apple差別

画像クレジット:Apple

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(翻訳:TechCrunch Japan)