アップルのAirPowerがNomadの新製品Base Station Proとして蘇る?

アクセサリメーカーのNomadは、Apple(アップル)やその他のQi互換デバイスで使える優れたワイヤレスチャージャーを、すでにいくつか販売している。そして、さらに汎用性の高い新製品を発売する予定だ。新しいNomad Base Station Proは、パートナー企業のAiraが提供する「FreePower」と呼ばれる技術を利用したもの。表面に置いた3台までのデバイスをまとめて充電できる。置く向きは関係ない。3台を同時に充電できるだけもすごいが、普通の充電器とは異なり、充電するデバイスを正しい向きで所定の位置にぴったり合わせて置いたりする必要もないのも素晴らしい。

これは、残念ながらポシャってしまったアップルのAirPowerが目指したものによく似ている。内部には、複数の充電コイルがマトリックス状に並んでいる。それらが相互にリンクすることで、Base Station Proの表面の、どの位置でも充電できるようになっている。おそらく意図的なものだが、AiraのウェブサイトのURLは「airapower.com」となっている。アップルが棚上げした純正アクセサリの名前に1文字だけ加えたドメイン名だ。

Nomadの新しい充電器は、同社の既存の製品と同じ仕上げを継承している。つまり、デバイスを置く面は、黒い柔らかなレザーになっている。周囲のフレームはスレート色のアルミニウム製だ。この充電器も、かなりの高級感を備えている。これも、同社の他のBase Stationから受け継いだもの。

Base Station Proは、各デバイスに対して最大5Wの電力を供給できる。これはiPhoneや、その他のデバイスがサポートする最大電力ではないが、Airaの共同創立者であるJake Slatnick(ジェイク・スラントニック)氏によると、実際にはほとんど問題にならないという。

「ベンチマークテストによって明らかになったのは、私たちの5W出力による充電時間が、他社の10W出力とされている充電器と、ほとんど変わらなかったことです」と、スラントニック氏はメールで説明してくれた。「スマホが熱くなり始めると、充電速度が大幅に低下することもわかりました。その際、電力は5W未満になってしまいます。7.5W以上の充電器は、その電力を、ほんの2、3分しか維持できないようです。現時点でのパフォーマンスは、他社のどんな充電器とも同等で、ほとんどのユーザーは違いに気付かないはずです」。

Nomad Base Station Proは、すべて5Wで最大3台のデバイスの同時充電をサポートする。例えば、2台のiPhoneと、AppleのWireless Charging Caseに入れたAirPodsを一度に充電できる。

この製品には、USB Power Deliveryに対応した27WのUSB-C電源アダプターと、それをBase Station Proに接続するUSB-Cケーブルも付属している。価格は、おそらくかなり高価なものとなりそうだが、実際のところは11月に予約注文が始まれば明らかになるはずだ。

アップルが開発していたものと比べると、少なくともアップルの熱心なユーザーにとって重要な違いが1つある。それはApple Watchの充電をサポートしていないこと。NomadのBase Stationには、Apple Watchの充電機能を統合したモデルもある。しかし、そのモデルには、この新モデルのようなオーバーラップするコイルの設計は採用されておらず、どこに置いても充電できる機能は実現していない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)