アプリケーションのAPI呼び出しを視覚化してモニタし問題を早期発見するRunscopeが$1.1Mを調達

今日(米国時間5/22)のGlueカンファレンスでローンチしたRunscopeが、True VenturesとAndreessen Horowitzから110万ドルのシード資金を調達した。ユーザ(デベロッパ)が自分のアプリケーションのAPI使用トラフィックを視覚的にモニタでき、その不具合などを検出するツールを、同社はサービスとして提供している。今回の投資には、Lerer Venturesと高名なエンジェル投資家たちのグループも参加した。

Runscopeのツールは、SaaSなのでスケーラビリティが良い。また最初からAPIも提供しているので、デベロッパはAPI経由での利用もできる。企業のITもWebサービスの利用が主流になりつつある今日では、ソフトウェアの統合が複雑で高価な工程になっている。個々のアプリケーションへの接続は、RESTベースのAPI呼び出しで比較的容易にできる。しかし問題は、複数のWebアプリケーション(のAPI)を分散環境で統合的に利用する場合に生ずる複雑性だ。

分散アプリケーションのコードの構造は、独特だ。そしてそれらが、オンプレミスのサーバやクラウドプロバイダのネットワークとサーバの上で文字どおり分散的に動く。そのコードが、APIプロバイダのコード集合や、特定のサーバを呼び出していたりする。

このような複雑な状況を、簡単に一望に監視&管理できるようにするのが、Runscopeのツールの仕事だ。最初は試験用のツールを目指していたが、今後はプロダクション向けのツールとしても提供していく予定だ。

“まずやりたいのは、ユーザのアプリケーションが(API利用を介して)そのほかのサービスと会話している様子を視覚化することだ”、とRunscopeのCEO John Sheehanは言う。APIのトラフィックを目視できて、起きている問題が文字どおり目に見えるツールを作る、ということだ。

“今のアプリケーションの理想像は、複数の分散的な小片から成り立っていても、まるで単一の首尾一貫したアプリケーションのように動くことだ”、とSheehanは言う。“みんなそのことを理解し始めているが、しかしツールは、古いスタイルのアプリケーションを作るためのものしかない。たとえばパフォーマンスをモニタするツールは、あらゆる問題がユーザのサーバ上で起きている、としか判断しない”。

RunscopeはAmazon Web ServicesのEC2の上で構築され、Pythonでプログラミングされている。CTOのFrank Stattonは、Twilioでリードエンジニアだった。システムは障害耐性があり、構築したのはPinterestから来たRyan Parkだ。SheehanはStattonと同社を共同創業する前にはIFTTTにいた。さらにその前には、 Twilioでデベロッパエヴァンジェリストを務めていた。

収益源は、まず、Runscopeのランタイムそのものだ。それが、APIトラフィックに関するデータを生成する。そのデータは、BI(ビジネスインテリジェンス)に利用できる。また、このサービスが提供する多様な情報と機能により、顧客のミッションクリティカルなアプリケーションの安定性を高め、とりわけAPIの問題が重症化する前の早期発見を可能にする。

同社の競合他社としては、まずNew RelicがRusncopeが対応する問題にパフォーマンスの面から取り組んでいる…とくにモバイルのSDKで。またApigeeLayer7などのAPI管理サービスも、同じ業態に属している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))