アプリ上でアクセサリーをデザインして販売——モノづくりマーケットの「monomy」が正式ローンチ

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GMOペパボの「minne」やクリーマの「Creema」といった国内発のサービス、日本にも本格進出を始めた米国発の「Esty」など、ハンドメイドの作品を販売するマーケットプレイスが成長している。作り手、アーティストにとってはまたとないチャンスだが、もうちょっと手軽にハンドメイド作品を作れないだろうか。FUN UPが8月18日に正式ローンチした「monomy」はそんな思いを形にしてくれるサービスだ。

monomyでは、スマートフォンアプリ上でスワロフスキーや天然石、チャームなど3000種類以上の素材を組み合わせてアクセサリーを自分でデザインして公開、販売までが可能だ。アプリでデザインしたアクセサリーは、monomy上に作成したマイページに公開し(同時にmononyのタイムライン上にシェアされる)、“自分のブランドの作品”として他のユーザーに販売できる。

価格はパーツごとに設定されているのでユーザーが決めることはできないが、平均で3000円程度。サービスは2015年8月に公開。MVP(Minimal Viable Product)ということでほぼノンプロモーションだったそうだが、投稿作品は1万5500ブランド・12万点以上。1日200個程度売れたアクセサリーなどもあるという。


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実際のアクセサリー製作はFUN UPの自社工房が担当。製作のほかにも決済から配送、アフターケアまではFUN UPが、ユーザーから見ればお気に入りのデザインを作り、それをmonomy上やソーシャルメディア上で宣伝するだけで作品を販売できるというわけだ。工房自体の制作能力は1日100個程度だが、大口の注文が入った場合は外部パートナーと協力し、最大1日1万個程度までの製作に対応できる体制だという。

この製作能力というのはハンドメイド作品のある種の“キモ”なのだそう。どんなにいい作品であっても、ハンドメイドである以上は作れる点数が限られているし、無理して大量生産すれば今度は品質が悪化してしまう。検品も含めて(以前一度だけ検品ミスもあり、以後三重のチェック体制を作ったという)製作の体制が整っているのはmonomyの強みだという。また全国40社のパーツメーカーと提携。パーツを最小ロット・直接仕入れすることで在庫リスクを低減。中間業者を省くことで利益率も高い仕組みだと説明する。

FUN UP代表取締役の山口絵里氏

FUN UP代表取締役の山口絵里氏

これに加えて販売代金の10%をユーザーの売上として還元する仕組みを導入。これによってサービスを正式版として提供するとした。

「今まではまず、アプリで手軽にハンドメイド作品を作れるという『作る楽しみ』を追求してきた。この仕組みを入れることで作ったものに対するインセンティブを提供できるようになる。これからは『買う楽しみ』までを提供していきたい」(FUN UP代表取締役の山口絵里氏)。

作り手となるユーザーが自分のブランドの作品をソーシャルで伝える、また買い手のユーザーが自分の趣味と合う作り手を探すような仕組みを導入したいと語る。

今後はファッション系メディアとの共同企画やインフルエンサーによるオリジナルブランドの展開などで広く認知を図る。また、クラウドファンディングのような共同購入モデルの導入も検討する。パーツのロット数が多くなれば、販売価格の低減にもつながる。

将来的にはアクセサリーだけでなく、家具や靴など、さまざまな領域でのモノづくりができるプラットフォームにしていくことも検討中だ。「パーツメーカーなどの工場は衰退しつつある。職人はいいモノを作っても、自ら作品のデザインをして、売るということが難しい。また商社は安価な海外製パーツを購入する流れがある」(山口氏)。monomyが消費者と地域の職人を結ぶプラットフォームになればいい、という話だ。

「monomy」の今後の展開イメージ

FUN UPは2011年の設立。山口氏はヤフーでコンシュマー向けサービスの企画などを担当した後に同社を立ち上げた。当初はメディアやアプリの運用、企画などに外部プロデューサーとして関わるクライアントワークを中心にしていた。「もともとは文化(文化服飾専門学院)の出身。アパレルの世界にいたが25歳になってインターネットの世界を知って、何かを作りたいと思っていた。そこで大手のネット企業で学び、独立して仕事をする合間にやりたいプロダクトを考えていた」(山口氏)

その後2014年末からmonomyを企画し、現在は同事業に注力している。同社はこれまでにコロプラ元取締副社長の千葉功太郎氏、ソウゾウ代表取締役の松本龍祐氏、楽天元代表取締役副社長執行役員の島田亨氏など複数のエンジェル投資家から合計数千万円の資金を調達している。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。