アマゾンのベゾス氏が退任、新CEOにAWSトップのアンディ・ジャシーが就任

Amazon(アマゾン)の創業者でCEOのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は常に、毎日がDay 1だと言って従業員を鼓舞することを好んだ。そして米国時間7月6日は、後継者であるAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏にとってのDay 1であり、正式にAmazonのCEOに就任した。

ベゾス氏は2021年2月、自身の慈善活動のDay 1 FundやBezos Earth Fund、億万長者である同氏の宇宙企業Blue Origin、2013年に買収した新聞The Washington Postなどの事業に注力するためにCEO職を退くと発表した

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ベゾス氏はCEOを退任しても、取締役会長として残る。しかし今後Amazonの舵取りをするのは、大きな成功を収めたAWSクラウドインフラ部門の構築にこれまでのキャリアの大半を費やしてきたジャシー氏となる

ジャシー氏は1997年にAmazonに入社し、ベゾス氏のエグゼクティブアシスタントとしてしばらく働き、ウェブサービスを統合したAmazon Web Servicesを立ち上げるアイデアを具現化するのをサポートした。ジャシー氏は初期からAWSに関わり、年間売上500億ドル(約5兆5310億円)という大事業に育てるのを手伝った。そして2016年にAWSのCEOに昇格した。

ウォールストリートジャーナル紙は、現在ランレートが540億ドル(約5兆9730億円)であるクラウド部門のAWSがもし独立した会社であれば、Fortune 500社の中で69位にランクインする、と報じた。ジャシー氏がFortune 500社リストで2位に入っているAmazonを継ぐというのはすごいことだ。パンデミックによってオンラインショッピングが促進されたためAmazonは売り上げを大幅に増やすことができ、2020年の売上高は3860億ドル(約42兆6950億円)に達した

新型コロナウイルス感染が落ち着き、人々が再び対面で買い物し始めることができるようになるのにともない、ジャシー氏は成長を維持し続けることを含めて多くの困難に直面することになる。また、米国とEUにおける独禁法に絡む政府の動きAmazon倉庫の組合設立の推進Amazonの成長マーケット影響力に対する一般的な恐怖などに対処する必要もある。

経営移行のような役員のイス取りゲームでは影響力が働く傾向にある中で、Tableauの元CEOであるAdam Selipsky(アダム・セリプスキー)氏がジャシー氏の後任としてAWSのCEO職を継ぐ。セリプスキー氏は2016年にTableaump経営に携わるようになる前に、AWSの立ち上げで10年以上ジャシー氏を支えた。

立会時間前の取引でAmazonの株価は0.42%上昇し、市場関係者が同社での権限委譲がスムーズに行われることを予想していることを伺わせている。ジャシー氏は何年にもわたって経営陣の主要メンバーであり、初めから現在に至るまでAWSを築き上げたという点でかなり成功したが、現在、Amazon全体を経営することになり、その役割に適任であることを示す必要がある。

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画像クレジット:Ron Miller/TechCrunch

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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