アマゾン傘下のドアホンメーカー「Ring」が行方不明児の捜査に協力

Amazon(アマゾン)傘下のRingは、全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)と協力して、Ringのコミュニティーアプリ「Neighbors」に行方不明の子供たちのポスターを掲載する。Neighborsは地域の犯罪のニュースや安全に関わる事象を地域コミュニティーで共有するための無料アプリで、Ringのドアホンやカメラのユーザーに限らず誰でも利用できる。

NCMECは24時間のホットライン(1-800-THE-LOST)を開設して米国内の行方不明の子供を探すとともに、アンバーアラート(公衆メディア経由の緊急警報)やソーシャルメディアへの投稿を通じて行方不明者の情報を共有している。Ringとの提携によって、NCMECは数百万人からなるアプリのコミュニティーを通じて広範囲の人々とつながることができる。コミュニティーにはRingのビデオドアホンのユーザーがいるので、NCMECで共有できる重要情報を持っている可能性がある。

Ringによると、最近このしくみによって米国ニューメキシコ州アルバカーキで行方不明の子供が家族と再会した。ただしこのケースに誘拐は関係していない。いなくなった14歳の少年はフットボールの試合の後、父親に拾ってもらうのを待っていたが場所を間違えていた。携帯電話も自宅の電話番号もなかったため、助けを求めることができなかった。家族は警察に届け、RingのNeighborsアプリに迷子通知を掲載したところ、アプリユーザーのひとりが少年を見つけて両親に連絡した。

NCMECは今回の提携によって、すでにNeighborsアプリで行われているような情報交換を正式なものにすることを考えている。メンバーの誰かが見たことを拡散したり、上の事例のように自分の子供が行方不明になった親が助けを求めるケースなどだ。

Ringによると、NCMECの行方不明児のポスターは、関連地域のメンバー全員に公開される。捜索に役立つ可能性のある情報を持つ人に通報を促す投稿も行われる。

FBIによると、2018年に警察に届け出のあった子供の行方不明事例は42万4066件だった、とRingは付け加えた。

この提携は、Ringの世間におけるイメージを払拭する必要があるタイミングに発表された。

Amazon傘下の同社は、 警察との関係で批判を受けて議会による調査まで行われたほか、顔認識技術の利用にまつわる計画についても問題になった。最近では、RingのドアホンからWi-Fiパスワードがハッカーに流出したことも発覚した。Ringは二要素認証などによる高度なセキュリティーを必須にしていなかったため、ユーザー名とパスワードを入手したハッカーが侵入し全米のユーザーを攻撃する事件も起きた。

一連の事件をきっかけに、複数の消費者団体やプライバシーグループがRingのカメラに対する製品警告を発信し、RingのNeighborsアプリがデバイスの位置情報などの非公開情報を共有していたことも指摘した。

こうした深刻な問題を抱えながらも、RingのNeighborsアプリのアクティブユーザーは増え続けている。Sensor Towerによると、これまでに米国ではNeighborsが700万回インストールされている。Ringのドアホンは現在世界中で1000万台以上設置されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook