アメリカへの入国にはソーシャルメディアのパスワードが必要になるかもしれない

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近々この国に入るためにはパスワードが必要になるかもしれない。Facebookのパスワードだ。国土安全保障長官のジョン・ケリーは、論争のさなかにあるトランプ大統領の移民拒否問題に関連して、下院国土安全保障委員会にこの方法を提案した。

「パスワードを使って彼らのソーシャルメディアに入りたい。職業は何なのか、どんな発言をしているのか。協力したくない者は入国できない」とケリー氏は委員会で言った。NBC Newsが報じた

これはイスラム主流の7か国(イラン、イラク、シリア、イエメン、スーダン、およびリビア)を指している。大統領令が移民や難民の入国を阻止しようとしている国々だ。長官はこれが公式な政策決定ではなく、その可能性に一定の信頼度があることを示すための報道向けの発言であることを付け加えた。

検証手続の一部にソーシャルメディアを利用するアイデアは新しくない。事実オバマ政権は、日常的な申請用紙に「あなたのオンラインでの存在に関連する情報:プロバイダー/プラットフォーム、ソーシャルメディア個人情報」を任意で入力する欄を追加する提案をした。検討はされたものの、結局パスワードを要求することはなかった。

おそらくソーシャルメディアのプロフィールを深く堀り下げる正当な理由がないからだろう。ケリー長官は後に公聴会で「誰かが『私はこの町から来た、これが私の職業だ』と言えば、政府職員は個人の言葉を受け入れるしかない」と語っている。

もちろん、どのプラットフォープ上でもソーシャルメディアアカウントを偽わったり、他人のアカウントを名乗ったりすることは驚くほど簡単だ。ソーシャルメディアはちょっとした情報を得るには便利だが、正確な事実を抽出しようとした途端、わらをつかんでいるような状態になる。

もちろんこれとは別に、誰かに任意でパスワードを提供させようとすることの、プライバシーやセキュリティーの問題があるが、あまりに明白なので詳しく説明する必要はないだろう。

問題の大統領令の運命はまだ宙に浮いているが、結果がどうなるにせよ、〈この〉提案が実施されないことを願うばかりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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