アルファベット傘下Waymoが中国メーカー「Geely」と提携、米国での配車サービス用電動AVを製造へ

Alphabet(アルファベット)の自律走行技術部門であるWaymo(​​ウェイモ)は、中国の自動車メーカーGeely(吉利)と提携し、全電動の自動運転配車サービス車両を製造する。WaymoのAVシステムであるWaymo DriverをGeelyのZeekr車両に統合し「数年内」に米国市場で使用する予定だ。

Waymoは生産開始時期やこれらの車両が路上を走るようになる時期など具体的なタイムフレームを示していないが、この提携はWaymoがOEM提携に向けたマルチプラットフォーム・アプローチを追求していることを示している。Waymoの現在の配車サービス車両は、Jaguar(ジャガー)のI-PacesとChrysler Pacifica(クライスラー・パシフィカ)のハイブリッド構成で、アリゾナ州フェニックスで自律走行による乗車を提供している。また、 Fiat Chrysler automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)を傘下に持つStellantis(ステランティス)との提携を拡大し、ローカル配送サービスも行っている。Waymoの広報担当者によると、吉利との計画によるWaymoの既存の提携への影響はないとのことだ。

Geelyが2021年3月に立ち上げた高級EVブランドZeekrは11月、初のプレミアムモデルである洗練されたクロスオーバーを中国で発売した。Waymoのバージョンは、レンダリング画像ではミニバンのような外観で、スウェーデンのヨーテボリでカスタム設計とエンジニアリングが行われている。米国に出荷された後、Waymoがライダー、センサー、カメラなどのハードウェアとソフトウェアを含む同社のDriverを車両に統合し、自社の配車サービスフリートで展開する予定だと同社は話している。

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Waymoのブログ記事によると、Zeekrの車両は「ライダーファースト」に設計されていて「よりアクセスしやすいフラットフロア、Bピラーレス設計による容易な乗降、低い踏み込み高、ゆったりした頭上と足元のスペース、完全に調節可能なシート」を備えている。完全なドライバーレス化を見据えてハンドルやペダルがない代わりに、ゆったりとくつろげるよう頭上と足元のスペースは十分に確保され、リクライニングシートやスクリーン、充電器も手の届くところに設置される。

Cruise(クルーズ)やArgo AI(アルゴAI)など他のAV企業も、専用の配車サービス用EVの計画を明らかにしている。Cruiseは2020年、ライドシェア向けのOriginを発表した。9月にはArgoとVolkswagen(フォルクスワーゲン)が共同開発した自律走行バンのID Buzz ADの計画を明らかにし、2025年にドイツのハンブルクで自律走行配車プールシステムの一部として商業展開する予定だ。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

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