アンソニー・リン氏が暫定就任から6カ月でIntel Capitalの正式な社長に

Wedell Brooks(ウェンデル・ブルックス)氏がIntel Capital(インテルキャピタル)のマネージングパートナー、そして社長の職を2020年8月に辞した時、Anthony Lin(アンソニー・リン)氏が暫定的に後を継いだ。当時、リン氏が正式にその役割を与えられるのかは明らかではなかったが、6カ月が経った米国時間2月18日、その答えが明らかになった。

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同社のウェブサイトで公開された、ポートフォリオ企業のCEOたちに送られたレターの中で、リン氏は正式に2つの役職に就いたことにさりげなく言及した。「Intel Capitalのマネージングパートナーと社長に指名されたことをお知らせしたいと思います。過去数年、私は投資委員会のメンバーで、我々の起業家の才能と我々のチームに謙虚に畏敬の念を抱いていました」と書いた。

Intelは何年も支配してきた半導体分野で再び存在感を示すのに苦戦しており、混乱の時期にリン氏は役割を担う。一方、Intelを率いる新CEOには2021年1月にVMwareから戻ってきたPat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)氏が就いている。

Intelの企業投資部門として、Intel Capitalは親会社が将来どこにリソースを投資すべきかを理解するのをサポートできる企業を探している。それがIntel Capitalの最終目標なら、おそらく同社はいい仕事をしてこなかった。Intelはイノベーションに関して競争力をいく分、失ったからだ。

Intel Capitalで以前M&Aと国際投資の責任者を努めていたリン氏は、親会社に正しい方向を示し、またIntelのプラットフォームでイノベーティブなソリューションを構築する新たな方法を見つけるのをサポートするのに投資資金のパワーを使うことができる。

リン氏は2020年が皆にとっていかに困難な年だったかを理解していて、Intel Capitalもその例外ではない。しかし同社はスタートアップ75社に投資した。ここには35の新規案件と以前投資したことのある企業が絡んだ40件が含まれる。同社はまた、多様な創業者がいる企業に投資すると約束している。リン氏によると、そのために新たなベンチャーステージの資金の35%が多様なリーダーが率いるスタートアップに注入された。

さらに同社は全案件の15%を黒人創業者の会社とする5カ年のコミットメントを発表した。その目標に向け進展はあったが、それでも道のりはまだ長い。「2020年末時点で、当社の新規ベンチャー案件の9%、ベンチャー投資資金の15%が黒人創業者が率いる企業のものでした。さらに進めるべきということは承知していて、当社は引き続き多様性あるインクルーシブなチームを励まし、支え、そして投資します」とリン氏は書いた。

社長職を引き継ぎ、同氏には今、大きな困難が待ち受けている。健全な投資をしながら、ゲルシンガー氏がインテルの目標を達成するのをサポートするためにインテルキャピタルの資金を使う必要がある。

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

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